JP2550765B2 - 構造物の振動エネルギー吸収装置 - Google Patents
構造物の振動エネルギー吸収装置Info
- Publication number
- JP2550765B2 JP2550765B2 JP2230283A JP23028390A JP2550765B2 JP 2550765 B2 JP2550765 B2 JP 2550765B2 JP 2230283 A JP2230283 A JP 2230283A JP 23028390 A JP23028390 A JP 23028390A JP 2550765 B2 JP2550765 B2 JP 2550765B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vibration energy
- rotating body
- hollow portion
- rotary body
- structural members
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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Landscapes
- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Vibration Dampers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は構造物の例えば柱と梁等の構造部材間の相
対変形時の相対回転変形を利用して構造物に入力される
振動エネルギーを吸収することを可能にした構造物の振
動エネルギー吸収装置の改良に関するものである。
対変形時の相対回転変形を利用して構造物に入力される
振動エネルギーを吸収することを可能にした構造物の振
動エネルギー吸収装置の改良に関するものである。
従来、地震時等に構造物に蓄えられる振動エネルギー
を吸収する方法として、上下階間の層間変位を利用し、
その相対水平変位をダンパー等のエネルギー吸収装置に
伝達させることにより消費する方法が一般に知られ、当
出願人もこの種の振動エネルギー吸収装置を開発し、幾
つか出願もしている。
を吸収する方法として、上下階間の層間変位を利用し、
その相対水平変位をダンパー等のエネルギー吸収装置に
伝達させることにより消費する方法が一般に知られ、当
出願人もこの種の振動エネルギー吸収装置を開発し、幾
つか出願もしている。
しかし、この種の方式の振動エネルギー吸収装置の能
力は、変位量の大きさに対応して発揮されるので、構造
体間にある程度の距離を確保する必要があり、装置の大
型化を免れない等の課題があった。
力は、変位量の大きさに対応して発揮されるので、構造
体間にある程度の距離を確保する必要があり、装置の大
型化を免れない等の課題があった。
そこで、当出願人は構造物の相対変形時の回転を利用
して振動エネルギーを吸収することを可能にした構造物
の振動エネルギー吸収装置を開発し、これについて既に
出願している(特開平3−8982(特願平1−140898号)
公報参照)。
して振動エネルギーを吸収することを可能にした構造物
の振動エネルギー吸収装置を開発し、これについて既に
出願している(特開平3−8982(特願平1−140898号)
公報参照)。
ところで、鉛は単独でも充分な弾塑性履歴吸収エネル
ギー量を有し、しかも封じ込めることにり、その性能は
格段にアップすることが知られている。
ギー量を有し、しかも封じ込めることにり、その性能は
格段にアップすることが知られている。
しかし、鉛を封じ込めることは非常に難しく、免震積
層ゴムの中やピストンダンパーの中に入れて用いる以外
はあまり知られていない。
層ゴムの中やピストンダンパーの中に入れて用いる以外
はあまり知られていない。
この発明は構造物の構造部材間の相対変形時の接合部
の相対回転を利用した構造物の振動エネルギー吸収装置
を改良・発展させたもので、鉛の弾塑性復元力を利用す
ることにより、きわめてコンパクトな構造でありながら
構造物の振動エネルギー吸収能力のきわめて大きい構造
物の振動エネルギー吸収装置を提供することを目的とす
る。
の相対回転を利用した構造物の振動エネルギー吸収装置
を改良・発展させたもので、鉛の弾塑性復元力を利用す
ることにより、きわめてコンパクトな構造でありながら
構造物の振動エネルギー吸収能力のきわめて大きい構造
物の振動エネルギー吸収装置を提供することを目的とす
る。
この発明に係る構造物の振動エネルギー吸収装置は、
接合される構造部材の一方に第一回転体を突設し、前記
構造部材の他方に第二回転体を突設するとともにこの第
二回転体を前記第一回転体の両側に添え付け、前記第一
回転に両側が前記第二回転体によって閉塞された矩形断
面形の中空部を設け、前記第一回転体と第二回転体とを
前記中空部を貫通する連結ボルトで連結し、かつ、この
連結ボルト周囲の前記中空部に鉛塊を前記構造部材間の
相対変形時の相対回転変形量に応じて塑性変形し得るよ
うに封入して構成されている。
接合される構造部材の一方に第一回転体を突設し、前記
構造部材の他方に第二回転体を突設するとともにこの第
二回転体を前記第一回転体の両側に添え付け、前記第一
回転に両側が前記第二回転体によって閉塞された矩形断
面形の中空部を設け、前記第一回転体と第二回転体とを
前記中空部を貫通する連結ボルトで連結し、かつ、この
連結ボルト周囲の前記中空部に鉛塊を前記構造部材間の
