JPH055844Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は農作業トラクタ等の走行型作業機に関
し、特に走行車輌本体と作業機との間に配線を有
する走行型作業機に関する。

（従来の技術） 走行型作業機では、例えば実開昭59−98705号
公報に示されるように、作業機の自動制御を行な
うため各種センサと電気制御部との間に多くの電
気配線を設けている。

かかる車輌本体側の電気制御部と作業機側のセ
ンサとの電気的接続は、作業機が昇降したり左右
傾動するので、空中配線を行なうのが一般的であ
る。

また、空中配線部分を保護するために、配線を
コイルスプリングで囲繞する構造が、実開昭56−
80011号公報で提案されている。

（考案が解決しようとする課題） しかし、空中配線の場合は、作業機の昇降や左
右傾動によつて、配線が引つ張られたり、可動部
分と干渉しないよう配線の引き廻しに相当の注意
が必要である。

また、電気配線をコイルスプリングで囲繞する
構造は、作業目的に応じて作業機を付け替える場
合に、ハーネスの取り付け・取り外しの処理に手
間がかかるという問題がある。

本考案はこのような問題を解決するためなされ
たもので、その目的とする処は、車輌本体と作業
機との間の配線を可動部分と干渉することなく固
定し、かつ、配線の取り付け・取り外しを容易に
行なえる走行型作業機を提供するにある。

（課題を解決するための手段） 前記課題を解決すべく本考案は、車輌本体に左
右一対のロアリンクを上下に回動自在に連結し、
このロアリンクの後端部分に作業機を連結した走
行型作業機において、前記ロアリンクの内側に、
内方へ突出する複数のハーネス支持台をロアリン
クに沿つて配設し、このハーネス支持台に前記車
輌本体と作業機との間の電気的接続を行なうハー
ネスを着脱自在に取付けるようにしたことを特徴
とする。

（作用） 車輌本体と作業機との電気的接続を行なうハー
ネスは、ロアリンクの内側にロアリンクに沿つて
配設された複数のハーネス支持台に、ハーネスを
順次装着することで取付けられる。また、ハーネ
スをハーネス支持台から順次脱着することで、ハ
ーネスを取り外すことができる。

（実施例） 以下に本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図は本考案に係る走行型作業機を示す側面
図である。

本実施例の車輌本体１はトラクタであつて、車
体フレーム２の前・後に前輪３，３及び後輪４，
４を備え、後部に作業機装着装置５を備えてい
る。

この作業機装着装置５は、作業機を支持すると
ともに、作業機の高さや傾きを制御する役目を為
し、例えばロアリンク６，６とアツパリング７と
リフトアーム８，８と、このリフトアーム８，８
を上下に回動駆動して作業機９を昇降自在に駆動
する図示されない油圧シリンダとを備えて成る。

作業機９は、例えば作業機装着装置５に懸架さ
れたハウジング１０と、このハウジング１０に水
平に回転可能に支持された耕うん軸１１と、この
耕うん軸１１に放射状に配列された耕うん刃１１
ａ…と、ハウジング１０の後部に揺動自在に取り
付けたリヤカバー１０ａとからなるロータリ耕う
ん機である。

また、１４ａは耕深センサであつて、リヤカバ
ー１０ａの揺動量を検出することによつて、作業
機９の耕深量を検出するように構成されている。

かかる作業機９は車輌本体１で牽引されつつ、
不図示の動力取出軸から動力を受け、この動力を
前記耕うん軸１１に伝達せしめ、耕うん刃１１ａ
…を旋回させて耕うん作業を行う。

第２図は、かかる走行型作業機の配線系統を示
す図である。

図中、１２はライト１２ａ〜１２ｃ及び方向指
示灯１２ｄ，１２ｅに接続するライト用のハーネ
ス、１３はメインハーネス、１４は耕深センサ１
４ａに接続するセンサ用のハーネスであり、これ
らハーネス１２〜１４の他端はフエンダー内に配
設したコントロールユニツト１５（以下ECUと
記す）へECU用ハーネス１６を介して接続され
ている。

これらのうち前記センサ用のハーネス１４は、
車輌本体１と作業機９間を接続するものであり、
その配線構造には特に可動部分と干渉することが
ないように工夫が懲らされている。

第３図はこのセンサ用のハーネス１４の車輌本
体１と作業機９間の配線状態を示す図である。こ
の図からも明らかなように、本実施例では、ロア
リンク６の車両内方向へ向く内側面６ａに車両内
方向へ突出する３個のハーネス支持台１７…を設
け、このハーネス支持台１７にセンサ用のハーネ
ス１２を取り付けている。

このハーネス支持台１７は、第４図及び第５図
に示されるようにロアリンク６内側面６ａにネジ
１８にて固設されるブラケツト１９と、このブラ
ケツト１９に係止されるハーネスクリツプ２０と
からなり、ハーネス１４はこのハーネスクリツプ
２０に着脱自在に取り付けられている。

従つてハーネス１４はこのロアーリンク６の内
側面６ａに沿つて順次着脱自在に取り付けられる
ため、ハーネス１４はこのロアーリンク６と略一
体となつてその動きとともに動き得、可動部分と
干渉することがなく、又その取り外しが容易であ
り、更に車両外方からの枝、石等による干渉から
も保護されることとなる。

又、前記ブラケツト１９は、ハーネスクリツプ
２０の取付面１９ａを突出させ、この取付面１９
ａとロアリンク内側面６ａ間に中空部１９ｂを形
成する断面略コ字状をなし、その水はけがよく、
また泥詰まりが少なく更には洗い易いという特徴
を備え、従つてハーネスの着脱をより容易なもの
としている。

尚、ハーネス支持台の個数等は本実施例に限定
されることはなく、ロアーリンクの長さ、ハーネ
スの強度等の条件によつて適宜に変更し得ること
は明らかである。

（考案の効果） 以上の説明より明らかなように本考案によれ
ば、ハーネスをロアリンクに沿つて、その内側に
設けるようにしたので、ハーネスを可動部と干渉
することなく取り付けることができ、従つてハー
ネスが可動部とこすれたり、引つ張られたりする
ことがなく、又外方からの枝木や石等の干渉も避
け得、その保護が十分に行い得る。又ハーネスは
ロアリンクに対して着脱自在としたので作業機の
取り代えも容易に行い得る。

さらに、ハーネス支持台はハーネス支持面とロ
アリンク内側面との間が上下方向に中空部を形成
するように取り付けられているので、農作業中に
おける泥水の付着等に対しても泥かぶり等が少な
く水はけもよい。また、水洗い作業も簡単に行な
うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る走行型作業機を示す側面
図、第２図は走行型作業機の配線系統を示す図、
第３図は車両本体と作業機間の配線を示す図、第
４図はハーネス支持台とその周辺部分の拡大図、
第５図は第３図のＡ−Ａ線断面を示す図である。 そして図面中、１は車両本体、５は作業機、６
はロアリンク、１４はハーネス、１７はハーネス
支持台である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車輌本体に左右一対のロアリンクを上下に回
   動自在に連結し、このロアリンクの後端部分に
   作業機を連結した走行型作業機において、前記
   ロアリンクの内側に、内方へ突出する複数のハ
   ーネス支持台をロアリンクに沿つて配設し、こ
   のハーネス支持台に前記車輌本体と作業機との
   間の電気的接続を行なうハーネスを着脱自在に
   取付けるようにしたことを特徴とする走行型作
   業機。 (2) 前記ハーネス支持台は、ハーネス支持面と前
   記ロアリンク内側面との間が上下方向に中空に
   なるように配設されていることを特徴とする請
   求項１記載の走行型作業機。