JP2505166B2 - 新規共重合体とその製造法 - Google Patents
新規共重合体とその製造法Info
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- JP2505166B2 JP2505166B2 JP61198967A JP19896786A JP2505166B2 JP 2505166 B2 JP2505166 B2 JP 2505166B2 JP 61198967 A JP61198967 A JP 61198967A JP 19896786 A JP19896786 A JP 19896786A JP 2505166 B2 JP2505166 B2 JP 2505166B2
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- hydroxyphenyl
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- bis
- hydrogen
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光学機器用素材、電気・電子機器用素材、
その他の一般成形材料等として用いられる光学的性質に
優れた新規なポリカーボネート系の共重合体とその製造
法に関する。
その他の一般成形材料等として用いられる光学的性質に
優れた新規なポリカーボネート系の共重合体とその製造
法に関する。
ポリカーボネート樹脂は、一般にビスフェノールA
〔2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〕を
原料とし、これにホスゲンやジフェニルカーボネートな
ど炭酸エステル形成性化合物を反応させて得たものが用
いられている。ところが、このようにして得られるポリ
カーボネート樹脂は、透明性や耐熱性、機械的強度に優
れているので広汎な用途に用いられているが、射出成形
などの成形品の応力光学歪みが大きく、複屈折が大きい
ため光学機器用の素材としては満足すべきものではなか
った。
〔2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〕を
原料とし、これにホスゲンやジフェニルカーボネートな
ど炭酸エステル形成性化合物を反応させて得たものが用
いられている。ところが、このようにして得られるポリ
カーボネート樹脂は、透明性や耐熱性、機械的強度に優
れているので広汎な用途に用いられているが、射出成形
などの成形品の応力光学歪みが大きく、複屈折が大きい
ため光学機器用の素材としては満足すべきものではなか
った。
本発明は、光学的性質に優れた、特に光弾性係数の小
さいポリカーボネート系共重合体とその製造法を提供す
ることを目的とする。
さいポリカーボネート系共重合体とその製造法を提供す
ることを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を
重ねた結果、特性のビスフェノールを共重合させること
により、その目的を達成することを見い出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
重ねた結果、特性のビスフェノールを共重合させること
により、その目的を達成することを見い出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の共重合体は、 式 および 式 (式中、X1は水素またはC1〜C5のアルキル基であり、X2
は であり、Y1、Y2はそれぞれ水素またはC1〜C5のアルキル
基であり、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ水素またはC1
〜C5のアルキル基である)で表される繰り返し単位から
なり、塩化メチレンを溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の2
0℃における還元粘度〔ηsp/c〕が0.3dl/g以上であるこ
とを特徴とする。〔I〕および〔II〕の共重合組成は任
意の組成とすることができるが、〔II〕で示される繰り
返し単位の共重合体中のモル分率は0.05〜0.6の範囲が
望ましい。0.05未満では光弾性係数の低下が十分でな
く、また0.6を超えると耐熱性の低下が大きくなる。
は であり、Y1、Y2はそれぞれ水素またはC1〜C5のアルキル
基であり、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ水素またはC1
〜C5のアルキル基である)で表される繰り返し単位から
なり、塩化メチレンを溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の2
0℃における還元粘度〔ηsp/c〕が0.3dl/g以上であるこ
とを特徴とする。〔I〕および〔II〕の共重合組成は任
意の組成とすることができるが、〔II〕で示される繰り
返し単位の共重合体中のモル分率は0.05〜0.6の範囲が
望ましい。0.05未満では光弾性係数の低下が十分でな
く、また0.6を超えると耐熱性の低下が大きくなる。
また、還元粘度が0.3dl/g未満だと機械的強度が十分
でない。
でない。
本発明の新規共重合体は、例えば本発明の方法に従
い、式 および 式 (式中、X1、X2、n、Y1、Y2、R1、R2、R3およびR4は前
記と同じ意味を有する)で表される二価フェノールを、
炭酸エステル形成性化合物と反応させることにより製造
することができる。
い、式 および 式 (式中、X1、X2、n、Y1、Y2、R1、R2、R3およびR4は前
記と同じ意味を有する)で表される二価フェノールを、
炭酸エステル形成性化合物と反応させることにより製造
することができる。
本発明に用いられる〔III〕のビスフェノール類とし
ては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−4−フェニルブタン、2,2−ビス(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)−4−フェニルブタン、1,1−ジ
フェニル−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンなどが挙げられる。
