JP2551982B2 - 芳香族ポリエステルとその製造法 - Google Patents

芳香族ポリエステルとその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、各種光学機器用素材として有用な新規な芳
香族ポリエステルとその製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
プラスチック光学素子は、ガラス製のものに較べて軽
い、耐衝撃性に優れる、研磨が不用である、大量生産が
容易である、非球面レンズが量産できるなどの利点を有
することから、近年その需要が増大している。ポリエス
テル樹脂は、耐熱性、透明性に優れ、また、屈折率も高
む強靭な樹脂であるが、耐透湿性が低いうえ、流動性が
低く、成形時の歪みにより光学異方性が発生しやすく、
光学材料としては不適な樹脂であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、従来のポリエステル樹脂のもつこのような
難点を解消し、耐透湿性にすぐれ、流動性もよく、光弾
性係数も低く、成形時の残留応力による歪みの小さく、
光学的に均質な成形品を提供しうる新規な芳香族ポリエ
ステルを提供しようとするものである。
また、本発明は、このような新規な芳香族ポリエステ
ルを製造する方法をも提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意研究を重
ねた結果、芳香族の密度の高い特定構造を有する芳香族
ポリエステルにおいて前記目的が達成されることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、一般式 (式中、Xは−O−、−S−、−(−CH2−、 であり、 ただしR1およびR2はそれぞれ水素原子、炭素数1〜6の
アルキル基、またはフェニル基であり、mは2〜10の整
数であり、nは4〜8の整数である。) で表される繰り返し単位を有し、かつ塩化メチレンを溶
媒とする0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元粘度が
0.2dl/g以上であることを特徴とする新規な芳香族ポリ
エステルを提供するものである。
還元粘度が0.2dl/g未満では、成形品の機械的強度が
充分でない。また、本発明の芳香族ポリエステルの還元
粘度の好ましい範囲は、0.2〜4.0dl/gである。還元粘度
が4.0dl/gを超えると、流動性が低下することがある。
本発明の芳香族ポリエステルにおいて好ましいポリエ
ステルは、一般式 で表される繰り返し単位と、一般式 で表される繰り返し単位とを有するものである。
一般式(I)と一般式(II)で表される繰り返し単位
の割合は任意の割合とすることができ、(I)が100モ
ル%であっても(II)が100モル%であってもよい。
本発明の新規な芳香族ポリエステルは、例えば、本発
明の製造法に従い、一般式 (式中、Xは上記と同じ意味を有する。) で表される二価フェノールと、テレフタル酸および/ま
たはイソフタル酸、あるいはテレフタル酸の反応性誘導
体および/またはイソフタル酸の反応性誘導体とを反応
させることにより製造することができる。
本発明の製造法において用いられる一般式(III)の
二価フェノールとしては、例えば、ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−フェ
ニル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3
−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,3−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,4−ビス(3−フェニル−4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン、1,6−ビス(3−フェニル−4
−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,8−ビス(3−フ
ェニル−4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,10−ビ
ス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)
エタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フ
ェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、3,3−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフ
ェニル)ペンタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フ
ェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロペンタン、2,2−ビス(3−フェニル−4
−ヒドロキシフェニル)オクタン、ジフェニル−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタンなど
を挙げることができる。
これらの中でも、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、1−フェニル−1,1−ビ
ス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが
好適である。
本発明において、イソフタル酸の反応性誘導体とはイ
ソフタル酸エステル、例えばイソフタル酸ジフェニルエ