相対変形時の相対回転変形量に応じて塑性変形し得るよ
うに封入して構成されている。
第1図は、この発明に係る振動エネルギー吸収装置の
原理を示し、外枠1の中にコア2が設置され、かつ、コ
ア2周囲の矩形状に形成された中空部3に鉛塊4が封入
されている。そして、外枠1若しくはコア2の一方が固
定された状態で他方が回転力Pによって回転されると、
この回転に伴って鉛塊4が塑性変形する。その結果、荷
重(回転力)Pと鉛塊4の変形(回転量)Φとの間に第
2図に図示するような復元力特性が見られる。なお、鉛
塊4は再結晶性に富むので過去の履歴に左右されず、常
に一定した特性を示す。
原理を示し、外枠1の中にコア2が設置され、かつ、コ
ア2周囲の矩形状に形成された中空部3に鉛塊4が封入
されている。そして、外枠1若しくはコア2の一方が固
定された状態で他方が回転力Pによって回転されると、
この回転に伴って鉛塊4が塑性変形する。その結果、荷
重(回転力)Pと鉛塊4の変形(回転量)Φとの間に第
2図に図示するような復元力特性が見られる。なお、鉛
塊4は再結晶性に富むので過去の履歴に左右されず、常
に一定した特性を示す。
第3図及び第4図は、この発明に係る振動エネルギー
吸収装置の一実施例を示し、以下その詳細を説明する。
吸収装置の一実施例を示し、以下その詳細を説明する。
第一回転体5は接合される主要構造部材間の接合部の
一方に突設され、第二回転体6はその他方に突設され、
かつ、第一回転体5の両側に添い付けられてる。第一回
転体5の先端部には矩形状の中空部3が形成され、この
中空部3の両側は第二回転体6,6によって完全に閉塞さ
れている。
一方に突設され、第二回転体6はその他方に突設され、
かつ、第一回転体5の両側に添い付けられてる。第一回
転体5の先端部には矩形状の中空部3が形成され、この
中空部3の両側は第二回転体6,6によって完全に閉塞さ
れている。
連続ボルト7はコア2を構成し、矩形断面形に形成さ
れている。また、連結ボルト7は第二回転体6のボルト
孔と第一回転体5の中空部3に連続して挿通され、か
つ、その両端の雄ねじ部に固定ナット8が螺合されて第
一回転体5と第二回転体6とが接合されている。そし
て、連結ボルト7周囲の中空部3に鉛塊4が封入されて
いる。なお、ここで主要構造部材とは、構造物の柱、
梁、床スラブ若しくは耐震壁等をいう。また、第一回転
体5、第二回転体6及び連結ボルト7はきわめて剛性の
高い材料で形成されている。
れている。また、連結ボルト7は第二回転体6のボルト
孔と第一回転体5の中空部3に連続して挿通され、か
つ、その両端の雄ねじ部に固定ナット8が螺合されて第
一回転体5と第二回転体6とが接合されている。そし
て、連結ボルト7周囲の中空部3に鉛塊4が封入されて
いる。なお、ここで主要構造部材とは、構造物の柱、
梁、床スラブ若しくは耐震壁等をいう。また、第一回転
体5、第二回転体6及び連結ボルト7はきわめて剛性の
高い材料で形成されている。
このような構成において、主要構造部材の相対変形時
の接合部の相対回転変形量に応じて鉛塊4が塑性変形
し、これによって構造物の振動エネルギーが吸収され
る。
の接合部の相対回転変形量に応じて鉛塊4が塑性変形
し、これによって構造物の振動エネルギーが吸収され
る。
第5図、第6図及び第7図は、コア2、すなわち連結
ボルト7の変形例を示し、鉛塊4を塑性変形させること
ができるものであれば、必ずしもこのような断面形状に
限定されるものではない。
ボルト7の変形例を示し、鉛塊4を塑性変形させること
ができるものであれば、必ずしもこのような断面形状に
限定されるものではない。
第8図、第9図、第10図及び第11図は、この発明に係
る振動エネルギー吸収装置の設置例を示す。図におい
て、符号Aが振動エネルギー吸収装置を示す。
る振動エネルギー吸収装置の設置例を示す。図におい
て、符号Aが振動エネルギー吸収装置を示す。
第8図はスラブ9と外壁10との接合部、第9図は柱11
と梁12との接合部、第10図は梁12と間柱13との接合部、
そして、第11図は建物と建物との間にそれぞれ振動エネ
ルギー吸収装置Aが設置されている状態を示す。
と梁12との接合部、第10図は梁12と間柱13との接合部、
そして、第11図は建物と建物との間にそれぞれ振動エネ
ルギー吸収装置Aが設置されている状態を示す。
この発明に係る振動エネルギー吸収装置は以上説明し
た構成からなるので以下の効果を有する。
た構成からなるので以下の効果を有する。
接合される構造部材の一方に第一回転体を突設し、前
記構造部材の他方に第二回転体を突設するとともにこの
第二回転体を前記第一回転体の両側に添え付け、前記第
一回転体に両側が前記第二回転体によって閉塞された、
矩形断面形の中空部を設け、前記第一回転体と第二回転
体とを前記中空部を貫通する連結ボルトで連結し、か
つ、この連結ボルト周囲の前記中空部に鉛塊を前記構造
部材間の相対変形時の相対回転変形量に応じて塑性変形
し得るように封入することにより構成され、特に、第一
回転体と第二回転体とが、接合される構造部材に直接突
設されている。このため、構造部材の接合部の変位が直
接第一回転体と第二回転体とに相反する方向に回転する
回転力として直接伝えられ、これによって中空部の鉛塊
が塑性変形するので、動作に全く無駄がなく、構造部材
の相対変形時の振動エネルギーを完全に吸収でき、ま
た、構造もきわめて簡単なので容易に製作でき、しか
も、小型化も可能である等の効果がある。
記構造部材の他方に第二回転体を突設するとともにこの
