JP3893461B2 - 誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及び当該方法をコンピューターに実行させるプログラムに係り、特に、母船と母船に制御されながら航行する航走体とを有する系における誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
水中で行なう各種探査においては、基地となる母船により制御された無人の航走体が、実際の探査作業を行なうことが多い。その場合、航走体はソーナーを有しており、遠くから水中にある目標(物体)を発見することが可能である。しかし、その目標に近づくための方位制御は、ソーナースコープを見ながら、母船で手動操縦する必要があり、非常に高度な操縦技術を必要とする。更に、高速で目標に向かう場合には、度々ソーナーのレンジから目標が外れてしまい、目標を見失うことがある。
【0003】
また、目標付近での作業では、従来はカメラ画像を見て作業を行なっていた。しかし、水中の透明度等により、目標をカメラで捕らえることは容易ではなく、作業は困難な場合がある。
【0004】
更に、目標に近づいた時点において、操縦者は、航走体の操縦に集中する必要がある。そのため、ソーナーの俯仰角の制御、ソーナー中心角及びカメラの俯仰角を制御するチルト装置の制御を同時に行なうことは容易ではない。従って、目標の見失いや衝突の危険性を有している。また、母船は、航走体の正確な絶対位置(以下、単に「位置」ともいう)を把握している必要がある。
【0005】
従って、航走体を目標へ容易に自動的に誘導する技術が求められている。また、航走体を目標近傍で自動的に停止させ、作業を行なわせる技術が求められている。さらに、航走体の誘導中に、航走体のソーナーを常に自動的に目標に向けさせる技術が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、母船から制御され目標へ向かって運行する航走体における、母船での操縦を容易に行なうことが可能な誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及び当該方法をコンピューターに実行させるプログラムを提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、目標を見失うことなく、母船から制御され目標へ向かって運行する航走体を制御、操縦することが可能な誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及び当該方法をコンピューターに実行させるプログラムを提供することである。
【0008】
本発明の更に他の目的は、目標物に関わる作業、処理等を容易に行なうことが可能な誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及び当該方法をコンピューターに実行させるプログラムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0010】
従って、上記課題を解決するために、本発明の誘導制御装置は、探査信号を表示する画面表示手段(11−1)を有し、母船(1)から送出された航走体(2)の探査信号における物体を表すエコー(22)を画面表示手段(11−1)上に表示し、画面表示手段(11−1)上のエコー(22)のある場所としての第1場所が指定された時、その第1場所の航走体(2)に対する相対位置としての第1相対位置を算出する操作表示部(11)と、その第1相対位置に基づいて、航走体(2)の移動目標をその第1相対位置とするように航走体(2)を制御する誘導制御部(5)とを具備する。
【0011】
また、本発明の誘導制御装置は、航走体(2)から出力されたその探査信号に基づいて、エコー(22)の航走体(2)に対する相対位置としての第2相対位置を算出する探査信号処理部(10)をさらに具備する。そして、操作表示部(11)は、その第2相対位置に基づいて、エコー(22)を画面表示手段(11−1)上に表示する。
【0012】
また、本発明の誘導制御装置は、操作表示部(11)が、その第1相対位置とその第2相対位置が、画面表示手段(11−1)上でずれた場合、その第2相対位置を示す場所としての第2場所を改めて指定されたとき、その第2場所の航走体(2)に対する相対位置としてのその第3相対位置を算出する。そして、誘導制御部(5)は、航走体(2)の移動目標をその第3相対位置とするように航走体(2)を制御する。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の誘導制御システムは、上記のいずれか一項に記載の誘導制御装置(4)と、誘導制御装置(4)に制御される航走体(2)とを具備する。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の誘導制御方法は、母船(1)から送出された航走体(2)の探査信号を画面表示手段(11−1)に表示するステップと、画面表示手段(11−1)に表示された、物体を表すエコー(22)のある場所としての第1場所を指定するステップと、その第1場所の航走体(2)に対する相対位置としての第1相対位置を算出するステップと、航走体(2)の移動目標をその第1相対位置とする制御信号を航走体(2)へ送信するステップとを具備する。
【0021】
また、本発明の誘導制御方法は、その探査信号を画面表示手段(11−1)に表示するステップが、その探査信号を航走体(2)から受信するステップと、受信されたその探査信号に基づいて、エコー(22)の航走体(2)に対する相対位置としての第2相対位置を算出するステップと、その第2相対位置に基づいて、エコー(22)を画面表示手段(11−1)に表示するステップとを具備する。
【0022】
また、本発明の誘導制御方法は、その第1相対位置とその第2相対位置とが、画面表示手段(11−1)上でずれた場合、その第2相対位置を示す場所としての第2場所を改めて指定するステップと、その第2場所の航走体(2)に対する相対位置としてのその第3相対位置を算出するステップと、航走体(2)の移動目標をその第3相対位置とする制御信号を航走体(2)へ送信するステップとを更に具備する。
【0028】
