JP2547781B2 - Btl電力増幅回路 - Google Patents

Btl電力増幅回路

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、スタンバイ回路を備えたBTL(Balanced
Transfomer Less)電力増幅回路に関する。
(従来の技術) 従来から用いられている電力増幅回路には、増幅回路
を非動作状態時に回路に電流が流れない所謂待機状態
(スタンバイ状態)にして、消費電力の低減を図るスタ
ンバイ回路を備えたものがある。
第3図はこのようなスタンバイ回路を備えた電力増幅
回路の構成図である。
同図に示す電力増幅回路は、増幅器1の出力によって
スイッチング動作し、トーテムポール形に接続されて出
力段3を構成するバイポーラトランジスタQ1,Q2により
負荷5を駆動するものである。
このような電力増幅回路において、スタンバイ回路
は、増幅器1及びこの増幅器1をバイアスするバイアス
部7と正の電圧源VCCとの間に挿入されたPNP型のバイポ
ーラトランジスタQ3と、このバイポーラトランジスタQ3
のベース端子と、負の電圧源VEEとの間に挿入され、ベ
ース端子がスタンバイ端子9に接続されたNPN型のバイ
ポーラトランジスタQ4とから構成されている。
このように構成されたスタンバイ回路にあっては、ス
タンバイ端子9をロウレベル状態にすることで、バイポ
ーラトランジスタQ3,Q4をオフ状態にさせて、増幅器1
及びバイアス回路7への電流の供給を停止してスタンバ
イ状態を実現している。
このように、スタンバイ回路を備えることにより、電
源ラインに大容量のスイッチを用いることなく回路をオ
ン,オフすることができるようになり、回路を安価に構
成することができる。また、スタンバイ端子9に与えら
れるバイポーラトランジスタQ4のしきい値電圧を選択す
ることにより、ロジックコントローラあるいはマイクロ
コンピュータ等でスタンバイ回路を制御することが可能
となり、例えばオーディオ用のミューティング回路等に
適用することができる。
しかしながら、上述したようなスタンバイ回路を備え
た電力増幅回路においては、動作状態からスタンバイ状
態への移行が急激に行なわれるため、出力側に電源遮断
時に生じる所謂ショックノイズが発生する。これによ
り、誤動作を招いたり、ミューティング回路に用いた場
合の選局中の離調時(ミュート時)に不快な雑音を招い
ていた。
そこで、これを改善するために、第4図に示すような
構成の電力増幅回路が提案されている。
第4図は、バイポーラトランジスタQ3,Q4と、バイポ
ーラトランジスタQ3とバイアス回路7間に挿入された抵
抗R1と、バイアス回路7と電圧源VEEとの間に並列に接
続されて挿入された抵抗R2とコンデンサC1とからなるス
タンバイ回路を備えた電力増幅回路の構成を示す図であ
る。なお、第3図と同符号のものは同一機能を有するも
のであり、その説明は省略する。
上述したように構成されたスタンバイ回路にあって
は、バイポラートランジスタQ3,Q4がオフ状態となり、
動作状態からスタンバイ状態に移行する際に、動作状態
時にコンデンサC1に蓄積された電荷を時定数C1・R2で放
電させることにより、バイアス回路7を徐々にスタンバ
イ状態にさせている。これにより、増幅器1を動作状態
から徐々にスタンバイ状態に移行させ、ショックノイズ
の発生を防止している。
しかしながら、このようなスタンバイ回路にあって
は、コンデンサC1と抵抗R2とによりバイアス回路7を徐
々にスタンバイ状態にさせているため、回路全体として
の動作状態からスタンバイ状態への移行に時間がかかる
ことになる。このため、例えば前段のプリアンプ等の電
源遮断時に発生したショックノイズが増幅されて出力さ
れたり、ミュート時にしばらくの間音声が出力されてい
た。
(発明が解決しようとする問題点) 以上説明したように、第3図に示したようなスタンバ
イ回路を備えた電力増幅回路にあっては、動作状態から
スタンバイ状態への移行が急激に行なわれるために、シ
ョックノイズが発生するという問題があった。
