JP2009149157A - 回転翼航空機搭載装置及びオペレーション調整方法並びにコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の回転翼航空機が曳航式のソーナー装置を用いて機雷を捜索するときに、これらの回転翼航空機により曳航される各ソーナー装置の間で音波の干渉が発生することを回避する。
【解決手段】機体システム10が、ソーナー装置を曳航する回転翼航空機に設けられた航法機器11、飛行制御用の飛行制御装置12、無線送受信するデータリンク部13、及びソーナー装置からの反射信号に基づき画像化処理を行う情報処理表示装置14を備え、情報処理表示装置14が、自機及び他機の捜索領域の各座標情報を記憶するデータベース17と、自機の位置及び速度、他機の位置及び速度、各座標情報に基づき、ソーナー装置間の所定時間後の相対距離を計算し、相対距離が音波の干渉を引き起こす距離の閾値以内であるかどうかを予測し、相対距離が閾値以内である場合、飛行制御装置12に対して所定時間のホバリングを指令する干渉判定処理部18とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】機体システム10が、ソーナー装置を曳航する回転翼航空機に設けられた航法機器11、飛行制御用の飛行制御装置12、無線送受信するデータリンク部13、及びソーナー装置からの反射信号に基づき画像化処理を行う情報処理表示装置14を備え、情報処理表示装置14が、自機及び他機の捜索領域の各座標情報を記憶するデータベース17と、自機の位置及び速度、他機の位置及び速度、各座標情報に基づき、ソーナー装置間の所定時間後の相対距離を計算し、相対距離が音波の干渉を引き起こす距離の閾値以内であるかどうかを予測し、相対距離が閾値以内である場合、飛行制御装置12に対して所定時間のホバリングを指令する干渉判定処理部18とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数の回転翼航空機がソーナーを曳航して機雷を捜索する曳航式のソーナーを用いたオペレーションの実施作業に用いて好適な回転翼航空機搭載装置及びオペレーション調整方法並びにコンピュータプログラムに関する。
海中の機雷を捜索するオペレーションを実行するための種々の方法が知られている。曳航式ソーナーを用いて機雷を捜索する場合、ヘリコプターなどの回転翼航空機は、ソーナーを装備した曳航体を曳航索によって曳航する。
曳航体は海面から沈降されており、この曳航体は、一端が回転翼航空機に結びつけられた曳航索の他端に結びつけられて海中を曳航されている。ソーナーが海中に音波を送信すると、このソーナーから海底に向かって球面波が伝播する。回転翼航空機に搭載された情報処理装置は、音波の反射面の状態を画像化して2次元画像を画面に表示する。この画像をオペレータが確認することにより、機雷の有無が探索される。
また、ソーナーには信号の送受波に適正な曳航速度が決められている。回転翼航空機は、曳航体の曳航を開始した後、曳航体が海中で止まらないようにこの曳航体を引っ張り続ける必要がある。
機雷は船舶が航行する水路に敷設される。海面の上から俯瞰して見た水路の形状は直線状あるいは折れ線状である。捜索のオペレーションを計画する場合、水路は、それぞれが矩形状の複数の捜索領域に分割される。この捜索領域には、曳航体が曳航される経路を表す複数の航走線の座標情報として、例えばそれらの両端点の緯度及び経度が予め飛行制御装置に入力されている。
各捜索領域には、それぞれ一定の航走間隔で設定された複数の航走線が設定される。回転翼航空機は航走線の始点から終点へ向かいこの航走線に沿って直線飛行する。回転翼航空機は、航走線の終点において旋回飛行を行って、隣接する航走線の始点に移りこの隣接する航走線に沿って直線飛行を行う。
ソーナーの探知性能を予測するための技術に関しては、ソーナーの探知範囲を高精度に3次元で予察することを可能とし、失探の可能性を低減しソーナーの信頼性を高められるようにしたソーナー探知範囲予察システムが提案されている(特許文献1参照)。
目標飛行点への飛行情報を与える航法機能を有するヘリコプターの飛行を制御する技術に関しては、パイロットの操縦上の負荷を大幅に軽減すると共に目標飛行点FTPへの到達精度を良好なものとし、最短の到達所要時間での飛行を可能とする自動飛行制御システムが提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−4847号公報
特開平5−69896号公報
しかしながら、複数の回転翼航空機がそれぞれ、互いに近接した複数の捜索領域についてオペレーションを実施する場合、捜索領域間で航走線が接近することがあるため、各曳航体に設けられたソーナーの間で音波の干渉が生じることが予想される。このオペレーションでは、干渉が生じないように各曳航体の間で一定の距離が確保されるようにしつつ、短時間で捜索を完了させる必要がある。
従来のオペレーション手法では、各機のオペレータが、互いの回転翼航空機の位置を、無線による音声のやり取りによって伝え合い、各オペレータはソーナー間の距離を算定し、捜索領域のフライ・トゥ・ポイントにおいて待機するように自機の操縦系統に対して管制を行っている。しかしながら、この手法では、短時間で効率的に捜索を完了することができず、また、オペレータに対して過大なワークロードを強いる。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑み、複数の回転翼航空機が曳航式のソーナー装置を用いて機雷を捜索するオペレーションを実施する作業において、これらの回転翼航空機によって曳航される各ソーナー装置の間で音波の干渉が発生することを回避させることが可能な回転翼航空機搭載装置及びオペレーション調整方法並びにコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
