JP2550988B2 - 透明ガスバリア性包装用積層フィルム - Google Patents

透明ガスバリア性包装用積層フィルム

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JP2550988B2 JP62101640A JP10164087A JP2550988B2 JP 2550988 B2 JP2550988 B2 JP 2550988B2 JP 62101640 A JP62101640 A JP 62101640A JP 10164087 A JP10164087 A JP 10164087A JP 2550988 B2 JP2550988 B2 JP 2550988B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、透明ガスバリア性包装用積層フィルムに関
する。更に詳しくは、透明性を有し、かつ、水蒸気や酸
素等の気体の透過率が極めて小さい、透明ガスバリア性
プラスチックフィルムに関する。
[従来の技術] 従来、透明ガスバリアフィルムとしては、ポリエステ
ルやポリプロピレンのようなプラスチックフィルムの表
面に、塩化ビニリデンやエチレン−ビニルアルコール共
重合体などのガスバリア性の優れた樹脂をコーティング
あるいはラミネートしたもの(特開昭55−59961)や、
酸化珪素を蒸着したもの(特公昭53−12953)が知られ
ており、更に、必要に応じてヒートシール可能な樹脂層
を積層したものが知られている。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、かかる従来の透明ガスバリアフィルムには、
次のような問題点があった。
ガスバリア性の樹脂を積層したものについては、 透明性は優れているものの、水蒸気、酸素等のガス
バリア性が十分でない。
特に、高温では水蒸気、酸素などのガスバリア性が
著しく低下する。このため、レトルト用途などには、使
用できない。
酸化珪素を蒸着したものについては、 水蒸気、酸素等のガスバリア性が優れたものを得よ
うとすると、透明性が低下する。
蒸着膜厚が薄いと、ガスバリア性が発現しない。ガ
スバリア性が優れたものを得ようとして、酸化珪素を厚
く蒸着すると、可とう性がなくなり、亀裂や剥離が生ず
る。
蒸着層にキズやピンホールがあると、極端にガスバ
リア性が低下する。特に、蒸着層が薄い場合は、摩擦や
折曲げにより容易にキズやピンホールが発生し、ガスバ
リア性が低下する。
本発明者らは、透明で可とう性があり、かつ、ガスバ
リア性と耐摩耗性に優れ、高温でも特性の低下しないフ
ィルムについて鋭意検討した結果、本発明に到達した。
[問題点を解決するための手段] 即ち、本発明は、プラスチックフィルムから成る基体
の少なくとも片面に、In,Sn,Zn,ZrおよびTiから成る群
から選ばれた少なくとも一種の金属の酸化物層がスパッ
タリングにより形成された透明ガスバリア性フィルム
が、2枚以上接着剤を介して積層して成ることを特徴と
する透明ガスバリア性包装用積層フィルムを提供する。
以下、本発明の詳細について図面を用いて説明する。
第1図は、本発明の透明ガスバリア性包装用積層フィ
ルムの一例を示す概略断面図である。
第1図において、1はプラスチックフィルムから成る
基体、2はスパッタリングにより形成された金属酸化物
層、3は接着剤層、4はスパッタリングにより形成され
た金属酸化物層、5はプラスチックフィルムから成る基
体であり、これらは図示のごとく順次積層されている。
第2図は、本発明の透明ガスバリア性包装用積層フィ
ルムの他の例を示す概略断面図で、これは第1図に示し
た透明ガスバリア性包装用積層フィルムの基体5の片面
にヒートシール可能な熱可塑性接着層6を設けたもので
ある。
本発明でいう透明ガスバリア性フィルムとは、プラス
チックフィルムから成る基体の少なくとも片面に、In,S
n,Zn,ZrおよびTiから成る群から選ばれた少なくとも一
種の金属の金属酸化物層がスパッタリングにより形成さ
れたものをいう。
本発明でいう透明ガスバリア性包装用積層フィルムと
は、前記の透明ガスバリア性フィルムが2枚以上接着積
層されてなるものをいう。
本発明でいうプラスチックフィルムからなる基体と
は、次の代表的有機重合体を溶融または、溶解押出し
し、必要に応じて長手方向および/または幅方向に延伸
