JP2551856Y2 - 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造に
係るものである。

（従来の技術） 技術、鉄筋コンクリート構造と鉄骨構造の各々の長所
を利用するとともに、同両構造の欠点を互いに補うよう
に、柱を鉄筋コンクリート造とし、梁を鉄骨構造とした
複合構造が提案されているが、その多くは柱梁接合部に
鉄骨構造、又は鉄骨鉄筋コンクリート造で用いられるブ
ラケットのような接合金具を柱頭部に突出して配置し、
同接合金具に鉄骨構造の梁を接合するように構成されて
いる。

（考案が解決しようとする課題） 前記従来の複合構造においては、接合金具を鉄筋コン
クリート柱の柱頭部に剛強に定着することが難しく、柱
梁間の応力の伝達に問題がある。

また鉄筋コンクリート柱を２層分、３層分の高さを有
する長尺の柱として、同柱の中間部に鉄骨梁を継接する
ことは困難である。

本考案は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案さ
れたものでその目的とする処は、施工性に優れ、構造
上、信頼性の高い鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との接合
構造を提供する点にある。

（課題を解決するための手段） 前記の目的を達成するため、本考案に係る鉄筋コンク
リート柱と鉄骨梁の接合構造は、鉄筋コンクリート柱の
一部の外側面を角鋼管で構成し、同角鋼管の上下に突設
した外側水平ダイヤフラムにＨ形鉄骨梁を接合した鉄筋
コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造において、前記角
鋼管における上下の外側水平ダイヤフラム間に垂直接合
板を設けるとともに、前記Ｈ形鉄骨梁の端部にはウエブ
の突出部を設け、同ウエブの突出部と前記垂直接合板と
を重合してボルト又は溶接によって接合するとともに、
前記角鋼管における上下の各外側水平ダイヤフラムの端
面と前記鉄骨梁のフランジ端面とを溶接接合して構成さ
れている。

（作用） 本考案によれば前記したように、鉄筋コンクリート柱
の一部の外側面を角鋼管で構成し、同角鋼管の上下に突
設した外側水平ダイヤフラム間に垂直接合板を設けると
ともに、前記柱に接合されるＨ形鉄骨梁の接合端部にウ
エブの突出部を設けて、同ウエブの突出部と前記上下一
双の外側水平ダイヤフラム間に配設された垂直接合板と
を重合して、ボルトまたは溶接によって接合したことに
よって、鉄骨梁応力は前記外側水平ダイヤフラム及び角
鋼管並に前記両外側水平ダイヤフラム間に設けられた垂
直板を介して前記鉄筋コンクリート柱に円滑に流れる。

（実施例） 以下本考案を第１図及び第２図に示す実施例について
説明する。

（１）は鉄筋コンクリート柱の一部の外側面を構成す
る角鋼管で、外周面に同角鋼管に接続される鉄骨梁
（Ａ）の梁成に対応する位置に、上下一双の外側水平ダ
イヤフラム（２）が突設され、更に角鋼管（１）の内周
面には、前記鉄骨梁（Ａ）のウエブ（ａ）に対応する位
置において、垂直プレート（３）が十字状に配設されて
いる。

図中（４）は上下一双の外側水平ダイヤフラム（２）
間に設けられた垂直接合板である。

而して前記角鋼管（１）における十字状の垂直プレー
ト（３）によって画成された空間部に鉄筋コンクリート
柱（Ｂ）の柱主筋（５）が配設されるとともに、コンク
リートが充填されることによって、鉄筋コンクリート柱
（Ｂ）の一部外側面が前記角鋼管（１）から構成され
る。

図中（６）は柱帯筋である。

而して鉄骨梁（Ａ）の上下フランジ（ｂ）を前記角鋼
管（１）の上下一双の外側水平ダイヤフラム（２）
（２）に溶接（ｗ）するとともに、前記鉄骨梁（Ａ）の
ウエブ（ａ）の突出部を前記垂直接合板（４）に重合し
て高張力ボルト（７）または溶接によって接合すること
によって、鉄筋コンクリート柱（Ｂ）に鉄骨梁（Ａ）を
接合する。

図示の実施例によれば、前記角鋼管（１）及び垂直プ
レート（３）が角鋼管（１）内のコンクリートを拘束
し、従って鉄筋コンクリート柱（Ｂ）のパネルゾーンに
はフープ筋の配筋が不要となり、柱主筋（５）の配筋が
容易になるとともに、コンクリートの充填性が向上す
る。また鉄筋コンクリート柱（Ｂ）への鉄骨梁（Ａ）の
応力の伝達は、外側水平ダイヤフラム（２）、角鋼管
（１）及び垂直プレート（３）を介して円滑に行われ
る。

（考案の効果） 本考案に係る鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構
造は前記したように、鉄筋コンクリート柱の一部の外側
面を角鋼管で構成し、同角鋼管に突設した鉄骨梁の梁成
に合わせた上下一双の外側水平ダイヤフラム間に垂直接
合板を配設し、同垂直接合板に鉄骨梁の端部ウエブの突
出部を重合してボルト又は溶接によって接合し、前記角
鋼管における上下の各外側ダイヤフラムの端面と前記鉄
骨梁フランジ端面とを溶着して構成されているので、柱
梁接合部の構成が簡略化され、添えプレート等の接合部
材が不要となり柱への梁応力の伝達が前記外側水平ダイ
ヤフラム及び角鋼管並に垂直プレートを介して円滑に行
われ、構造上信頼性の高い柱、梁接合部構造が構成され
る。

また前記柱のパネルゾーン内におけるフープ筋の配筋
が不要となり、柱主筋の配筋が容易になり、更にまた柱
のパネルゾーンに対するコンクリートの充填性がよくな
り、施工性が著しく向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は夫々本考案に係る鉄筋コンクリート
柱と鉄骨梁の接合部構造の一実施例を示す横断平面図並
に縦断面図である。 （Ａ）……鉄骨梁、（Ｂ）……鉄筋コンクリート柱、
（１）……角鋼管、（２）……外側水平ダイヤフラム、
（３）……垂直プレート、（５）……柱主筋。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】鉄筋コンクリート柱の一部の外側面を角鋼
   管で構成し、同角鋼管の上下に突設した外側水平ダイヤ
   フラムにＨ形鉄骨梁を接合した鉄筋コンクリート柱と鉄
   骨梁の接合部構造において、前記角鋼管における上下の
   外側水平ダイヤフラム間に垂直接合板を設けるととも
   に、前記Ｈ形鉄骨梁の端部にはウエブの突出部を設け、
   同ウエブの突出部と前記垂直接合板とを重合してボルト
   又は溶接によって接合するとともに、前記角鋼管におけ
   る上下の各外側水平ダイヤフラムの端面と前記鉄骨梁の
   フランジ端面とを溶接接合してなることを特徴とする鉄
   筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造。