上記課題を解決するために、本発明に関わるプログラムは、母船(1)から送出された航走体(2)の探査信号を画面表示手段(11−1)に表示するステップと、画面表示手段(11−1)に表示された、物体を表すエコー(22)のある場所としての第1場所が指定されたとき、その第1場所の航走体(2)に対する相対位置としての第1相対位置を算出するステップと、航走体(2)の移動目標をその第1相対位置とする制御信号を航走体(2)へ送信するステップとを具備し、
前記探査信号を前記画面表示手段に表示するステップは、前記探査信号を前記航走体から受信するステップと、受信された前記探査信号に基づいて、前記エコーの前記航走体に対する相対位置としての第2相対位置を算出するステップと、前記第2相対位置に基づいて、前記エコーを前記画面表示手段に表示するステップとを有し、
さらに、その第1相対位置とその第2相対位置とが、画面表示手段(11−1)上でずれ、その第2相対位置を示す場所としての第2場所が改めて指定されたとき、その第2場所の航走体(2)に対する相対位置としてのその第3相対位置を算出するステップと、航走体(2)の移動目標をその第3相対位置とする制御信号を航走体(2)へ送信するステップとを具備し、それらのステップをコンピューターに実行させる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及び当該方法をコンピューターに実行させるプログラムの実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
本実施例において、母船に制御され、水中探査に使用される航走体を例に示して説明する。ただし、他の母船に制御され、母船を離れて動作を行なう航走体(水中に限らない)についても適用可能である。
なお、各実施の形態において同一又は相当部分には同一の符号を付して説明する。
【0032】
本発明である誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及びプログラムの実施の形態の構成について説明する。
図1は、本発明である誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及びプログラムの実施の形態に関わる構成を示す図である。
誘導制御装置4とGPS受信装置41とを含む母船1、航走体制御システム12を含む航走体2、母船1と航走体2とをつなぐケーブル42を備える。目標3は航走体2が近接もしくは追尾すべき目標である。また、制御にはGPS用衛星群40を使用する。
【0033】
母船1は、航走体2を探査海域まで輸送し、探査海域において航走体2を送出し、航走体2の運行を制御する。誘導制御装置4とGPS受信装置41とを有する。
誘導制御装置4は、母船1に属する。航走体2の母船1に対する相対位置を把握している。そして、航走体2を目標3へ誘導するために、自身が計測した情報と航走体2から得た情報とに基づいて、各種演算を行ない、航走体2を制御するための各種信号を生成し、航走体2へ送信する。航走体2とは、ケーブル42を介して通信を行なう。ただし、海中無線装置(図示せず)で行なうことも可能である。
GPS受信装置41は、母船1に属し、GPS用衛星群40を利用して、母船1の位置としての母船位置情報を出力する。母船位置情報は、(緯度、経度)で例示される。
【0034】
航走体2は、母船1で探査海域まで輸送され、探査海域において母船1から送出され、母船1に制御されながら水中を航行し、各種作業を行なう。母船1とは、ケーブル42を介して通信を行なう。航走体2は、無人水中探査船で例示される。
航走体制御システム12は、航走体2に属する。対地速度や深度のような航走体2の運行状況に関する情報、目標3に関する情報を計測、把握する。そして、母船1の誘導制御装置4へ出力する。また、母船1の誘導制御装置4から、航走体2を制御する各種信号を受信し、航走体2を制御する。
【0035】
ケーブル42は、母船1と航走体2とを通信可能に接続する。航走体2(の航走体制御システム12)から出力される各種情報を母船1(の誘導制御装置4)へ伝達する。また、母船1から出力される航走体2を制御するための各種信号を航走体2へ伝達する。ケーブル42を用いず、無線を用いて行なっても良い。
【0036】
目標3は、海中にあり、航走体2が近づき、何らかの処理(作業)を行なう対象である。あるいは、航走体2の移動する目標地点である。目標3は、海中生物、海中の沈没船、遺跡、機雷、地点(緯度、経度、水深)等で例示される。
【0037】
GPS用衛星群40は、一般に用いられるGPSの運用に使用される複数の衛星である。その衛星群からの情報により、GPS受信装置41は、母船1の母船位置情報を出力(算出)する。
【0038】
次に、誘導制御装置4について、更に説明する。
図2は、本発明である誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及びプログラムが適用される実施の形態の構成を示す図である。誘導制御装置4は、誘導制御部5、水中音響装置6、記憶部7、送受信部8、入出力部9、探査信号処理部としてのソーナー信号処理部10及び操作表示部11を具備する。
【0039】
誘導制御部5は、誘導制御装置4に属する。誘導制御装置4の制御を行なう。それと共に、航走体2の制御を行なう。誘導制御部5は、CPUとメモリー及び周辺装置のような情報処理装置に例示される。また、航走体相対位置情報(後述)及び母船位置情報とに基づいて、航走体2の絶対位置を示す航走体位置情報(例示:緯度、経度、深度)を算出する。そして、航走体データ(後述:方位情報、速度情報、深度情報など)、ソーナーデータ(後述:対象相対距離情報、対象相対方位情報、対象相対ピッチ角など)、航走体位置情報及び基準値(後述:距離基準値、チルト角基準値など)に基づいて、各種演算(後述:第1及び第2アルゴリズムなど)を行ない、航走体2(及び付属機器)の動作を制御する。
【0040】
水中音響部6は、誘導制御装置4に属する。水中音響装置(図示せず)及びその水中音響装置が発する探査信号(水中ソーナー信号)の反射波を受信する受波装置(図示せず)を有する。航走体2へ探査信号を発信し、その反射波を計測する。そして、その反射波に基づいて、航走体2の母船1に対する相対位置である航走体相対位置(例示:距離、方位)を算出し、航走体相対位置情報として出力する。水中音響部6は、ソーナーシステムに例示される。