したものである。代表的有機重合体としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
トなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン12などの
ポリアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリビニル
アルコール、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポ
リイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリ
エーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リアリレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェ
ニレンオキサイド、テトラフルオロエチレン、1塩化3
弗化エチレン、弗素化エチレンプロピレン共重合体など
があげられる。
また、これらの共重合体や、他の有機重合体との共重
合体であっても良く、他の有機重合体を含有するもので
あっても良い。これらの有機重合体に公知の添加剤、例
えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色
剤などが添加されていても良い。
本発明のプラスチックフィルムの光線透過率は、包装
内容物の視認性と美観のため重要であり、白色光線での
全光線透過率が少なくとも40%以上、好ましくは、60%
以上、最も好ましくは、80%以上であることが望まし
い。着色剤など公知の添加剤は、この範囲内で添加され
るのが良い。本発明のプラスチックフィルムは、金属酸
化物層のスパッタリングに先立ち、コロナ放電処理、プ
ラズマ処理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、粗面化
処理などの表面処理や、公知のアンカーコート処理が施
されても良く、また、印刷が施されていても良い。
本発明のプラスチックフィルムの厚さは、特に制限を
受けないが、包装材料としての適性から3〜400μmの
範囲が望ましい。機械的特性や可とう性の点では、更に
好ましくは、5〜200μmの範囲であることが望まし
い。
かかるプラスチックフィルムから成る基体の少なくと
も片面に、In,Sn,Zn,ZrおよびTiから成る群から選ばれ
た少なくとも一種の金属の金属酸化物がスパッタリング
により形成され、透明ガスバリア性フィルムが得られ
る。
本発明でいうスパッタリングとは、直流2極スパッ
タ、高周波2極スパッタ、直流マグネトロンスパッタ、
高周波マグネトロンスパッタなどの、公知のスパッタリ
ング法が、全て含まれる。また、スパッタリングの際、
酸素などの反応性ガスを導入する、いわゆる反応性スパ
ッタリングも含まれる。
なかでも、プラスチックフィルムを基体として用いた
本発明の場合には、ターゲット材として、金属板を使用
し、酸素を含んだ反応性ガスを導入した、いわゆる、反
応性スパッタリングが望ましく、更に、反応性直流マグ
ネトロンスパッタ、反応性高周波マグネトロンスパッタ
が、金属酸化物層の均一性、生産性の点で最も好まし
い。
反応性スパッタリングの際の真空装置内の圧力は、金
属酸化物層の透明性やガスバリア性に大きく影響するこ
とが、本発明により明らかとなっており、好ましくは、
8×10-5〜8×10-3トール、更に好ましくは、2×10-4
〜5×10-3トール、最も好ましくは、5××10-4〜3×
10-3トールの範囲が望ましい。
反応性スパッタリングの際のガス組成は、使用するタ
ーゲット材料や投入電力に応じて、適宜、選択される。
最も好ましいガスは、酸素とアルゴンの混合ガスであ
る。
スパッタにより形成される金属酸化物層としては、I
n,Sn,Zn,ZrおよびTiから成る群から選ばれた少なくとも
一種の金属の金属酸化物であり、二種以上の金属酸化物
の混合体あるいは、複合酸化物であっても良い。
中でも、In,Sn,Znの酸化物およびIn−Snの複合酸化物
が好ましく、最も好ましくは、In,Snの酸化物およびIn
−Snの複合酸化物が望ましい。
これらの金属酸化物層は、In2O3,SnO,SnO2,ZnO,ZrO2,
TiO2などの化学量論的な酸化物であることが好ましい