一方、第4図に示したようなスタンバイ回路を備えた
電力増幅回路にあっては、ショックノイズの発生を防止
しているが、動作状態からスタンバイ状態への移行に時
間がかかるために、動作状態からスタンバイ状態へ移行
した直後では回路はまだ動作状態にあり、増幅された信
号が出力されるという問題があった。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、動作状態からスタンバイ
状態への移行時にショックノイズの発生を防止するとと
もに、出力をすみやかに停止させることができるBTL電
力増幅回路を提供することにある。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するために、この発明は、入力信号を
同相増幅する同相増幅器の出力と入力信号を逆相増幅す
る逆相増幅器の出力によって負荷を駆動する増幅駆動手
段と、増幅駆動手段をバイアスするバイアス手段と、動
作状態からスタンバイ状態への移行直後に、増幅駆動手
段の出力を強制的に電源電位に移行させる移行手段と、
動作状態からスタンバイ状態への移行時に、バイアス手
段による増幅駆動手段のバイアスを徐々に減少させて、
増幅駆動手段の動作状態から徐々に電流を流さないスタ
ンバイ状態に移行させるスタンバイ手段とから構成され
る。
(作用) 上記構成においては、動作状態からスタンバイ状態へ
の移行直後に、同相増幅器及び逆相増幅器の出力を強制
的に電源電位とすることにより、BTL電力増幅器の出力
を停止させ、同相及び逆相増幅器のバイアスを徐々に減
少さて、同相及び逆相増幅器を動作状態から徐々にスタ
ンバイ状態へ移行させるようにしている。
(実施例) 以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明する。
第1図はこの発明の一実施例に係るBTL電力増幅回路
の構成図である。同図に示すBTL電力増幅回路は、第4
図に示した電力増幅回路と同様に、動作状態から徐々に
スタンバイ状態へ移行させるスタンバイ回路を備えてお
り、BTL接続された一対の増幅器の各々の出力の差分が
出力として得られるという特徴を利用して、動作状態か
らスタンバイ状態に移行した直後に、バランスされた一
対の増幅器の出力を正の電源VCCレベルにして、その
後、各々の増幅器をスタンバイ状態にさせるようにした
ものである。
第1図において、BTL電力増幅回路は、入力信号を増
幅する増幅回路11と、この増幅回路11へのバイアスを停
止させて、増幅回路11を動作状態からスタンバイ状態へ
移行させるスタンバイ回路と、このスタンバイ回路によ
って制御されて、増幅回路11をバイアスするバイアス回
路と、増幅回路11を動作状態からスタンバイ状態へ移行
した直後に増幅回路11の出力を電源VCCとする移行回路
とを有している。
増幅回路11は、BTL接続された一対の増幅器15a,15bを
有している。増幅器15a,15bは、各々の負の入力端子が
抵抗R3を介して相互接続されているとともに、対応する
抵抗Ra,Rbを介して出力端子に接続されており、増幅器1
5aの正の入力端子が入力信号を与える信号源17に接続さ
れ、増幅器15bの正の入力端子がグランドに接続されて
いる。また、各々の増幅器15a,15bは、その出力端子が
負荷19を介して相互接続されており、正の電源VCCと負
の電源VEEが供給され、増幅器15aは入力信号を同相増幅
し、増幅器15bは入力信号を逆相増幅するものである。
このような構成において、各々の増幅器15a,15bの電
圧利得Ga,Gbは、各々の増幅器15a,15bの開ループ利得が
十分に高いものとすると、次式で表わされる。
Ga=(Ra+R3)/R3 =(Ra/R3)+1 Gb=−Rb−R3 ここで、Ra=Rb及び(Rb/R3)≫1とすると、各々の
電圧利得Ga,Gbは、 |Ga|≒|Gb| となる。したがって、各々の増幅器15a,15bにあって
は、同一電圧利得で逆位相の出力が得られ、BTL増幅動
作が行なわる。
スタンバイ回路は、ベースがスタンバイ端子9に接続
