JPH0333708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、それぞれ表面全体に亘つて不均一な
厚さを有する印刷しようとする平面状の被印刷物
特に封筒のパイルを受容するための小形オフセツ
ト印刷機用パイル受け台に関する。

従来の技術 種々異なる宛名またはその他の印刷内容を封筒
に印刷するため、しばしば小形オフセツト印刷機
が用いられる。この場合封筒は、小形オフセツト
印刷機の給紙装置に積み重ねられ、かつ個別化装
置を介してパイルから分離されて、供給装置によ
り印刷機に供給される。

各封筒の１縁部における接着折り畳み部に基づ
き、パイル高さの増大に伴つて上昇する傾斜状態
が、少なくとも封筒搬送方向に、または接着折り
畳み部の方向付けに応じて前記搬送方向に対して
直交する方向にも、生ずる。直接的には予見でき
ない他の原因もパイルの或る程度の傾斜状態を生
ぜしめることがある。このことは欠点である。何
故ならば特に個別化装置が、その都度個別化しよ
うとする最上位の封筒がほぼ水平に位置している
場合にしか、最適に稼働できないからである。

このため公知技術においては、パイルを給紙装
置に挿入する前に、パイル支持プレートを封筒搬
送方向に傾けることが行なわれている。楔を封筒
パイルの下に置くこともまた公知である。

特に第一の構成形式は、しばしば繁雑である取
り扱いの他に、まさに印刷している間にはパイル
支持プレートの傾斜角度を変えることが実際上不
可能かまたは不充分にしかできないという欠点を
有している。しかしながら、パイル高さが少なく
なるにつれてその都度上方に位置する封筒の傾斜
位置も変わるので、傾斜角度を変える必要があ
る。

考案の課題 従つて本考案の課題は、すべてのパイル高さに
おいて最上位の封筒を水平に位置せしめるため、
印刷中でもパイル支持プレートの傾斜位置をパイ
ルのすべての形状に常に最適に適合できる、初め
に述べた形式の小形オフセツト印刷機用のパイル
受け台を提供することにある。

課題を解決するための手段 前記課題を解決する本考案の手段は、パイル受
け台のパイル支持プレートが、二重ヒンジ支承部
を介して旋回可能に支承されており、第１の旋回
軸線が被印刷物搬送方向に、かつ第２の旋回軸線
が前記方向に対して直交する方向にそれぞれ延在
しており、さらに、ヒンジの１つにパイル支持プ
レートを手によつて旋回させるための操作レバー
が設けられている点にある。

実施例 次に図示の実施例につき本考案を詳説する。

第１図に示す小形オフセツト印刷機の場合、封
筒３を有するパイル１において、個別化装置２を
介して個々の封筒３は、ゴム胴４と圧胴５との間
の間隙を搬送装置６を用いて案内される。ここで
印刷工程が行なわれる。このようにして印刷され
た封筒３は次いで、例えばグリツパ列７を備えた
チエーン排紙装置８によつて掴まれて、排紙パイ
ル９に供給される。この場合勿論、小形オフセツ
ト印刷機において公知のトラフ式排紙装置を用い
ることもできる。

印像は、湿し装置１０、ならびに版胴１３にイ
ンキを着けるインキ着けローラ１２を備えたイン
キ装置１１を介して、版胴１３からゴム胴４に転
写され、該ゴム胴が印刷を行なう。この場合、ゴ
ム胴４にゴムブランケツト洗浄装置１４が配属さ
れている一方、版板１５用にエツチング装置１６
が設けられており、さらに、版胴１３に版板１５
用の装着装置１７を配属することができる。適当
なキーボードを備えた制御盤１８は、印刷機を操
作するために役立つ。

旋回可能な吸着ヘツド１９を用いて働く個別化
装置２は、その都度最上位の封筒３を取り出す。
該封筒は合目的的には水平に位置させる必要があ
る。さらに、最適の個別化工程のため、その都度
最上位の封筒３は常時同じ高さに位置しなければ
ならないので、減少するパイル高さによりパイル
１を支持する装置を例えば自動的に高さ調節可能
に構成する必要がある。

このため、保持体２４上に取り付けられたパイ
ル基台２３が設けられており、前記保持体は側方
に配置されたねじスピンドル２５と協働する。ね
じスピンドルは下端部に傘歯車２６を支持してお
り、該傘歯車は駆動に役立つもう１つの傘歯車２
７と協働する。パイル基台２３を連続的に持ち上
げるための駆動力の制御は、本考案の対象ではな
いので、詳しい説明は割愛する。

パイル基台２３上には、本考案によるパイル受
け台２０が配置されている。パイル受け台の構成
は第２図および第３図に拡大して示されている。

パイル受け台２０はまず第一に基板２８から成
つており、該基板は熔着されたナツト２９、なら
びに該ナツトと協働するつまみ付きねじ３０を用
いてパイル基台２３上に固定されている。基板２
８には熔接結合部を用いてＵ字形の湾曲部材３１
が取り付けられている。湾曲部材３１の開口部内
には、適当に設計された二重湾曲部材３２が係合
しており、該二重湾曲部材は、開口部を互いに逆
向きにして互いに90゜回動された２つのＵ字形湾
曲部分４１，４２を有している。上方の湾曲部分
４１内には２腕状のアングルレバー３３が係合し
ており、該アングルレバーの短い方のレバー３４
にはパイルプレート３５が例えば熔接結合部によ
つて固定されている。このパイルプレート３５上
には、個々の封筒３から成るパイル１が載せられ
る（第２図および第３図には図示せず）。これら
の封筒が相応して設計されている場合には、パイ
ルプレート３５上に適当な大きさに設計されたカ
バープレート３６を、ねじ結合部３７，３８によ
つて固定することができる。