が、金属原子に対して酸素原子が少なかったり、過剰で
あったりする、非化学量論的な酸化物や、未酸化の金属
原子が少量含まれていても良い。
金属酸化物層中には、上記の金属原子以外の元素、例
えば、Fe,Sb,C,Mo,W,Cu,Al,Si,Niなどが、微量含まれて
いても良い。
金属酸化物層の厚さとしては、ガスバリア性および可
とう性などの点で、30〜2000Åの範囲が好ましい。厚さ
が薄いと、ガスバリア性が悪くなり、30Å未満では、ガ
スバリア性、特に、水蒸気バリア性が十分でなく、厚さ
が厚いと、可とう性が悪くなり、特に、2000Åを越える
と折曲げなどにより、割れや、剥離が生じやすくなる。
更に好ましくは、50〜1000Åであり、特に好ましくは、
70Å以上300Å未満であり、最も好ましくは、80Å以上2
00Å以下であることが望ましい。
このように、300Å未満という極めて薄い膜厚で優れ
たガスバリア性が得られることは、従来の酸化珪素など
の蒸着ではまったく予想されなかったことであり、本発
明者らによって初めて見出だされたものである。
このようにして金属酸化物層をスパッタした透明ガス
バリア性フィルムは、透明性やガスバリア性は優れてい
るが、金属酸化物層が極めて薄いこともあって、摩擦、
摩耗や折曲げによってキズやピンホールが発生すると、
著しくガスバリア性が低下する。この問題を解決するた
め、本発明では、次いで、金属酸化物層をスパッタした
透明ガスバリア性フィルムどうしが2枚以上接着剤を介
して積層された透明ガスバリア性包装用積層フィルムと
する。透明ガスバリア性フィルムが、2枚以上接着積層
されることにより、キズやピンホールの発生を著しく低
減できるばかりでなく、キズやピンホールがあり、ガス
バリア性が低いフィルムどうしであっても、2枚以上接
着積層されることにより、著しくガスバリア性が優れた
ものを得ることができる。
接着積層されるそれぞれの透明ガスバリア性フィルム
の金属酸化物層の厚さは、それぞれの厚さが、好ましく
は30〜2000Åの範囲であって、同程度の厚さであること
が好ましいが、厚さが異なったものどうしが接着積層さ
れていてもよい。
また、接着積層される透明ガスバリア性フィルムの金
属酸化物層の各々の厚さの和が、100Å〜1000Åの範囲
であることが、可とう性や透明性の点で更に好ましく、
150Å〜500Åの範囲であることが最も好ましい。
接着に際しては、金属酸化物層をスパッタした面どう
しが、互いに向き合うように接着積層されることが、優
れたガスバリア性を高温域でも維持するために有効であ
り、望ましい。また、接着積層される透明ガスバリア性
フィルムは、少なくとも2枚は必要であるが、3枚以上
の透明ガスバリア性フィルムが接着積層されても良い。
接着の方法としては、接着剤を一方の透明ガスバリア
性フィルムに塗布したのち、もう一方の透明ガスバリア
性フィルムと重ね合せ、加圧あるいは、加熱下で接着す
る方法などを用いることができる。
接着に用いられる接着剤として代表的なものは、アク
リル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル
樹脂,ポリアミド、フェノール、ポリオレフィン、アイ
オノマー、エチレン酢ビ共重合体、ポリビニルアセター
ル、などおよび、これらの共重合体や、混合物などがあ
げられるが、必ずしもこれらには限定されない。
中でも、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂,ポリオレ
フィン、アイオノマーが接着力および、ガスバリア性の
点で好ましく、最も好ましくは、ウレタン樹脂であるこ
とが望ましい。
接着剤の厚みとしては、0.1〜10μmの範囲であるこ
とが、接着力および、ガスバリア性の点で好ましく、更
に好ましくは、0.3〜8μmの範囲であり、最も好まし
くは、0.5〜5μmの範囲であることが望ましい。
接着剤の厚みが、0.5〜5μmの範囲にある場合は、
金属酸化物層にピンホールや微細な亀裂がある場合にも
優れたガスバリア性と強固な接着性を発揮できる。ま
た、接着剤に、ウレタン樹脂を用いた場合にはこの効果
が特に大きく有効である。
こうして得られた透明ガスバリア性包装用積層フィル
ムは、次いで、必要に応じて、表面に印刷や易接着層な
どのコーティング層を設けた後、必要に応じて、ヒート
シール可能な熱可塑性接着層と積層される。