このような課題を解決するため、本発明の請求項1によれば、水中に向けて音波を放射するとともにこの音波の反射波の信号を出力するソーナー装置を曳航する回転翼航空機に設けられて、この回転翼航空機の位置及び前記回転翼航空機の速度を測位する航法装置と、無線信号を送受信する無線送受信機と、前記航法装置が測位した情報に基づき操縦装置を介して前記回転翼航空機の飛行を制御する飛行制御装置と、前記反射波の信号に基づき前記音波の反射面の状態を画像化する処理を行う情報処理表示装置と、を備え、この情報処理表示装置が、自機の捜索領域についての座標情報及び他機の捜索領域についての座標情報を記憶するデータベースと、前記航法装置が測位したこの自機の位置及び前記自機の速度と、前記無線送受信機が受信した前記他機の位置及びこの他機の速度と、前記データベースが記憶する各座標情報とに基づき、前記自機により曳航されるソーナー装置及び前記他機により曳航されるソーナー装置の間の所定時間後の相対距離を計算し、この相対距離がこれらのソーナー装置から放射される音波によって干渉を引き起こす距離の閾値以内であるかどうかを予測し、前記相対距離がこの閾値以内である場合、前記飛行制御装置に対して所定時間のホバリングを指令する干渉判定処理部とを備えたことを特徴とする回転翼航空機搭載装置が提供される。
また、本発明の請求項3によれば、それぞれ水中に向けて音波を放射するとともにこの音波の反射波の信号を出力するソーナー装置を曳航するオペレーションを行う複数の回転翼航空機に設けられて、前記反射波の信号に基づき前記音波の反射面の状態を画像化する処理を行う各情報処理表示装置のうち、第1の回転翼航空機に設けられた情報処理表示装置が、自機の捜索領域についての座標情報及び他機の捜索領域についての座標情報をデータベースに書込むステップと、この第1の回転翼航空機に設けられて、航法装置が測位した情報に基づき操縦装置を介して前記第1の回転翼航空機の飛行を制御する飛行制御装置が、自機の位置及びこの自機の速度を測位するステップと、この飛行制御装置が、前記複数の回転翼航空機のうちの第2の回転翼航空機である他機の位置及びこの他機の速度を無線送受信機を介して受信するステップと、前記第1の回転翼航空機の情報処理表示装置が、前記各座標情報、前記自機の位置、前記自機の速度、前記他機の位置、及び前記他機の速度に基づき、前記自機により曳航されるソーナー装置及び前記他機により曳航されるソーナー装置の間の所定時間後の相対距離を計算し、この相対距離がこれらのソーナー装置から放射される音波によって干渉を引き起こす距離の閾値以内であるかどうかを予測するステップと、この情報処理表示装置が、前記相対距離がこの閾値以内であると予測した場合、前記飛行制御装置に対して所定時間のホバリングを指令するステップと、を備えることを特徴とするオペレーション調整方法が提供される。
また、本発明の請求項4によれば、それぞれ水中に向けて音波を放射するとともにこの音波の反射波の信号を出力するソーナー装置を曳航するオペレーションを行う複数の回転翼航空機に設けられて、前記反射波の信号に基づき前記音波の反射面の状態を画像化する処理を行う各情報処理表示装置のうち、第1の回転翼航空機に設けられた情報処理表示装置が、自機の捜索領域についての座標情報及び他機の捜索領域についての座標情報をデータベースに書込むステップと、この第1の回転翼航空機に設けられて、航法装置が測位した情報に基づき操縦装置を介して前記第1の回転翼航空機の飛行を制御する飛行制御装置が、自機の位置及びこの自機の速度を測位するステップと、この飛行制御装置が、前記複数の回転翼航空機のうちの第2の回転翼航空機である他機の位置及びこの他機の速度を無線送受信機を介して受信するステップと、前記第1の回転翼航空機の情報処理表示装置が、前記各座標情報、前記自機の位置、前記自機の速度、前記他機の位置、及び前記他機の速度に基づき、前記自機により曳航されるソーナー装置及び前記他機により曳航されるソーナー装置の間の所定時間後の相対距離を計算し、この相対距離がこれらのソーナー装置から放射される音波によって干渉を引き起こす距離の閾値以内であるかどうかを予測するステップと、この情報処理表示装置が、前記相対距離がこの閾値以内であると予測した場合、前記飛行制御装置に対して所定時間のホバリングを指令するステップと、を前記第1の回転翼航空機に搭載されたコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムが提供される。
本発明によれば、複数の回転翼航空機がソーナー装置を用いて捜索オペレーションを実施するときに、各ソーナー装置の間で音波の干渉の発生を回避することができ、短時間で効率的にオペレーション作業を行えるようになる。
以下、本発明の実施の形態に係る回転翼航空機搭載装置及びオペレーション調整方法並びにコンピュータプログラムについて、図1乃至図7を参照しながら説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
(捜索オペレーションの概要)
本発明の一実施形態に係る回転翼航空機搭載装置は、ソーナー装置を曳航するヘリコプターに搭載される機体システムである。本発明の一実施形態に係るオペレーション調整方法が適用されるオペレーションは、任務に当たることが可能な複数のヘリコプターのうちの2機のヘリコプターが海域に設定された隣接あるいは近接する捜索領域について機雷の捜索のために飛行することにより行われる。
本発明の一実施形態に係る回転翼航空機搭載装置は、ソーナー装置を曳航するヘリコプターに搭載される機体システムである。本発明の一実施形態に係るオペレーション調整方法が適用されるオペレーションは、任務に当たることが可能な複数のヘリコプターのうちの2機のヘリコプターが海域に設定された隣接あるいは近接する捜索領域について機雷の捜索のために飛行することにより行われる。
このオペレーションでは、主制御を行う機体システムを搭載したヘリコプターは管制機として機能し、割り当てられた捜索領域について捜索オペレーションを実施する。主制御を行う機体システムに従属して動作する機体システムを搭載したヘリコプターはこの管制機から管制を受ける従属機として機能し、管制機による捜索領域に隣接する捜索領域について捜索オペレーションを実施する。
従属機の機体システムは、飛行中に管制機と近づくかどうかを監視している。この従属機の機体システムは、これらの管制機及び従属機によって曳航される各ソーナー装置の間で音波の干渉が発生すると判定した場合、従属機の操縦系統に対して所定時間のホバリングを指令するようにされている。ホバリングとは、ロータを回転させた状態で機体が空中に静止することを指す。
