JP2545976Y2 - 筐体の接合構造 - Google Patents

筐体の接合構造

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JP2545976Y2
JP2545976Y2 JP1992058429U JP5842992U JP2545976Y2 JP 2545976 Y2 JP2545976 Y2 JP 2545976Y2 JP 1992058429 U JP1992058429 U JP 1992058429U JP 5842992 U JP5842992 U JP 5842992U JP 2545976 Y2 JP2545976 Y2 JP 2545976Y2
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正彦 小林
和人 目黒
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ユピテル工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、箱状の筺体を形成する
上側ケースと下側ケースとの双方の周壁部を相互に突き
合わせて一体的に接合する筐体の接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、図8に示すように、上側ケース
2と下側ケース4とに2分割形成された箱状の筺体6
は、その上側ケース2と下側ケース4との双方の周壁部
2a,4aを相互に突き合わさせた状態で、それら上側
ケース2と下側ケース4とをねじ8で締結結合させてい
るか、あるいは図示しないが、両ケースの周壁部の縁部
において、一方のケース側に係合爪を形成するとともに
他方のケースに係合凹部を形成し、両ケースの周壁部を
相互に突き合わせた時に、両ケースの弾性力でそれら係
合爪と係合凹部とを嵌合させて、両ケースを接合させる
ことが行われている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ねじで締結結合させる構造では、図8に示すように、ケ
ース4の内部にねじ止め用のボス部10を形成しなけれ
ばならず、その形成スペースを確保する必要が生じるば
かりか、組立や修理に際してはねじ8の締め付けや取り
外しが面倒になる。また、工具で筺体6に傷を付けるお
それがあり、更に相互に突き合わせる周壁部2a,4a
よりも内側で締め付けることになるので、締付力により
周壁部2a,4aが弾性変形して、その突き合わせ部分
に段差が生じてしまうこともある。
【0004】また、後者の弾性力を利用して係合爪と係
合凹部とを嵌合させる構造では、誤って落下させてしま
った場合などに、ショックで外れてしまうことがある反
面、修理時においては開けるのが容易ではなく、その際
に係合爪を折損させてしまうこともある。
【0005】本考案は、上記した背景に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、上側ケースと下側ケースとの
接合及び分離が容易で、かつ接合状態を確実に保持しえ
る筺体の接合構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本考案に係る筐体の接合構造では、箱状の筺体
を形成する下方開口した中空箱状の上側ケースの周壁部
の下端面と、上方開口した中空箱状の下側ケースの周壁
部の下端面とを相互に突き合わせるとともに、その突き
合わせた状態で前記両ケースの周壁部の外側所定位置に
カバー部材を着脱自在に装着し、前記カバー部材と、前
記各周壁部との係合により前記上側ケースと下側ケース
とを一体化してなる筐体の接合構造であって、前記カバ
ー部材と前記両ケースの各周壁部とに、前記カバー部材
の前記突き合わせ部に沿った方向への相対的なスライド
移動により相互に係合するとともに、逆方向にスライド
することにより、前記係合が解除される接合手段を設け
てなり、かつ、前記接合手段が、前記カバー部材が前記
両ケースから離反するのを抑止する第1係合部分と、前
記カバー部材にて前記両ケースの周壁部の端面同士の離
反を抑止する第2係合部分とを備えた構造を前提とす
る。
【0007】そして、請求項1の考案では、上記した共
通の構成要件のうち、前記第1係合部分が、前記連結部
材の裏面側に一体的に突出形成された突出片と、前記突
出片の先端から前記連結部材の裏面に平行に延出形成さ
れて前記裏面との間に前記両ケースの周壁部を挟み込む
係止片と、前記両ケースの双方の周壁部に跨がって形成
されて前記係止片が挿入される開口とを備えて構成す
る。さらに、前記第2係合部分が、前記両ケースの周壁
部外面から側方に突出して一体的に形成された係合突起
と、前記カバー部材の裏面に凹設され、前記係合突起が
嵌合挿入されるスライド溝とを備えて構成した。
【0008】また、請求項2の考案では、上記した共通
の構成要件のうち、前記第1係合部分が、前記連結部材
の裏面側に一体的に突出形成された突出片と、前記突出
片の先端から前記連結部材の裏面に平行に延出形成され
て前記裏面との間に前記両ケースの周壁部を挟み込む係
止片と、前記両ケースの双方の周壁部に跨がって形成さ
れて前記係止片が挿入される開口とを備えて構成する。
さらに、前記第2係合部分が、前記両ケースの周壁部内
面から側方に突出して一体的に形成された係合突起と、
前記係止片にコ字状に形成されて前記係合突起が嵌合挿
入されるスライド溝とを備えて構成した。
【0009】