本発明でいうヒートシール可能な熱可塑性接着層と
は、加熱および加圧により接着が可能なプラスチック層
を表し、その代表的な例としては、次のようなものがあ
る。
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン
共重合体などのポリオレフィン、ポリエステル、ポリア
ミド、アイオノマー、エチレン酢ビ共重合体、アクリル
酸エステル、メタアクリル酸エステルなどのアクリル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、フェノール樹脂、変成
エポキシ樹脂などおよび、これらの共重合体や、混合物
などがあげられるが、必ずしもこれらに限定されない。
このうち、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミ
ド、アイオノマー、エチレン酢ビ共重合体が望ましい。
ヒートシール可能な熱可塑性接着層の厚さは、用途に
応じて選択されるが、接着力やガスバリア性の点で、1
〜200μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜150
μm、最も好ましくは、20〜100μmが望ましい。
スパッタにより形成される金属酸化物層の上に熱可塑
性接着層を積層する方法としては、熱可塑性接着層の成
分を有機溶剤に溶解してコーティングする方法や、熱可
塑性接着層の成分を溶融し、押出しラミネートする方
法、あるいは、あらかじめ熱可塑性接着層のシートを作
製し、これをドライラミネートなどにより接着積層する
方法などの公知の方法が採用できる。
熱可塑性接着層のヒートシール温度は、使用する熱可
塑性接着層の特性に合せて適宜、選択することができる
が、80℃〜180℃の温度でヒートシールできるものであ
ることが望ましい。
[用途] 本発明で得られる透明ガスバリア性包装用積層フィル
ムは、その優れた透明性とガスバリア性を利用して、食
品、医薬品、電子部品、機械部品などの包装材料として
広く用いることができる。
特に、耐摩耗性や、高温でもガスバリア性が優れてい
ることから、重量の大きい物体の包装や、包装後、高温
での殺菌処理を行うレトルト包装に適している。また、
電子部品の包装として、液晶等に用いられるEL(エレク
トロルミネッセンス)発光素子の防湿パッケージに適し
ている。
[作用] 本発明の透明ガスバリア性包装用積層フィルムは、可
とう性や透明性に優れたプラスチックフィルム上に、透
明性や高温でのガスバリア性に優れた金属酸化物薄層
が、スパッタリングにより形成された透明ガスバリア性
フィルムが、2枚以上接着積層されているため、耐摩耗
性にも優れ、ガスバリア性が長期にわたって維持され
る。
以下、実施例について説明する。
本発明における特性の測定には、次の方法を用いた。
(イ)光線透過率 分光光度計(日立製作所(株)、自記分光光度計323
型)にて、分光光線透過率を測定し、波長550nmでの透
過率を光線透過率とした。
(ロ)酸素透過率 ASTM D−3985に準じて、酸素透過率測定装置(モダ
ンコントロールズ社製、OX−TRAN100)を用いて、20
℃、0%RHの条件にて測定した。
(ハ)水蒸気透過率 水蒸気透過率測定装置(ハネウエル(株)製 W825
型)を用いて40℃、100%RHの条件にて測定した。
(ニ)60℃での水蒸気透過率 JIS Z 0208に準じて、開口部30cm2の透湿カップを
使用し、内部に塩化カルシウムの吸湿剤を入れ、開口部
に、エポキシ系接着剤を用いて本発明の透明ガスバリア
性包装用フィルムを接着した。この透湿カップを、60
℃、95%RHの恒温恒湿槽に入れ、24時間後の透湿カップ
全体の重量W0[g]と96時間後の重量W1[g]を測定
し、次の式から60℃での水蒸気透過率を計算した。
(W1−W0)/(3×0.003×0.95) 単位:[g/m2・24hr] (ホ)耐レトルト性 めっ菌装置を用いて、120℃の水蒸気中で、30分間、
フィルムを熱処理した後、(ロ),(ハ)と同様にして
酸素透過率、水蒸気透過率を測定した。
(ヘ)耐摩耗性 透明ガスバリア性包装用積層フィルムの表面を、学振
型摩耗試験機(大栄科学精機(株)製)を用いて、200g
/cm2の荷重で200回摩耗した後、(ロ)、(ハ)と同様
にして酸素透過率、水蒸気透過率を測定した。
