JP2550945Y2 - カラー印字装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、カラー印字装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】シート発行装置に、ロール紙から引き出
した連続紙にカラー印字を施したのち、この紙を所定長
さに截断してカラーシートとして発行するカラー印字装
置を設けることが提案されている。

【０００３】従来のカラー印字装置の一例を図３におい
て説明する。図示されないロール紙から引き出された連
続用紙は、用紙通路Ｏに沿って示矢方向に搬送される。
用紙通路Ｏには、印字ユニット３１〜３４と、各ユニッ
トに対向してプラテンロール３５〜３８が列設されてい
る。各印字ユニット３１〜３４は、マゼンタ，イェロ
ー，シアン，ブラックの４色のインクリボンをそれぞれ
収納したリボンカートリッジと印字ヘッドとからなって
いる。印字ヘッド及びインクリボンは、連続用紙の幅と
略等しい長さと幅に形成されている。

【０００４】各ユニットの印字ヘッドの端部３１ａ〜３
４ａと各プラテンロール３５〜３８との間には、それぞ
れ異なる色のインクリボン３１ｂ〜３４ｂが巻き掛けら
れている。リボンカートリッジに収納されているインク
リボンは、図示されないリボン巻取軸によって印字速度
に合わせて一方向に巻き取られるようになっている。

【０００５】用紙に対する印字動作は、用紙をプラテン
ロールと印字ヘッドで挾持して紙送りしながら、印字ユ
ニット３１から順次開始されて印字ユニット３４で完了
するようになっている。印字ユニット３４を通過した印
字済みの用紙は、適宜の位置で截断される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】カラー印字装置によれ
ば、カラー印字表示により発行されるシートの品質が向
上するという特徴を有するも、連続用紙に無駄な空白部
が生じるという問題がある。すなわち、印字ユニット３
１で印字を開始するとき、連続用紙の先端は、印字ユニ
ット３４の位置にあり、両ユニットの間の用紙には印字
されないことになり、ユニット３１，３４間に位置する
用紙には空白部分が生じることになって印字用紙のラン
ニングコストが高くなる、という問題がある。空白部を
発生させないためには、印字ユニット３４の位置まで送
られている連続用紙の先端部を印字ユニット３１の位置
まで引き戻しておいて印字を開始すれば良いのである
が、紙送り機構とその制御が複雑になるという問題があ
る。

【０００７】また、印字ユニット相互間を短くして装置
全体を小嵩にしようとすると、ユニット間に用紙ガイド
部材を設けることができず、用紙ロード時にペーパージ
ャムを起し易いという問題があり、ユニット相互間を大
きくせざるを得ず、装置が大嵩になるという問題があ
る。

【０００８】そこで、本考案の第１の目的は、連続用紙
に生じる空白部を最少限に抑え、装置を小嵩に構成でき
るカラー印字装置の提供にあり、第２の目的は、ペーパ
ージャムの発生を抑止できるカラー印字装置の提供にあ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案のカラー印字装置
は、複数色のインクリボンを印字用の連続用紙の移動方
向に並べたカラー印字装置であって、一つのプラテンロ
ールの周りに、上記複数色のインクリボンをそれぞれ収
納したリボンカートリッジ及び各リボンカートリッジ毎
に設けられた印字ヘッドを放射状に配設したカラー印字
装置において、上記リボンカートリッジは、隣接カート
リッジ間でプラテンロールと近接対向し上記隣接カート
リッジの端部と上記プラテンロールとの間に印字用紙を
案内するための用紙ガイドを、上記インクリボンより外
側に一体に有することを特徴とする。

【００１０】

【００１１】

【作用】プラテンロールの周りに配設された印字ヘッド
とリボンカートリッジは、プラテンロールに巻き掛けら
れるようにして送られる連続用紙にカラー印字を施す。
リボンカートリッジに一体に設けられた用紙ガイドは、
隣接カートリッジ間で用紙を案内する。

【００１２】

【実施例】以下、図示の実施例に基づいて本考案を詳細
に説明する。

【００１３】図１において、符号１は印字動作に同期し
て回転駆動されるプラテンロールを示している。このプ
ラテンロール１は、連続用紙の幅よりも大きい長さに形
成されている。プラテンロール１の周りには、複数の印
字ユニット２，３，４，５が放射状に配設されている。
各印字ユニット２〜５は、後述するカラーインクリボン
を収納したリボンカートリッジと、カラー印字信号に基
づいて作動する印字ヘッドとからなっている。インクリ
ボンは連続用紙の幅と略等しい幅を有し、印字ヘッドは
印字範囲いっぱいの長さに形成されている。