海域における水路に設定された捜索領域を、それぞれ緯度、経度及び方位を定められた複数の航走線に沿ってソーナー装置を曳航するために、管制機の機体システム及び従属機の機体システムには、捜索計画のデータが設定されている。捜索計画とは、航走線の本数や、一本一本の航走線の始点の緯度及び経度や、各航走線の終点の緯度及び経度を表す。
また、ヘリコプターは、航走線の終点から隣接する航走線の始点へ移るときに、旋回飛行を行うようにされている。
管制機及び従属機はともにこの捜索計画と、各機体の緯度、経度、高度及び機首方位といった位置情報と、各機体の飛行速度とに基づいて、ソーナー装置を曳航した状態で飛行を行う。
機雷が爆発するおそれを考慮して、1つの捜索領域は1機の回転翼航空機によって捜索される。限られた機体数の回転翼航空機を用いて複数の捜索領域を捜索する場合、各回転翼航空機は1つの捜索領域の捜索を終えた後、別の捜索領域に移って捜索を行う。各捜索領域について捜索に要する時間は短いことが望まれる。
(オペレーション実施時の配置例)
図1は機体システムが搭載されたヘリコプターのオペレーション実行時の配置例を示す図である。例えば2機のヘリコプター1、2は、それぞれ、曳航索3、4によって、ソーナー5、6が搭載された曳航体7、8を曳航する。ソーナー5及び曳航体7によりソーナー装置が構成される。ソーナー6及び曳航体8もソーナー装置を構成する。
図1は機体システムが搭載されたヘリコプターのオペレーション実行時の配置例を示す図である。例えば2機のヘリコプター1、2は、それぞれ、曳航索3、4によって、ソーナー5、6が搭載された曳航体7、8を曳航する。ソーナー5及び曳航体7によりソーナー装置が構成される。ソーナー6及び曳航体8もソーナー装置を構成する。
ヘリコプター1、2はそれぞれ機体システム9、10を有する。これらの機体システム9、10は、機体の飛行を制御する飛行制御装置と、任務の遂行に必要な情報の収集や分析、指示内容の表示、及びソーナー5、6からの受波信号に基づき音波の反射面の状態を画像化する画像処理を行う情報処理表示装置とを有する。
飛行制御装置にはフライト・マネジメント・システムが用いられている。飛行制御装置は、飛行コースを予め入力されており、航法装置によって測位された情報に基づきオートパイロット装置を介して自動運航するための操縦量を計算しこの操縦量を操縦系統へ出力する。
情報処理表示装置にはCDS[Combat Direction System]が用いられている。このCDSは、任務の遂行に必要な情報を収集してこの情報を評価又は分析し、オペレーションを指示するための信号を生成して表示器に情報を表示する信号処理装置と、受波信号の振幅及び位相についてベクトル合成処理を行って反射面を表す2次元画像を生成し、この画像を表示器に表示する画像処理装置とを有する。この画像処理装置は、例えば合成開口レーダを用いた処理と同様の処理を行う。
これらの飛行制御装置及び情報処理表示装置の詳細については後述する。
機体システム9、10には、ヘリコプター1、2に割り当てられた矩形状の捜索領域の4隅の座標が設定されている。この捜索領域の座標や、捜索計画の情報は、オペレータによってオペレーションの実行の開始前又はオペレーションの実行の最中に各機体システム9、10に入力される。
各ヘリコプター1、2は、捜索領域ごとに分担して捜索作業のための飛行を行う。ヘリコプター1、2が航走線の終点にて旋回飛行を行い、隣接する航走線の始点に移る。ヘリコプター1、2はこの終点に向かう方向と反対側の方向に向かって直線飛行を行う。曳航体7、8がジグザグ状に曳航されることにより、捜索領域の海底の全域が覆われて捜索対象が画像化されるようになっている。
ソーナー5、6はいずれも音波の送信及び音波の受信を行う。ソーナー5は、曳航方向に直交する面内において左右の斜め下方の海底に向けて音波を送信する図示しない音波送信部と、海底面や海底に沈底している物体あるいは機雷からの反射波を受信する受信部と、受信した反射信号を曳航索3内のケーブルを介して情報処理表示装置に送信する反射信号送信部とを備えている。
ソーナー5から放射された音波は球面波状に伝播し、この音波が海底面や機雷にて反射されて、ソーナー5が反射信号を受波する。ヘリコプター1の情報処理表示装置は、反射面の状態を画像化して2次元画像を表示器に表示する。この画像をオペレータがモニタリングすることにより、機雷の有無が判断される。
ソーナー6の構成もソーナー5の構成と同じである。ソーナー6は反射信号を曳航索4内のケーブルを介してヘリコプター2に設けられた情報処理表示装置に送信する。ヘリコプター2に搭乗しているオペレータは、この情報処理表示装置によって画像化されて表示される反射面の状態を確認し、機雷の有無の目視を行う。
ソーナー5、6は曳航体7、8の両サイドに向けて音波を発射し、反射波をトラッキングするものであるため、これらの曳航体7、8は、ソーナー5、6が送受波を正常に行うことが可能な適正な曳航速度で曳航されるようになっている。ヘリコプター1、2は曳航体7、8の曳航を開始した後、これらの曳航体7、8が航走線上において停止しないように曳航体7、8を曳航するようにしている。
画像の揺らぎを少なくするため、曳航体7、8の曳航速度が大きく変動しないようにヘリコプター1、2はこれらの曳航体7、8を曳航する。曳航体7、8の運動を安定させるために、ヘリコプター1、2は曳航体7、8が止まらないようにしてこれらを曳航する。
ヘリコプター1、2の情報処理表示装置はそれぞれ曳航索3、4の長さの情報を保持している。各情報処理表示装置は、これらの長さの情報に基づき、機体が航走線上で直線飛行をしているとき、及び航走線の端点付近で旋回飛行をしているときに、各ソーナー5、6の緯度、経度及び深度からなる位置を計算する。
ヘリコプター2の情報処理表示装置が従装置として機能する場合、この情報処理表示装置は予め記憶している閾値と、これらのソーナー5、6の間の相対位置とを比較して、音波の干渉が発生するかどうかを判定する。この情報処理表示装置は、音波の干渉が発生すると判定した場合、ヘリコプター2を飛行目標点であるフライ・トゥ・ポイントにおいて所定時間ホバリングさせる。
