JP2556859B2 - 新規ポリカ−ボネ−ト系共重合体とその製造法 - Google Patents

新規ポリカ−ボネ−ト系共重合体とその製造法

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JP2556859B2
JP2556859B2 JP62151098A JP15109887A JP2556859B2 JP 2556859 B2 JP2556859 B2 JP 2556859B2 JP 62151098 A JP62151098 A JP 62151098A JP 15109887 A JP15109887 A JP 15109887A JP 2556859 B2 JP2556859 B2 JP 2556859B2
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一吉 重松
隆 中川
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なポリカーボネート系共重合体およびそ
の製造法に関するものである。さらに詳しくいえば、本
発明は、例えば光学機器用素材として有用な、特に高い
屈折率を有するなど、光学的性質に優れ、しかも屈折率
の値を調節できる新規なポリカーボネート系共重合体、
およびその製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、代表的なポリカーボネート樹脂としては、2,2
−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフ
ェノールA)に、ホスゲンやジフェニルカーボネートを
反応させて得られるものが知られており、このものは、
透明性、耐熱性および機械特性に優れる上に、成形精度
が良いなど、優れた性質を有することから、エンジニア
リングプラスチックとして、多くの分野において幅広く
用いられている。
ところで、プラスチック光学素子は、ガラス製のもの
に比べて軽い、耐衝撃性に優れる、研磨が不要である、
大量生産が容易である、非球面レンズが量産できるなど
の利点を有することから、近年その需要が増大してい
る。このプラスチック光学素子の素材として、ポリカー
ボネート系重合体が透明性に優れ、かつ屈折率が高いな
ど光学的性質に優れていて、有用であることが知られて
いるが(特開昭58-126119号公報、特開昭58-179224号公
報)、該光学素子の用途拡大に伴い、さらに優れた光学
的性質を有する新しい素材の開発が望まれていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、このような事情のもとで、光学機器
の素材などとして有用な、優れた光学的性質を有する新
規なポリカーボネート系共重合体を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、新規なポリカーボネート系共重合体に
ついて鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する二価
フェノールと炭酸エステル形成性化合物とを反応させて
得られた新規なポリカーボネート系共重合体が、特に高
い屈折率を有し、しかも屈折率の値を調節できるなど光
学的性質に優れることを見い出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は一般式 〔式中のX、Yは単結合、エーテル結合またはチオエー
テル結合、あるいは−SO2−、 (ただし、R3およびR4はそれぞれ水素原子、炭素数1〜
5のアルキル基またはフェニル基である)、CH2
n(ただし、nは2〜10の整数である)または (だたし、n′は4〜8の整数である)を示し、XとY
とは同じであっても異なっていてもよく、R1およびR2
それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアル
キル基またはフェニル基で、lおよびmはそれぞれ1〜
4の整数である。〕 で表される繰り返し単位からなり、かつ塩化メチレンを
溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の温度20℃における還元
粘度〔ηsp/c〕が0.2dl/g以上であるポリカーボネート
系共重合体を提供するものであり、このポリカーボネー
ト系共重合体は、例えば、一般式 (式中のX、Y、R1、R2、l、mは前記と同じ意味をも
つ) で表される二価フェノールと、炭酸エステル形成性化合
物とを反応させることにより、製造することができる。
本発明の共重合体において、原料として用いる前記一
般式(III)で表される構造を有する化合物としては、
具体的にはビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、1,2−ビス(3−フェニル−4−
ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フェニ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,3−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,4−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)オクタン、1,8−ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1−フェニル−
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)
