JP2546669Y2 - サーマルヘッド印字調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は記録紙が記録ドラム上で紙送りされる際、
サーマルヘッドにより印字品質を調整するサーマルヘッ
ド印字調整装置に関するものである。

［従来の技術］ 第４図は従来の装置の一例を示す側面図で、図におい
て（１）はサーマルヘッド（以下、サーマルヘッドとい
う場合にはサーマルヘッドアレイが形成されたサーマル
ヘッド基板内のすべての部分を言うこととする）、
（２）は記録紙、（３）は記録ドラム、（４）はヘッド
支持部材、（５）はヘッド上下バー、（６）はバネ、
（７）は扉としての作用をも有する操作パネル、（８）
は前支柱、（９）は天板、（10）は支持バー、（11）は
ネジ、（12）は回転軸、（13）はヘッド駆動用プリント
基板、（14）はコネクタ、（15）はケーブルである。

また、図面の矢印は、記録ドラムの回転方向および紙
送りの方向を示す。第４図に示すように、従来の装置で
はバネ（６）を調整することによって記録紙（２）への
サーマルヘッド（１）の圧接力を加減し、印字品質の調
整を行っている。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のような従来のサーマルヘッド印字調整装置は以
上のように構成されており、印字品質の調整に手間がか
かる。

すなわち、サーマルヘッド（１）から見て、紙送り方
向を前方とし、記録ドラムへの方向を下方とした場合、
サーマルヘッド（１）内で発熱抵抗体（図示せず）が構
成されている部分は、サーマルヘッド（１）の前方の極
めて小さな点上にあり（サーマルヘッドの長さ方向では
１直線となる）、この点が記録紙（２）に接触しないと
良好な記録が行えないが、従来の装置ではこの調整に手
間がかかる。

第５図は従来の装置における調整を行う場合の動作ス
テップを示すフローチャートで、（81）〜（85）は各ス
テップを示すが、調整のためにはネジ（11）を緩め、ヘ
ッド支持部材（４）を前後に移動させてサーマルヘッド
（１）の発熱抵抗体の位置を動かし、実際に印字を行っ
て印字結果をチェックし、印字品質が良好になるまでこ
の動作を繰り返す必要がある。

然しながら前方部分でバネ（６）の圧力がサーマルヘ
ッド（１）を記録ドラム（３）に押し付けている状態
で、サーマルヘッド（１）を前後方向に微細に移動させ
ることは難しく、したがって、印字品質をチェックする
ためには、第８図のステップ（81），（82），（83）に
示すように、一旦印字を停止しなければならない。

また、ネジ（11）を緩めヘッド支持部材（４）を前後
に動かすためには、天板（９）を外す必要があり、天板
（９）を外しても前支柱（８）や支持バー（10）が作業
の邪魔になる。

この考案はかかる課題を解決するためになされたもの
で、印字品質の調整が容易なサーマルヘッド印字調整装
置を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ この考案に係わるサーマルヘッド印字調整装置は、サ
ーマルヘッドの前方から調整可能なヘッド傾斜機構を設
け、サーマルヘッドの前後方向を水平面から傾斜させる
ことによりサーマルヘッドが記録ドラムに接触する点を
微細に調整することとした。

［作用］ 支持バーがヘッド支持部材を水平に支持しており、記
録ドラムの軸心が固定されている場合、サーマルヘッド
を傾斜させると、記録ドラムとサーマルヘッドの接触位
置がサーマルヘッドの前後方向に微細に変化する。

［実施例］ 以下、この考案の実施例を図面を用いて説明する。第
１図はこの考案の一実施例を示す側面図、第２図は第１
図に示すヘッド傾斜機構を示す断面図で、各図において
第４図と同一符号は同一または相当部分を示し、（20）
はサーマルヘッド（１）とヘッド支持部材（４）との間
に設けられたウエーブワッシャ、（21）はネジで、この
ウエーブワッシャ（20）とネジ（21）とでヘッド傾斜機
構が構成されている。また、（22）はネジ（21）を回転
させるときに用いるドライバーで、支持バー（10）には
孔（10a）が開けられており、この孔（10a）を介し支持
バー（10）の上からドライバー（22）の先端をネジ（2
1）の頭へ当接してネジ（21）を回転させることができ
るようになっている。