ヘリコプター1、2を用いてオペレーションが実施される場合、曳航体7、8の間で一定の距離が確保されるようにしつつ、短時間で捜索が完了する必要がある。各情報処理表示装置は、2機によるオペレーションの進捗に応じて、主装置としての役割と従装置としての役割とを変更可能にされている。
以下、特に断らない限り、ヘリコプター2に搭載される情報処理表示装置が従装置として機能する場合の例について述べる。図2はヘリコプター2の機体システム10の機能ブロック図である。
機体システム10は、海面に対する機体の位置及び速度を検出する航法機器11と、航法機器11により測位された情報に基づきヘリコプター2の飛行を制御する飛行制御装置12と、無線信号を送受信するデータリンク部13と、情報処理表示装置14とを有する。
航法機器11は航法装置であり、GPS受信機が用いられる。
飛行制御装置12は、操縦量に応じてメインロータブレードのピッチ角、メインロータの回転面の傾き、及びテールロータブレードのピッチ角を各々制御するための操縦系統15と、航法機器11からの自機の位置及び自機の速度、及び情報処理表示装置14からの情報に基づいてこの操縦系統15を介した運航の操縦量を計算する制御部16とを備えている。
操縦系統15は、この操縦量及びホバリング時間を伝達する機構と、ロータやロータブレードを動かすオートパイロット装置とから構成される。
データリンク部13は、僚機から無線送信されるこの僚機の位置、僚機の速度、及び僚機によって行われる捜索計画についての情報を受信するとともに、自機の位置、自機の速度、及び自機が行う捜索計画についての情報を送信する無線送受信機である。
情報処理表示装置14は、自機の捜索計画及び僚機の捜索計画についての情報を記憶するデータベース17と、これらの航法機器11、操縦系統15、データリンク部13及びデータベース17を介して得られる情報に基づきソーナー5、6の間で音波の干渉が生じるかどうかを判定する干渉判定処理部18とを備えている。
データベース17にはデータリンク部13により受信された僚機の捜索計画も書込まれる。自機の捜索計画はデータリンク部13を介して僚機へ送られるようにされている。
干渉判定処理部18は、情報処理表示装置14と飛行制御装置12との間をインターフェースする。
図3は干渉判定処理部18のブロック図である。図3に示す要素のうち上述した符号と同じ符号を有する要素はそれらと同じものを表す。
この干渉判定処理部18は、航法機器11から自機の速力及び位置を入力されて自機の運動を予測する自機運動予測部19と、データリンク部13から僚機の速力及び位置を入力されて僚機の運動を予測する僚機運動予測部20と、これらの自機の速力及び位置と、僚機の速力及び位置と、データベース17に記憶された自機の捜索計画及び僚機の計画とに基づきソーナー5、6の間で干渉が生じるかどうかを判定する比較処理部21とを備えている。
自機運動予測部19は、何分後に自機がどの位置にいるかといった自機の所定時間後の位置を一次元などの簡単なモデルに基づき予測する。僚機運動予測部20は僚機の所定時間後の位置を一次元モデルに基づき予測する。
比較処理部21は、これらの自機の予測位置の座標、僚機の予測位置の座標、及び捜索計画としての一本一本の航走線の座標を用いてソーナー5、6の間における干渉予測の演算を行う。すなわち、航走線の始点の緯度及び経度を表す座標と、航走線の終点の緯度及び経度を表す座標とによって予測演算が行われる。
この比較処理部21は、曳航索3、4の長さ及び曳航時に発生する長さの誤差を勘案して所定時間後のソーナー5、6の間の距離を計算し、この距離と予め保持する閾値とを比較して、ソーナー5、6の間の距離がこの閾値よりも小さい場合、ホバリング時間を操縦系統15に対して出力する。
ホバリング時間の数値はソーナー5、6の性能諸元によって決まる。音響ビームを送信する音波送信部とこの音響ビームの焦点位置との距離を表すレンジに応じてこの数値は変えられるようにされている。
ソーナー5、6の距離が例えば100m以内になると干渉が起きるとした場合、自機の比較処理部21は、何分後かに僚機が自機に近づき、干渉が起こるといったことを予測し、干渉の発生を防ぐため、操縦系統15に対して例えば2分間のホバリング時間を出力する。この2分間のホバリングが行われることによって、2分間のディレイがオペレーションシーケンスに挿入される。
データベース17には、データリンク部13経由で受信した僚機の捜索計画が書込まれている。このデータベース17には自機の捜索計画も飛行開始前にセットされる。干渉判定処理部18を介して2機が飛行中にデータリンク部13を介して相互に情報をやり取りし、各情報がそれぞれのデータベース17に書込まれることによって、機上において再度捜索計画を変更可能にされている。
データベース17に記憶される捜索計画のデータの種類は、航走線の数の増減に応じて増減する。このデータを管制機の計画として従属機が取得することによって、航走線の始点及び終点の間の飛行に要する時間を計算できるようになっている。
尚、データベース17には記憶装置が用いられる。干渉判定処理部18の機能は、CPU、DSP、ROM、RAMにより実現される。
更に図2に示す情報処理表示装置14は、表示器22と、この表示器22に入力する表示データを生成処理する表示処理部23と、表示器22の表示に基づきオペレータが選択したこの表示器22に対するカーソルの位置の情報を表示処理部23に対して入力するポインティングデバイス24とを備えている。
表示器22は飛行コースなどを表示する。表示処理部23は、干渉判定処理部18から、フライ・トゥ・ポイントの情報を入力されて、表示器22にこのフライ・トゥ・ポイントを表示させる。ポインティングデバイス24は、画面上に表示された複数の飛行目標点からオペレータによって選択された飛行目標点の情報を干渉判定処理部18に入力する。
また、ヘリコプター1の機体システム9の構成も、ヘリコプター2の機体システム10の構成と同じである。
(掃海オペレーションの例)
以下、2機のヘリコプター1、2によって実施される掃海オペレーションの例について述べる。
以下、2機のヘリコプター1、2によって実施される掃海オペレーションの例について述べる。