エタン、ジフェニル−ビス(3−フェニル−4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4
−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、3,3′−ジフェニル−4,4′−ジヒドロキシビ
フェニル、3,3′−ジフェニル−4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルエーテル、3,3′−ジフェニル−4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
また、一般式(IV)で示される化合物としては、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ヘプタン、2,2−(3,5,3′,5′−テト
ラブロモ−4,4′−ジヒドロキシジフェニル)プロパ
ン、(3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ル)メタン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、ビス−(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
などが挙げられる。
一方、炭酸エステル形成性化合物としては、例えばホ
スゲンや、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカ
ーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−
p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネ
ートなどのビスアリールカーボネートが挙げられる。
本発明共重合体の製造法としては、ビスフェノールA
からポリカーボネートを製造する際に用いられている公
知の方法、例えば二価フェノールとホスゲンとの直接反
応、あるいは二価フェノールとビスアリールカーボネー
トとのエステル交換反応などの方法を採用することがで
きる。
前者の二価フェノールとホスゲンとの直接反応法にお
いては、通常酸結合剤および溶液の存在下において、前
記一般式(III)および(IV)で表される二価フェノー
ルとホスゲンとを反応させる。酸結合剤としては、例え
ばピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ金属の水酸化物などが用いられ、また溶媒と
しては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン、キシレ
ンなどが用いられる。さらに、縮重合反応を促進するた
めに、トリエチルアミンのような第三級アミンまたは第
四級アンモニウム塩などの触媒を、また、重合度を調製
するために、p−t−ブチルフェノールやフェニルフェ
ノールなどの分子量調節剤を添加して反応を行うことが
望ましい。また、所望に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイド
ロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよ
い。
二価フェノールの(III)と(IV)の配合割合は任意
であり、共重合体として屈折率の高いものを得たい場合
には、(III)の化合物の使用割合を増やせばよい。そ
の配合割合に応じて屈折率を1.58〜1.67と変化させるこ
とができる。得られた共重合体中の繰り返し単位(I)
の割合を20モル%以上とすると1.60以上の屈折率を有す
る共重合体が得られる。
反応は通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲の
温度で行われる。反応時間は反応温度によって左右され
るが、通常0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間で
ある。また、反応中は、反応系のpHを10以上に保持する
ことが望ましい。
一方後者のエステル交換法においては、前記一般式
(III)および(IV)で表される二価フェノールとビス
アリールカーボネートとを混合し、減圧下で高温におい
て反応させる。反応は通常150〜350℃、好ましくは200
〜300℃の範囲の温度において行われ、また減圧度は最
終で好ましくは1mmHg以下にして、エステル交換反応に
より生成した該ビスアリールカーボネートから由来する
フェノール類を系外へ留去させる。反応時間は反応温度
や減圧度などによって左右されるが、通常1〜4時間程
度である。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲
気下で行うことが好ましく、また、所望に応じ、前記の
分子量調節剤や酸化防止剤などを添加して、反応を行っ
てもよい。
このようにして得られた本発明重合体は、前記一般式 で表される繰り返し単位を有する新規なポリカーボネー
ト系共重合体であり、塩化メチレンを溶媒とする0.5g/d
l濃度の溶液の温度20℃における還元粘度〔ηsp/c〕が
0.2dl/g以上である。この還元粘度が0.2dl/g未満のもの
は、重合度が低すぎて本発明の目的を十分に発揮するこ
とができない。
本発明共重合体は、特に高い屈折率を有しており、ま
た、屈折率の値を調節することができる。
本発明共重合体の成形法としては、通常ポリカーボネ
ート樹脂の成形に用いられている方法、例えば射出成形
法、圧縮成形法、射出成形と圧縮成形の折衷法であるロ
ーリンクス法やマイクロモールディングなどの中から任
意の方法を使用することができる。
前記成形法においては、本発明共重合体をそのまま成
形してもよいが、所望に応じ、該共重合体に各種の成