２腕状のアングルレバー３３の長い方のレバー
３９は、カバープレート３６の後縁部５３を越え
て突出していて、かつ該長い方のレバー３９の両
ウエブを結合する取つ手４０を有している。

湾曲部材３１、二重湾曲部材３２およびアング
ルレバー３３間のヒンジ結合は、それぞれ締付け
ねじ４３を用いて行なわれる。この場合前記構成
部分のＵ字形開口部の内部には、各１つのスペー
ス片４４が一対の皿ばね４５と共に設けられてい
る。締付けねじ４３は座金４６を介在させてナツ
ト４７内に係合していて、かつ適当な締付け力に
よつて前記皿ばね４５のプレストレスを生ぜしめ
る。このようにして惹起された摩擦接続により、
パイルプレート３５もしくはカバープレート３６
の取つ手４０を介した手によるその都度調節され
た傾斜位置の自己保持作用が得られる。

この場合、二重ヒンジ支承部の旋回軸線４８，
４９は、被印刷物搬送方向もしくはこの方向に直
交する方向で延在している。

従つて、パイルプレート３５もしくはカバープ
レート３６の所望の傾斜位置は常に調節可能であ
り、この結果その都度上方に位置する封筒３の水
平な位置を達成することができる。

締付けねじ４３を介して締付け力を調節するた
めに、締付けねじの上方の頭端部５０に孔５１が
設けられており、この孔内には、補助部材として
役立つ調節レバー５２が挿入可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるパイル受け台を有する小
形オフセツト印刷機を示す図、第２図はパイル受
け台の拡大図、第３図は第２図に示した拡大図の
平面図である。 １……パイル、２……個別化装置、３……封
筒、４……ゴム胴、５……圧胴、６……搬送装
置、７……グリツパ列、８……チエーン排紙装
置、９……排紙パイル、１０……湿し装置、１１
……インキ装置、１２……インキ着けローラ、１
３……版胴、１４……ゴムブランケツト洗浄装
置、１５……版板、１６……エツチング装置、１
７……装着装置、１８……制御盤、１９……吸着
ヘツド、２０……パイル受け台、２３……パイル
基台、２４……保持体、２５……ねじスピンド
ル、２６，２７……傘歯車、２８……基板、２９
……ナツト、３０……つまみ付きねじ、３１……
湾曲部材、３２……二重湾曲部材、３３……アン
グルレバー、３４……レバー、３５……パイルプ
レート、３６……カバープレート、３７，３８…
…ねじ結合部、３９……レバー、４０……取つ
手、４１，４２……湾曲部分、４３……締付けね
じ、４４……スペーサ片、４５……皿ばね、４６
……座金、４７……ナツト、４８，４９……旋回
軸線、５０……頭端部、５１……孔、５２……調
節レバー、５３……後縁部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 印刷しようとする平面状の被印刷物のパイル
   を受容するための小形オフセツト印刷機用パイ
   ル受け台であつて、前記被印刷物がそれぞれ表
   面全体に亘つて不均一な厚さを有する形式のも
   のにおいて、 パイル受け台２０のパイル支持プレート３
   ５，３６が、二重ヒンジ支承部４３，４４，４
   ５，４６，４７を介して旋回可能に支承されて
   おり、第１の旋回軸線４８が被印刷物搬送方向
   に、かつ第２の旋回軸線４９が前記方向に対し
   て直交する方向にそれぞれ延在しており、さら
   に、ヒンジの１つにパイル支持プレート３５，
   ３６を手によつて旋回させるための操作レバー
   ３９が設けられていることを特徴とする、小形
   オフセツト印刷機用のパイル受け台。 ２ パイル受け台２０が、自動的な高さ調節装置
   ２４〜２７を介して運動可能なパイル基台２３
   上に載設可能かつ固定可能な構成ユニツトとし
   て構成されている、実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の小形オフセツト印刷機用のパイル受
   け台。 ３ パイル受け台２０が基板２８を有しており、
   該基板に上向きに突出したＵ字形の湾曲部材３
   １が取り付けられており、該湾曲部材の開口部
   内に相応して設計された二重湾曲部材３２が係
   合しており、該二重湾曲部材が、開口部を互い
   に逆向きにして互いに90゜回動された２つのＵ
   字形の湾曲部分４１，４２を有しており、上方
   の湾曲部分４１内に２腕状のアングルレバー３
   ３が係合しており、該アングルレバーの短いレ
   バー３４にパイルプレート３５が固定されてい
   るのに対して、長い方のレバー３９がパイル受
   け台２０から後方へ突出していて、かつ取つ手
   ４０を支持している、実用新案登録請求の範囲
   第２項記載の小形オフセツト印刷機用のパイル
   受け台。 ４ 前記湾曲部材３１、二重湾曲部材３１および
   アングルレバー３３間のヒンジ結合がそれぞれ
   締付けねじ４３によつて行なわれており、締付
   けねじ４３の締付け力から生ぜしめられる摩擦
   接続によつてパイル支持プレート３５，３６の
   調節された位置の自己保持作用を得るため、Ｕ
   字形開口部の内部にスペーサ片４４および皿ば
   ね４５が設けられている、実用新案登録請求の
   範囲第３項記載の小形オフセツト印刷機用のパ
   イル受け台。 ５ 前記パイルプレート３５上に、比較的大きな
   底面を有するカバープレート３６が載設可能か
   つ固定可能である、実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の小形オフセツト印刷機用のパイル受
   け台。