JP2546809B2 - 炭素繊維複合材料 - Google Patents

炭素繊維複合材料

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は炭素繊維複合材料に関し、詳しくはマトリッ
クス樹脂と炭素繊維との界面の接着力の著しく向上した
炭素繊維複合材料に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
近年、超耐熱性,高強度を有するスーパーエンジニア
リングプラスチックが続々と商品化されている。
そして、これらの物性をさらに向上させるために、炭
素繊維を強化したグレードや、炭素繊維と熱可塑性樹脂
との複合材料も種々開発されているが、いずれも界面の
接着性が不充分であった。
また、接着性を向上させるために、炭素繊維表面にサ
イジング剤やカップリング剤をコーティングしても、成
型加工が高温の為、劣化してしまうという欠点があっ
た。
例えば、特公昭54−4438号公報には、炭素繊維を電解
酸化処理し、その表面を変性することにより、有機重合
体材料に対する結合性を改善するという方法が開示され
ている。
しかしながら、この場合には、炭素繊維は10〜150ボ
ルトという高い電圧で処理されているので、損傷を受け
やすく、また電解時間も25〜500秒間と長く、効率も悪
い。
さらに、この炭素繊維と結合するマトリックス樹脂と
しては、エポキシ樹脂やフェノール樹脂が示されている
だけであり、近年注目されている超耐熱性樹脂について
は全く検討されていない。また、炭素繊維の表面分析
や、樹脂の状態分析も全く行なわれていなかった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記のような問題を解消して、マトリッ
クス樹脂と炭素繊維との界面の接着力の著しく向上した
炭素繊維複合材料を提供すべく鋭意研究を進めた。
その結果、特定の性状を有するように、表面を酸化し
た炭素繊維に、超耐熱性エンジニアリングプラスチック
であるポリシアノアリールエーテルを配合した積層体を
作製したところ、層間剪断強度(ILSS)が著しく高い複
合材料が得られることを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、X線光電子分光分析による酸素原
子/炭素原子(O/C)の値が0.1〜0.5の範囲にある表面
酸化処理炭素繊維に、ポリシアノアリールエーテルを、
その含有割合が20〜50重量%となるように含浸させて、
樹脂含浸炭素繊維ヤーンとし、このヤーンを一方向に引
き揃え、得られる一方向シートを積層し、加熱下にプレ
ス成形してなる炭素繊維複合材料を提供するものであ
る。
本発明では表面酸化処理炭素繊維、すなわち表面酸化
処理の施された炭素繊維を用いる。
ここで表面酸化処理を施される炭素繊維としてはピッ
チ系又はポリアクリロニトリル(PAN)系のいずれの炭
素繊維も用いることができるが、特にピッチ系炭素繊維
が好適に用いられる。
このようなピッチ系炭素繊維は、例えば紡糸用ピッチ
として、光学的異方性相であるメソ相(メソフェース)
を含有するメソフェースピッチ、または光学的等方性ピ
ッチを用いる。これらピッチを紡糸し、繊維状ピッチ
(ピッチ繊維)を空気中において、通常、150〜350℃の
範囲の温度で不融化処理した後、1,500〜1,800℃の範囲
の温度において熱処理して得られるものが挙げられる。
本発明において用いる炭素繊維としては、その引張強
度が200〜500kg/mm2,弾性率が10〜70t/mm2の範囲にある
ものが好ましい。ここで引張強度が200kg/mm2未満のも
のであると、複合材の強度が不充分なものとなってしま
う。
さらに、炭素繊維としては、通常、繊維径が1〜13μ
m、好ましくは7〜10μmの範囲のものであり、またフ
ィラメント数が500〜100万本、特に2,000〜24,000本の
繊維束からなるものが好ましい。
本発明では、上記の如き原料炭素繊維の表面を酸化処
理した、表面酸化処理炭素繊維を用いる。
ここで炭素繊維の表面酸化処理の仕方は特に制限はな
く、電解酸化法,気相酸化法,薬液酸化法等の通常行な
われている方法でよいが、中でも電解酸化法は処理速度
が速く、しかも給電量,電解液,濃度等を変えることで
種々の表面状態が得られるため工業的に有利である。
まず、電解酸化法の場合における陽極材料としては該
炭素繊維が用いられる。一方、陰極材料としては導電性
に優れ、しかも電解時に腐食を受けないものであればよ
く、特に制限はない。該陰極材料の具体例としては、例
えば炭素,白金,グラファイト,銅,アルミニウムクロ
