JP2547303B2 - 水中位置測定方法 - Google Patents

水中位置測定方法

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JP2547303B2
JP2547303B2 JP5111240A JP11124093A JP2547303B2 JP 2547303 B2 JP2547303 B2 JP 2547303B2 JP 5111240 A JP5111240 A JP 5111240A JP 11124093 A JP11124093 A JP 11124093A JP 2547303 B2 JP2547303 B2 JP 2547303B2
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中での位置測定技術
さらには陸上に定められた任意の固定点を基準として水
中の物体(水底の物体を含む)の位置を水上で測定する
場合に適用して有効な技術に関し、例えば水中を移動す
るROV(無人探査ロボット)や水中工事機の位置を船
上で測定し制御するシステムに利用して好適な技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、水中を移動するROV(無人探査
ロボット)や水中作業ロボットあるいは捨石均し機のよ
うな水中工事機のヘッド(作業部)の位置を船上の制御
装置で測定し制御するシステムにおいては、例えば図1
に示すように、作業船1の上に2台の測距測角測定器2
を載せ、陸上には適当な距離をおいて2つの反射プリズ
ム3a,3bを設置し、船上の測距測角測定器2から陸
上の2つの反射プリズムに対して光を照射し、その反射
光を検出して自己の位置を測定するとともに、水中のR
OV4に設けられた音波発信器からの信号を受信して音
波測距器でROV4の位置を測定し、ROV4へ制御信
号を送って所望の位置へ誘導するシステムが提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のシステムで
は、各種計測器や制御装置を搭載した作業船が波や風の
影響を受けて大きく揺れていたとしても、陸上の固定点
を基準として水中の物体の位置を測定するものであるか
ら、原理的には高精度に測定できるはずである。しかし
ながら、本発明者らが上記システムを具体化して実験を
行なったところ、水中のロボットを所望の位置に正確に
誘導できなかったり、捨石均し機では移動誤差が大きい
ため作業部のステップ移動のオーバーラップ量を多くし
なくてはならず、作業効率が低下するという問題点があ
ることが明らかになった。
【0004】本発明者らはその原因について詳細に検討
した結果、船上の中央コントロール装置は自己の位置お
よび対象となる水中のロボットや水中工事機のヘッド
(作業部)の位置を正確に測定するために各種計測器を
使用しているが、それらの計測器がそれぞれ計測指令を
受けてから実際に計測を行なうまでの時間が各計測器ご
とに異なっていること、および上記従来のシステムで
は、中央コントロール装置から各計測器に対して同時に
トリガ信号を送信して計測を行なわせるようにしている
ため、各計測器における計測タイミングのずれの間に船
やロボットが移動してしまい、その結果測定値に誤差が
生じていることを見出した。
【0005】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、水中を移動するロボットや水中工事機
のヘッド(作業部)の位置を船上で精度良く測定し、も
って水中のロボットを所望の位置に極めて正確に誘導し
たり工事機の作業効率を向上させることができるような
制御システムを実現可能にする水中での位置測定技術を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、陸上等に定められた任意の固定点を基準と
して水中の物体の位置を船上で測定するシステムにおい
て、陸上、船体もしくは水中物体に設けられた各種計測
器それぞれの固有の計測タイミング遅れ時間を予め調べ
て記憶しておき、中央コントロール装置から各計測器に
対してその計測タイミング遅れ時間を見込んだトリガ信
号を形成、送信して同時に計測を行なわせ、その計測デ
ータを中央コントロール装置が収集して水中の物体の位
置を算出するようにしたものである。さらに、望ましく
は、上記の手順による位置測定を複数回行なってそれら
の測定結果に平均化処理を施して測定値を決定する。
【0007】
【作用】上記した手段によれば、陸上、船体および水中
物体に設けられる各種計測器A,B,Cごとに、それぞ
れ計測指令を受けてから実際に計測を行なうまでの遅れ
時間が異なっていても、図2に示すごとくそれぞれの計
測遅れ時間Ta,Tb,Tcに応じた調整時間t1,t
2,t3を付加したトリガ信号(指令信号)S1,S
2,S3が中央コントロール装置から各計測器に対して
送信されるため、各計測器から中央コントロール装置に
収集される計測データは時間軸上で同一時点Toで計測
されたデータとなり、制御もしくは調査対象となる水中
物体の位置を船上で極めて精度良く測定することができ
るようになる。また、複数回の測定結果に平均化処理を
施すことにより、より精度の高い測定値が得られる。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を用いて詳細に説