ステル、およびイソフタル酸ハライド、例えばイソフタ
ル酸ジクロリドを意味する。
本発明において、テレフタル酸の反応性誘導体とはテ
レフタル酸エステル、例えばテレフタル酸ジフェニルエ
ステル、およびテレフタル酸ハライド、例えばテレフタ
ル酸ジクロリドを意味する。
本発明の製造法を実施するにあたっては、溶融重合
法、溶液重合法、および界面重合法のいずれをも採用す
ることができる。
溶融重合法の場合、一般式(III)の二価フェノール
の酢酸エステルとイソフタル酸および/またはテレフタ
ル酸、あるいは二価フェノールとイソフタル酸ジフェニ
ルエステルおよび/またはテレフタル酸ジフェニルエス
テルとを、溶融させ、通常120〜300℃の温度で、減圧下
に1〜10時間反応させ、本発明の新規芳香族ポリエステ
ルを得る。
溶液重合法の場合、一般式(III)の二価フェノール
とイソフタル酸ハライドおよび/またはテレフタル酸ハ
ライドとを、有機溶媒中、脱ハロゲン酸剤の存在下、5
〜100℃の温度で、1〜10時間反応させ、本発明の新規
ポリエステル樹脂を得る。使用しうる有機溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、1,2−ジクロ
ロエタン、クロロベンゼン等が挙げられる。また、使用
しうる脱ハロゲン酸剤としては、トリエチルアミン等の
アミン類が挙げられる。この方法においては、触媒は必
須ではないが、通常、第4級アンモニウム塩、スルホニ
ウム塩などが触媒として用いられる。
界面重合法の場合、一般式(III)の二価フェノール
をアルカリ水溶液に溶解し、イソフタル酸ハライドおよ
び/またはテレフタル酸ハライドを水と混ざらない溶媒
に溶解し、得られた両溶液を撹拌混合して反応させ、本
発明の新規芳香族ポリエステルを得る。反応温度は通
常、2℃から使用する有機溶媒の沸点以下、好ましくは
5〜50℃であり、反応時間は通常1分から24時間、好ま
しくは0.1〜2時間である。アルカリ水溶液としては、
例えば水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶
液、水酸化リチウム水溶液を用いることができ、使用す
るビスフェノール類を完全に溶解する濃度とする。上記
の水と混ざらない溶媒としては、塩化メチレン、四塩化
炭素、クロロホルム等を用いることができる。さらに、
重縮合反応を促進するために、トリエチルアミンなどの
第3級アミン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロ
リドなどのアンモニウム塩等の触媒を添加して反応を行
うことが望ましい。触媒の添加量はポリマー1モルに対
し0.1〜100ミリモルとすることが好ましい。イソフタル
酸ハライドおよび/またはテレフタル酸ハライドは通常
有機溶剤に1〜40W/V%、好ましくは5〜30W/V%、ビス
フェノール類はアルカリ水溶液に通常1〜30W/V%、好
ましくは5〜20W/V%の濃度になるようにして反応させ
る。また、重合度を調整するために、フェノール、o−
フェニルフェノール等のフェニルフェノール、ハロゲン
化フェノール、p−t−ブチルフェノール、ノニルフェ
ノール、オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸エス
テル類、ヒドロキシフェニルカルボン酸エステル類など
の分子量調節剤を添加することが望ましい。
このようにして得られた本発明の芳香族ポリエステル
は、耐透湿性にすぐれ、流動性もよく、光弾性係数も低
く、従って成形時に発生する歪みが小さく、光学的に均
質な成形品を提供しうるものである。
本発明の新規な芳香族ポリエステルは、通常ポリエス
テル樹脂の成形に用いられている方法、例えば射出成
形、押出成形、ブロー成形等により成形することがで
き、通常使用されている成形装置を適用することができ
る。
前記成形法においては、本発明の芳香族ポリエステル
をそのまま成形してもよいが、必要に応じ、酸化防止
剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤
等、通常ポリエステル樹脂に添加される添加剤を配合す
ることができる。
使用される酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−
t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニ
ソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノー
ル、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,
2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフ
ェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス〔メチ
レン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕メタン、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン等のフェノール系化合物、フェニル−β−ナ
フチルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジ
アミン等のアミン系化合物、トリス(ノニルフェニル)
ホスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリオク
タデシルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォス
ファイト等のリン系化合物、ジラウリルチオジプロピオ
ネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステア
リルチオジプロピオネート等の硫黄化合物などが挙げら
れる。
使用される難燃剤としては、例えば、ポリブロモスチ
レン、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビ
スフェノールA等のハロゲン系難燃剤、リン酸アンモニ
ウム、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェ
ート、酸性リン酸エステル等のリン系難燃剤、酸化ス
ズ、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤が挙げられる。
使用される紫外線吸収剤としては、例えば、フェニル
サリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート等
のサリシル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2′−
ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤等が挙げられる。
使用される帯電防止剤としては、例えば、ポリオキシ
エチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキル
アミド等の非イオ系帯電防止剤、アルキルスルホネー
ト、アルキルベンゼンスルホネート等のアニオン系帯電
防止剤、第4級アンモニウムクロライド、第4級アンモ
ニウムサルフェート等のカチオン系帯電防止剤、アルキ
ルベタイン型、アルキルイミダゾリン型等の両性帯電防
止剤等が挙げられる。
使用される滑剤としては、脂肪族系炭化水素、高級脂
肪族系アルコール、脂肪酸アマイド系、金属石鹸系、脂
肪酸エステル系などの滑剤が挙げられる。
使用される着色剤としては、プラスチックの着色に使
用される通常の着色剤を使用することができる。
さらに、本発明の芳香族ポリエステルには、成形に際
し、さらに他の成分、例えば着色や透明性の劣化を防止
するための亜リン酸エステル類、メルトインデックス値
を増大させるための可塑剤等を添加することができる。
この際使用される亜リン酸エステル類としては、例え
ばトリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシ
ル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリスス
テアリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ト
リクレジルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホ
スファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイ
ト、デシルジフェニルホスファイト、フェニル−ジ−2
−エチルヘキシルホスファイト、フェニルジデシルホス
ファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、ジステア
リルペンタエリスリチルジホスファイト、ジフェニルペ
ンタエリスリチルジホスファイトなどが挙げられる。
また、可塑剤としては、例えば2−エチルヘキシルフ
タレート、n−ブチルフタレート、イソデシルフタレー
ト、トリデシルフタレート、ヘプチルフタレート、ノニ
ルフタレート等のアルキルフタレート類、2−エチルヘ
キシルアジペート、2−エチルヘキシルセバケート等の
二塩基酸のアルキルエステル類、リン酸トリブチル、リ
ン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフ
ェニル等のリン酸アルキルエステル類、エポキシ化オレ
イン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸ブチル等のエポ
キシ化脂肪酸エステル類、あるいはポリエステル形可塑
剤、塩素化脂肪酸エステル類などが挙げられる。
また、本発明の芳香族ポリエステルの特性を損なわな
い範囲で、他の樹脂を配合して成形してもよい。
本発明の芳香族ポリエステルは新規なものであって、
成形性および光学的性質に優れており、スチールカメ
ラ、ビデオカメラ、望遠鏡、眼鏡、コンタクトレンズ、
プリズム類、オプティカルファイバー、ビデオディス
ク、オーディオディスク、光メモリーディスクなどの光
学機器用素材や透明電極、導電性フィルムなど各種産業
用資材の素材として好適に使用できる。
〔実施例〕
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
実施例1 反応器中で38.0gの2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンおよび50mgのp−t−ブチ
ルフェノールを1M−KOH400mlに溶解させた。液温を20℃
に調節し、触媒としてトリエチルアミン0.7mlを加え、
激しく撹拌した。
一方、イソフタル酸クロライド20.3gを塩化メチレン1
50mlに溶解させ、先に調製したアルカリ水溶液中に速や
かに添加した。添加後も撹拌を続け、30分間反応させ
た。反応終了後、撹拌を停止し、塩化メチレン400mlを
加えて静置分離した。有機相を希塩酸にて中和洗浄し、
さらに水洗を4回繰り返した。得られた重合体の塩化メ
チレン溶液を約5のメタノールに注入してポリマーを
沈澱、単離した。得られたポリマーの還元粘度(ηsp/
c:塩化メチレンを溶媒として0.5g/dl濃度溶液の20℃で
の還元粘度、以下同様)は0.75dl/g、ガラス転移温度は
155℃であった。