分、例えば着色や透明性の劣化を防止するための亜リン
酸エステル類、メルトインデックス値を増大させるため
の可塑剤などを配合して成形してもよいし、また、本発
明の共重合体の特性を損なわない範囲で、他の樹脂を配
合して成形してもよい。
この際使用される亜リン酸エステル類としては、例え
ばトリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシ
ル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリスス
テアリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ト
リクレジルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホ
スファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイ
ト、デシルジフェニルホスファイト、フェニル−ジ−2
−エチルヘキシルホスファイト、フェニルジデシルホス
ファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、ジステア
リルペンタエリスリチルジホスファイト、ジフェニルペ
ンタエルスリチルジホスファイトなどが挙げられる。
また、可塑剤としては、例えば2−エチルヘキシルフ
タレート、n−ブチルフタレート、イソデカニルフタレ
ート、トリデカニルフタレート、ヘプチルフタレート、
ノニルフタレートなどのアルキルフタレート類、2−エ
チルヘキシルアジペート、2−エチルヘキシルセバケー
トなどの二塩基酸のアルキルエステル類、リン酸トリブ
チル、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル、リン
酸トリフェニルなどのリン酸アルキルエステル類、エポ
キシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸ブチ
ルなどのエポキシ化脂肪酸エステル類、あるいはポリエ
ステル系可塑剤、塩素化脂肪酸エステル類などが挙げら
れる。
〔実施例〕
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
製造例1 2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンの製造 o−フェニルフェノール510g(3モル)とアセトン58
g(1モル)を混合して、60℃に昇温し溶解させたの
ち、触媒としてメルカプト酢酸10gを加え、攪拌下に塩
酸ガスを36時間吹き込んだ。得られた反応生成物を温水
で3回洗浄したのち、有機相を減圧下に190℃に加熱し
た。次いで、残留分を塩化メチレン400mlに溶解し、2
規定の水酸化ナトリウム水溶液500mlを加えて攪拌後、
氷冷して結晶を析出させ、この結晶を塩化メチレン400m
lで2回洗浄したのち、2規定の水酸化ナトリウム水溶
液500mlで洗浄し、次いで1規定の塩酸2lに加えて攪拌
後、結晶をろ過し、水で数回洗浄したのち、減圧乾燥し
た。
このようにして、結晶154g(収率40%)を得た。この
化合物の融点は58〜60℃であり、純度は99.3%であっ
た。この化合物はプロトンNMRによる分析より、下記の
構造を有する2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンであることが確認された。
製造例2 1−フェニル−1,1−ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)エタンの製造 製造例1において、アセトンの代わりにアセトフェノ
ン120g(1モル)を用いた以外は、製造例1と同様な操
作を行って、下記の構造を有する1−フェニル−1,1−
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン
110g(収率25%)を得た。この化合物の融点は67〜68℃
であり、純度は99.1%であった。
製造例3 ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホンの製造 o−フェニルフェノール391g(2.3モル)と98%硫酸100
g(1.0モル)およびクロロベンゼン100gの混合物に、ベ
ンゼンスルホン酸9.5g(0.05モル)を加えて攪拌下に加
熱した。135℃付近でクロロベンゼンとともに生成水が
共沸して留出してきた。この留出液を凝縮させて2組に
分解し、有機相は連続的に反応器に戻した。留出開始よ
り10時間後に内温165℃となり水相が36mlに達した。こ
れにキシレ500mlを加えて冷却し、結晶を析出させた。
この結晶を塩化メチレンで洗浄した後、アセトン−シク
ロヘキサン混合溶液で再結晶し、340g(収率85%)の生
成物を得た。この化合物の融点は251〜252℃で1H−NMR
(アセトンd6)δ(ppm)は、7.16(2H,d)、7.31〜7.4
7(6H,m)、7.58(4H,d)、7.83(2H,dd)、7.91(2H,
d)であり、分子量は(m+)は402で、純度は99.7%
(HPLCより)であった。
このことから、この化合物は次の構造を有することが
確認された。
製造例4 1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサンの製造 o−フェニルフェノール510g(3モル)とシクロヘキ
サノン98g(1モル)を混合して、60℃に昇温し溶解さ
せたのち、90重量%濃度の硫酸150gを添加し、攪拌下に
70℃で24時間反応させた。得られた反応生成物をモノク
ロルベンゼン1で希釈し、温水で3回洗浄したのち、
