JP2549455Y2 - 内燃機関のピストン - Google Patents

内燃機関のピストン

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JP2549455Y2
JP2549455Y2 JP1989084968U JP8496889U JP2549455Y2 JP 2549455 Y2 JP2549455 Y2 JP 2549455Y2 JP 1989084968 U JP1989084968 U JP 1989084968U JP 8496889 U JP8496889 U JP 8496889U JP 2549455 Y2 JP2549455 Y2 JP 2549455Y2
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piston
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cooling
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和貴 大石
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Isuzu Motors Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ピストンの頂部に凹状に形成した燃焼室の
周りに冷却用の空洞を環状に形成した内燃機関のピスト
ンに関するものである。
〔従来の技術〕 従来、デイーゼル機関において、例えば0℃以下の低
温で始動すると、白煙を大量に排出するが、この白煙は
未燃焼燃料を主成分とするものであることが知られてい
る。
この白煙は、機関が暖機されれば消え去ってしまうも
のであるが、暖機されるまで数分間は白煙が出続けるも
のである。従って、暖機が不十分の状態で車両が走行す
るとその車両が排出するその白煙で他の車両の視界をさ
えぎってしまうという問題があり、始動時に発生する白
煙を極力少なく、しかも短時間のうちに消滅させてしま
うことが望まれている。
そこでこの低温始動時の白煙を低減するための手段と
して、機関の圧縮比を上げ、圧縮時温度を高くする方法
があるが、この方法は機関性能を悪化させてしまうよう
な問題がある。また、燃焼室の口径を広くして燃料噴射
ノズルより噴射される噴霧の到達距離を長くして燃料を
分散させ、着火性を向上する方法がある。しかし、この
方法も機関性能を悪化させることが懸念され、一般には
機関の性能を優先して燃焼室の形状を決めてしまうの
で、低温始動時の白煙低減と短時間消滅には有効な手段
とはならない。
一方、近年デイーゼル機関は燃焼温度が高められてい
るためにピストンリング溝の温度が上昇する傾向にあ
る。このようにピストンリング溝の温度が上昇すると、
このピストンリング溝に流入しているオイルが劣化し、
それに伴ないリングスティック等の不具合が発生してい
る。
この問題を解決するために第7図に示すようにピスト
ン1の上部に設けられているリング溝2、特にトップリ
ング溝の背面に冷却用空洞3を環状に配置し、オイルジ
エット4によりピストン1の内方に向けて噴射される冷
却油Lをこの冷却用空洞3内に充填してトップリング溝
2の温度を下げ、リングスティックを防止している。な
お、ピストン1の頂部には凹形に燃焼室5が形成されて
おり、前記冷却用空洞3によって前記ピストンリング溝
2の部分と共に燃焼室5の壁面を同時に冷却することに
なる。
このように、ピストン1の頂部の肉厚の内部に冷却用
空洞3を設けてこれに冷却油Lを通すことにより、トッ
プリング溝2の温度を低下させ、、これに伴なってリン
グスィックを防止できる。しかし、機関の低温始動時に
も冷却油Lが冷却用空洞3に供給されるために、ピスト
ン1は過冷却ぎみになり易い。
一方、デイーゼル機関の低温始動時に発生する白煙の
発生原因に着目するに、この白煙は主として未燃焼燃料
の粒子より構成されており、第8図のようにピストン1
の燃焼室5の周囲の壁面の温度が低いために燃料噴射弁
6からの燃料噴霧Fが蒸発しきらずに粒子Pとなって大
気中に排出され、これが白煙となると考えられる。
前記の理由から、機関の始動時の白煙を短時間のうち
に消し去るためには、ピストン1の燃焼室5の側壁面の
温度を短時間のうちに上昇させる必要がある。しかし、
リングスティックを防止するための冷却用空洞3が設け
られているために、逆に燃焼室5の壁面が過冷却ぎみと
なってしまい、白煙がいつまでも消え去らずに排出され
続けてしまう不具合が発生することになるのである。
一方、リングスティック対策と、燃焼室5付近で亀裂
が発生するのを防止する手段として第6図に示す如く、
ピストン1の燃焼室5の周りに位置してピストン1の頂
部の内部にオイルギャラリ10を環状に形成し、更にこの
オイルギャラリ10の燃焼室5側の内周面を断熱材11で被