図4はヘリコプター1、2の飛行経路の一例を示す図であり、同図には上空から見た水路の一部が示されている。この水路に、帯状の捜索領域25、26が設定されている。捜索領域25、26はそれぞれヘリコプター1、2が担当する任務領域として設定されている。
上面視した捜索領域25にはヘリコプター1の飛行目標点であるフライ・トゥ・ポイント27が予め設定されている。捜索領域26にもヘリコプター2の飛行目標点としてフライ・トゥ・ポイント28が予め設定されている。29及び30はそれぞれソーナー5、6から放射される音波の伝播範囲を表す。フライ・トゥ・ポイント27や28は、表示器22の上にマーキングされる。
これにより、ヘリコプター1はフライ・トゥ・ポイント27から左側に向かって航走線31に沿って直線飛行しながら曳航体7を曳航し、この航走線31の終点32において旋回飛行して隣接する航走線33の始点34に移る。ヘリコプター1はこの始点34にて機首方位を航走線33の終点35側に正対させる。ヘリコプター1は始点34から航走線33に沿って終点35まで直線飛行して曳航体7を曳航する。
ヘリコプター2はフライ・トゥ・ポイント27から右側に向かって航走線36に沿って直線飛行しながら曳航体8を曳航し、この航走線36の終点37において旋回飛行して隣接する航走線38の始点39に移る。ヘリコプター2は、始点39にて機首方位を航走線38の終点40側に正対させる。ヘリコプター2は、始点39から航走線38に沿って終点40まで直線飛行して曳航体8を曳航する。
曳航体7、8はソーナー5、6の性能諸元にしたがって決められた一定の曳航速度で直線状に航走する。ヘリコプター1、2が旋回飛行を行うと、これらの曳航体7、8の進行方向はいずれも旋回する。
更にヘリコプター1は航走線33から航走線41、42へ順に移っていき、ヘリコプター2も航走線38から航走線43、44へ順に移っていく。これによって、捜索領域25、26の全域に亘る海底あるいは物体についての反射面の状態が画像化されるようになっている。
ヘリコプター1がポイントAを左方向に向かって飛行しており、ヘリコプター2がポイントBを右方向に向かって飛行している場合、何ら捜索領域25、26について飛行の制限が行われないと、これらのヘリコプター1、2は旋回後、ともに中央のフライ・トゥ・ポイント27に向かって飛行し始める。
この場合、数分後、フライ・トゥ・ポイント27近傍の直下の海中においてソーナー5、6の間で音波の干渉が生じる可能性がある。このため、以下に述べるオペレーション調整が行われる。
(本実施形態に係るオペレーション調整方法)
本実施形態に係るオペレーション調整方法は、従属機であるヘリコプター2の干渉判定処理部18が、管制機であるヘリコプター1の干渉判定処理部18の飛行シーケンスに応じて、ヘリコプター2にディレイをかける。
本実施形態に係るオペレーション調整方法は、従属機であるヘリコプター2の干渉判定処理部18が、管制機であるヘリコプター1の干渉判定処理部18の飛行シーケンスに応じて、ヘリコプター2にディレイをかける。
ヘリコプター2の干渉判定処理部18は、自機の緯度、経度及び高度からなる機体の位置と、自機の飛行速度とを航法機器11を介して取得し、データリンク部13を介して僚機即ちヘリコプター1の位置と、僚機の飛行速度とを取得する。干渉判定処理部18は、データベース17から、自機の捜索計画(例えば捜索航跡や曳航速度)と、僚機の捜索計画とをそれぞれ読み込む。
この干渉判定処理部18は、これらの自機の位置、自機の飛行速度、僚機の位置、僚機の飛行速度、自機の捜索計画及び僚機の捜索計画に基づいて、音波の干渉を予測する。干渉判定処理部18はこの干渉の予測を周期的に行う。干渉予測とは、一定時間経過後のソーナー5、6の位置を予測すること、ソーナー5、6間の距離を予測すること、及びソーナー5、6による音波の干渉の有無を判断することを指す。
干渉判定処理部18は干渉が生じると判断した場合、ヘリコプター2の操縦系統15に対して、ホバリング時間を出力する。操縦系統15は、ヘリコプター2の機体がフライ・トゥ・ポイント28において指令された時間分ホバリングするようにオートパイロット装置などへ数値やコマンドを通知する。
従って、ヘリコプター2が捜索領域26に入る前にヘリコプター2はディレイをかけられる。ヘリコプター2によって実行される複数の飛行シーケンスの中にディレイが入るため、音波の干渉が回避される。
従って、従属機の干渉判定処理部18と管制機の干渉判定処理部18とが、互いの機体の位置及び機体の速度を数値化した情報を交換することにより、機雷捜索オペレーションを実行する際の従属機の飛行シーケンスが適時調整される。
また、干渉判定処理部18の機能は記録媒体に記録されたコンピュータプログラムの実行によっても実現される。
本実施形態に係るコンピュータプログラムは、従属機に設けられたデータベース17に自機及び他機の各捜索領域についての座標情報を書込み、航法機器11が自機の位置及び自機の速度を測位し、データリンク部13が他機の位置及び他機の速度を受信し、干渉判定処理部18がこれらの各座標情報と自機の位置及び速度と他機の位置及び速度とに基づきソーナー5、6の間の所定時間後の相対距離を計算し、この相対距離が所定の閾値以内であるかどうかを予測して、この相対距離が閾値以内であると判定した場合、飛行制御装置12に対して所定時間のホバリングを指令する各ステップを従属機に搭載されたコンピュータに実行させる。
(作用)
このような構成の本実施形態に係るそれぞれの回転翼航空機搭載装置には、地上において作成された捜索計画(捜索航跡や曳航速度)が、各オペレータによって入力される。これらの捜索計画をもとに、各表示器22は捜索作業に応じた表示を行う。
このような構成の本実施形態に係るそれぞれの回転翼航空機搭載装置には、地上において作成された捜索計画(捜索航跡や曳航速度)が、各オペレータによって入力される。これらの捜索計画をもとに、各表示器22は捜索作業に応じた表示を行う。
地上において、水路あるいは海域を捜索するためにはどのような航行パターンがよいかについて予め飛行計画が検討される。この際、オペレータは、航走線の入り口の座標を各機器に設定する。ヘリコプター1、2のうちの一方が管制機となり、他方が従属機となる旨が決められて、管制機及び従属機として動作するためのデータが各オペレータによりそれぞれ設定される。