有機相を減圧下に190℃に加熱し、溶剤と未反応原料を
留去した。次いで、残留分を塩化メチレン400mlに溶解
し、5規定濃度の水酸化ナトリウム水溶液500mlを加え
て攪拌後、氷冷して結晶を析出させ、この結晶を塩化メ
チレン500mlで2回洗浄したのち、2規定の水溶液ナト
リウム水溶液300mlで洗浄し、次いで2規定の塩酸2lに
加えて攪拌後、結晶ろ過し、水で数回洗浄したのち、ア
セトン−シクロヘキサン混合溶液で再結晶した。
このようにして、結晶189g(収率45%)を得た。この
化合物の融点は143〜145℃で1H−NMR(アセトンd6)δ
(ppm)は、1.6〜1.8(10H,m)、6.89(2H,d)、7.10
(2H,dd)、7.2〜7.4(8H,m)、7.56(4H,dd)であり、
分子量は(m+)は420であった。
このことから、この化合物は次の構造を有することが
確認された。
実施例1 内容積1の邪魔板付きフラスコに2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン70g(0.25モル)を水酸
化ナトリウムの6重量%水溶液480mlに溶解させた溶液
と、塩化メチレン250mlを加え、攪拌下にホスゲンガス
を900ml/分の割合で14分間吹き込んだ。ついで、生成物
を静置分離し、クロロホーメート基末端を有する重合度
2〜3のポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶
液を得た。
つぎに、この溶液90mlを塩化メチレンで希釈して120m
lとし、分子量調節剤としてp−t−ブチルフェノール
0.8gと、上記製造例1で得た2,2−ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン14.5gを加えた。
ついで触媒として5wt%濃度のトリエチルアミン水溶液1
mlおよび水40mlを加え、撹拌下に2規定の水酸化ナトリ
ウム水溶液90mlを30分間にわたって滴下し、ひきつづい
て撹拌下に1時間反応させた。反応終了後、生成物に塩
化メチレン500mlを加えて希釈し、水、0.01規定の水酸
化ナトリウム水溶液、0.01規定の塩酸、水の順に洗浄し
て、5lのメタノール中に注入した。これにより共重合体
28g(収率86%)が得られた。
この共重合体は、塩化メチレンを溶媒とする0.5g/dl
濃度の溶液の20℃における還元粘度〔ηsp/c〕(以下同
じ)が0.48dl/gで、ガラス転移温度は140℃であった。
また赤外線吸収スペクトル分析から、1650cm-1の位置に
カルボニル基による吸収、1240cm-1の位置にエーテル結
合による吸収が見られ、カーボネート結合を有すること
が認められた。また、NMRスペクトル分析から前記式
〔I〕で表わされる繰り返し単位のモル分率が33モル%
であった。これらのことから、この共重合体は、下記繰
り返し単位を有するものと認められた。
このポリカーボネート共重合体の20℃における屈折率
は1.6350であった。
実施例2 2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンの使用量を7.2gとしたほかは、実施例1の
(2)と同様にして、還元粘度〔ηsp/c〕0.43dl/g、ガ
ラス転移温度が143℃のポリカーボネート共重合体を得
た。この共重合体は、下記繰り返し単位を有し、屈折率
は1.610であった。
実施例3 実施例1で得られたポリカーボネートオリゴマーの塩
化メチレン溶液45mlを塩化メチレンで希釈して60mlと
し、これにp−t−ブチルフェノール0.4gを加えて撹拌
しながら、これに上記製造例1で得た1−フェニル−1,
1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エ
タン4.9gをピリジン10mlと塩化メチレン10mlの混合液に
溶解させて滴下した。ひきつづき撹拌下に室温で1時間
反応させた。反応終了後、生成物を塩化メチレン300ml
で希釈し、2規定の塩酸ついで水により洗浄した。つい
で生成物を2lのメタノール中に注入して共重合体を析出
させて回収した。
得られた共重合体は、還元粘度〔ηsp/c〕が0.038dl/
g、ガラス転移温度が154℃であり、赤外線吸収スペクト
ル分析、NMRスペクトル分析から、下記繰り返し単位を
有することが確認された。
この共重合体の屈折率は、20℃において1.6558であっ
た。
実施例4 実施例1で得られたポリカーボネートオリゴマーの塩
化メチレン溶液300mlを塩化メチレンで450mlに希釈し、
分子量調節剤としてp−t−ブチルフェノール0.5gと、
製造例3で製造したビス(3−フェニル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホン 30gを2規定濃度の水酸化ナト
リウム水溶液140mlに溶解した溶液を加え、12規定濃縮
の水酸化ナトリウム水溶液3ml、触媒として5重量%濃
度のトリエチルアミン水溶液 1.0mlを加え、激しく撹
拌しながら1時間反応させた。反応終了後は実施例1と
同様に操作した。これにより共重合体112g(収率92%)
を得た。
この共重合体は、還元粘度〔ηsp/c〕が0.63dl/gで、
ガラス転移温度が158℃であった。また赤外線吸収スペ
クトル分析およびNMRスペクトル分析から前記式〔I〕
で表わされる繰り返し単位のモル分率が13モル%であっ
た。これらのことから、この共重合体は、下記繰り返し
単位を有するものと認められた。
このポリカーボネート共重合体の20℃における屈折率
は1.625であった。
実施例5 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代