【００１４】印字ユニット２，３，４，５は、マゼン
タ，イイェロー，ブルー，ブラックのそれぞれのインク
リボンを収納したリボンカートリッジ２ａ，３ａ，４
ａ，５ａと、印字ヘッド２ｂ，３ｂ，４ｂ，５ｂとから
なっている。各印字ユニットは、収納されているインク
リボンの色が異なっていることと、印字ヘッドに印加さ
れる印字信号が色毎に異なるだけであるから、印字ユニ
ット２を代表させてこの構成を説明する。

【００１５】リボンカートリッジ２ａは、図２にも示す
ように倒伏Ｕ字状の外形を有し、インクリボン６を巻き
回されたリボン供給軸２ｃと、転写済みのインクリボン
６ａを巻き取るリボン巻取軸２ｄと、印字ヘッド２ｂが
嵌入する凹部２ｅとが形成されている。リボン供給軸２
ｃから引き出されたインクリボン６ｂは、ガイド部２
ｆ，２ｆ間で張り渡されるように印字ヘッド２ｂの端部
２ｂａに掛けられている。

【００１６】印字ヘッド２ｂは、図示されないヘッド支
持部材に支持されている。リボンカートリッジ２ａは、
その凹部２ｅで印字ヘッド２ｂを跨ぐようにして上記ヘ
ッド支持部材に着脱可能に取り付けられる。凹部２ｅ
は、カートリッジを装着するときにインクリボン６ｂを
ヘッド端部２ｂａに掛けるために、ロール１の半径方向
において印字ヘッド２ｂよりも大きく形成されている。

【００１７】また、印字ヘッド２ｂは、少なくともカー
トリッジの脱着時及び非印字時においては、その端部２
ｂａをプラテンロール１外周面から離した位置に移動さ
せられるようになっている。

【００１８】印字ヘッド２ｂが出入りするリボンカート
リッジ２ａの開口部２ｈには、連続紙の移動方向におい
て、その下流側に用紙ガイド２ｋが形成されている。こ
の用紙ガイド２ｋは、プラテンロール１の外周面に近接
対向してカートリッジと一体に形成されている。この用
紙ガイド２ｋは、ロール外周面に沿って円弧状に形成さ
れた用紙ガイド面を有し、隣接カートリッジ３ａの端部
３ｍとプラテンロール１との間に用紙を案内するもので
ある。

【００１９】カートリッジ２の端部２ｍは、ロード時の
連続用紙先端がプラテンロール１外周面とカートリッジ
との間にスムーズに進入するような形状に形成されてい
る。従って、用紙ガイド２ｋで案内される用紙は、つか
えることなく印字ユニット３に送り込まれる。リボンカ
ートリッジ３〜５にも同様の用紙ガイド３ｋ〜５ｋが形
成されている。

【００２０】以上のように構成された実施例の作用を説
明する。各色のインクリボンを収納しカートリッジ２〜
５が装着された状態で連続用紙Ｐが、図示しない紙送り
手段によって印字ユニット２とプラテンロール１との間
に送り込まれると、この用紙は、インクリボンを介して
ロール外周面にそれぞれ当接している印字ヘッド２ｂ〜
５ｂとプラテンロール１によって所定位置まで送られて
印字動作に備える。

【００２１】このとき、印字ユニット２に送り込まれた
連続用紙Ｐの先端は、用紙ガイド２ｋに案内されて次段
の印字ユニット３に対して、ジャムすることなく送り込
まれる。以下、用紙の先端は、各用紙ガイド３ｋ，４ｋ
に案内されて隣接する印字ユニット４，５へ送り込まれ
てプラテンロール１の周面に巻き付けられる。用紙先端
は印字ユニット５の部分にも挾持されている。

【００２２】印字動作が開始されると、プラテンロール
１は、示矢方向に回転して連続用紙を送り始める。この
時の紙送り動作はプラテンロール１と各印字ヘッドによ
って行われるようになっていて、図示しない他の紙送り
手段はその動作を中断させられている。