覆した内燃機関のピストンに関する考案が実開昭58-489
52号公報で提案されている。
冷却用空洞3の位置関係については、オイルギャラリ
10は、リング溝2を冷却するものであり、そのため第6
図のリング溝2底部からの距離Bはできる限り短かくす
ることが望ましい。
また、燃焼室5の側壁面の温度を短時間のうちに上昇
させ、壁面に付着する未燃焼の燃料を短時間のうちに減
少させ、白煙を低減するためには、オイルギャラリ10と
燃焼室5との距離Aを極力小さくしなければならない。
また、断熱効果を十分に発揮させるためには断熱材11
の容量をできる限り大きくする必要がある。更に、ピス
トン1は通常はアルミ材にて成形されているため、その
断熱材11の形状及び鋳込み位置にばらつきを生じ易く、
鋳造欠陥もで易いという問題がある。
前記各種の理由から、断熱材11をあまり大きくでき
ず、従って第6図の距離Aを小さくすることが困難であ
り、また、かりに断熱材11の量を増してAの距離を小さ
くすることができたとしても、断熱材11の量が多くなり
コスト上昇も大きかった。
また、ピストンを冷却する手段として各種の構造のも
のが提案されているが、これらは例えばA)実開昭58-4
8952号公報、B)実開昭60-187345号公報、C)実開昭6
3-127755号公報等がある。
A)はピストンの頂部の燃焼室の周囲とリング溝の背
面との間の肉部にリング状にオイルギヤラリを形成し、
燃焼室側の内面に断熱材を設けて温度勾配をゆるやかに
するものを提案しているが、燃焼室側に断熱空間が形成
されていないことから、十分な温度勾配が得られず、オ
イルギヤラリの大きさや供給するオイルの量に影響され
て低温始動時における白煙を防止することができないも
のである。
B)はピストンの頂部近傍に断熱部となる空洞を形成
し、更にその下方を棚で仕切ってオイルギヤラリを下段
に形成したものであるが、燃焼室の内周壁面付近を断熱
する空洞とオイルギヤラリとを燃焼室とリング溝の間に
左右方向に併設したピストンではない。また、鋳造によ
って仕切用の棚を形成する必要があることから正確で薄
肉の断面を持つ断熱用の空洞を形成することができず、
燃焼室側の温度を高く、リング溝側を低く保持できるピ
ストンを正確に鋳造することは困難である。
C)はピストンリングの背面に三角断面のパイプから
成るオイルギヤラリをリング状に形成したピストンであ
る。この考案はオイルギヤラリの断面形状を正確なもの
にするというメリットはあるが、燃焼室側を断熱用空洞
によって高温に保持しながらオイルギヤラリによってピ
ストンリング側の温度を冷却するという効果がないもの
である。
〔考案が解決しようとする課題〕
本考案は、前記従来の問題点を解消するためになされ
たものであり、内燃機関の始動時の白煙を短時間に消し
去るために、ピストンの燃焼室側の温度を短時間のうち
に上昇させることができ、更にリングスティックを防止
できるピストンを提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
前記課題を解決するための本考案の内燃機関のピスト
ンは、ピストン1の頂部に凹状の燃焼室5を、外周面に
ピストンリング溝2を夫々形成し、前記燃焼室5の周囲
と前記ピストンリング溝2の背面との間の肉部に環状に
冷却用空洞3を形成し、更にこの冷却用空洞3に並列し
て前記燃焼室5の周囲にパイプ15を鋳込んで断熱空洞を
形成し、前記冷却用空洞3にオイルを供給するようにし
ている。
このように構成した結果、常にピストンリング溝2の
リングランド部分を冷却用空洞3内に充填される冷却油
によって冷却しながら、更にこの冷却用空洞3に沿って
燃焼室5側に鋳込んだ中空パイプ15によって燃焼室5と
冷却油の層とを断熱しており、ピストン1の燃焼室5内
の温度を内燃機関の始動時に急速に上昇させて始動時の
白煙を短時間に消し、更に、常にピストンリング溝2の
リングランド部分を冷却用空洞3内に充填される冷却油
により冷却して温度降下させてリングステックを防止で
きる。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本考案の実施例を説明するが、
第1図は本考案の一実施例におけるピストンの縦断面
図、第2図は第1図のII-II方向の側断面図である。
図示したように、ピストン1の頂部に燃焼室5が凹形
に形成され、この燃焼室5の周り環状の肉部の内部に環
状に冷却用空洞3が形成されており、ピストン1の下部
よりオイルジエット4を前記冷却用空洞3内に冷却油L
を噴射し、これを前記冷却用空洞3に通すことにより、
リング溝2、特にトップリング溝の温度を下げることに
より冷却油Lの劣化を防止することによってリングステ
ィックを防止している。
前記ピストン1の構成の他に、本考案では、更に前記
冷却用空洞3の燃焼室5側に中空パイプ15を鋳込んで断
熱層を形成している。この中空パイプ15は、熱の良導体
である銅等の材料から構成されている。