され、エミッタが負の電源VEEに接続されたNPN型のバイ
ポーラトランジスタQ5と、ベースが抵抗R4を介してバイ
ポーラトランジスタQ5のコレクタに接続され、エミッタ
が電源VCCに接続され、コレクタが抵抗R5を介してバイ
アス回路13の入力側に接続されたPNP型のバイポーラト
ランジスタQ6とからなり、電源VCCからバイアス回路13
への電源供給を制御するものである。
すなわち、スタンバイ端子9がハイレベル状態にあっ
ては、各々のバイポーラトランジスタQ5,Q6はともにオ
ン状態にあり、バイアス回路13には電流が供給される。
一方、スタンバイ端子9がハイレベル状態からロウレベ
ル状態になると、各々のバイポーラトラジスタQ5,Q6
ともにオフ状態となり、バイアス回路13への電流の供給
は停止される。
バイアス回路13は、その入力側が並列に接続された抵
抗R6とコンデンサC2を介して電源VEEに接続されてお
り、その出力側が各々の増幅器15a,15bに接続されてい
る。バイアス回路13は、スタンバイ端子9がハイレベル
状態になると、電源VCCから電流の供給を受けて、各々
の増幅器15a,15bをバイアスして動作状態にさせる。ま
た、この時に、バイアス回路13の入力側に接続されたコ
ンデンサC2は充電される。
一方、スタンバイ回路13は、スタンバイ端子9がハイ
レベル状態からロウレベル状態となり電源VCCから電流
供給が停止されると、コンデンサC2に蓄積された電荷が
供給されて、電荷の放電とともに抵抗R6とコンデンサC2
との時定数にしたがって徐々にオフ状態となる。
移行回路は、PNP型のバイポーラトランジスタQ7,Q
8と、NPN型のバイポーラトランジスタQ9,Q10と、抵抗
R7,R8とから構成されている。
バイポーラトランジスタQ7は、そのベースがバイポー
ラトランジスタQ6のベースに接続され、エミッタが電圧
源VCC及びバイポーラトランジスタQ8のエミッタに接続
されており、コレクタがバイポーラトランジスタQ8のベ
ースに接続されているとともに、抵抗R7を介してバイア
ス回路13の出力側に接続されている。
バイポーラトランジスタQ9,Q10は、各々のベースが相
互接続され抵抗R8を介してバイポーラトランジスタQ8
コレクタに接続されており、各々のエミッタが電源VEE
に接続され、各々のコレクタは対応する増幅器15a,15b
の負の入力端子に接続されている。
移行回路は、このような構成において、スタンバイ端
子9がハイレベル状態からロウレベル状態になると、バ
イポーラトランジスタQ9,Q10をオン状態にして、各々の
増幅器15a,15bの負の入力端子から各々の出力端子を電
源VCC電位とするに十分な電流を電源VEEへ引き込むよう
にするものである。
以上説明したように、この発明の実施例は構成されて
おり、次にこの実施例の作用を説明する。
スタンバイ端子9がハイレベル状態にあると、バイポ
ーラトランジスタQ5,Q6はオン状態となり、電源VCCから
バイポーラトランジスタQ6及び抵抗R5を介して電流がバ
イアス回路13に供給され、増幅器15a,15bはバイアス回
路13によりバイアスされて動作状態となる。また、スタ
ンバイ端子9がハイレベル状態にあると、バイポーラト
ランジスタQ7はオン状態となり、このバイポーラトラン
ジスタQ7が飽和状態にあるとすると、バイポーラトラン
ジスタQ8はオフ状態となり、これにより、バイポーラト
ランジスタQ9,Q10はオフ状態となる。
このような状態にあって、スタンバイ端子9がハイレ
ベル状態からロウレベル状態になると、バイポーラトラ
ンジスタQ5はオフ状態となる。これにより、バイポーラ
トランジスタQ7はオフ状態、さらには、バイポーラトラ
ンジスタQ8はオン状態となり、バイポーラトランジスタ
Q9,Q10がオン状態となる。
したがって、各々の増幅器15a,15bの負の入力端子か
ら対応するバイポーラトランジスタQ9,Q10を介して十分
な電流が電源VEEに流れ込む。このため、各々の増幅器1
5a,15bの出力端子は急速に電源VCCレベルとなり、入力
信号を増幅した出力波形は出力されなくなる。