ム等が挙げられるが、これらの中でも水素過電圧の低い
ものが好ましく、特に白金が好適である。また、陰極の
形状としては、例えば板状,棒状,金網状或いは繊維状
など任意の形状を選ぶことができるが、特に薄い板状の
ものが好適である。したがって、陰極としては特に白金
の薄板が好ましい。
さらに、電解酸化法における電解液としては特に制限
はないが、例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等
の塩基、リン酸,硝酸,硫酸等の酸、コハク酸ナトリウ
ム,硝酸アンモニウム,硫酸アンモニウム等の塩を含有
する水溶液が特に好ましい。電解液の濃度は、0.001〜
3モル/、特に0.005〜0.5モル/の範囲であること
が望ましい。ここで電解液の濃度が0.001モル/未満
であると電解効率が悪く、充分酸化するのに時間かかか
ったり、高電圧をかける必要があるので、炭素繊維を痛
めることもある。一方、電解液の濃度が3モル/を超
える程高濃度であると、後工程の洗浄に時間がかかるだ
けでなく、充分に洗浄できず、電解液の成分が炭素繊維
表面に残ってしまう場合もあり、樹脂に悪影響を及ぼす
ため好ましくない。
また、電解酸化法における給電方法は、定電圧法,定
電流法,パルス法等が用いられる。まず、定電圧法では
3〜10V、好ましくは5〜9Vの電圧で行なわれる。ま
た、定電流法では0.05〜5A、好ましくは0.1〜1Aの電流
で行なわれる。さらに、パルス法では3〜10Vと、0V
の繰り返し、3〜10Vと、−3〜−10Vの繰り返し、
3〜10Vと、3〜10Vの繰り返しをそれぞれ行なう方法が
ある。なお、パルス法におけるパルス間隔は1msec〜1se
c、好ましくは10msec〜100msecである。
さらに、給電量は陽極の炭素繊維1g当り5〜1,000ク
ーロン、特に好ましくは陽極の炭素繊維1g当り10〜200
クーロンである。電気量が5クーロン未満では酸化度が
低くなりすぎてしまい好ましくない。一方、電気量が10
0クーロンを超えると処理の程度が強すぎて、却って、
炭素繊維の引張強度が低下してしまうため好ましくな
い。
この場合、電解液の温度は、通常5〜100℃、好まし
くは15〜80℃、より好ましくは15〜35℃の範囲で選ばれ
る。
また、気相酸化法の場合には、酸素,オゾンまたはNO
2の含有量が0.1〜100%の雰囲気中或いはこれらの混合
ガス中で、炭素繊維を酸化処理する。この際の処理温度
は通常、室温〜500℃の範囲であるが、ガスの酸化能力
により処理温度が異なり、例えば空気中であれば400〜5
00℃、オゾン中であれば室温でもよい。また、処理時間
も同様にガスの酸化能力により異なるが、通常10秒間〜
10分間の範囲で行なわれる。
さらに、薬液酸化法は、炭素繊維を薬液中に浸漬して
炭素繊維の表面を酸化する方法であり、使用する薬液
は、炭素繊維を酸化する能力のあるものであれば特に限
定されないが、硝酸や硫酸、過酸化水素水等が適してい
る。また、浸漬時間も特に限定はないが、通常は5〜24
時間程度浸漬すれば充分である。
このようにして表面を酸化処理された炭素繊維を用い
るが、本発明においては、この酸化処理により炭素繊維
表面の酸素原子/炭素原子(O/C)の値が0.1〜0.5、好
ましくは0.15〜0.25の範囲にある表面酸化処理炭素繊維
を用いる。ここで酸素原子/炭素原子(O/C)の値が0.1
未満であると樹脂との接着性が悪く、一方、0.5を超え
ると炭素繊維の強度が低下するため、いずれも好ましく
ない。
また同様に、この酸化処理により炭素繊維表面の窒素
原子/炭素原子(N/C)の値は0.01未満であって、でき
るだけ小さい値の表面酸化処理炭素繊維を用いることが
好ましい。これは電解液によってはHNO2のように窒素原
子を含むものがあり、充分に洗浄しないと窒素原子が残
ってしまい、樹脂に悪影響を及ぼすからである。
さらに本発明においては、比表面積が0.05〜0.80m2/g
の範囲にある表面酸化処理炭素繊維を用いることが好ま
しい。。ここで表面酸化処理炭素繊維の比表面積が0.05
m2/g未満であると樹脂との接着性が悪く、一方、0.80m2
/gを超えると炭素繊維の強度が低下する。
本発明の炭素繊維複合材料は、上記の如き表面酸化処
理炭素繊維に、ポリシアノアリールエーテルを、その含
有割合が20〜50重量%となるように含浸させて、樹脂含
浸炭素繊維ヤーンとし、このヤーンを一方向に引き揃
え、得られる一方向シートを積層し、加熱下にプレス成
形してなるものである。
本発明で用いるポリシアノアリールエーテルとしては
種々のものが挙げられるが、好ましくは融点が340℃程
度、ガラス転移点が145℃程度、熱変形温度が165℃程度