以上の構成からなるピストン1では、リング溝2の温
度を冷却用空洞3内に充填される冷却油Lにより常に低
下させながら、この冷却用空洞3に隣合って燃焼室5側
に配置された中空パイプ15により、燃焼室5と冷却用空
洞3内の冷却油Lとを断熱できる。その結果、ピストン
1の燃焼室5内の温度上昇速度を、冷却用空洞3が設け
られていないピストン1と同等か、あるいはそれ以上に
速めることができる。
この実施例においては、あらかじめ成形された銅製の
中空パイプ15をピストンの鋳込の際に同時に鋳込んで製
造される。従って、第6図の断熱材11を被覆した従来の
ピストンのように形状のばらつきはなく、位置も比較的
正確に鋳込むことができるので、鋳造欠陥も少なくな
る。
従って、第5図の燃焼室5とパイプ15との距離A′
は、第6図の従来のピストン1における距離Aに比べて
大幅に小さくすることができ、壁面温度を短時間のうち
に上昇させ、壁面に付着する未燃焼燃料を短時間のうち
に減少させることができる。
また、パイプ15が中空であるため、そのパイプ15の容
量を大きくしてもコストの増加は殆どない。
次に、第3図及び第4図の線図は、冷却用空洞のない
従来のピストン(A)、冷却油Lによる強制冷却式冷却
用空洞3を有する従来のピストン(B)、そして本考案
によるピストン(C)におけるそれぞれの状態を示して
いる。第3図はピストンの燃焼室内壁温度と時間(始動
よりある時間を経過した時間)との関係、即ち温度上昇
速度を示し、また、第4図は排出白煙量と時間との関係
を示している。
これらの線図から明らかなように、本考案の冷却用空
洞を設けたピストンは、線(C)に示すように始動時白
煙消滅時間の短縮効果が十分にあることが確認された。
〔考案の効果〕
以上に説明した本考案のピストンによれば、内燃機関
の始動時に、ピストンの燃焼室側の温度を短時間のうち
に上昇させて、始動時の白煙を短時間に消し去ることが
できるという効果があり、その結果、このピストンを装
置した内燃機関搭載の車両では、走行時に他の車両の視
界を白煙でさえぎるという恐れがなくなる。
一方、本考案のピストンでは、冷却用空洞に冷却油を
通しているので、ピストンリング溝の冷却効果が十分で
あるので、リングスティック等の不具合の発生がなくな
るという利点がある。
更に、本考案のピストンでは、中空パイプを鋳込んで
いるので、その形状及びパイプのばらつきも少なく、低
コストで十分な白煙対策を発揮できるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例のおけるピストンの縦断面
図、第2図は第1図のII-II方向の側断面図である。 第3図及び第4図は本考案及び従来のピストンをそれぞ
れ燃焼室内壁温度と時間及び排出白煙量と時間の関係を
夫々示す線図である。 第5図は第1図のピストン要部を拡大した説明用縦断面
図、第6図、第7図及び第8図はそれぞれ異なる従来の
ピストンの要部の縦断面図である。 1……ピストン、2……リング溝 3……冷却用空洞、5……燃焼室 15……パイプ、L……冷却油。
フロントページの続き (56)参考文献 実願 昭56−145071号(実開 昭58− 48952号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U) 実願 昭59−73237号(実開 昭60− 187345号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U) 実願 昭62−16147号(実開 昭63− 127755号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストン(1)の頂部に凹状の燃焼室
    (5)を、外周面にピストンリング溝(2)を夫々形成
    し、前記燃焼室(5)の周囲と前記ピストンリング溝
    (2)の背面との間の肉部に環状に冷却用空洞(3)を
    形成し、更にこの冷却用空洞(3)に並列して前記燃焼
    室(5)の周囲にパイプ(15)を鋳込んで断熱空洞を形
    成し、前記冷却用空洞(3)にオイルを供給するように
    した内燃機関のピストン。
JP1989084968U 1989-07-21 1989-07-21 内燃機関のピストン Expired - Lifetime JP2549455Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5848952U (ja) * 1981-09-30 1983-04-02 日産デイ−ゼル工業株式会社 内燃機関のピストン
JPS60187345U (ja) * 1984-05-21 1985-12-12 日産ディーゼル工業株式会社 内燃機関用ピストン
JPH0451019Y2 (ja) * 1987-02-06 1992-12-01

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