一方、スタンバイ端子9がロウレベル状態となり、バ
イポーラトランジスタQ5がオフ状態になると、バイポー
ラトランジスタQ6もオフ状態となり、電源VCCからバイ
アス回路13への電流供給は停止する。このため、バイア
ス回路13が動作状態時にコンデンサC2に蓄積された電荷
がバイアス回路13に供給されるが、バイアス回路13は抵
抗R6とコンデンサC2との時定数にしたがって徐々にオフ
状態となる。各々の増幅器15a,15bも徐々にオフ状態と
なり、動作状態から徐々にスタンバイ状態となる。
このように、スタンバイ端子9をハイレベル状態から
ロウレベル状態にして、各々の増幅器15a,15bを動作状
態からスタンバイ状態に移行させようとする際に、移行
した直後、すなわち、各々の増幅器15a,15bがバイアス
回路13によってバイアスされて動作状態にある間に、各
々の増幅回路15a,15bの出力は急速に電源VCCレベルとな
り、その後、バイアスが徐々に停止してオフ状態となり
徐々にスタンバイ状態となる。
したがって、ショックノイズの発生も招くことなく、
出力を急速に停止させて動作状態からスタンバイ状態に
移行することができるようになる。
第2図はこの発明の他の実施例に係るBTL電力増幅回
路の構成図である。同図に示すBTL電力増幅回路の特徴
とするところは、第1図に示したBTL電力増幅回路に対
して、各々の増幅器15a,15bの負の入力端子と電圧源VCC
の間に、各々の入力端子に対応してNPN型のバイポーラ
トランジスタQ11と抵抗R9、NPN型のバイポーラトランジ
スタQ12と抵抗R10を接続して、動作状態からスタンバイ
状態に移行した直後に各々の増幅器15a,15bの負の入力
端子に電源VCCから電流を供給し、各々の増幅器15a,15b
の出力を急速に電源VEEレベルにするようにしたことに
ある。なお、第1図と同符号のものは同一物であり、そ
の説明は省略する。
したがって、このような構成にあっても、第1図に示
したBTL電力増幅回路と同様な効果を得ることができ
る。
なお、上記2つの実施例においては、正の電源と負の
電源を用いたが、これに限ることなく、バイポーラトラ
ンジスタの極性に応じて例えば負の電源とグランド電位
を用いてもよい。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によれば、動作状態か
らスタンバイ状態への移行を徐々に行なうとともに、動
作状態からスタンバイ状態へ移行した直後に同相増幅器
と逆相増幅器の出力をともに電源電位としたので、ショ
ックノイズの発生を防止して、、出力をすみやかに停止
させるBTL電力増幅回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に係るBTL電力増幅回路の
構成図、第2図はこの発明の他の実施例に係るBTL電力
増幅回路の構成図、第3図及び第4図は従来のスタンバ
イ回路を備えた電力増幅回路の構成図である。 (図の主要な部分を表わす符号の説明) 11……増幅回路 13……バイアス回路 15a,15b……増幅器 Q5,Q9,Q10,Q11,Q12……NPN型のバイポーラトランジスタ Q6,Q7,Q8……PNP型のバイポーラトランジスタ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号を同相増幅する同相増幅器の出力
    と入力信号を逆相増幅する逆相増幅器の出力によって負
    荷を駆動する増幅駆動手段と、 増幅駆動手段をバイアスするバイアス手段と、 動作状態からスタンバイ状態への移行直後に、増幅駆動
    手段の出力を強制的に電源電位に移行させる移行手段
    と、 動作状態からスタンバイ状態への移行時に、バイアス手
    段による増幅駆動手段のバイアスを徐々に減少させて、
    増幅駆動手段の動作状態から徐々に電流を流さないスタ
    ンバイ状態に移行させるスタンバイ手段と を有することを特徴とするBTL電力増幅回路。
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