ては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−4−フェニルブタン、2,2−ビス(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)−4−フェニルブタン、1,1−ジ
フェニル−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンなどが挙げられる。
〔IV〕のビスフェノール類としては、例えば、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、4,4−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ペンタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
オクタンなどが挙げられる。
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、4,4−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ペンタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
オクタンなどが挙げられる。
炭酸エステル形成性化合物としては、例えば、ジフェ
ニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェ
ニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニ
ルカーボネート、ジナフチルカーボネートなどのジアリ
ールカーボネート、ホスゲン、プロムホスゲンなどの炭
酸のハロゲン化物などが挙げられる。これらのうちジフ
ェニルカーボネート、ホスゲンが好ましい。
ニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェ
ニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニ
ルカーボネート、ジナフチルカーボネートなどのジアリ
ールカーボネート、ホスゲン、プロムホスゲンなどの炭
酸のハロゲン化物などが挙げられる。これらのうちジフ
ェニルカーボネート、ホスゲンが好ましい。
本発明共重合体の製造法としては、ビスフェノールA
からポリカーボネートを製造する際に用いられている公
知の方法、例えば二価フェノールとホスゲンとの直接反
応、あるいは二価フェノールとビスアリールカーボネー
トとのエステル交換反応などの方法を採用することがで
きる。
からポリカーボネートを製造する際に用いられている公
知の方法、例えば二価フェノールとホスゲンとの直接反
応、あるいは二価フェノールとビスアリールカーボネー
トとのエステル交換反応などの方法を採用することがで
きる。
前者の二価フェノールとホスゲンとの直接反応法にお
いては、通常酸結合剤および溶媒の存在下において、前
記一般式(III)および(IV)で表される二価フェノー
ルとホスゲンとを反応させる。酸結合剤としては、例え
ばピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ金属の水酸化物などが用いられ、また溶媒と
しては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン、キシレ
ンなどが用いられる。さらに、縮重合反応を促進するた
めに、トリエチルアミンのような第三級アミンまたは第
四級アンモニウム塩などの触媒を、また、重合度を調製
するために、フェノール、フェニルフェノール、クルミ
フェノール、p−t−ブチルフェノールなどの分子量調
節剤を添加して反応を行うことが望ましい。また、所望
に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリ
ウムなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。
いては、通常酸結合剤および溶媒の存在下において、前
記一般式(III)および(IV)で表される二価フェノー
ルとホスゲンとを反応させる。酸結合剤としては、例え
ばピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ金属の水酸化物などが用いられ、また溶媒と
しては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン、キシレ
ンなどが用いられる。さらに、縮重合反応を促進するた
めに、トリエチルアミンのような第三級アミンまたは第
四級アンモニウム塩などの触媒を、また、重合度を調製
するために、フェノール、フェニルフェノール、クルミ
フェノール、p−t−ブチルフェノールなどの分子量調
節剤を添加して反応を行うことが望ましい。また、所望
に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリ
ウムなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。
二価フェノールの(III)と(IV)の配合割合は任意
であり、共重合体として光弾性係数の小さいものを得た
い場合には、(III)の化合物の使用割合を増やせばよ
い。
であり、共重合体として光弾性係数の小さいものを得た
い場合には、(III)の化合物の使用割合を増やせばよ
い。
反応は通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲の
温度で行われる。反応時間は反応温度によって左右され
るが、通常1分〜5時間、好ましくは5分〜3時間であ
る。また、反応中は、反応系のpHを10以上に保持するこ
とが望ましい。
温度で行われる。反応時間は反応温度によって左右され
るが、通常1分〜5時間、好ましくは5分〜3時間であ
る。また、反応中は、反応系のpHを10以上に保持するこ
とが望ましい。
一方後者のエステル交換法においては、前記一般式
(III)および(IV)で表される二価フェノールとビス
アリールカーボネートとを混合し、減圧下で高温におい
て反応させる。反応は通常100〜350℃、好ましくは200
〜300℃の範囲の温度において行われ、また減圧度は最
終で好ましくは1mmHg以下にして、エステル交換反応に
より生成した該ビスアリールカーボネートから由来する