【0041】
記憶部7は、誘導制御装置4に属する。誘導制御装置4の制御に用いる各種情報・データを各種情報・データに対応するテーブル(例示:計測(計算)時刻及び情報・データを関連付けたテーブル)に記憶している。また、演算に用いる演算アルゴリズムを記憶している。記憶部7は、ハードディスクに例示される。
【0042】
送受信部8は、誘導制御装置4に属する。航走体2と母船1とがケーブル42を用いて通信を行なう際、インターフェースとして機能する。また、ケーブル42を用いない場合には、海中無線装置である。
【0043】
入出力部9は、誘導制御装置4に属する。誘導制御装置4での制御に必要な情報の入出力を行なう。入出力部9は、キーボード、トラックボール(型のマウス)、ジョイスティック、タッチパネル等に例示される。
【0044】
ソーナー信号処理部10は、誘導制御装置4に属する。航走体2の水中音響部14で得られたソーナー31(後述)の計測データ(後述)に基づいて、目標3の航走体2に対する相対距離としての対象相対距離、目標3の航走体2に対する水平方向の相対方位としての対象相対方位、目標3の航走体2に対する相対俯角としての対象相対ピッチ角を計算する。
【0045】
操作表示部11は、誘導制御装置4に属し、水中探査信号(ソーナー信号)を表示する画面表示手段としてのソーナースコープを有し、航走体2及び目標3の相対的な状況を画面表示する。それと共に、表示画面上のカーソルを操作することにより、航走体2を誘導、制御するための信号を生成する。
【0046】
ここで、操作表示部11について、更に説明する。
図3は、本発明である誘導制御装置、誘導制御システム及び誘導制御方法における操作表示部11におけるソーナースコープの表示画面11−1の一例を示す図である。表示画面11−1は、航走体2が水中音響部14の探査信号により検知している海中の様子を示す。カーソル21、エコー22及び目標指定シンボル23(23’)とを含む。
【0047】
カーソル21は、表示画面11−1において、表示される画像に対して操作を行なう際、画像上の操作場所を指定する。図2の入出力部9により移動、場所指定を行なう。例えば、トラックボール(図示せず)の操作によりカーソル21を移動し、目標指定ボタン(図示せず)を押すことにより指定する。
エコー22は、航走体2の水中音響部14(図4で後述)の発する探査信号が、何らかの物体に反射し戻ってきた反射波に基づいて、何らかの物体の存在すると計算される位置(及び大きさ)を示している。
目標指定シンボル23(23’)は、カーソル21により画像上に指定された操作場所を表している。そして、航走体2は、この目標指定シンボル23の表示に対応する位置へ向かい移動する。
【0048】
表示画面11−1では、操作表示部11が、目標3の航走体2に対する相対位置の情報である対象相対距離情報、対象相対方位情報及び対象相対ピッチ角(後述)に基づいて、目標3をエコー22としてソーナースコープ上に投影、表示する。その時の座標は航走体2に対する相対座標で表現される。ただし、航走体位置情報を用いることにより、対象相対距離情報、対象相対方位情報及び対象相対ピッチ角を絶対座標系に容易に変換可能であり、表示画面11−1を絶対座標系で表示しても良い。
【0049】
図3(a)では、表示画面11−1において、エコー22及びカーソル21が表示されている。エコー22は、目標3に対応する。
図3(b)では、表示画面11−1において、操縦者が、カーソル21をトラックボールにより動かし、エコー22に合わせ、目標指定ボタンを押すことにより、目標指定シンボル23が表示された時点を示している。この目標指定シンボル23で指定された位置へ航走体2が移動する(そうなるように誘導制御部5で制御する)。
図3(c)では、表示画面11−1において、航走体2の位置測定誤差の累積によりエコー22と目標指定シンボル23との間にずれが生じたため、カーソル21により目標指定シンボル23をフック(ドラック)し、正しいエコー22の位置へ移動してドロップし、目標指定をし直した時点を表示している。なお、前記正しいエコー22の位置はソーナー信号処理部10により前記探査信号に基づいて算出している。
【0050】
従って、前記母船1側の誘導制御装置4は以下のステップの方法、換言すれば以下のステップをコンピュータに順次実行させるためのプログラムによって航走体2の誘導制御を実行する。
▲1▼ 母船1から送出された航走体2の探査信号を操作表示部11の画面表示手段としてのソーナースコープに映し出す(表示する)ステップ、
▲2▼ 前記ソーナースコープに投影、表示された、目標としての物体を表すエコーのある場所としての第1場所を指定するステップ、
▲3▼ 前記第1場所の前記航走体に対する相対位置としての第1相対位置を操作表示部11で算出するステップ、
▲4▼ 前記航走体2の移動目標を前記第1相対位置とする制御信号を前記航走体へ送受信部8を介して送信するステップ。
【0051】
さらに、前記▲1▼の探査信号を操作表示部11のソーナースコープに映し出すステップは、
前記探査信号を前記航走体2から送受信部8を介して受信するステップと、
受信された前記探査信号に基づいて、前記エコーの前記航走体2に対する相対位置としての第2相対位置をソーナー信号処理部10により算出するステップと、
前記第2相対位置に基づいて、前記エコーを前記操作表示部11のソーナースコープに表示するステップとを具備する。
【0052】
前記第1相対位置と前記第2相対位置とが、図3(c)のように前記ソーナースコープ上でずれた場合、更に以下のステップを順次実行する。
▲5▼ 前記第2相対位置を示す場所としての第2場所を改めて指定するステップ、
▲6▼ 前記第2場所の前記航走体2に対する相対位置としての前記第3相対位置を操作表示部11で算出するステップ、
▲7▼ 前記航走体の移動目標を前記第3相対位置とする制御信号を前記航走体へ送信するステップ。
【0053】
次に、航走体制御システム12について、更に説明する。
図4は、本発明である誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及びプログラムの実施の形態において適用される航走体制御システム12の構成を示す図である。航走体制御システム12は、機体制御部13、水中音響部14、対地速度検出器15、深度検出器16、方位センサ17、記憶部18、送受信部19及びピッチ角センサ20を具備する。