実施例1〜5,比較例1 二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ
12μm)を基体として、この上に反応性直流マグネトロ
ンスパッタ法により、酸化インジウムの膜を形成した。
スパッタリングは、インジウム金属板(純度99.9%、
サイズ5インチ×12インチ)をターゲットとして、5×
10-5トールに真空排気した後、アルゴン・酸素混合ガス
(混合比70:30体積%)を導入し、圧力を1×10-3トー
ルにした後、直流電圧を印加して行った。酸化インジウ
ム膜の厚さは、スパッタリング時間を調整し、50Å,100
Å,200Å,500Å,1000Åのものを、作製した。
次いで、これらのスパッタフィルムの金属酸化物が形
成された側に、ウレタン系接着剤(武田薬品;タケラッ
クA−385およびタケネートA−50)を乾燥後の厚みが
約2μmとなるよう塗布して、ドライラミネート法によ
り、金属酸化物層の厚さが同一のもう一枚のスパッタフ
ィルムの金属酸化物層が形成された面と接着して、透明
ガスバリア性包装用積層フィルムを作製した。
酸化インジウムの厚さが、50Å,100Å,200Å,500Å,1
000Åのものをそれぞれ、実施例1、2、3、4および
5とする。
酸化インジウムを形成していない基体フィルムを比較
例1とする。
それぞれのフィルムの光線透過率、水蒸気透過率、酸
素透過率、60℃での水蒸気透過率、耐レトルト性および
耐摩耗性を表1に示す。
比較例2〜6 実施例1〜5において、酸化インジウムを50Å,100
Å,200Å,500Å,1000Åの厚さだけスパッタしただけの
フィルムをそれぞれ、比較例2、3、4、5および6と
する。それぞれのフィルムの光線透過率、水蒸気透過
率、酸素透過率、60℃での水蒸気透過率、耐レトルト性
および耐摩耗性を表1に示す。
実施例6〜10 二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ
12μm)を基体として、この上に反応性直流マグネトロ
ンスパッタ法により、酸化錫の膜を形成した。
スパッタリングは、錫の金属板(純度;99.9%、サイ
ズ5インチ×12インチ)をターゲットとして、5×10-5
トールに真空排気した後、アルゴン・酸素混合ガス(混
合比60:40体積%)を導入し、圧力を1.8×10-3トールに
した後、直流電圧を印加して行った。酸化錫膜の厚さ
は、スパッタリング時間を調整し、35Å,50Å,100Å,20
0Å,500Åのものを、作製した。
次いで、これらのスパッタフィルムの金属酸化物が形
成された側に、ウレタン系接着剤(武田薬品;タケラッ
クA−315およびタケネートA−10)を乾燥後の厚みが
約2μmとなるよう塗布して、ドライラミネート法によ
り、もう一枚のスパッタフィルムの金属酸化物層が形成
された面と接着して、透明ガスバリア性包装用積層フィ
ルムを作製した。
続いて、この透明ガスバリア性包装用積層フィルムの
片面に、ウレタン系接着剤(武田薬品;タケラックA−
315およびタケネートA−10)を乾燥後の厚みが約2μ
mとなるよう塗布して、ドライラミネート法により未延
伸エチレンプロピレン共重合体フィルム(厚さ50μm)
を接着した。
酸化錫膜の厚さが、35Åのものと50Åのものを接着し
たものを実施例6、50Åと100Åのものを接着したもの
を実施例7、100Åと100Åのものを接着したものを実施
例8、100Åと200Åのものを接着したものを実施例9、
200Åと500Åのものを接着したものを実施例10とする。
それぞれのフィルムの光線透過率、水蒸気透過率、酸
素透過率、60℃での水蒸気透過率、耐レトルト性および
耐摩耗性を表1に示す。
実施例11〜14,比較例7 基体フィルムとして二軸延伸ポリプロピレンフィルム
(厚さ20μm)を用いた以外は、実施例6と同様にし
て、反応性直流マグネトロンスパッタ法により、酸化錫
の膜を形成し、次いで、これらのスパッタフィルムの金
属酸化物が形成された側に、ウレタン系接着剤(武田薬
品;タケラックA−315およびタケネートA−10)を乾
燥後の厚みが約1μmとなるよう塗布して、ドライラミ
ネート法により、金属酸化物層の厚さが同一のもう一枚
のスパッタフィルムの金属酸化物層が形成された面と接
着して、透明ガスバリア性包装用積層フィルムを作製し
た。
続いて、この透明ガスバリア性包装用積層フィルムの
片面に、低密度ポリエチレン(密度、0.920)を厚さが4