明する。図3は本発明方法を適用して好適なシステムの
一実施例のブロック図を示す。この実施例では、水中工
事機のヘッド(作業部)のような測定対象物に音波発信
器4a,4bが装着され、陸上には固定点としての反射
プリズム3が設置されている。
【0009】また、船上には、上記反射プリズム3に対
して光を照射し、その反射光を検出することで、船体か
ら反射プリズム3までの距離と角度を測定する測距測角
測定器2と、船の姿勢や船首の方向を検出するためのジ
ャイロコンパス12と、上記音波発信器4a,4bから
の信号を受信する受信機13a,13b,13cおよび
受信した信号に基づいて水中の物体の船に対する相対位
置を算出する音波測距器14と、上記計測値に基づいて
船体の位置と水中の物体の絶対位置を算出する中央コン
トロール装置15と、測定された水中の物体の位置等を
表示するCRT表示装置16が搭載されている。中央コ
ントロール装置15は測距測角測定器2とジャイロコン
パス12の計測値に基づいてプリズムを基準点とする船
体位置を算出するとともに、この船体位置と音波測距器
14による計測値に基づいて水中の物体の陸上の固定点
(プリズム位置)に対する位置を算出する。
【0010】この実施例では音波測距器14と音波発信
器4a,4bとはケーブルによって接続されており、音
波測距器14からの電気信号に同期して音波発信器4
a,4bが発信動作して超音波を発生するように構成さ
れている。さらに、この実施例では、特に限定されるも
のでないが、上記測距測角測定器2として、船が移動し
ても常に光を反射プリズムの方向へ向けて照射すること
が可能な自動追尾型デジタル測距測角測定器が用いられ
ている。
【0011】この実施例では、各計測器固有の計測タイ
ミング遅れ時間Ta,Tb,Tcを予め調べて中央コン
トロール装置15内の記憶装置に記憶させておく。そし
て、中央コントロール装置15から各計測器12,14
および2に対して、例えばタイマからの割込み等により
所定の計測タイミングになると、上記各計測器の計測タ
イミング遅れ時間Ta,Tb,Tcの相違を補正する調
整時間t1,t2,t3を付加した図2に示すようなト
リガ信号S1,S2,S3を形成、送信して同時に計測
を行なわせ、その計測データを中央コントロール装置1
5に集めて水中物体の絶対位置を周期的に算出し、それ
に基づいて水中工事機のヘッドを所望の位置へ移動させ
るためのモーター等に対する制御信号を送信するように
なっている。
【0012】図4には本発明方法を適用して好適なシス
テムの他の実施例のブロック図が示されている。この実
施例では、水中の測定対象物に音波発信器4a,4bが
装着され、陸上には固定点としての反射プリズム3が設
置されているとともに、船上にはこれらの反射プリズム
に対して光を照射し、その反射光を検出して船体から反
射プリズム3までの距離と角度を測定する測距測角測定
器2が設置されている点で図3の実施例と同様である。
しかして、この実施例では、ジャイロコンパスを使用せ
ず、代わりに複数個(例えば3台)の測距器2a,2
b,2cを船体に設置するとともに、陸上には同じく複
数ケ所の反射プリズム3a,3bを設置して、陸上の固
定点を基準点とする作業船の位置、方位角を測定するよ
うになっている。
【0013】図5には本発明方法を適用して好適なシス
テムの第3の実施例のブロック図が示されている。この
実施例では、水中の測定対象物体に音波発信器4a,4
bが装着され、船体にはジャイロコンパス12が設置さ
れている点および測距測角測定器2を使用している点で
図3の実施例と同様である。しかして、この実施例で
は、上記実施例とは逆に船上に反射プリズム3が、また
陸上には測距測角測定器2が設置され、陸上の測距測角
測定器2から船上の反射プリズム3に対して光を照射
し、その反射光を検出して船体と反射プリズムとの距離
と角度を測定し、それを陸上と船体に設けられたデータ
伝送装置17aと17bにより船体の中央コントロール
装置15に知らせるようになっている。
【0014】図6には本発明方法を適用して好適なシス
テムの第4の実施例のブロック図が示されている。この
実施例は、図5の実施例とほぼ同様の構成である。異な
るのは、ジャイロコンパス12を使用せず、代わりに複
数(例えば2個)の測距器2a,2bを陸上に設置する
とともに、船上には同じく複数ケ所の反射プリズム3
a,3b,3cを設置して、陸上の固定点を基準点とす
る作業船の位置を測定するようになっている点である。
【0015】なお、上記実施例では、陸上の固定点に対
する船の位置を測定する測距測角装置と反射プリズムと
を利用した光による測定器を用いているが、GPS(Gl
obalPositioning System)やNNSS(Navy Navigation
Satellite System)等電波を利用した位置測定器を用い
ても良い。あるいは海底に音波発信器を設置して海底の
固定点に対する船の位置を測定することも可能である。
また、実施例では、船の姿勢を検出する船体姿勢検出装
置として、高価なジャイロコンパスを使用しているが、
簡易な傾斜計で代替させることも可能である。
【0016】さらに、上記実施例では、船上の中央コン
トロール装置15がタイマ割込みによって各計測器のト
リガ信号の発生タイミングを得るようにしていると説明
したが、計測器によってはタイマを内蔵し周期的に計測