【００２３】印字動作は、連続用紙Ｐを送りながら、印
字する色毎に印字ユニット２から印字ユニット５に向か
って順次実行される。連続用紙Ｐは、印字ユニット５に
よる最終色の印字動作が終了すると、切断代の長さだけ
空送りしたのち、図示しない切断手段で切断されて機外
に送り出され、カラーシートとして発行される。連続用
紙Ｐの切断位置としては最終段の印字ユニット５に可及
的近い位置に設置されることが望ましい。

【００２４】プラテンロール１に巻き掛けられている連
続用紙Ｐに次の印字動作が施されるときには、印字ユニ
ット２の位置から開始される。従って、連続用紙Ｐに
は、印字ユニット２から印字ユニット５までの間に印字
されない領域が存在することになるが、この領域は図３
に示すように直線上に印字ユニットを列設した構造に比
べて格段に小さいものとなる。

【００２５】図示の実施例では、用紙ガイド２ｋ〜５ｋ
をインクカートリッジの本体と一体に形成した例を挙げ
たが、カートリッジ本体と別部材として形成し、圧入や
ねじ止めにより一体化しても良い。プラテンロール１の
周りに印字ユニットを放射状に配設するとユニット相互
の間隔が小さくなり、印字装置のフレーム等の不動部材
に用紙ガイドを設ける空間の余裕がなくなるが、カート
リッジに設けると、簡単な構造で用紙の案内ができる。
このことは、用紙が滑らかに送られるので、ジャムの発
生が極力抑止できる。また、図示の実施例では、用紙の
移動方向において、印字ヘッドの下流側のカートリッジ
部分に用紙ガイドを設けたが、開口部の上流側（符号３
ｍ参照）に設けて、上流位置のカートリッジを通過した
用紙を受け入れるようにしても良い。

【００２６】印字ヘッドとリボンカートリッジをプラテ
ンロール１から離間可能に設け、非印字時にはこれらを
ロール表面から離すようにすると、ジャム紙の除去が容
易となる。万一、複雑な紙ジャムが発生した場合、リボ
ンカートリッジを取り外せば用紙ガイドも外されること
になってプラテンロール１の周面が大きく露呈されるこ
とになり、ジャム紙は簡単に取り除ける。

【００２７】

【考案の効果】以上のように、本考案のカラー印字装置
によれば、プラテンロールが一個であってこれに各色の
印字ユニットを放射状に配設したので、印字時の色ずれ
が起り難く、信頼性が高く高品質のカラー印字が得ら
る。ワンロール方式であるから、複数色の印字ユニット
の配設長さが短くなり、機構が単純化されて小型化が実
現でる。印字のための通路が短いのでジャムが少なくな
り、ジャム紙の除去が容易となる。

【００２８】さらに、隣接カートリッジ間でプラテンロ
ールと近接対向し隣接カートリッジの端部とプラテンロ
ールとの間に印字用紙を案内するための用紙ガイドを、
インクリボンより外側にリボンカートリッジに一体に有
する構成により、不動部材側に用紙ガイド部材を設ける
場合に比べて、カートリッジと用紙ガイドとの相対位置
が変動しないとともに用紙ガイド部材が隣接カートリッ
ジの端部とプラテンロールとの間に印字用紙を確実に案
内するので、隣接するカートリッジに連続用紙が滑らか
に送られ、紙ジャムが発生し難くなる。換言すると、装
置本体側の構造が簡単になり、ジャム紙の除去も容易と
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すカラー印字装置の部分
断面正面図である。

【図２】リボンカートリッジの一例を示す断面図であ
る。

【図３】従来のカラー印字装置の一例を示す概略正面図
である。

【符号の説明】

１・・・プラテンロール ２，３，４，５・・・印字ユニット ２ａ〜５ａ・・・リボンカートリッジ ２ｂ〜５ｂ・・・印字ヘッド ６・・・インクリボン ２ｋ〜５ｋ・・・用紙ガイド Ｐ・・・連続用紙

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数色のインクリボンを印字用の連続用紙
   の移動方向に並べたカラー印字装置であって、一つのプ
   ラテンロールの周りに、上記複数色のインクリボンをそ
   れぞれ収納したリボンカートリッジ及び各リボンカート
   リッジ毎に設けられた印字ヘッドを放射状に配設したカ
   ラー印字装置において、 上記リボンカートリッジは、隣接カートリッジ間でプラ
   テンロールと近接対向し上記隣接カートリッジの端部と
   上記プラテンロールとの間に印字用紙を案内するための
   用紙ガイドを、上記インクリボンより外側に一体に有す
   ることを特徴とするカラー印字装置。