【作用】前記構成の本考案によれば、まず上側ケースと
下側ケースとの双方の周壁部の端面同士、つまり、上側
ケースの周壁部の下端面と、下側ケースの周壁部の上端
面を突き合わせる。この状態で、この周壁部の外側面に
その突合せ部を覆うカバー部材を当接させて所定方向に
相対的にスライド移動させると、第1係合部分が機能し
てカバー部材が両ケースの周壁部にそれぞれ係合してこ
れに固定係止され、カバー部材が両ケースから離反する
のが抑止される。このように、カバー部材がケースから
離反するのが抑止されるため、ケース同士も横方向に相
対移動することが抑止される。さらに、この時同時に第
2係合部分が機能し、上側ケースと下側ケースの周壁部
の端面が離反するのが抑止される。つまり、ケース同士
が縦方向に相対的に移動するのが抑止される。これによ
り、両ケースの周壁部の端面同士が突き合わされた状態
を保持する。よって、両ケースが係合されて一体化さ
れ、筐体が構成される。なお、カバー部材を反対側に移
動すると、両係合部分の係合状態が解除されるので、カ
バー部材は、両ケースから離反するとともに、両ケース
が分離され、筐体が開放される。よって、筐体内に内蔵
された物品が露出する。
【0010】
【実施例】以下に、本考案の好適な実施例を添付図面に
基づき詳述する。そして、本例では、携帯電話等のハン
ディタイプの無線機の2分割された外側筐体同士の接合
構造に適用したもので、具体的な図示は省略するもの
の、表面にはダイヤルボタンや液晶ディスプレイ等が設
置され、さらに、所定位置にアンテナが取り付けられる
ようになっている。
【0011】図1〜図4に請求項1に記載の考案に対応
する実施例であり、筐体16は樹脂成型品でなる上側ケ
ース12と下側ケース14とを有し、これら上側ケース
12と下側ケース14との周壁部18,20の端面同士
(周壁部18の下端面と周壁部20の上端面同士)が相
互に突き合わされて中空の箱状に形成される。
【0012】前記周壁部18,20の外側には、その突
合せ部を覆うカバー部材22が設けられる。カバー部材
22の裏面22aには側方に突出する突出片24が一体
形成され、この突出片24の先端には、これより当該カ
バー部材22の裏面22aに平行に延出されて当該裏面
22aとの間に前記両ケース12,14の周壁部18,
20を挟み込む係止片26が一体形成されている。図示
例では、突出片24は丸軸状に形成され、かつ係止片2
6は拡径された円板状に形成されている。
【0013】一方、前記両ケース12,14の周壁部1
8,20には、その双方に跨がって前記係止片26が挿
入される開口28が形成され、この開口28はカバー部
材22の前記突合せ部に沿った方向へのスライド移動を
許容するとともにこのスライド移動に伴って、カバー部
材22の裏面22aと係止片26との間に周壁部18,
20を挟み込むための案内溝部28aを有している。
【0014】また、前記両ケース12,14の周壁部1
8,20にはその外面18a,20aから側方に突出さ
れて一対の係合突起30,32が一体的に形成されてい
る。図示例にあっては、その係合突起30,32は突合
せ部に沿って互いに隣接して設けられ、直方体状に形成
されている。そして、前記カバー部材22の裏面22a
には、当該カバー部材22の前記突合せ部に沿った方向
へのスライド移動を許容しつつ、前記一対の係合突起3
0,32が嵌合挿入されるスライド溝34が凹設されて
いる。
【0015】つまり、カバー部材22は、その裏面22
aの突出片24と係止片26とが周壁部18,20の開
口28を通じて筐体16内に挿通挿入されるとともに、
周壁部18,20の係合突起30,32がカバー部材2
2の裏面22aのスラィド溝34内に嵌合挿入されて、
当該周壁部18,20に当接される。この際、係合突起
30,32がスライド溝34内に嵌合されることで、上
側ケース12と下側ケース14とが接合され、爾後、カ
バー部材22をスライド移動させると当該カバー部材2
2の裏面22aと係止片26との間に周壁部18,20
が挟み込まれて、当該カバー部材22が周壁部18,2
0に固定係止され、その脱落が防止されることになる。
【0016】すなわち、カバー部材22の裏面22a側
に形成された突出片24と、この突出片24の先端に形
成された係止片26と、前記両ケース12,14の双方
の周壁部18,20に跨がって形成された開口28とに
より第1係合部分が構成される。また、前記両ケース1
2,14の周壁部18,20外面から側方に突出して形
成された係合突起30,32と、前記カバー部材22の
裏面22aに凹設されたスライド溝34とから第2係合
部分が構成される。そして、両係合部分により、接合手
段36が構成されている。
【0017】図5以降は、請求項2に記載の考案の実施
例に対応するもので、基本的な構成は上記した実施例と
同様である。そこで、異なる点のみ説明すると、図5は
上述の実施例の変形例を示すもので、同図に示すように
カバー部材22の裏面22aに一体形成する突出片2
4′と係止片26′とはL字状に形成しても良い。この
場合、筺体16の上側ケース12と下側ケース14との
周壁部18,20に形成する開口28′は矩形となる。
【0018】また、前記接合手段36は、図6に示すよ
うに構成することもできる。ここで、同図の接合手段3
6は、カバー部材22の裏面22aから側方に突出され
て一体的に突出片24′が設けられ、この突出片24′
の先端からカバー部材22の裏面に平行に係止片26′
が延出されて、それらがL字状に形成される点、並びに