ヘリコプター1、2に搭乗したオペレータは、表示器22の表示を見ながら捜索用の機器の操作を行う。ヘリコプター1、2の飛行制御装置12は、データベース17に記憶された捜索計画に基づいて各操縦系統15を制御する。
実際の捜索ではヘリコプター1、2の航跡が航走線からずれることがある。そのため、機体システム9、10はそれぞれの機体の旋回前にデータリンク部13を介して相互に捜索軌跡を交換し、この捜索軌跡を捜索計画としてデータベース17に書込みを行って共有しておく。
図5は従属機として機能するヘリコプター2側の干渉判定処理部18の動作を説明するためのフローチャートである。ヘリコプター2の干渉判定処理部18には、航法機器11から自機の機体位置及び機体速度が入力される(ステップA1)。
この干渉判定処理部18には、データリンク部13から僚機であるヘリコプター1の機体位置及び機体速度が入力される(ステップA2)。
ステップA3において、干渉判定処理部18は旋回後の次の捜索航跡の位置関係を計算する。具体的には、干渉判定処理部18は、ヘリコプター1、2が旋回飛行を行った後の次の捜索航跡を計算し、この捜索航跡に基づいて、ヘリコプター1、2の位置関係が、ソーナー5、6の間で音波の干渉を引き起こす関係であるか否かについてシミュレーションを行う。
すなわち、オペレーションが次の捜索航跡についてのオペレーションに移行したときにおけるソーナー5、6の位置関係が予測計算される。ヘリコプター1、2は航走線を直線状に移動するため、干渉判定処理部18は、ソーナー5、6の一次元的な相対的位置に基づき予測を行える。
ステップA4において、干渉判定処理部18は、ソーナー5、6の位置関係が音波の干渉を生じるか否かを判定する。例えば数分後に、ソーナー6とソーナー5とからそれぞれ放射される音波の干渉が生じるかどうかが判定される。
ステップA5において、干渉判定処理部18が干渉の生じる可能性がないと判定した場合、Noルートを通り、ステップA6において干渉判定処理部18はディレイ時間を0に設定する。この場合、ヘリコプター2の飛行制御装置12は、操縦系統15に対してホバリングの指令を通知しない。
ステップA5において、干渉判定処理部18が干渉の生じる可能性があると判定した場合、Yesルートを通り、ステップA7において、干渉判定処理部18は、干渉が生じないためのディレイ時間を捜索計画における曳航速度に基づいて算出する。
ステップA8において、干渉判定処理部18は、フライ・トゥ・ポイント28におけるホバリングのためのディレイ時間の値を算出して得られた新しい値に更新する。
ステップA9において、干渉判定処理部18は、ホバリングのためのディレイ時間を操縦系統15へ出力する。
このように、捜索という行為自体が相互に影響を与えずに、音波の干渉を回避する手法を構築することができるようになり、任務を確実に遂行することができるようになる。
このようにして、本実施形態に係る回転翼航空機搭載装置及びオペレーション調整方法によれば、2機による曳航式ソーナーオペレーションを実施する作業において、それぞれのソーナー5、6の間で音波の干渉の発生が回避されるようになる。
また、本実施形態に係るコンピュータプログラムに記述されたアルゴリズムを情報処理表示装置14及び飛行制御装置12が実行することによって、本実施形態に係るオペレーション調整方法により得られる効果と同じ効果を得ることができる。
また、本実施形態に係る回転翼航空機搭載装置及びオペレーション調整方法では、3次元的にソーナー5、6の位置や2機の機体位置を測定するといった手法が用いられずに、音波の干渉の有無が判定されるようになる。
航走線に沿って飛行が行われるため、ヘリコプター1、2の移動はともに直線的な動き、即ち一次元的な自由度しか持たない。干渉判定処理部18は、他機の位置や他機が曳航する曳航体の位置を捕捉することまでを行わずに、直線的な動きに基づきソーナー5、6の位置を算出できるようになり、所定時間後に干渉が起きるかどうかを予測できるようになる。
従来の技術では、従属機として任務に当たる機体のオペレータが、機上において、2機の位置、速度、飛行方向を考慮し、音波の干渉の発生の有無を算定していた。干渉が発生する可能性があるとオペレータが判断した場合、オペレータは所定時間のホバリングを行うよう操縦系統15を操作していた。この機体システム9、10及びこのオペレーション調整方法によれば、オペレータの業務の負荷を減らすことができる。
また、種々の性能諸元を有するソーナー5、6や、様々な形状を有する曳航体7、8が、オペレーションに用いられることがある。ソーナー5、6の性能諸元に応じて航走する適切な速力は変動するため、同じ捜索領域の航走線について捜索作業を行う場合、ヘリコプター1、2の飛行速度は変更されることがある。
この機体システム9、10及びこのオペレーション調整方法によれば、ヘリコプター1、2が互いに近い捜索領域を任務領域とする場合、オペレーションに応じて選択されるソーナー5、6や曳航体7、8に応じて、一方のヘリコプター2が適切な位置において待機することもできる。
このようにして、本実施形態に係る回転翼航空機搭載装置及びオペレーション調整方法によれば、短時間で捜索を完了することができ、オペレータは操縦や連絡などの任務に専念することができるようになる。2機の飛行タイミングがずれることによって曳航が行われないデッド時間をなくすことができる。
ボイスコミュニケーションによって起こりうる2機の接近を回避するためのヘリコプター1、2のターンを行うといった作業が全くなくなる。
また、本実施形態に係るオペレーション調整方法では、管制機と従属機との役割を入れ替えるようにしてもよい。一例として、ヘリコプター2がフライ・トゥ・ポイント28にて長くホバリングを行い、かつヘリコプター2による捜索領域26の作業が長びく場合、ヘリコプター2による捜索の任務が遅れる。
この場合、ヘリコプター2を管制機とし、ヘリコプター1を従属機とするように、2機のオペレータが音声で交信する。ヘリコプター1のオペレータは従装置として動作するように情報処理表示装置14に設定し、ヘリコプター2のオペレータは主装置として動作するように情報処理表示装置14に設定する。
