JP2547510Y2 - 農用トラクタの配線構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、耕深検知センサ等の電装品を備えた作業部
が連結される農用トラクタの配線構造に関するものであ
る。

［従来技術及び考案が解決しようとする課題］ 一般に、この種農用トラクタのなかには、昇降リンク
機構を介して走行機体に連結される耕耘作業部に、耕深
検知センサ、耕耘作業部のリヤカバーを移動させるため
の電動シリンダおよび該電動シリンダの長さ検知をする
ストロークセンサの各電装品を設けたものがある。

そして従来、これら各電装品から引出される各ハーネ
スは、走行機体側の制御ユニツトから引出される所定の
ハーネスにそれぞれコネクタ接続していた。しかるにこ
のものでは、作業部を脱着する際に、複数のコネクタを
外したり、再度接続したりする必要があるため、作業部
脱着時における作業性を低下させるという問題がある。
さらに各電装品は、走行機体側までの長いハーネスがそ
れぞれ引き出されたものが必要になるうえ、その分、コ
ストアツプになるという問題もある。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記の如き実情に鑑みこれらの欠点を一掃
することができる農用トラクタの配線構造を提供するこ
とを目的として創案されたものであつて、昇降リンク機
構を介して機体に連結される耕耘作業部に、耕深検知セ
ンサ、上端が耕耘作業部のトツプマストに連結され、下
端が耕耘作業部のリヤカバーに連結される電動シリンダ
および該電動シリンダの長さ検知をするストロークセン
サの各電装品を設けてなる農用トラクタにおいて、前記
各電装品からそれぞれ引出される各ハーネスを、トツプ
マストの開口内で対応するコネクタを介して一本のハー
ネスに纏め、該一本のハーネス先端部を、昇降リンク機
構に沿わせて走行機体側に至らしめ、さらにハーネス先
端部に単一のコネクタを接続すると共に、前記トツプマ
ストには、該トツプマストの開口上部を塞いで上記トツ
プマスト開口内に配したコネクタを覆うためのカバーを
設けたことを特徴とするものである。

そして本考案は、この構成によつて、作業部脱着時に
おける作業性を向上できるようにしたものである。

［実施例］ 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
図面において、１は農用トラクタの走行機体であつて、
該走行機体１の後部には、三点式昇降リンク機構２を介
してロータリ耕耘式の作業部３が昇降自在に連結され、
そして作業部３は、油圧シリンダ（図示せず）の伸縮作
動に伴うリフトアーム４の揺動により昇降するが、これ
らの構成は何れも従来通りである。

５は作業部３に設けられるリヤカバーであつて、該リ
ヤカバー５は、支軸６を支点として上下揺動するもので
あるが、支軸６と一体なガイドレール７がメインカバー
８に設けられるローラ９にガイドされることで、リヤカ
バー５はメインカバー８の円弧に沿う軌跡を移動するこ
とができるようになつている。

10は耕深検知センサであつて、該耕深検知センサ10
は、連結ロツド11を介して連結される前記リヤカバー５
の揺動角を検知するべく構成されている。

12は電動シリンダであつて、該電動シリンダ12の上端
部は、作業部３の上端部に設けられるトツプマスト13に
揺動自在に連結される一方、下端部はリヤカバー５の支
軸６に対して揺動自在に連絡されている。即ち、電動シ
リンダ12の伸縮作動に伴つてリヤカバー５が移動するよ
う構成されるが、リヤカバー５の位置は、電動シリンダ
12に並設されるストロークセンサ14によつて検知される
ようになつている。

さらに、15、16、17は前記耕深検知センサ10、電動シ
リンダ12、ストロークセンサ14からそれぞれ引出される
ハーネスであるが、これらハーネス15、16、17の先端部
にそれぞれ設けられるコネクタ15a、16a、17aは、前記
トツプマスト13内に纏められ、ハーネス18のコネクタ18
aに接続されている。即ち、ハーネス15、16、17はトツ
プマスト13内で一本のハーネス18に纏められるが、さら
にハーネス18は、前記昇降リンク機構２のトツプリンク
2aに沿つて走行機体１側の油圧ケース1a上端部に至り、
その先端部には単一のコネクタ18bが設けられている。
そして単一のコネクタ18bを、油圧ケース1a上端部に固
定される機体側配線のコネクタ19に接続することで、前
記前記耕深検知センサ10、電動シリンダ12およびストロ
ークセンサ14が走行機体１側の制御ユニツト（図示せ
ず）に対して接続されるようになつている。尚、20はハ
ーネス18をトツプリンク2aに沿わせて係止するべくワイ
ヤバンド20aを介してトツプリンク2a等に設けられるク
ランプである。