また、得られたポリマーの赤外線吸収スペクトル分析
の結果、1780cm-1の位置にカルボニル基による吸収、12
50cm-1の位置にエーテル結合による吸収が確認され、こ
れらのことから、下記の繰り返し単位を有するものと認
められた。
このポリエステル樹脂の光弾性係数および透湿度は、
第1表に示すとおりであった。
実施例2 イソフタル酸クロライド20.3gの代わりに、テレフタ
ル酸クロライド20.3gを用いた以外は実施例1と同様の
操作を行った。
ηsp/cは0.65dl/g、ガラス転移温度は162℃であっ
た。
得られたポリマーの赤外線吸収スペクトル分析の結果
は、実施例1と同様であり、下記の繰り返し単位を有す
るものと認められた。
このポリエステル樹脂の光弾性係数および透湿度は、
第1表に示すとおりであった。
実施例3 反応器中で、500mlの水に水酸化カリウム14.8gを溶解
し、続いてこの水溶液中に2,2−ビス(3−フェニル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン38.0g、トリメチル
ベンジルアンモニウムクロリド0.17g、およびO−フェ
ニルフェノール0.2gを溶解し、液温を10℃に調整した。
一方、テレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド各
10.1gを塩化メチレン308gに溶解し、得られた溶液を10
℃に調節した。この酸クロリドの塩化メチレン溶液を激
しく撹拌しつつ、先に調整した2,2−ビス(3−フェニ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのアルカリ水溶
液に速やかに添加した。添加後も撹拌を続け、50分間反
応させた。反応終了後、撹拌を止め、静置分離して有機
相を希塩酸で中和洗浄した後、水洗を5回繰り返した。
得られた全芳香族ポリエステル共重合体の塩化メチレン
溶液を3のメタノールに注入してポリマーを沈澱さ
せ、単離した。得られたポリマーのフレークを80℃で24
時間乾燥した。得られたポリマーの還元粘度は0.50dl/g
であり、ガラス転移温度は178℃であった。また、得ら
れたポリマーの赤外線吸収スペクトル分析の結果は、実
施例1と同様であり、下記の繰り返し単位からなるもの
と認められた。
また、このポリエステル樹脂の光弾性係数および透湿
度は、第1表に示すとおりであった。
実施例4 2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンの代わりに、1−フェニル−1,1−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタンを用
いた以外は実施例3と同様の操作を行った。
得られたポリマーの還元粘度は、0.55dl/gであり、ガ
ラス転移温度は185℃であった。また、赤外線吸収スペ
クトル分析の結果は、実施例1と同様であり、下記の繰
り返し単位からなるものと認められた。
このポリエステル樹脂の光弾性係数および透湿度は、
第1表に示すとおりであった。
比較例1 2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンの代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンを用いた以外は実施例3と同様の操
作を行った。
また、得られたポリエステル樹脂の還元粘度〔ηsp/
c〕は0.57dl/gであり、ガラス転移温度は188℃であっ
た。
このポリエステルは、下記の繰り返し単位からなるも
のであることが認められた。
また、このポリエステルの光弾性係数および透湿度
は、第1表に示すとおりであった。
〔発明の効果〕 本発明によれば、良好な耐熱静、透明性、および機械
的強度ならびに高い屈折率を有するのみならず、耐透湿
性にすぐれ、流動性もよく、光弾性係数も低い新規な芳
香族ポリエステルを得ることができる。本発明の芳香族
ポリエステルは成形時の残留応力による歪みが小さく、
光学的に均質な成形品を提供しうるものであり、その工
業的価値は大である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Xは−O−、−S−、−(−CH2−、 であり、 ただしR1およびR2はそれぞれ水素原子、炭素数1〜6の
    アルキル基、またはフェニル基であり、mは2〜10の整
    数であり、nは4〜8の整数である。) で表される繰り返し単位を有し、かつ塩化メチレンを溶
    媒とする0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元粘度が
    0.2dl/g以上であることを特徴とする芳香族ポリエステ
    ル。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、Xは−O−、−S−、−(−CH2−、 であり、 ただしR1およびR2はそれぞれ水素原子、炭素数1〜6の
    アルキル基、またはフェニル基であり、mは2〜10の整
    数であり、nは4〜8の整数である。) で表される二価フェノールと、テレフタル酸および/ま
    たはイソフタル酸、あるいはテレフタル酸の反応性誘導
    体および/またはイソフタル酸の反応性誘導体とを反応
    させることを特徴とする一般式 (式中、Xは上記と同じ意味を有する。) で表される繰り返し単位を有し、かつ塩化メチレンを溶
    媒とする0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元粘度が
    0.2dl/g以上である芳香族ポリエステルの製造法。
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