え、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル
プロパンを用いる以外は実施例1と同様な方法によりポ
リカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
次いで、このオリゴマー塩化メチレン溶液を用いる以
外は実施例4と同様な操作を行って、共重合体108g(収
率89%)を得た。
この共重合体は、還元粘度〔ηsp/c〕が0.45dl/gで、
ガラス転移温度が131℃であった。また赤外線吸収スペ
クトル分析およびNMRスペクトル分析から前記式〔I〕
で表わされる繰り返し単位のモル分率が13モル%であっ
た。これらのことから、この共重合体は、下記繰り返し
単位を有するものと認められた。
このポリカーボネート共重合体の20℃における屈折率
は1.608であった。
実施例6 2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンに代え、3,3′−ジフェニル−4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニルを用いる以外は実施例1と同様の操
作を行って、共重合体27g(収率88%)を得た。
この共重合体は、還元粘度〔ηsp/c〕が0.52dl/gで、
ガラス転移温度が144℃であった。また赤外線吸収スペ
クトル分析およびNMRスペクトル分析から前記式〔I〕
で表わされる繰り返し単位のモル分率が22モル%であっ
た。これらのことから、この共重合体は、下記繰り返し
単位を有するものと認められた。
このポリカーボネート共重合体の20℃における屈折率
は1.602であった。
実施例7 2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンに代え、1,1−ビス(3−フェニル−4−
ヒドロキシフェニル)シクロへキサンを用いる以外は実
施例1と同様の操作を行って、共重合体29g(収率92
%)を得た。
この共重合体は、還元粘度〔ηsp/c〕が0.57dl/gで、
ガラス転移温度が151℃であった。また赤外線吸収スペ
クトル分析およびNMRスペクトル分析から前記式〔I〕
で表わされる繰り返し単位のモル分率が23モル%であっ
た。これらのことから、この共重合体は、下記繰り返し
単位を有するものと認められた。
このポリカーボネート共重合体の20℃における屈折率
は1.603であった。
参考例1 二価フェノールとして、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンを用いて、通常のホスゲン法により
得られたポリカーボネート(還元粘度0.51dl/g)の20℃
における屈折率を測定した結果、1.5850であった。
〔発明の効果〕
本発明のポリカーボネート系共重合体は新規なもので
あって、特に高い屈折率を有するなど、光学的性質に優
れており、また屈折率の値を調節することができ、各種
光学機器用素材として、例えばスチールカメラ、ビデオ
カメラ、望遠鏡、眼鏡、コンタクトレンズ、プリズム
類、オプティカルファイバー、ビデオディスク、オーデ
ィオディスク、光メモリーディスクなどに利用可能であ
る。
また、エンジニアリングプラスチックとして、各種成
形品の素材としても有用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 および [式中のX、Yは単結合、エーテル結合またはチオエー
    テル結合、あるいは−SO2−、 (ただし、R3およびR4はそれぞれ水素原子、炭素数1〜
    5のアルキル基またはフェニル基である)、CH2
    n(ただし、nは2〜10の整数である)または (だたし、n′は4〜8の整数である) を示し、XとYとは同じであっても異なっていてもよ
    く、R1およびR2はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭
    素数1〜5のアルキル基またはフェニル基で、lおよび
    mはそれぞれ1〜4の整数である。] で表される繰り返し単位からなり、かつ塩化メチレンを
    溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の温度20℃における還元
    粘度[ηsp/c]が0.2dl/g以上であるポリカーボネート
    系共重合体。
  2. 【請求項2】一般式 および [式中のX、Yは単結合、エーテル結合またはチオエー
    テル結合、あるいは−SO2−、 (ただし、R3およびR4はそれぞれ水素原子、炭素数1〜
    5のアルキル基またはフェニル基である)、CH2
    n(ただし、nは2〜10の整数である)または (だたし、n′は4〜8の整数である) を示し、XとYとは同じであっても異なっていてもよ
    く、R1およびR2はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭
    素数1〜5のアルキル基またはフェニル基で、lおよび
    mはそれぞれ1〜4の整数である。] で表される二価フェノールと、炭酸エステル形成性化合
    物とを反応させることを特徴とする、 一般式 および (式中のX、Y、R1、R2、l、mは前記と同じ意味をも
    つ) で表される繰り返し単位からなり、かつ塩化メチレンを
    溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の温度20℃における還元
    粘度[ηsp/c]が0.2dl/g以上であるポリカーボネート
    系共重合体の製造法。
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