【0054】
機体制御部13は、航走体制御システム12に属する。母船1から送信されてくる航走体2を制御するための信号に基づいて、航走体2を制御する。また、航走体2から出力される信号・情報の入出力を管理する。機体制御部13は、CPUとメモリー及び周辺装置のような情報処理装置に例示される。
【0055】
水中音響部14は、航走体制御システム12に属する。水中音響装置及びその水中音響装置が発する探査信号(ソーナー信号)の反射波(エコー)を受信する受波装置を有する。目標3へ探査信号を発信し、その反射波を受信、計測する。そして、ソーナーの計測データとしての探査信号データ(発信時刻、探査信号特性など)及び反射波データ(受信時刻、反射波特性など)を、送受信部19を介して、母船1の誘導制御装置4のソーナー信号処理部10へ出力する。水中音響装置14は、ソーナーに例示される。
【0056】
対地速度検出器15は、航走体制御システム12に属し、航走体2の(対地)速度を計測し、速度情報として出力する。対地速度検出器15は、ドップラーソーナーに例示される。
【0057】
深度検出器16は、航走体制御システム12に属し、航走体2の水深を計測し、深度情報として出力する。深度検出器16は、深度計で例示される。
【0058】
方位センサ17は、航走体制御システム12に属し、航走体2の進行する方位を計測し、方位情報として出力する。方位センサ14は、方位磁石に例示される。
【0059】
記憶部18は、航走体制御システム12に属し、計測した各種情報(速度情報、深度情報、方位情報、探査信号データ、反射波データなど)や航行スケジュール(例示:時刻と航走体2の位置を記したテーブル)などを記憶する。記憶部18は、ハードディスクに例示される。
【0060】
送受信部19は、航走体制御システム12に属する。航走体2と母船1とがケーブル42を用いて通信を行なう際、インターフェースとして機能する。速度情報、深度情報、方位情報、探査信号データ、反射波データなどを、ケーブル42を介して母船1へ送信する。また、母船1から送信されてくる航走体2を制御するための信号(電力、制御指令など)を受信し、航走体2の各部、機器へ伝達する。
【0061】
ピッチ角センサ20は、航走体制御システム12に属し、航走体2の航走体俯仰角を計測し、方位情報の1つとして出力する。ピッチ角センサ20は、角度センサに例示される。
【0062】
ここで、図5を参照して、航走体2の航走体制御システム12における水中音響部14について更に説明する。
図5は、本発明である誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及びプログラムの実施の形態に関わる航走体2の構成の一部を示す側面図である。航走体2は、航走体制御システム12における水中音響部14のソーナー31及びカメラ32を具備する。ただし、ソーナー31及びカメラ32は、航走体2内部にあり、図ではわかりやすく表面上に記している。
【0063】
ソーナー31は、水中音響部14に属し、水中に音響を発し、その反射波から目標3などの位置を把握する。ここでは、航走体2の先頭部分に設置される。ソーナー31は、上下方向に首振り可能であり、それにより、チルト角を変更可能である。
カメラ32は、水中音響部14に属し、海中の様子を撮影する。ここでは、航走体2の先頭部分に設置される。ここで、Hは、水平面と平行な面を示す。そして、H面とソーナー31の向きとが成す角をチルト角(θTILT_d)とし、ソーナー31の音響の発信範囲(探査可能な範囲)をビームレンジ(θR)とする。
【0064】
次に、本発明である誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及びプログラムに係る実施の形態の動作について、添付図面を参照して説明する。
まず、誘導制御装置、誘導制御システム及び誘導制御方法に適用されるアルゴリズムについて説明する。
【0065】
図6は、本発明である誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及びプログラムついての実施の形態の動作に関わる第1アルゴリズムに用いる座標系を示す図である。
第1アルゴリズムは、航走体2を目標3の近傍へ移動させるアルゴリズムである。本例では、航走体2の運動は、二次元平面内(水平面内)で行なう場合を想定しており、深さ(水深)方向の移動については省略している。しかし、通常の3次元への数学的拡張方法を用いれば、3次元空間における運動に応用することが可能である。
絶対座標系xyを設定し、航走体2の絶対座標系における初期位置を(X0,Y0)、目標3の絶対座標系における位置を(XT,YT)、航走体2の方位をψ、航走体2に対する目標3の相対方位をψT、航走体2に対する目標3の相対距離をRTとする。ただし、x’軸及びy’軸は、(X0,Y0)を通るx軸及びy軸に平行な軸である。
【0066】
このような座標系において、第1アルゴリズムについて、図7を参照して説明する。
図7は、本発明である誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及びプログラムについての実施の形態の動作に関わる第1アルゴリズムを示すフロー図である。
【0067】
(0)航走体2は、母船1からの指令に基づいて、目標3へ向けて移動を開始している。
また、開始の段階において、以下の入力データが入力される。
・航走体データ(航走体2の運動)
方位:ψ :方位センサ17により測定(方位情報)
対地速度u=(ugx,ugy) :対地速度検出器15により測定(速度情報)。
・航走体位置(航走体2の絶対位置)
座標:P0=(X0,Y0) :母船1の絶対位置(母船位置情報:GPS受信装置41より)と母船1に対する航走体2の相対位置(航走体相対位置情報:水中音響部6より)とから算出(航走体位置情報)。
・ソーナーデータ(目標3の航走体2に対する相対位置)
相対距離:RT :水中音響部14により測定(対象相対距離情報)。
相対方位:ψT :水中音響部14により測定(対象相対方位情報)。
・制御パラメータ(判断基準と判断対象)
位置判断距離:R_d :制御に用いる基準値(予め設定)(基準距離)。