これにより、ヘリコプター1がヘリコプター2の作業進捗に合わせて、ホバリング動作を行うようになるため、各捜索領域25、26の捜索作業に従事するオペレータの作業時間の偏りが改善される。
尚、海底の起伏は砂地や岩場といった海底地形によって変わる。本実施形態に係る回転翼航空機搭載装置及びオペレーション調整方法によれば、2機が飛行開始後に、従属機の干渉判定処理部18が管制機の装置から捜索計画を受信し、この捜索計画に基づいて、ディレイをかけることができるため、海域の場所によらずに、オペレーションを実施することができる。
(変形例)
上記の実施形態では、ディレイ時間はヘリコプター2の干渉判定処理部18によって計算されて得られていたが、このディレイ時間をヘリコプター1の干渉判定処理部18が計算し、ディレイ時間をヘリコプター2がヘリコプター1へ送信して、ヘリコプター2がホバリングするようにもできる。
上記の実施形態では、ディレイ時間はヘリコプター2の干渉判定処理部18によって計算されて得られていたが、このディレイ時間をヘリコプター1の干渉判定処理部18が計算し、ディレイ時間をヘリコプター2がヘリコプター1へ送信して、ヘリコプター2がホバリングするようにもできる。
この変形例に係る回転翼航空機搭載装置も、ヘリコプター1及び2にそれぞれ搭載される機体システム9及び10である。この変形例においても、ヘリコプター1に搭載される情報処理表示装置が主装置として機能し、ヘリコプター2に搭載される情報処理表示装置が従装置として機能する。
機体システム9及び10の各干渉判定処理部18は、ヘリコプター1、2の間の相対位置を予測した後、ヘリコプター2の干渉判定処理部18に対して、特定のポイントにおいて何分間ホバリングするといった指令信号を送信する。指令信号を受信した干渉判定処理部18は、ヘリコプター2が特定のポイントにおいて指定時間ホバリングするようこのヘリコプター2の操縦系統15へ制御信号を入力する。
このような構成のこの変形例に係る回転翼航空機搭載装置の情報処理表示装置14に設けられた干渉判定処理部18の動作について述べる。
図6は干渉判定処理部18の主装置としての動作を説明するためのフローチャートである。管制機としてのヘリコプター1の干渉判定処理部18は、航法機器11から自機の機体位置及び機体速度を入力される(ステップB1)。この干渉判定処理部18には、データリンク部13からヘリコプター2の機体位置及び機体速度が入力される(ステップB2)。
ステップB3において、ヘリコプター1の干渉判定処理部18は旋回後の次の捜索航跡の位置関係を計算する。この干渉判定処理部18は、ヘリコプター1、2の旋回後の次の捜索航跡を計算し、この捜索航跡に基づいて、ヘリコプター1、2の位置関係が、ソーナー5、6の間で音波の干渉を引き起こす関係であるか否かについてシミュレーションを行う。
ステップB4において、ヘリコプター1の干渉判定処理部18は、計算して得た位置関係がソーナー5、6の間で音波の干渉を生じるか否かを判定する。
ステップB4において、この干渉判定処理部18が干渉の生じる可能性がないと判定した場合、ステップB5のNoルートを通り、ステップB6において干渉判定処理部18はディレイ時間を0に設定する。この場合、ヘリコプター1からヘリコプター2に対してホバリングの指令は送信されない。
一方、干渉判定処理部18が干渉の生じる可能性があると判定した場合、ステップB5のYesルートを通り、ステップB7において、干渉判定処理部18は、干渉が生じないためのディレイ時間を捜索計画における曳航速度に基づいて算出する。
ステップB8において、データリンク部13は、ヘリコプター1の干渉判定処理部18にて算出されたディレイ時間をヘリコプター2の干渉判定処理部18に対して送信する。主装置である干渉判定処理部18から、従装置である干渉判定処理部18に対して、制御指令が通知される。
図7は干渉判定処理部18の従装置としての動作を説明するためのフローチャートである。ヘリコプター2の干渉判定処理部18では、ヘリコプター1からディレイ時間が入力されたかどうかを監視している(ステップC1のNoルート)。
ヘリコプター2のデータリンク部13はディレイ時間を受信すると、ステップC2において、ヘリコプター2の干渉判定処理部18は、このディレイ時間をデータベース17に書込み、データベース17のディレイ時間を更新する。
ステップC3において、この干渉判定処理部18は、操縦系統15に対してディレイ時間を出力する。ヘリコプター2は例えばフライ・トゥ・ポイント28において、ディレイ時間分ホバリングする(ステップC4)。
このようにして、ヘリコプター2がヘリコプター1からの指令に基づき、フライ・トゥ・ポイント28においてホバリングすることによって飛行シーケンスにディレイがかかり、オペレーションのシーケンスの中にディレイが挿入される。
従って、干渉判定処理部18を設けた情報処理表示装置14を有する本発明のこの変形例に係る回転翼航空機搭載装置及びオペレーション調整方法によれば、ヘリコプター1の位置及び速度と、ヘリコプター2の位置及び速度の各情報に基づき、ソーナー5、6から発信される音波が相互に干渉しないようにこれらのソーナー5、6の間の間隔が調整され、ヘリコプター1、2の飛行を調停することができるようになる。
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。捜索領域の形状、範囲、個数は種々変更されうる。
上記の実施形態では、ヘリコプターの機体数は3機以上であってもよい。3機以上の回転翼航空機によってオペレーションが実施される場合、捜索領域の捜索範囲や飛行コースなどは種々変更されうる。
上記の実施形態では、ソーナー7、8はいずれも送受波機能を備えたものであったが、ソーナー装置は、音波を送信する送波部と、反射波を受信する受波部とを別個に構成してもよい。この場合、送波部は曳航体に設けられ、受波部はケーブルによってブイから吊下げられる。このブイの海面から浮上する部分には、回転翼航空機との間で無線信号を送受信する無線送受信機が設けられる。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1,2…ヘリコプター、3,4…曳航索、5,6…ソーナー、7,8…曳航体、9,10…機体システム、11…航法機器、12…飛行制御装置、13…データリンク部、14…情報処理表示装置、15…操縦系統、16…制御部、17…データベース、18…干渉判定処理部、19…自機運動予測部、20…僚機運動予測部、21…比較処理部、22…表示器、23…表示処理部、24…ポインティングデバイス、25,26…捜索領域、27,28…フライ・トゥ・ポイント、29,30…音波の伝播範囲、31,33,36,38,41〜44…航走線、32,34,35,37,39,40…飛行ポイント。