フェノール類を系外へ留去させる。反応時間は反応温度
や減圧度などによって左右されるが、通常1〜4時間程
度である。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲
気下で行うことが好ましく、また、所望に応じ、前記の
分子量調節剤や酸化防止剤などを添加して、反応を行っ
てもよい。
(III)および(IV)で表される二価フェノールとビス
アリールカーボネートとを混合し、減圧下で高温におい
て反応させる。反応は通常100〜350℃、好ましくは200
〜300℃の範囲の温度において行われ、また減圧度は最
終で好ましくは1mmHg以下にして、エステル交換反応に
より生成した該ビスアリールカーボネートから由来する
フェノール類を系外へ留去させる。反応時間は反応温度
や減圧度などによって左右されるが、通常1〜4時間程
度である。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲
気下で行うことが好ましく、また、所望に応じ、前記の
分子量調節剤や酸化防止剤などを添加して、反応を行っ
てもよい。
また、あらかじめ式(III)で表されるビスフェノー
ルとホスゲンを重縮合させたり、ビスフェノールと炭酸
ジフェニルを重縮合させてオリゴマーを得、このオリゴ
マーと式(IV)で表される二価フェノールを反応させて
もよいし、逆に、あらかじめ式(IV)で表される二価フ
ェノールとホスゲンあるいは炭酸ジフェニルを重縮合さ
せておき、その後ビスフェノール(III)を反応させて
もよい。
ルとホスゲンを重縮合させたり、ビスフェノールと炭酸
ジフェニルを重縮合させてオリゴマーを得、このオリゴ
マーと式(IV)で表される二価フェノールを反応させて
もよいし、逆に、あらかじめ式(IV)で表される二価フ
ェノールとホスゲンあるいは炭酸ジフェニルを重縮合さ
せておき、その後ビスフェノール(III)を反応させて
もよい。
このようにして得られた本発明の共重合体は、前記一
般式(I)および(II)で表される繰り返し単位からな
る新規なポリカーボネート系共重合体であり、塩化メチ
レンを溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の温度20℃におけ
る還元粘度〔ηsp/c〕が0.3dl/g以上である。この還元
粘度が0.3dl/g未満のものは、重合度が低すぎて本発明
の目的を十分に発揮することができない。
般式(I)および(II)で表される繰り返し単位からな
る新規なポリカーボネート系共重合体であり、塩化メチ
レンを溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の温度20℃におけ
る還元粘度〔ηsp/c〕が0.3dl/g以上である。この還元
粘度が0.3dl/g未満のものは、重合度が低すぎて本発明
の目的を十分に発揮することができない。
本発明共重合体の成形法としては、通常ポリカーボネ
ート樹脂の成形に用いられている方法、例えば射出成形
法、圧縮成形法、射出成形と圧縮成形の折衷法であるロ
ーリンクス法やマイクロモールディングなどの中から任
意の方法を使用することができる。
ート樹脂の成形に用いられている方法、例えば射出成形
法、圧縮成形法、射出成形と圧縮成形の折衷法であるロ
ーリンクス法やマイクロモールディングなどの中から任
意の方法を使用することができる。
前記成形法においては、本発明共重合体をそのまま成
形してもよいが、所望に応じ、該共重合体に各種の成
分、例えば着色や透明性の劣化を防止するための亜リン
酸エステル類、メルトインデックス値を増大させるため
の可塑剤などを配合して成形してもよいし、また、本発
明の共重合体の特性を損なわない範囲で、他の樹脂を配
合して成形してもよい。
形してもよいが、所望に応じ、該共重合体に各種の成
分、例えば着色や透明性の劣化を防止するための亜リン
酸エステル類、メルトインデックス値を増大させるため
の可塑剤などを配合して成形してもよいし、また、本発
明の共重合体の特性を損なわない範囲で、他の樹脂を配
合して成形してもよい。
この際使用される亜リン酸エステル類としては、例え
ばトリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシ
ル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリスス
テアリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ト
リクレジルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホ
スファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイ
ト、デシルジフェニルホスファイト、フェニル−ジ−2
−エチルヘキシルホスファイト、フェニルジデンシルホ
スファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、ジステ
アリルペンタエリスリチルジホスファイト、ジフェニル
ペンタエルスリチルジホスファイトなどが挙げられる。
ばトリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシ
ル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリスス
テアリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ト
リクレジルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホ
スファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイ
ト、デシルジフェニルホスファイト、フェニル−ジ−2
−エチルヘキシルホスファイト、フェニルジデンシルホ
スファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、ジステ
アリルペンタエリスリチルジホスファイト、ジフェニル
ペンタエルスリチルジホスファイトなどが挙げられる。
また、可塑剤としては、例えば2−エチルヘキシルフ
タレート、n−ブチルフタレート、イソデカニルフタレ
ート、トリデカニルフタレート、ヘプチルフタレート、