相対距離:RT :位置判断距離R_dと比較する対象(制御相対距離)。
・定数
サンプリング時間:ΔT :入力データのサンプリング間隔(基準時間)。
【0068】
(1)ステップS11:目標の絶対座標計算
目標3の絶対位置(絶対座標)(XT,YT)を計算する。計算は、目標3の航走体2に対する相対位置(相対座標)(Xt,Yt)を求め、その値と、航走体2の絶対位置(絶対座標)とに基づいて、目標3の絶対位置(XT,YT)を算出する。具体的には、上記入力データに基づいて、以下の式により計算される。
【数1】
ここで、
【数2】
【0069】
(2)ステップS12:航走体位置計算
ΔT時間経過後の航走体2の絶対位置(X,Y)を、航走体2の対地速度を積分することにより計算する。具体的には、上記入力データに基づいて、以下の式により計算される。
【数3】
ただし、X_old,Y_oldは、ΔT時間前(直前)のX,Yである。
【0070】
(3)ステップS13:相対距離計算
ステップS12で計算した航走体2の絶対位置を用いて、ΔT時間経過後の目標3の航走体2に対する相対位置(相対距離)RTを計算する。具体的には、上記数式(2)、(3)、(6)、(7)で算出した値に基づいて、以下の式により計算される。
【数4】
【0071】
(4)ステップS14:位置判断
航走体2が、ソーナースコープで指定された目標3に対して、R_dの範囲に達したかどうかの判断を行なう。具体的には、上記数式(8)で算出した値に基づいて、以下の式により判断する。
【数5】
この式を満足するRTが得られた場合は、航走体2は目標3に十分に接近したと判断する。そして、ステップS15へ進む。
この式を満足するRTが得られない場合は、航走体2は目標3に十分に接近していないと判断する。そして、ステップS12へ戻り、次のΔT時間後の計算を行なう。
【0072】
なお、R_dは作業内容により、その大きさを自由に変更可能である。例えば、目標3が危険物の場合、接近し過ぎると危険なのでR_dを大きめに取る。また、目標3に対して直接作業を行なう場合には、衝突しない程度になるべく接近したいので、R_dを小さめに取る。これにより、作業時間の短縮や、安全性の向上を図ることが出来る。
【0073】
また、航走体2の対地速度に応じて、航走体2のエンジン停止から航走体2の移動停止までの距離が異なるので、航走体2の対地速度に応じてR_dを変化させることにより、目標3へより正確に航走体を誘導することが可能となる。その場合、航走体2の対地速度と、航走体2のエンジン停止から航走体2の移動停止までの距離との関係を示すテーブルを記憶部7に用意し、対地速度に応じてそのテーブルの値をR_dに加え、新たにR_d’を生成し、その値を判断基準の式(9)に利用すれば良い。
【0074】
(5)ステップS15:処理実行
航走体2は目標3に十分に接近している。従って、航走体2は、目標3への接近を終了し、停止する。そして、予め設定された作業(あるいは、母船1から指示された作業)を実行する。なお、作業は、後に指令することにし、目標3の近傍で待機するようにすることも可能である。
【0075】
以上のようなステップS11〜ステップS15により、航走体2を目標3の近傍へ移動させる第1アルゴリズムが行なわれる。この第1アルゴリズムをコンピュータープログラムとして作成してコンピューターに実行させることができる。
【0076】
次に、第2アルゴリズムについて説明する。
図8は、本発明である誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及びプログラムについての実施の形態の動作に関わる第2アルゴリズムに用いる座標系を示す図である。
第2アルゴリズムは、目標3の方向へ移動している航走体2の有するソーナー31が、常に目標3の方向へ向くように、ソーナー31を制御するアルゴリズムである。
絶対座標系xyzを設定し、航走体2の絶対座標系における初期位置を(X0,Y0,Z0)、目標3の絶対座標系における位置を(XT,YT,ZT)、航走体2の2次元平面(xy平面に平行なx’y’平面、以下同じ)内での方位をψ、航走体2に対する目標3の2次元平面内での相対方位をψT、航走体2に対する目標3のZ軸方向の相対方位をθT、航走体2に対する目標3の相対距離をRTとする。ただし、x’軸、y’軸及びz’軸は、(X0,Y0,Z0)を通るx軸、y軸及びz軸に平行な軸である。
【0077】
このような座標系において、第2アルゴリズムについて、図9を参照して説明する。
(0)航走体2は、母船1からの指令に基づいて、目標3へ向けて移動を開始している。
また、開始の段階において、以下の入力データが入力される。
・航走体データ(航走体2の運動)
方位:ψ :方位センサ17により測定(方位情報)。
航走体俯仰角:θ ピッチ角センサ20により測定(方位情報に含む)。
深度:Z :深度検出器16により測定(深度情報)。
対地速度u=(ugx,ugy) :対地速度検出器15により測定(速度情報)。
・航走体位置(航走体2の絶対位置)
座標:P0=(X0,Y0) :母船1の絶対位置(母船位置情報:GPS受信装置41より)と母船1に対する航走体2の相対位置(航走体相対位置情報:水中音響部6より)とから算出(航走体位置情報)。
・ソーナーデータ(目標3の航走体2に対する相対位置)
相対距離:RT :水中音響部14により測定(対象相対距離情報)。
相対方位:ψT :水中音響部14により測定(対象相対方位情報)。
相対ピッチ角:θT :水中音響部14により測定(対象相対ピッチ角情報)。
・制御パラメータ(判断基準と判断対象)
目標チルト角:θTILT :ソーナー31の制御目標となるチルト角。
チルト角判断角:ΔθTILT 目標ピッチ角θPから許容される角度範囲の基準値(予め設定)。
ただし、ΔθTILT<θR である。
(実チルト角θTILT_d :実際のソーナー31のチルト角)。
・定数
サンプリング時間:ΔT :入力データのサンプリング間隔。
【0078】
(1)ステップS21:目標の絶対座標計算
目標3の絶対位置(絶対座標)(XT,YT,ZT)を計算する。計算は、目標3の航走体2に対する相対位置(相対座標)(Xt,Yt,Zt)を求め、その値と、航走体2の絶対位置(絶対座標)とに基づいて、目標3の絶対位置(XT,YT,ZT)を算出する。具体的には、上記入力データに基づいて、以下の式により計算される。