Claims (4)
- 水中に向けて音波を放射するとともにこの音波の反射波の信号を出力するソーナー装置を曳航する回転翼航空機に設けられて、この回転翼航空機の位置及び前記回転翼航空機の速度を測位する航法装置と、
無線信号を送受信する無線送受信機と、
前記航法装置が測位した情報に基づき操縦装置を介して前記回転翼航空機の飛行を制御する飛行制御装置と、
前記反射波の信号に基づき前記音波の反射面の状態を画像化する処理を行う情報処理表示装置と、を備え、
この情報処理表示装置が、
自機の捜索領域についての座標情報及び他機の捜索領域についての座標情報を記憶するデータベースと、
前記航法装置が測位したこの自機の位置及び前記自機の速度と、前記無線送受信機が受信した前記他機の位置及びこの他機の速度と、前記データベースが記憶する各座標情報とに基づき、前記自機により曳航されるソーナー装置及び前記他機により曳航されるソーナー装置の間の所定時間後の相対距離を計算し、この相対距離がこれらのソーナー装置から放射される音波によって干渉を引き起こす距離の閾値以内であるかどうかを予測し、前記相対距離がこの閾値以内である場合、前記飛行制御装置に対して所定時間のホバリングを指令する干渉判定処理部とを備えたことを特徴とする回転翼航空機搭載装置。 - 前記干渉判定処理部は、
前記航法機器から前記自機の位置及びこの自機の速度を入力されて前記自機の運動を予測する自機運動予測部と、
前記無線送受信機から前記他機の位置及びこの他機の速度を入力されて前記他機の運動を予測する僚機運動予測部と、
これらの自機の位置、自機の速度、他機の位置、他機の速度、及び前記各座標情報に基づき、前記相対距離と前記距離の閾値とを比較することにより予測を行い、前記ホバリングの指令を行う比較処理部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の回転翼航空機搭載装置。 - それぞれ水中に向けて音波を放射するとともにこの音波の反射波の信号を出力するソーナー装置を曳航するオペレーションを行う複数の回転翼航空機に設けられて、前記反射波の信号に基づき前記音波の反射面の状態を画像化する処理を行う各情報処理表示装置のうち、第1の回転翼航空機に設けられた情報処理表示装置が、自機の捜索領域についての座標情報及び他機の捜索領域についての座標情報をデータベースに書込むステップと、
この第1の回転翼航空機に設けられて、航法装置が測位した情報に基づき操縦装置を介して前記第1の回転翼航空機の飛行を制御する飛行制御装置が、自機の位置及びこの自機の速度を測位するステップと、
この飛行制御装置が、前記複数の回転翼航空機のうちの第2の回転翼航空機である他機の位置及びこの他機の速度を無線送受信機を介して受信するステップと、
前記第1の回転翼航空機の情報処理表示装置が、前記各座標情報、前記自機の位置、前記自機の速度、前記他機の位置、及び前記他機の速度に基づき、前記自機により曳航されるソーナー装置及び前記他機により曳航されるソーナー装置の間の所定時間後の相対距離を計算し、この相対距離がこれらのソーナー装置から放射される音波によって干渉を引き起こす距離の閾値以内であるかどうかを予測するステップと、
この情報処理表示装置が、前記相対距離がこの閾値以内であると予測した場合、前記飛行制御装置に対して所定時間のホバリングを指令するステップと、
を備えることを特徴とするオペレーション調整方法。 - それぞれ水中に向けて音波を放射するとともにこの音波の反射波の信号を出力するソーナー装置を曳航するオペレーションを行う複数の回転翼航空機に設けられて、前記反射波の信号に基づき前記音波の反射面の状態を画像化する処理を行う各情報処理表示装置のうち、第1の回転翼航空機に設けられた情報処理表示装置が、自機の捜索領域についての座標情報及び他機の捜索領域についての座標情報をデータベースに書込むステップと、
この第1の回転翼航空機に設けられて、航法装置が測位した情報に基づき操縦装置を介して前記第1の回転翼航空機の飛行を制御する飛行制御装置が、自機の位置及びこの自機の速度を測位するステップと、
この飛行制御装置が、前記複数の回転翼航空機のうちの第2の回転翼航空機である他機の位置及びこの他機の速度を無線送受信機を介して受信するステップと、
前記第1の回転翼航空機の情報処理表示装置が、前記各座標情報、前記自機の位置、前記自機の速度、前記他機の位置、及び前記他機の速度に基づき、前記自機により曳航されるソーナー装置及び前記他機により曳航されるソーナー装置の間の所定時間後の相対距離を計算し、この相対距離がこれらのソーナー装置から放射される音波によって干渉を引き起こす距離の閾値以内であるかどうかを予測するステップと、
この情報処理表示装置が、前記相対距離がこの閾値以内であると予測した場合、前記飛行制御装置に対して所定時間のホバリングを指令するステップと、
を前記第1の回転翼航空機に搭載されたコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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JP2007327425A JP2009149157A (ja) | 2007-12-19 | 2007-12-19 | 回転翼航空機搭載装置及びオペレーション調整方法並びにコンピュータプログラム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2007
- 2007-12-19 JP JP2007327425A patent/JP2009149157A/ja active Pending
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