0μmとなるよう押出しラミネート法により積層した。
酸化錫膜の厚さが、50Å,100Å,200Å,500Åのものを、
それぞれ実施例11、12、13および14とする。基体として
用いた二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ20μm)
を比較例7とする。
それぞれのフィルムの光線透過率、水蒸気透過率、酸
素透過率、60℃での水蒸気透過率、耐摩耗性を表1に示
す。
比較例8 実施例1で用いた二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルム(厚さ12μm)に塩化ビニリデンを、乾燥後
の、厚みが3μmとなるように塗布した後、実施例6と
同様に、ウレタン系接着剤(武田薬品;タケラックA−
315およびタケネートA−10)を乾燥後の厚みが約2μ
mとなるよう塗布して、ドライラミネート法により未延
伸エチレンプロピレン共重合体フィルム(厚さ50μm)
を接着した。
このフィルムの光線透過率、水蒸気透過率、酸素透過
率、60℃での水蒸気透過率、耐レトルト性および耐摩耗
性を表1に示す。
比較例9〜11 実施例1で用いた二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルム(厚さ12μm)に真空蒸着法で酸化珪素の膜
を、蒸着後の厚みが100Å,500Å、1000Åとなるよう蒸
着した。
真空蒸着は、抵抗加熱法を用いて、SiOを蒸着材料と
して、4×10-5トールの真空下で行った。
次いで、実施例6と同様に、ウレタン系接着剤(武田
薬品;タケラックA−315およびタケネートA−10)を
乾燥後の厚みが約2μmとなるよう塗布して、ドライラ
ミネート法により未延伸エチレンプロピレン共重合体フ
ィルム(厚さ50μm)を接着した。
酸化珪素の膜厚が100Å,500Åおよび、1000Åのもの
を、それぞれ、比較例9、10および11とする。
このフィルムの光線透過率、水蒸気透過率、酸素透過
率、60℃での水蒸気透過率、耐レトルト性および耐摩耗
性を表1に示す。
[発明の効果] 本発明の透明ガスバリア性包装用フィルムは、透明性
に優れ、酸素、水蒸気などのガスバリア性に優れ、特
に、高温でのガスバリア性や耐摩耗性に優れているた
め、内容物の変質、変色を防止できる、長期保存に適し
た包装用フィルムである。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、それぞれ本発明の透明ガスバリ
ア性包装用積層フィルムの一例を示す概略断面図であ
る。 1:プラスチックフィルムからなる基体、 2:金属酸化物層、 3:接着材層、 4:金属酸化物層、 5:プラスチックフィルムからなる基体、 6:ヒートシール可能な熱可塑性接着剤層。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルムから成る基体の少な
    くとも片面に、In,Sn,Zn,ZrおよびTiから成る群から選
    ばれた少なくとも一種の金属の酸化物層がスパッタリン
    グにより形成された透明ガスバリア性フィルムが、2枚
    以上接着剤を介して積層されて成ることを特徴とする透
    明ガスバリア性包装用積層フィルム。
  2. 【請求項2】透明ガスバリア性フィルムが、金属の酸化
    物層が互いに向き合うように接着積層されて成ることを
    特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の透明ガスバ
    リア性包装用積層フィルム。
  3. 【請求項3】接着剤がウレタン系接着剤であることを特
    徴とする特許請求の範囲第(1)項または第(2)項記
    載の透明ガスバリア性包装用積層フィルム。
  4. 【請求項4】少なくとも片面に、ヒートシール可能な熱
    可塑性接着層を有することを特徴とする特許請求の範囲
    第(1)項〜第(3)項のいずれかに記載の透明ガスバ
    リア性包装用積層フィルム。
JP62101640A 1987-04-24 1987-04-24 透明ガスバリア性包装用積層フィルム Expired - Lifetime JP2550988B2 (ja)

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