ヘッド支持部材（４）とサーマルヘッド（１）との間
には隙間が設けられており、サーマルヘッド（１）の後
方部分は、隙間にウエーブワッシャ（20）が挿入され、
ヘッド支持部材（４）とサーマルヘッド（１）とがネジ
（21）でネジ止めされている。

したがって、サーマルヘッド（１）の接触位置の微調
整を行うには、操作パネル（７）を持ち上げ、支持バー
（10）の上から孔（10a）を介してドライバー（22）で
ネジ（22）を締め付け、あるいは緩める方向に回転させ
ることにより、サーマルヘッド（１）の後方部分でヘッ
ド支持部材（４）とサーマルヘッド（１）との間の隙間
（Ｈ）を変化させ、サーマルヘッド（１）の後方部分を
上下方向に移動させる。

他方、サーマルヘッド（１）の前方部分は、バネ
（６）により一定の圧力で記録ドラム（３）に押し付け
られているので、後方部分の上下方向の移動は、サーマ
ルヘッド（１）を水平方向から傾斜させる結果となる。

第３図はサーマルヘッドの傾斜を示す側面図で、図に
おいて第１図と同一符号は同一部分を示し、（30）は水
平線を表す。

記録ドラム（３）の軸心は固定されているので、サー
マルヘッド（１）を水平線（30）から傾斜させると、サ
ーマルヘッド（１）と記録ドラム（３）との接触点をサ
ーマルヘッド（１）の前後方向に移動させることがで
き、したがって、印字結果を観察しながらドライバー
（22）でネジ（21）を回転させ、印字品質が一番良好に
なる点を求めるという簡単な操作で、微細な調整が行え
る。また、組立時においては治具を用いてサーマルヘッ
ドの前後位置を機械的に固定し、その後の微調整をドラ
イバー（22）で行うことができるようになり、さらにヘ
ッド交換や印字調整も操作パネル（７）を開くだけで実
行できるようになる。

［考案の効果］ この考案は以上説明したように、サーマルヘッドを記
録ドラムに圧接して印字を実行しながらサーマルヘッド
が記録ドラムに接触する位置を微細に調整することがで
きるサーマルヘッド印字調整装置が得られるという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側面図、第２図はヘ
ッド傾斜機構を示す断面図、第３図はサーマルヘッドの
傾斜を示す側面図、第４図は従来の装置の一例を示す側
面図、第５図は従来の装置における調整ステップを示す
フローチャート。 １……サーマルヘッド、２……記録紙、３……記録ドラ
ム、４……ヘッド支持部材、６……バネ、（20）……ウ
エーブワッシャ、（21）……ネジ、（22）……ドライバ
ー。 なお、各図中同一符号は同一又は相当部分を示すものと
する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平１−125246（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−192671（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−80149（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−189143（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−177745（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−101045（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−82259（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−38611（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】記録ドラム３と複数の発熱素子が一直線上
   に配置された発熱抵抗体列が前方に形成されたサーマル
   ヘッド１を有し上記記録ドラム３と上記サーマルヘッド
   １の前方側に形成された発熱抵抗体列との間に挟まれた
   記録紙２を前方に移送しながら当該サーマルヘッド１の
   発熱抵抗体列による印字を調整するサーマルヘッド記録
   装置のサーマルヘッド印字調整装置において、 上記サーマルヘッド１の上方に所定の空間を形成する天
   板９と、 上記サーマルヘッド１の前方側に設けられるとともにこ
   のサーマルヘッド１と上記天板９との間の所定の空間を
   覆う開閉可能な扉７、 上記サーマルヘッド１の後方側に係合し該サーマルヘッ
   ド１の後方側を上下方向に変位可能に支持するネジ21を
   有したヘッド支持部材４、 上記サーマルヘッド１の前方側に形成された発熱抵抗体
   列を上記記録紙２を挟んで上記記録ドラム３に押圧接触
   させるバネ６、 調整用印字を行わせる印字制御手段、 を備え、 上記扉７を開放し上記印字制御手段により調整用印字を
   行わせた状態で、上記所定の空間を利用して上記ネジ21
   を上記ヘッド支持部材４に対して進退させて上記サーマ
   ルヘッド１の発熱抵抗体列による調整印字を実行させな
   がら当該発熱抵抗体列と記録ドラム３との当たりを調整
   するよう構成したことを特徴とするサーマルヘッド記録
   装置のサーマルヘッド印字調整装置。