【数6】
【0079】
(2)ステップS22:チルト角初期化
以降の計算に備えて、チルト角の初期値を設定する。具体的には、以下のようになる。
【数7】
【0080】
(3)ステップS23:航走体位置計算
ΔT時間経過後の航走体2の絶対位置(X,Y,Z)を、航走体2の対地速度を積分することにより計算する。深度Zに関しては、深度検出器16の値を用いる。具体的には、上記入力データに基づいて、以下の式により計算される。
【数8】
ただし、X_old,Y_old,Z_oldは、ΔT時間前(直前)のX,Y,Zである。
【0081】
(4)ステップS24:目標ピッチ角計算
ステップS23で計算した航走体2の絶対位置と深度偏差(=ZT−Z)を用いて、ΔT時間経過後の目標3の航走体2に対するピッチ角(目標ピッチ角θP)を計算する。具体的には、上記数式(12)〜(14)、(17)〜(19)で算出した値に基づいて、以下の式により計算される。
【数9】
【0082】
(5)ステップS25:チルト角制御判断
(4)で計算した目標ピッチ角θP(ソーナースコープで指定された目標3の方向)と、ソーナー31の目標チルト角θTILTとの偏差により、チルト角の制御を行なうかどうかの判断を行なう。判断は、偏差が、予め設定されたΔθTILTの範囲に入っているかどうかで行なう。具体的には、上記数式(20)で算出した値に基づいて、以下の式により判断する。
【数10】
θPがこの式を満足する場合は、航走体2のソーナー31のチルト角θTILT_d(目標チルト角θTILTに追従している)は、十分な角度を有しており、目標3を見失うことは無いと判断する。そして、ステップS27へ進む。
θPがこの式を満足しない場合は、航走体2のソーナー31のチルト角θTILT_dは、不十分な角度を有しており、目標3を見失う可能性があると判断する。そして、ステップS26へ進む。
なお、ΔθTILTは、ソーナー31の性能により決まる値であり、例えば20°である。
【0083】
(6)ステップS26:目標チルト角変更
(5)における判定式(21)を満たさなかった場合には、目標ピッチ角と目標チルト角との偏差が小さくなるように、目標チルト角を計算して、その値を用いてチルト角を制御する。具体的には、上記数式(20)で算出した値と、現在のチルト角及び目標チルト角とに基づいて、以下の式により判断する。
【数11】
そうすることにより、ソーナー31の範囲から目標3がはみ出ることが無く、目標3を見失う可能性が無くなる。
ステップS27へ進む。
【0084】
(7)ステップS27:目標ビーム俯仰角計算
目標ピッチ角と目標チルト角の偏差を目標ビーム俯仰角とし、目標3をビーム補足する。具体的には、上記数式(20)及び(22)で算出した値に基づいて、以下の式により判断する。
【数12】
【0085】
以上のようなステップS21〜ステップS27により、航走体2のソーナー31の角度を目標3の方向へ常時向かせる第2アルゴリズムが行なわれる。この第2アルゴリズムをコンピュータープログラムとして作成してコンピューターに実行させることができる。
【0086】
次に、本発明である誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及びプログラムが適用される実施の形態の動作の詳細について説明する。
【0087】
まず、上記第1及び第2アルゴリズムを用いた航走体2及びソーナー31の制御に関わる動作について説明する。
i)母船1は、搭載していた航走体2を、探査海域において海中へ送出する。母船1と航走体2とは、ケーブル42を介した通信が可能である(海中無線通信でも良い)。
ii)母船1の誘導制御装置4の誘導制御部5は、入出力部9からの航走体2への移動指令(例示:対地速度、方位、深度/緯度、経度、水深など)又は記憶部7の移動スケジュールによる移動指令に基づいて、その移動指令を送受信部8から船走体2の航走体制御システム12へケーブル42を介して送信する。
iii)航走体2は、送受信部19を介して移動指令を受信する。そして、その移動指令に基づいて移動を行なう。
iv)母船1のGPS受信装置41は、GPS衛星群40からのGPS信号に基づいて、母船1の位置を算出する。そして、その位置を母船位置情報として誘導制御装置4へ出力する。母船位置情報は、その時刻と共に記憶部7に保持される。
iv)母船1では、適当な時間(例示:ΔT)毎に、誘導制御装置4の誘導制御部5からの指令により、水中音響部6が、船外へ母船探査信号としての探査信号を発信する。それと共に、母船探査信号の反射波としての母船反射波を受信する。この場合の反射波は、航走体2から反射したものである。そして、母船探査信号及び母船反射波とに基づいて、航走体2の母船1に対する相対位置を示す航走体相対位置情報を算出する。更に、母船位置情報と航走体相対位置情報とに基づいて、航走体2の絶対位置を示す航走体位置情報を算出する。それらの情報を記憶部7に記憶する。なお、水中音響部6がその探査信号により航走体相対位置情報を得る方法は、従来のソーナーで知られている方法を用いることが出来る。
ただし、航走体相対位置情報を算出する方法は、上記方法に限定されない。
v)航走体2では、航走体制御システム12の船体制御部16からの指令により、対地速度検出器15が、対地速度を計測している。また、深度検出器16が、水深(深度)を計測している。更に、方位センサ17が、進行方向の方位を計測している。それら計測された値は、計測時刻と共に記憶部18に記憶されている。
vii)航走体2では、適当な時間(例示:ΔT)毎に、航走体制御システム12の機体制御部13からの指令により、水中音響部14が、船外へ探査信号(ソーナー信号)を発信する。それと共に、探査信号の反射波(エコー)を受信する。そして、探査信号データ(発信時刻、探査信号特性など)及び反射波データ(受信時刻、反射波特性など)、発信時刻あるいは受信時刻に最も近い時刻での速度情報(対地速度)、深度情報(水深)及び方位情報(進行方向の方位)を、送受信部19から母船1の誘導制御装置4へケーブル42を介して送信する。
viii)母船1の誘導制御装置4は、送受信部8にて、計測データ(探査信号データ及び反射波データ)、速度情報(対地速度)、深度情報(水深)及び方位情報(進行方向の方位)を、ケーブル42を介して受信する。そして、それらの情報を一旦記憶部7に記憶する。