ノニルフタレートなどのアルキルフタレート類、2−エ
チルヘキシルアジペート、2−エチルヘキシルセバケー
トなどの二塩基酸のアルキルエステル類、リン酸トリブ
チル、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル、リン
酸トリフェニルなどのリン酸アルキルエステル類、エポ
キシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸ブチ
ルなどのエポキシ化脂肪酸エステル類、あるいはポリエ
ステル系可塑剤、塩素化脂肪酸エステル類などが挙げら
れる。
タレート、n−ブチルフタレート、イソデカニルフタレ
ート、トリデカニルフタレート、ヘプチルフタレート、
ノニルフタレートなどのアルキルフタレート類、2−エ
チルヘキシルアジペート、2−エチルヘキシルセバケー
トなどの二塩基酸のアルキルエステル類、リン酸トリブ
チル、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル、リン
酸トリフェニルなどのリン酸アルキルエステル類、エポ
キシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸ブチ
ルなどのエポキシ化脂肪酸エステル類、あるいはポリエ
ステル系可塑剤、塩素化脂肪酸エステル類などが挙げら
れる。
本発明で得られた共重合体には、その他に、例えば紫
外線吸収剤、着色剤、螢光増白剤、難燃剤、帯電防止
剤、充填剤、補強剤などを必要に応じ添加配合してもよ
い。
外線吸収剤、着色剤、螢光増白剤、難燃剤、帯電防止
剤、充填剤、補強剤などを必要に応じ添加配合してもよ
い。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 式〔III〕で表される二価フェノールとして、1,2−ビ
ス(4−ヒドロキフェニル)4−フェニルブタン47.4g
(0.15モル)を用い、式〔IV〕で表される二価フェノー
ルとして、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン34.2g(0.15モル)を用い、これらを8重量%濃度
の水酸化ナトリウム水溶液600ml中に溶解させた溶液
に、塩化メチレン300mlと分子量調節剤としてp−t−
ブチルフェノール3.0g、ならびに触媒としてトリエチル
アミンの10wt%濃度の水溶液1mlを加えた。これらを邪
魔板付き反応器内で激しく攪拌しながら、この中にホス
ゲンガスを20分間吹き込んだ。
ス(4−ヒドロキフェニル)4−フェニルブタン47.4g
(0.15モル)を用い、式〔IV〕で表される二価フェノー
ルとして、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン34.2g(0.15モル)を用い、これらを8重量%濃度
の水酸化ナトリウム水溶液600ml中に溶解させた溶液
に、塩化メチレン300mlと分子量調節剤としてp−t−
ブチルフェノール3.0g、ならびに触媒としてトリエチル
アミンの10wt%濃度の水溶液1mlを加えた。これらを邪
魔板付き反応器内で激しく攪拌しながら、この中にホス
ゲンガスを20分間吹き込んだ。
次に、得られた生成物を塩化メチレン1を用いて希
釈し、次いで水1、0.01規定濃度の水酸化ナトリウム
水溶液500ml、水500ml、0.01規定の塩酸500ml、水500ml
の順に洗浄した。得られた共重合体の塩化メチレン溶液
をメタノール3l中に注入して共重合体を折出させ、白色
粉末状の共重合体85gを得た。
釈し、次いで水1、0.01規定濃度の水酸化ナトリウム
水溶液500ml、水500ml、0.01規定の塩酸500ml、水500ml
の順に洗浄した。得られた共重合体の塩化メチレン溶液
をメタノール3l中に注入して共重合体を折出させ、白色
粉末状の共重合体85gを得た。
ここで、得られた共重合体は、塩化メチレンを溶媒と
する0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元粘度〔ηsp/
c〕は0.43dl/gであった。また、この共重合体の赤外線
吸収スペクトルには、1650cm-1の位置にカルボニル基に
よる吸収がみられ、1240cm-1の位置にエーテル結合によ
る吸収がみられ、カーボネート結合を有することが認め
られた。さらに、NMRスペクトル分析により、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルブタン成分
に含有量が49モル%と算出された。これらのことから、
この共重合体は下記に繰り返し単位を有するものである
ことが判明した。
する0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元粘度〔ηsp/
c〕は0.43dl/gであった。また、この共重合体の赤外線
吸収スペクトルには、1650cm-1の位置にカルボニル基に
よる吸収がみられ、1240cm-1の位置にエーテル結合によ
る吸収がみられ、カーボネート結合を有することが認め
られた。さらに、NMRスペクトル分析により、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルブタン成分
に含有量が49モル%と算出された。これらのことから、
この共重合体は下記に繰り返し単位を有するものである
ことが判明した。
また、この共重合体のガラス転移温度は143℃であり、
光弾性係数は53.6×10-13dyne/cm2であった。
光弾性係数は53.6×10-13dyne/cm2であった。
実施例2 式〔III〕で表される二価フェノールとして、2,2−ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−フェ
ニルブタン51.9g(0.15モル)を用いたほかは、実施例
1と同様にして、次の繰り返し単位からなる共重合体94
gを得た。IRスペクトルは実施例1と同じであった。
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−フェ
ニルブタン51.9g(0.15モル)を用いたほかは、実施例
1と同様にして、次の繰り返し単位からなる共重合体94
gを得た。IRスペクトルは実施例1と同じであった。
また、この共重合体は、還元粘度(実施例1と同条件で