の超耐熱性の熱可塑性樹脂である。
このようなポリシアノアリールエーテルとして具体的
には、 一般式 〔式中Arは を示す。〕 で表わされる繰り返し単位を有するものが用いられる。
このような繰り返し単位を有するポリシアノアリール
エーテルは、通常、p−クロルフェノールを溶媒とする
60℃における極限粘度〔η〕が、0.2dl/g以上、好まし
くは0.3〜0.9dl/gのものである。
このようなポリシアノアリールエーテルとして具体的
には、例えば、 一般式 などの繰り返し単位を有するホモポリマーまたは および で表わされる繰り返し単位を有するコポリマーなどが挙
げられる。
なお、これらの重合体は、例えば次のような方法で製
造することができる。
このようなポリシアノアリールエーテルは、好ましく
はN−メチルピロリドンやジメチルイミダゾリジノンな
どの溶媒中において、ジハロゲノベンゾニトリルと、ハ
イドロキノンやレゾルシノール,4,4′−ビフェノール,
各種ジヒドロキシナフタレンなどの二価フェノールと、
アルカリ金属塩とを、好ましくは140〜350℃の範囲の温
度で、縮重合させたのち、水又はアルコールで処理する
といった方法により、製造することができる(特開昭62
−223226号公報)。この場合には、通常、嵩密度の小さ
な微粉末状のものが得られるので、必要により溶融した
りして用いればよい。
本発明においては、前記の如き表面酸化処理炭素繊維
に、ポリシアノアリールエーテルを、その含有割合が20
〜50重量%、好ましくは35〜45重量%となるように含浸
させて、樹脂含浸炭素繊維ヤーンとする。ここでポリシ
アノアリールエーテルの含有割合が20重量%未満では表
面酸化処理炭素繊維をバインドしておくことが困難とな
る。一方ポリシアノアリールエーテルの含有割合が50重
量%を超えるとコンポジットの強度が低下するため好ま
しくない。
ここで上記のポリシアノアリールエーテルを、前記の
如き表面酸化処理炭素繊維に配合して、樹脂含浸炭素繊
維ヤーンを作製する方法は特に限定はなく、まず、例え
ば溶融したポリシアノアリールエーテル中に表面酸化
処理炭素繊維を含浸する方法、ポリシアノアリールエ
ーテルの微粉末を表面酸化処理炭素繊維に含浸する方
法、表面酸化処理炭素繊維と、ポリシアノアリールエ
ーテルを繊維状としたものとを混糸するコミングル法等
により、ポリシアノアリールエーテル樹脂が含浸した炭
素繊維ヤーン(樹脂含浸炭素繊維ヤーン)を得る。
次に、この樹脂含浸炭素繊維ヤーンを、一方向に引き
揃え、加熱,プレスしてプリプレグあるいはプレミック
スシートを得る。
さらに、このプリプレグあるいはプレミックスシート
を積層し、再び加熱,プレスして成型加工することによ
り、平板状の炭素繊維複合材料を得ることができる。
本発明では、上記のように超耐熱性樹脂であるポリシ
アノアリールエーテルを、マトリックス樹脂に用い、こ
れを表面酸化処理炭素繊維と組み合わせることにより、
予期せざる高い層間剪断強度(ILSS)を有する複合材料
としたものであるが、これはポリシアノアリールエーテ
ル分子中のエーテル基やニトリル基が、表面酸化処理炭
素繊維の表面分子と、化学的なインタラクションを生ず
る点が主要因であると考えられる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により詳しく説明する。
実施例1 (1) 表面酸化処理炭素繊維の製造 引張強度が230kg/mm2のピッチ系炭素繊維(CF)(3,0
00フィラメント)の束を陽極とし、濃度0.01モル/の
硝酸水溶液中において、陰極の白金板との間に9Vの電圧
をかけ、連続的に電解酸化処理を行なった。この際の給
電量は10クーロン/g・CFであった。このようにして電解
酸化処理した炭素繊維を、連続的に水洗,乾燥し、表面
酸化処理炭素繊維を得た。
この表面酸化処理炭素繊維は、酸素原子/炭素原子
(O/C)の値が0.24であり、また窒素原子/炭素原子(N
/C)の値は0.01未満であり、かつ繊維径は10μm、引張
強度は230kg/mm2、比表面積は0.35m2/gであった。
なお、酸素原子/炭素原子(O/C)の値(炭素繊維表
面の酸素量の値)は、X線光電子分光分析(XPS)装置
を用いて測定した。(O/C)値は酸素と炭素のピーク面
積を求めた後、補正値で除した値を求めた。補正値は自
動補正である。また、窒素原子/炭素原子(N/C)の値
も、上記と同様にして求めた。
(2) 炭素繊維複合材料の作製 上記(1)で得られた表面酸化処理炭素繊維に、 式 で表わされる繰り返し単位からなるポリシアノアリール
エーテル(極限粘度1.20dl/g,ガラス転移温度145℃,融
点340℃)を、その含有割合が、材料全体の40重量%と