第二回転体を前記第一回転体の両側に添え付け、前記第
一回転体に両側が前記第二回転体によって閉塞された、
矩形断面形の中空部を設け、前記第一回転体と第二回転
体とを前記中空部を貫通する連結ボルトで連結し、か
つ、この連結ボルト周囲の前記中空部に鉛塊を前記構造
部材間の相対変形時の相対回転変形量に応じて塑性変形
し得るように封入することにより構成され、特に、第一
回転体と第二回転体とが、接合される構造部材に直接突
設されている。このため、構造部材の接合部の変位が直
接第一回転体と第二回転体とに相反する方向に回転する
回転力として直接伝えられ、これによって中空部の鉛塊
が塑性変形するので、動作に全く無駄がなく、構造部材
の相対変形時の振動エネルギーを完全に吸収でき、ま
た、構造もきわめて簡単なので容易に製作でき、しか
も、小型化も可能である等の効果がある。
第1図は、この発明に係る振動エネルギー吸収装置の原
理を示す正面図、第2図は第1図に示す原理において、
鉛の復元力特性を示すグラフ、第3図はこの発明に係る
振動エネルギー吸収装置の一実施例を示す正面図、第4
図はその断面図、第5図、第6図及び第7図はいずれも
コアの変形例を示す正面図、第8図、第9図、第10図及
び第11図は装置の適用例を示し、第8図、第9図及び第
10図は構造物の一部側面図、第11図は構造物の側面図で
ある。 1……外枠、2……コア、3……中空部、4……鉛塊、
5……第一回転体、6……第二回転体、7……連結ボル
ト、8……固定ナット、9……スラブ、10……外壁、11
……柱、12……梁、13……間柱。
理を示す正面図、第2図は第1図に示す原理において、
鉛の復元力特性を示すグラフ、第3図はこの発明に係る
振動エネルギー吸収装置の一実施例を示す正面図、第4
図はその断面図、第5図、第6図及び第7図はいずれも
コアの変形例を示す正面図、第8図、第9図、第10図及
び第11図は装置の適用例を示し、第8図、第9図及び第
10図は構造物の一部側面図、第11図は構造物の側面図で
ある。 1……外枠、2……コア、3……中空部、4……鉛塊、
5……第一回転体、6……第二回転体、7……連結ボル
ト、8……固定ナット、9……スラブ、10……外壁、11
……柱、12……梁、13……間柱。
Claims (1)
- 【請求項1】接合される構造部材の一方に第一回転体を
突設し、前記構造部材の他方に第二回転体を突設すると
ともにこの第二回転体を前記第一回転体の両側に添え付
け、前記第一回転に両側が前記第二回転体によって閉塞
された、矩形断面形の中空部を設け、前記第一回転体と
第二回転体とを前記中空部を貫通する連結ボルトで連結
し、かつ、この連結ボルト周囲の前記中空部に鉛塊を前
記構造部材間の相対変形時の相対回転変形量に応じて塑
性変形しうるように封入してなることを特徴とする構造
物の振動エネルギー吸収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2230283A JP2550765B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 構造物の振動エネルギー吸収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2230283A JP2550765B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 構造物の振動エネルギー吸収装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04111876A JPH04111876A (ja) | 1992-04-13 |
JP2550765B2 true JP2550765B2 (ja) | 1996-11-06 |
Family
ID=16905385
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2230283A Expired - Lifetime JP2550765B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 構造物の振動エネルギー吸収装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2550765B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0734722A (ja) * | 1993-07-26 | 1995-02-03 | Kajima Corp | 可変減衰装置を利用したアクティブ制震構造 |
JP5028172B2 (ja) * | 2007-07-13 | 2012-09-19 | アルパイン株式会社 | ナビゲーション装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2920175B2 (ja) * | 1988-07-15 | 1999-07-19 | 三菱重工業 株式会社 | 構造物用エネルギー吸収装置 |
-
1990
- 1990-08-31 JP JP2230283A patent/JP2550765B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04111876A (ja) | 1992-04-13 |
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