JP2548400B2 - 熱交換器の製造方法 - Google Patents

熱交換器の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車機器用,空調機器用,冷凍機器用に用
いられている熱交換器とその製造方法に関するものであ
る。
従来の技術 近年、空調機器等は省エネルギー化が要求されてお
り、冷媒と空気等の流体間で熱の授受を行う熱交換器は
熱交換効率の向上とともに、空調機のファンの消費電力
量低減のため空気側圧力損失低減が要求されており、例
えば実開昭60−60590号公報のように伝熱管の楕円管,
多穴偏平管の導入について取り組まれている。
まず、従来の熱交換器について第4図を用いて説明す
る。第4図において、11は熱交換器で、熱交換器11は一
定間隔で平行に並べられたフィン12と、フィン12を貫通
し、フィン12と接合されている多穴偏平管を用いた伝熱
管13とから構成されている。熱交換器11は伝熱管13内部
を流れる流体とフィン12間を流れる気流とで熱交換を行
うものである。
フィン12は両面あるいは片面にロー材をクラッドした
フィン材料を使用しており、伝熱管13をフィン12のプレ
ス加工時に設けられた伝熱管挿入穴14に挿入したもの
を、高温の炉中にてフィン12のロー材を溶かし、溶けた
ロー材がフィン12の伝熱管挿入穴14と伝熱管13との隙間
に流れ込むことによって、フィン12と伝熱管13を接合す
る炉中ロー付け方式を用いられている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のような製造方法では、伝熱管13の
フィン12挿入時に伝熱管13の先端によるフィン12の損傷
や、さらには摩擦抵抗による伝熱管13の屈曲が生じるた
め、フィン12と伝熱管13間の間隔をできるだけ大きくす
る必要があるのに対し、炉中ロー付け時においては、ロ
ー材は表面張力によってフィン12と伝熱管13との隙間に
流れ込むことから、安定したロー付けを行うにはフィン
12と伝熱管13との間隔をできるだけ小さくする必要があ
るという相予盾した欠点を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、熱交換器
の組立が容易で、さらにフィンと伝熱管との十分なそし
て安定した接合が確保できる熱交換器とその製造方法を
提供するものである。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明の熱交換器の製造方
法は、気流方向の後縁側を切り欠いて構成される略偏平
溝を複数段設けた気流上流側平板フィンと、気流方向の
前縁側を切り欠いて構成される略偏平溝を複数段設けた
気流下流側平板フィンと、気流方向に連続配列した前記
気流上流側平板フィンと前記気流下流側平板フィンの間
に挟まれ長径方向前後部を各平板フィンの略偏平溝に挿
入した略ひし形管あるいは略楕円管からなる伝熱管とか
ら構成し、気流上流側平板フィンおよび気流下流側平板
フィンに両面あるいは片面にロー材をクラッドしたフィ
ン材料を使用し、気流上流側平板フィン及び気流下流側
平板フィンのフィン端部より前記楕円管あるいは略ひし
形管からなる伝熱管を挿入した後、炉中ロー付けにて接
合することを特徴とする。
作用 本発明は上記した方法によって、フィンが強度のある
フィン端部方向からの伝熱管挿入であるためフィンの損
傷が少なく、また、伝熱管に関しても伝熱管を側面方向
から挿入するため、長手方向に力が加わらず、伝熱管の
屈曲は起こらない。そのため、伝熱管のフィンへの挿入
が容易に行え、さらに、フィンと伝熱管とのクリアラン
スが無い状態でのロー付けによって十分なそして安定し
た接合が行え、高性能な熱交換器を製造することができ
る。
実 施 例 以下本発明の第1の実施例について、図面を参照しな
がら説明する。
第1図は本発明の実施例によって製造した熱交換器
で、第2図は第1図のB−B線における断面拡大図であ
る。1は熱交換器、2は一定間隔で平行に並べられた気
流上流側平板フィンで、3は気流下流側平板フィン、4
は気流上流側平板フィン2と気流下流側平板フィン3と
が接合されている略ひし形管を用いた伝熱管、5は伝熱
管4端部に接合された分流器である。
熱交換器1は分流器5を介して伝熱管4内部を流れる
流体と気流上流側平板フィン2や気流下流側平板フィン
3間を流れる気流Aとで熱交換を行うものであり、気流
上流側平板フィン2と気流下流側平板フィン3にはルー
バー6が設けられており熱伝達率を向上させている。
つぎに、第3図を用いて本実施例の熱交換器の製造過
程を示す。気流上流側平板フィン2および気流下流側平
板フィン3は両面あるいは片面にロー材をクラッドした
フィン材料を使用し、気流上流側平板フィン2には気流