測定、以下同様)が0.46dl/gであり、ガラス転移温度13
9℃、光弾性係数46.3×10-13dyne/cm2であった。
測定、以下同様)が0.46dl/gであり、ガラス転移温度13
9℃、光弾性係数46.3×10-13dyne/cm2であった。
実施例3 式〔III〕で表される二価フェノールとして、1、1
−ジフェニル−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンを61.2g(0.15モル)用いたほかは、実施例1
と同様にして、次の繰り返し単位を有する共重合体101g
を得た。
−ジフェニル−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンを61.2g(0.15モル)用いたほかは、実施例1
と同様にして、次の繰り返し単位を有する共重合体101g
を得た。
また、この共重合体の還元粘度〔ηsp/c〕は0.42dl/gで
あり、ガラス転移温度は172℃、光弾性係数は39×10-13
dyne/cm2であった。
あり、ガラス転移温度は172℃、光弾性係数は39×10-13
dyne/cm2であった。
実施例4 式〔IV〕で表される二価フェノールとして、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代え、2,2−
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン
を38.4g(0.15モル)用いたほかは、実施例1と同様に
して、次の繰り返し単位を有する共重合体87gを得た。
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代え、2,2−
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン
を38.4g(0.15モル)用いたほかは、実施例1と同様に
して、次の繰り返し単位を有する共重合体87gを得た。
また、この共重合体の還元粘度〔ηsp/c〕は0.41dl/gで
あり、ガラス転移温度は132℃、光弾性係数は44×10-13
dyne/cm2であった。
あり、ガラス転移温度は132℃、光弾性係数は44×10-13
dyne/cm2であった。
本発明のポリカーボネート系共重合体は新規なもので
あって、光弾性係数が小さく、光学的に優れた特性を有
するエンジニアリングプラスチックであり、デジタルオ
ーディオディスクや光メモリーディスク等の光学機器用
素材、電気・電子機器用素材としてその工業的価値は極
めて大である。
あって、光弾性係数が小さく、光学的に優れた特性を有
するエンジニアリングプラスチックであり、デジタルオ
ーディオディスクや光メモリーディスク等の光学機器用
素材、電気・電子機器用素材としてその工業的価値は極
めて大である。
Claims (2)
- 【請求項1】式 および 式 (式中、X1は水素またはC1〜C5のアルキル基であり、X2
は であり、Y1、Y2はそれぞれ水素またはC1〜C5のアルキル
基であり、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ水素またはC1
〜C5のアルキル基である)で表される繰り返し単位から
なり、塩化メチレンを溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の2
0℃における還元粘度〔ηsp/c〕が0.3dl/g以上であるこ
とを特徴とする共重合体。 - 【請求項2】式 および 式 (式中、X1は水素またはC1〜C5のアルキル基であり、
Y1、Y2はそれぞれ水素またはC1〜C5のアルキル基であ
り、X2は であり、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ水素またはC1〜
C5のアルキル基である)で表される二価フェノールを、
炭酸エステル形成性化合物と反応させることを特徴とす
る 式 および 式 (式中、X1、X2、Y1、Y2、R1、R2、R3およびR4は前記と
同じ意味を有する)で表される繰り返し単位からなり、
塩化メチレンを溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の20℃に
おける還元粘度〔ηsp/c〕が0.3dl/g以上である共重合
体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61198967A JP2505166B2 (ja) | 1986-08-27 | 1986-08-27 | 新規共重合体とその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP61198967A JP2505166B2 (ja) | 1986-08-27 | 1986-08-27 | 新規共重合体とその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6356523A JPS6356523A (ja) | 1988-03-11 |
JP2505166B2 true JP2505166B2 (ja) | 1996-06-05 |
Family
ID=16399904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61198967A Expired - Lifetime JP2505166B2 (ja) | 1986-08-27 | 1986-08-27 | 新規共重合体とその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2505166B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0668021B2 (ja) * | 1985-08-26 | 1994-08-31 | 三菱化成株式会社 | 光ディスク基板の製造方法 |
-
1986
- 1986-08-27 JP JP61198967A patent/JP2505166B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6356523A (ja) | 1988-03-11 |
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