ix)母船1の誘導制御装置4は、ソーナー信号処理部10において、計測データ(探査信号データ及び反射波データ)に基づいて、目標3の航走体2に対する相対位置を示す対象相対位置情報(相対距離としての対象相対距離、目標3の航走体2に対する水平方向の相対方位としての対象相対方位、目標3の航走体2に対する相対俯角としての対象相対ピッチ角)を計算する。計算結果は、記憶部7に保持される。なお、ソーナー信号処理部10が、探査信号により対象相対位置情報を得る方法は、従来のソーナーで知られている方法を用いることが出来る。
x)母船1の誘導制御装置4は、誘導制御部5において、航走体データ(方位情報、深度情報、速度情報)、航走体位置(航走体位置情報)、ソーナーデータ(対象相対距離、対象相対方位、対象相対ピッチ角)に基づいて、目標3へ向かう制御信号を生成し、ケーブル3を介して航走体2へ出力することにより、その動作を制御する。
xi)それと同時に、母船1の誘導制御装置4は、誘導制御部5において、航走体データ(方位情報、深度情報、速度情報)、航走体位置(航走体位置情報)、ソーナーデータ(対象相対距離、対象相対方位、対象相対ピッチ角)、制御パラメータ(目標チルト角、チルト角判断角等)を用いて、第2アルゴリズムにより、航走体2が目標3を見失わないように、航走体2のソーナー31のチルト角を監視、制御している。
xii)それに加えて、母船1の誘導制御装置4は、誘導制御部5において、航走体データ(方位情報、速度情報)、航走体位置(航走体位置情報)、ソーナーデータ(対象相対距離、対象相対方位、制御パラメータ(位置判断距離等)を用いて、第1アルゴリズムにより、航走体2と目標3との距離RTが、R_d以下かどうかを監視する。
xiii)適宜(ii)〜(xii)を繰り返す。
xiv)母船1の誘導制御装置4は、誘導制御部5において、航走体2と目標3との距離RTが、R_d以下になったら、航走体2へ停止信号を出力すると共に、予め設定された作業を行なうための指令を示す信号(処理実行信号)を出力する。
xv)航走体2の機体制御部13は、誘導制御装置4からの停止信号及び処理実行信号とに基づいて、停止し、予め設定された作業を実行する。
【0088】
以上の動作により、誘導制御方法及び誘導制御装置、誘導制御システム、並びに当該方法をコンピューターに実行させるプログラムを使用して、航走体2を目標3の近傍において停止させ、目標3において作業を行なうことが可能となる。
【0089】
また、ソーナー31のチルト角及び俯仰角を自動で制御することが可能となる。そして、航走体2の操縦者が、操縦以外の動作(チルト角及び俯仰角の制御)に費やす時間を著しく減少することができ、操縦者の負担を大きく軽減することが可能となる。
【0090】
第1アルゴリズムの(4)の位置判断をより正確に行なう(ΔTを小さくする)ことにより、航走体2の停止位置をより厳密に制御することが可能となる。
【0091】
次に、図3に示す表示画面11−1上で、航走体2の進路を目標3へ設定する動作について説明する。
A)図3(a)
表示画面11−1では、航走体2のソーナー31の探査信号による計測範囲内の状況が表示される。ここで、目標3が存在した場合、そこからの反射波が発生する。航走体2は、それらの計測データ(探査信号データ及び反射波データ)を母船1の誘導制御装置4へ送信する。
誘導制御装置4では、ソーナー信号処理部10は、計測データに基づいて、目標3の航走体2に対する相対位置の情報である第2相対位置情報(相対距離としての対象相対距離、相対方位としての対象相対方位、相対俯角としての対象相対ピッチ角)を計算する。そして、誘導制御部5は、その第2相対位置情報に基づいて、操作表示部11において、表示画面11−1上にソーナー31の計測範囲を展開させる。そして、操作表示部11は、目標3の画像(エコー22)を映し出す。
ただし、表示画面11−1の中心方向は、チルト角の方向であり、表示画面11−1の範囲は、ビームレンジの範囲である。
【0092】
B)図3(b)
航走体2の操縦者は、航走体2を目標3(エコー22)へ向かわせるために、以下の動作を行なう。すなわち、表示画面11−1において、カーソル21をトラックボールにより動かし、エコー22に合わせ、目標指定ボタンを押す。その動作により、カーソル21は、目標指定シンボル23に変わり、航走体2の目標として、新たにエコー22のある場所としての第1場所が入力されたことになる。
目標指定シンボル23の表示画面11−1上の位置は、操作表示部11により、航走体2に対する新たな移動方向として計算される。そして、計算された相対位置(相対距離、相対方向、相対ピッチ角)は、第1相対位置情報(シンボル相対距離情報、シンボル相対方向情報、シンボル相対ピッチ角情報)として誘導制御部5へ出力される。誘導制御部5は、航走体2の移動目標としての第1相対位置情報を航走体2へ出力する。航走体2は、受信した上記各情報で指定された位置へ移動して行く。
【0093】
その後、航走体2の運動に応じて、航走体2から目標指定シンボル23の位置の変化が定周期に返信される。その情報に基づいて、誘導制御部5は、目標指定シンボル23の位置の移動を操作表示部11へ出力する。それにより、表示画面11−1上の目標指定シンボル23の位置が移動する。
一方、エコー22(目標3)の位置(第2相対位置情報に示される)は、航走体2の認識する位置とは独立に、ソーナー31による計測データから算出している。従って、航走体2の運動に応じてエコー22も位置が変化するが、目標指定シンボル23の位置とは別に変化する。
【0094】
C)図3(c)
表示画面11−1において、航走体2の位置測定誤差の累積によりエコー22(第2相対位置情報)と目標指定シンボル23(第1相対位置情報)との間にずれが生じる場合がある。その場合、カーソル21により目標指定シンボル23をフック(ドラック)し、移動して、ソーナースコープ上の正しいエコー22の位置に合わせ、位置調整ボタンを押して、位置補正する。それにより、新たなエコーのある場所としての第2場所が入力される。
位置補正された目標指定シンボル23の表示画面11−1上の位置は、操作表示部11により、航走体2に対する新たな移動方向として計算される。そして、計算された相対位置(相対距離、相対方向、相対ピッチ角)は、第3相対位置情報として誘導制御部5へ出力される。誘導制御部5は、航走体2の移動目標としての第3相対位置情報を航走体2へ出力する。航走体2は、受信した上記各情報で指定された位置へ移動して行く。