方向の後縁側を伝熱管4の外形状に一致するように切り
欠いて構成された略偏平溝7が複数が段設けられ、ま
た、気流下流側平板フィン3にも同様に気流方向の前縁
側を切り欠いて構成される略偏平溝8が複数段設けられ
ている。熱交換器1は一定間隔で平行に並べられた気流
上流側平板フィン2と気流下流側平板フィン3とを、伝
熱管4の前後方より略偏平溝7,8とが一致するよう挿入
した後、炉中ロー付けにて接合される。
気流上流側平板フィン2と気流下流側平板フィン3を
伝熱管4に挿入する際、気流上流側平板フィン2は強度
の弱いフィン平面に対して垂直方向からの力ではなく、
水平方向C,Dつまり気流上流側平板フィン2端部から力
が加わるため強度があり、伝熱管4挿入時のフィンの損
傷が少ない。また、伝熱管4に関しても伝熱管4を側面
方向から挿入するため、長手方向に力が加わらず、伝熱
管4の屈曲は起こらない。よって伝熱管4の気流上流側
平板フィン2,気流下流側平板フィン3への挿入が容易に
行える。さらに、炉中ロー付時に、気流上流側平板フィ
ン2,気流下流側平板フィン3と伝熱管4との間隔がほと
んど無いので、気流上流側平板フィン2と伝熱管4との
間にロー材がいき渡り、十分で安定したロー付けが行う
ことができる。
また、伝熱管4に略ひし形管を用いることによって、
管外形状や略偏平溝7,8の加工上のバラツキが多少あっ
ても間隔があまり大きくならない。
以上のように本実施例によれば、気流方向の後縁側を
切り欠いて構成される略偏平溝を複数段設けた気流上流
側平板フィンと、気流方向の前縁側を切り欠いて構成さ
れる略偏平溝を複数段設けた気流下流側平板フィンと、
気流方向に連続配列した気流上流側平板フィンと気流下
流側平板フィンの間に挟まれ長径方向前後部を各平板フ
ィンの略偏平溝に挿入した略ひし形管あるいは略楕円管
からなる伝熱管とから構成し、気流上流側平板フィンお
よび気流下流側平板フィンに両面あるいは片面にロー材
をクラッドしたフィン材料を使用し、フィン端部より伝
熱管を挿入した後、炉中ロー付けにて接合することによ
って伝熱管のフィンへの挿入が容易に行え、さらに、フ
ィンと伝熱管とのクリアランスが無い状態でのロー付け
によって十分なそして安定した接合が行え、高性能な熱
交換器を製造することができる。
また、本実施例では伝熱管として略ひし形管としたが
略楕円管としても同等の効果が得られることは言うまで
もない。
発明の効果 以上のように本発明は、気流方向の後縁側を切り欠い
て構成される略偏平溝を複数段設けた気流上流側平板フ
ィンと、気流方向の前縁側を切り欠いて構成される略偏
平溝を複数段設けた気流下流側平板フィンと、気流方向
に連続配列した気流上流側平板フィンと気流下流側平板
フィンの間に挟まれ長径方向前後部を各平板フィンの略
偏平溝に挿入した略ひし形管あるいは略楕円管からなる
伝熱管とから構成し、気流上流側平板フィンおよび気流
下流側平板フィンに両面あるいは片面にロー材をクラッ
ドしたフィン材料を使用し、フィン端部より伝熱管を挿
入した後、炉中ロー付けにて接合することによって伝熱
管のフィンへの挿入が容易に行え、さらに、フィンと伝
熱管との隙間が無い状態でのロー付けによって十分なそ
して安定した接合が行え、高性能な熱交換器を製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例における熱交換器の斜視図、第
2図は第1図のB−B線における断面の拡大斜視図、第
3図は本発明の実施例における製造過程を説明する平面
図、第4図は従来の熱交換器の部分拡大斜視図である。 1……熱交換器、2……気流上流側平板フィン、3……
気流下流側平板フィン、4……伝熱管、7,8……略偏平
溝。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気流方向の後縁側を切り欠いて構成される
    略偏平溝を複数段設けた気流上流側平板フィンと、気流
    方向の前縁側を切り欠いて構成される略偏平溝を複数段
    設けた気流下流側平板フィンと、気流方向に連続配列し
    た前記気流上流側平板フィンと前記気流下流側平板フィ
    ンの間に挟まれ長径方向前後部を前記各平板フィンの略
    偏平溝に挿入した略ひし形管あるいは略楕円管からなる
    伝熱管とから構成し、前記気流上流側平板フィンおよび
    前記気流下流側平板フィンに両面あるいは片面にロー材
    をクラッドしたフィン材料を使用し、フィン端部より前
    記楕円管あるいは略ひし形管からなる伝熱管を挿入した
    後、炉中ロー付けにて接合する熱交換器の製造方法。
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