値を送るように構成されているものもあるので、中央コ
ントロール装置15がいずれかの計測器から周期的に送
信されてくる計測データに基づいて計測タイミングを検
出し、他の計測器へ送信するトリガ信号を形成するよう
に構成してもよい。
【0017】また、実施例では本発明を捨石均し機のよ
うな水中工事機のヘッド(作業部)の位置を船上のコン
トロール装置で測定し制御する水中工事制御システムに
おける水中物体の位置測定方法を例にとって説明した
が、この発明はそれに限定されるものでなく、例えばR
OVや水中作業ロボットの誘導システムあるいは音波等
を利用した海底探査システム等にも応用することができ
る。本発明は、それぞれ異なる計測タイミング遅れ時間
有する複数の計測器を用いて水中の物体の位置を測定す
る場合に利用することができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、陸
上、船体もしくは水中物体に設けられた複数の計測器を
用いて、陸上等に定められた任意の固定点を基準として
水中の物体の位置を船上で測定するシステムにおいて、
計測指令を受けてから実際に計測を行なうまでの遅れ時
間が各種計測器ごとに異なっていても、各計測器から中
央コントロール装置に収集される計測データは時間軸上
で同一時点で計測されたデータとなり、制御もしくは調
査対象となる水中物体の位置を船上で極めて精度良く測
定することができる。しかも、上記手順による位置測定
を複数回行なってそれらの結果に平均化処理を施して測
定値を決定するようにすれば、より精度の高い測定値が
得られる。その結果、本発明を例えばROVの誘導シス
テムに適用した場合にはROVを正確な位置へ誘導する
ことができるようになるという効果がある。
【0019】また、本発明を捨石均し機その他の水中工
事機の制御システムに適用した場合には作業の精度を高
めることができる。さらに、捨石均し工事では、図7に
示すように捨石均し機30をステップ移動させながらヘ
ッド31で捨石32に振動等を与えながら上から押さえ
つけて平坦化させる作業を行なうが、本発明方法を適用
することにより、上記捨石均し機30をステップ移動さ
せる際の移動誤差が少なくさせることができ、これによ
ってステップ移動の際のヘッド31のオーバーラップ量
Rを減少させることができ、その結果、ステップ移動の
回数を減らして作業効率を向上させ、作業時間を短縮さ
せることができるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用して好適なROV誘導システ
ムの概略を示す説明図、
【図2】本発明に係る水中位置測定方法における各計測
器に供給される計測指令信号のタイミングを示すタイミ
ングチャート、
【図3】本発明方法を適用して好適なシステムの第1の
実施例を示すブロック図、
【図4】本発明方法を適用して好適なシステムの第2の
実施例を示すブロック図、
【図5】本発明方法を適用して好適なシステムの第3の
実施例を示すブロック図、
【図6】本発明方法を適用して好適なシステムの第4の
実施例を示すブロック図、
【図7】本発明方法を適用して好適な水中工事機の一例
としての捨石均し機とそれを用いた水中工事の様子を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 作業船 2 測距測角測定器 3a,3b 反射プリズム 4 ROV(無人探査ロボット) 12 船体姿勢検出装置(ジャイロコンパス) 14a,14b 音波発信器 15 中央コントロール装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂野 正明 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1 号 東洋建設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−21214(JP,A) 特開 昭62−199127(JP,A) 特開 昭57−96211(JP,A) 特開 昭54−63860(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも船体に設けられた複数の計測
    器を用いて、任意の固定点を基準として水中の物体の位
    置を測定する方法であって、上記各計測器がそれぞれ異
    なる計測タイミング遅れ時間を有する場合に上記各計測
    器固有の計測タイミング遅れ時間をそれぞれ予め調べて
    記憶しておき、中央コントロール装置から各計測器に対
    してその計測タイミング遅れ時間を見込んだトリガ信号
    を形成、送信して同時に計測を行なわせ、その計測デー
    タを上記中央コントロール装置が収集して水中の物体の
    位置を算出するようにしたことを特徴とする水中位置測
    定方法。
  2. 【請求項2】 上記複数の計測器は、陸上もしくは船体
    に設置され固定点に対する船の位置を測定する測距測角
    装置と、船体に設置され船の姿勢を検出する船体姿勢検
    出装置と、船に対する水中の物体の相対位置を測定する
    測距器であることを特徴とする請求項1記載の水中位置
    測定方法。
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