なるように含浸して、ポリシアノアリールエーテルが含
浸した炭素繊維ヤーンを得、このヤーンから厚さ0.125m
mの一方向シート(プリプレグシート)を作製した。
このプリプレグシートを20枚積層し、加熱,プレスす
ることにより、層間剪断強度(ILSS)測定用のテストピ
ース(炭素繊維複合材料)を得た。ILSS測定は、ASTM
D 2344に準拠して行なった。
ILSSは1175kg/cm2と非常に優れたものであった。
実施例2 (1) 表面酸化処理炭素繊維の製造 実施例1(1)において、引張強度が370kg/mm2のピ
ッチ系炭素繊維の東を陽極とし、濃度0.1モル/の水
酸化ナトリウム水溶液中で、陰極の白金板との間に10V
の電圧をかけ、給電量を41クーロン/g・CFとしたこと以
外は、実施例1(1)と同様にして、炭素繊維の表面酸
化処理を行なった。
この表面酸化処理炭素繊維は、酸素原子/炭素原子
(O/C)の値が0.17であり、また窒素原子/炭素原子(N
/C)の値は0.01未満であり、かつ繊維径は9μm、引張
強度は370kg/mm2、比表面積は0.30m2/gであった。
(2) 炭素繊維複合材料の作製 実施例1(2)において、上記(1)で得られた表面
酸化処理炭素繊維を用いたこと以外は、実施例1(2)
と同様にして、炭素繊維複合材料を作製し、そのILSSを
測定した。
ILSSは1270kg/cm2と非常に優れたものであった。
実施例3 (1) 表面酸化処理炭素繊維の製造 実施例2(1)で用いた炭素繊維と同じピッチ系炭素
繊維を、濃度15重量%の過酸化水素水に、50℃におい
て、36時間浸漬処理した。
この表面酸化処理炭素繊維は、酸素原子/炭素原子
(O/C)の値が0.23であり、また窒素原子/炭素原子(N
/C)の値は0.01未満であり、かつ繊維径は9μm、引張
強度は370kg/mm2、比表面積は0.32m2/gであった。
(2) 炭素繊維複合材料の作製 実施例1(2)において、上記(1)で得られた表面
酸化処理炭素繊維を用いたこと以外は、実施例1(2)
と同様にして、炭素繊維複合材料を作製し、そのILSSを
測定したところ、1130kg/cm2と非常に優れたものであっ
た。
比較例1 実施例1(2)において、実施例1(1)で得られた
表面酸化処理炭素繊維の代わりに、表面酸化処理を行わ
なかった炭素繊維(炭素繊維自体は実施例1(1)のも
のと同じもの)を用いたこと以外は、実施例1(2)と
同様にして炭素繊維複合材料を作製し、ILSSを測定した
ところ490kg/cm2であった。
なお、電解酸化処理を行わなかった炭素繊維、すなわ
ち表面未酸化炭素繊維は、酸素原子/炭素原子(O/C)
の値が0.04であり、また窒素原子/炭素原子(N/C)の
値は0.01未満であり、かつ繊維径は10μm、引張強度は
230kg/mm2、比表面積は0.09m2/gであった。
参考例1 実施例1(2)において用いたポリシアノアリールエ
ーテルの代わりに、ポリシアノアリールエーテルと同様
に、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂の一つであるポリエー
テルエーテルケトン(ICI社製VICTREX PEEK380P,ガラ
ス転移温度145℃,融点345℃)を用いたこと以外は、実
施例1(2)と同様にして、炭素繊維複合材料を作製
し、そのILSSを測定した。
ILSSは983kg/cm2であった。
〔発明の効果〕
本発明の炭素繊維複合材料は、マトリックス樹脂とし
てポリシアノアリールエーテルを用い、これを表面酸化
処理炭素繊維と組み合わせているため、両者間の接着力
が極めて高く、予想をはるかに超えた高い層間剪断強度
を有するものである しかも、本発明の炭素繊維複合材料は、耐熱性にも優
れたものである。
したがって、本発明の炭素繊維複合材料は、自動車,
航空宇宙関係の構造材料、スポーツ用品,ロープ,家
具,建築物,システムキッチン,システムデスクなどの
素材として極めて有効に用いることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線光電子分光分析による酸素原子/炭素
    原子(O/C)の値が0.1〜0.5の範囲にある表面酸化処理
    炭素繊維に、ポリシアノアリールエーテルを、その含有
    割合が20〜50重量%となるように含浸させて、樹脂含浸
    炭素繊維ヤーンとし、このヤーンを一方向に引き揃え、
    得られる一方向シートを積層し、加熱下にプレス成形し
    てなる炭素繊維複合材料。
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