またさらに、21はトツプマスト13に設けられるゴムカ
バーであつて、該ゴムカバー21は、トツプマスト13の上
部開口を覆蓋することによつてトツプマスト13内のコネ
クタ15a、16a、17a、18aの被水を防いでいる。

叙述の如く構成された本考案の実施例において、作業
部３を脱着する際には、従来の様に複数のコネクタを外
したり接続したりすることなく、単一のコネクタ18bを
着脱するだけで作業部３に複数設けられる電装品の電気
的な接続が完了することになる。

この様に、本考案が実施されたものにあつては、作業
部３に複数の電装品を設けたものでありながら、作業部
３の着脱時におけるコネクタの着脱作業は、単一のコネ
クタ18bについて行うだけで良く、従つて、従来の様に
複数のコネクタをいちいち着脱するような面倒な作業が
不要になつて、作業部３の脱着作業時における作業性を
向上できる。

しかも、電動シリンダ12およびストロークセンサ14に
近接するトツプマスト13内にコネクタ15a、16a、17aを
纏めるようにしたので、各電装品から引き延ばされるハ
ーネス15、16、17は、トツプマスト13内までの短いもの
でよくなつて長さを短縮でき、その分、コストダウンも
計れる。また、各ハーネスを走行機体１までそれぞれ配
線する場合のように、これら各ハーネスをタイロープ等
で一つに縛つて束ねたものを昇降リンク機構２に係止す
るような必要がない。

また、ゴムカバー21によつてトツプマスト13の上部開
口を覆蓋することで、コネクタ15a、16a、17a、18aの被
水を防止しているので、被水に伴う短絡等の不具合も防
止できる。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成されたもので
あるから、耕耘作業部に耕深検知センサ、電動シリン
ダ、ストロークセンサの各電装品を設けたものである
が、これら各電装品からそれぞれ引出されるハーネス
は、トツプマスト開口内で対応するコネクタを介して一
本のハーネスに纏められ、該纏められたハーネスを昇降
リンク機構に沿つて走行機体側に至ることになるため、
前記各電装品を、纏められたハーネス先端部に設けられ
る単一のコネクタのみの接続で走行機体側の配線に接続
できる。従つて、複数の電装品を備えながら、作業部脱
着時のコネクタ接続作業は、複数のコネクタについて行
うことなく、一つのコネクタにいて行えば良いことにな
つて、作業部脱着作業時における作業性が向上する。

そのうえ、電動シリンダおよびストロークセンサから
それぞれ引出されるハーネスは、電動シリンダの上端が
連結されるトツプマストの開口内で対応するコネクタを
介して纏められるから、これら電装品は、短いハーネス
が引き出されたものでよいことになり、その分、コスト
ダウンも計れるうえ、昇降リンク機構に係止するにあた
り、各ハーネスを一つに束ねるような必要もない。

しかもトツプリンクの開口内に配されるコネクタは、
開口上部を塞ぐカバーによつて覆われることになつて、
これらコネクタの被水防止が計れる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る農用トラクタの配線構造の実施例
を示したものであつて、第１図はトラクタの側面図、第
２図は同上平面図、第３図は同上要部拡大側面図、第４
図は同上要部拡大平面図である。 図中、１は走行機体、２は昇降リンク機構、2aはトツプ
リンク、３は作業部、10は耕深検知センサ、12は電動シ
リンダ、13はトツプマスト、14はストロークセンサ、1
5、16、17、18はハーネス、15a、16a、17a、18a、18b、
19はコネクタである。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】昇降リンク機構を介して機体に連結される
   耕耘作業部に、耕深検知センサ、上端が耕耘作業部のト
   ツプマストに連結され、下端が耕耘作業部のリヤカバー
   に連結される電動シリンダおよび該電動シリンダの長さ
   検知をするストロークセンサの各電装品を設けてなる農
   用トラクタにおいて、前記各電装品からそれぞれ引出さ
   れる各ハーネスを、トツプマストの開口内で対応するコ
   ネクタを介して一本のハーネスに纏め、該一本のハーネ
   ス先端部を、昇降リンク機構に沿わせて走行機体側に至
   らしめ、さらにハーネス先端部に単一のコネクタを接続
   すると共に、前記トツプマストには、該トツプマストの
   開口上部を塞いで上記トツプマスト開口内に配したコネ
   クタを覆うためのカバーを設けたことを特徴とする農用
   トラクタの配線構造。