【0095】
目標に到達するまで、必要に応じて、(B)、(C)の行程をくり返す。
そして、上記プロセスを行なうことにより、表示画面上で指定した位置(目標)へ航走体の進路を容易に設定することが可能となる。また、途中の段階で目標から外れてくる場合でも、容易に進路の修正を行なうことが可能となる。
【0096】
上記プロセスは、母船と海洋探査船のような水中における探査活動を行なう潜航艇とを例に説明している。
【0097】
【発明の効果】
本発明により、母船から制御され目標へ向かって運行する航走体の母船での操作を、目標を見失うことなく容易に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明である誘導制御装置、誘導制御システム、誘導制御方法及びプログラムの実施の形態に関わる構成を示す説明図である。
【図2】前記実施の形態において適用される母船側の誘導制御の構成を示すブロック図である。
【図3】前記実施の形態における操作表示部の表示画面の一例を示す説明図である。
【図4】前記実施の形態において適用される航走体制御システムの構成を示すブロック図である。
【図5】前記実施の形態に関わる航走体の構成の一部を示す側面図である。
【図6】前記実施の形態の動作に関わる第1アルゴリズムに用いる座標系を示す説明図である。
【図7】前記実施の形態の動作に関わる第1アルゴリズムを示すフロー図である。
【図8】前記実施の形態の動作に関わる第2アルゴリズムに用いる座標系を示す説明図である。
【図9】前記実施の形態の動作に関わる第2アルゴリズムを示すフロー図である。
【符号の説明】
1 母船
2 航走体
3 目標
4 誘導制御装置
5 誘導制御部
6 水中音響部
7 記憶部
8 送受信部
9 入出力部
10 ソーナー信号処理部
11 操作表示部
11−1 表示画面
12 航走体制御システム
13 機体制御部
14 水中音響部
15 対地速度検出器
16 深度検出部
17 方位センサ
18 記憶部
19 送受信部
21 カーソル
22 エコー
23 目標指定シンボル
31 ソーナー
32 カメラ
40 GPS衛星群
41 GPS受信装置
42 ケーブル
Claims (8)
- 探査信号を表示する画面表示手段を有し、母船から送出された航走体の探査信号における物体を表すエコーを前記画面表示手段上に表示し、前記画面表示手段上の前記エコーのある場所としての第1場所が指定された時、前記第1場所の前記航走体に対する相対位置としての第1相対位置を算出する操作表示部と、
前記第1相対位置に基づいて、前記航走体の移動目標を前記第1相対位置とするように前記航走体を制御する誘導制御部とを具備することを特徴とする誘導制御装置。 - 前記航走体から出力された前記探査信号に基づいて、前記エコーの航走体に対する相対位置としての第2相対位置を算出する探査信号処理部をさらに具備し、
前記操作表示部は、前記第2相対位置に基づいて、前記エコーを前記画面表示手段上に表示する請求項1記載の誘導制御装置。 - 前記操作表示部は、前記第1相対位置と前記第2相対位置が、前記画面表示手段上でずれた場合、前記第2相対位置を示す場所としての第2場所を改めて指定されたとき、前記第2場所の前記航走体に対する相対位置としての前記第3相対位置を算出し、
前記誘導制御部は、前記航走体の移動目標を前記第3相対位置とするように前記航走体を制御する請求項1又は2記載の誘導制御装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の前記誘導制御装置と、前記誘導制御装置に制御される前記航走体とを具備することを特徴とする誘導制御システム。
- 母船から送出された航走体の探査信号を画面表示手段に表示するステップと、
前記画面表示手段に表示された、物体を表すエコーのある場所としての第1場所を指定するステップと、
前記第1場所の前記航走体に対する相対位置としての第1相対位置を算出するステップと、
前記航走体の移動目標を前記第1相対位置とする制御信号を前記航走体へ送信するステップとを具備することを特徴とする誘導制御方法。 - 前記探査信号を前記画面表示手段に表示するステップは、
前記探査信号を前記航走体から受信するステップと、
受信された前記探査信号に基づいて、前記エコーの前記航走体に対する相対位置としての第2相対位置を算出するステップと、
前記第2相対位置に基づいて、前記エコーを前記画面表示手段に表示するステップとを具備する請求項5記載の誘導制御方法。 - 前記第1相対位置と前記第2相対位置とが、前記画面表示手段上でずれた場合、前記第2相対位置を示す場所としての第2場所を改めて指定するステップと、
前記第2場所の前記航走体に対する相対位置としての前記第3相対位置を算出するステップと、
前記航走体の移動目標を前記第3相対位置とする制御信号を前記航走体へ送信するステップとを更に具備する請求項6記載の誘導制御方法。 - 母船から送出された航走体の探査信号を画面表示手段に表示するステップと、
前記画面表示手段に表示された、物体を表すエコーのある場所としての第1場所が指定されたとき、前記第1場所の前記航走体に対する相対位置としての第1相対位置を算出するステップと、
前記航走体の移動目標を前記第1相対位置とする制御信号を前記航走体へ送信するステップとを具備し、
前記探査信号を前記画面表示手段に表示するステップは、前記探査信号を前記航走体から受信するステップと、受信された前記探査信号に基づいて、前記エコーの前記航走体に対する相対位置としての第2相対位置を算出するステップと、前記第2相対位置に基づいて、前記エコーを前記画面表示手段に表示するステップとを有し、
さらに、前記第1相対位置と前記第2相対位置とが、前記画面表示手段上でずれ、前記第2相対位置を示す場所としての第2場所が改めて指定されたとき、前記第2場所の前記航走体に対する相対位置としての前記第3相対位置を算出するステップと、
前記航走体の移動目標を前記第3相対位置とする制御信号を前記航走体へ送信するステップとを具備し、それらのステップをコンピューターに実行させるためのプログラム。
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