ケース12,14の双方の周壁部18,20に跨がっ
て、前記係止片26′を挿入するための開口28′が矩
形に形成される点とは、図5に示すものと同一に構成さ
れているが、以下の点で図5に示すものと相違する。
【0019】すなわち、図6に示すように両ケース1
2,14の周壁部18,20には、その内面18b,2
0bにこれより内側方に突出して係合突起30′,3
2′が一体的に形成されていて、この係合突起30′,
32′が嵌合挿入されるカバー部材22側のスライド溝
34′は前記係止片26′の先端を切り欠いてこれをコ
字状に形成することによって当該係止片26′の先端部
に設けられている。
【0020】つまり、この場合には、カバー部材22の
裏面22aの突出片24′と係止片26′とを開口2
8′から挿入挿通して、当該カバー部材22を周壁部1
8,20の外面に当接させ、爾後カバー部材22をスラ
イド移動させると、係止片26′とカバー部材22の裏
面22aとの間に周壁部18,20が挟み込まれてカバ
ー部材22が当該周壁部18,20に固定係止されると
同時に、その係止片26′先端のスライド溝34′に係
合突起30′,32′が嵌合して、上側ケース12と下
側ケース14とが接合されることになる。
【0021】なお、このように係合突起30′,32′
を周壁部18,20の内面18a,20aに突出させて
設けるとともに、この係合突起30′,32′を嵌合挿
入させるスライド溝34′を係止片26′に設ける場合
には、図7の変形例に示すように、係止片26′の延出
方向に沿った両側端を裏面22a側に突出させて、その
断面をコ字状にすることによって、この係止片26′に
スライド溝34″を形成するようにしても良い。
【0022】
【考案の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本考案に係る筺体の接合構造によれば、上側ケースと下
側ケースとの双方の周壁部の端部同士を相互に突き合わ
せ、この周壁部の外側面にその突合せ部を覆うカバー部
材を当接させて所定方向に相対的にスライド移動させる
と、第1係合部分によりカバー部材が両ケースの周壁部
にそれぞれ係合してこれに固定係止され、かつ第2係合
部分によりその上側ケースと下側ケースとを接合して相
互に連結することにより、両ケースの分離を抑止し、筐
体を構成する。よって、接合状態を確実に保持すること
ができる。
【0023】一方、組立や修理の際には、カバー部材を
逆方向にスライド移動することにより、両係合部分の係
合が解除されるので、上側ケースと下側ケースとの分離
を容易に行うことができる。さらにまた、ドライバー等
の工具を使用せずに作業を行えるので、筺体を傷付ける
おそれがない。また、一対のケースの接合端部位は、カ
バー部材により覆われているため、たとえその接合部位
に段差を生じていたとしても、その段差がカバー部材に
より隠されるため、外部には露出せず、見た目の良いも
のになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る筺体の接合構造の一実施例を示す
分解斜視図である。
【図2】図1に示す実施例の要部を拡大して示す分解斜
視図である。
【図3】図1に示す実施例の周壁部の外側面とカバー部
材の裏面とを対比して示す図である。
【図4】図1に示す実施例の作用を説明する図である。
【図5】本考案の変形実施例の要部を示す分解斜視図で
ある。
【図6】本考案の別の変形実施例の要部を示す分解斜視
図である。
【図7】本考案の更に別の変形実施例の要部を示す分解
斜視図である。
【図8】従来の接合構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
12 上側ケース 14 下側ケース 16 筺体 18,20 周壁部 22 カバー部材 22a 裏面 24,24′ 突出片(第1係合部分) 26,26′ 係止片(第1係合部分) 28,28′ 開口(第1係合部分) 30,32 係合突起(第2係合部分) 34,34′,34″ スライド溝(第2係合部分) 36 接合手段

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 箱状の筺体を形成する下方開口した中空
    箱状の上側ケース(12)の周壁部(18)の下端面
    と、上方開口した中空箱状の下側ケース(14)の周壁
    部(20)の下端面とを相互に突き合わせるとともに、 その突き合わせた状態で前記両上側,下側ケースの周壁
    部の外側所定位置にカバー部材(22)を着脱自在に装
    着し、 前記カバー部材と、前記各周壁部との係合により前記上
    側ケースと下側ケースとを一体化してなる筺体(16)
    の接合構造であって、 前記カバー部材と前記両ケースの各周壁部とに、前記カ
    バー部材の前記突き合わせ部に沿った方向への相対的な
    スライド移動により相互に係合するとともに、逆方向に
    スライドすることにより、前記係合が解除される接合手
    段(36)を設けてなり、 かつ、前記接合手段が、前記カバー部材が前記両ケース
    から離反するのを抑止する第1係合部分と、前記カバー
    部材にて前記両ケースの周壁部の端面同士の離反を抑止
    する第2係合部分とを備え、 前記第1係合部分は、前記連結部材の裏面側に一体的に
    突出形成された突出片(24)と、前記突出片の先端か
    ら前記連結部材の裏面に平行に延出形成されて前記裏面
    との間に前記両ケースの周壁部を挟み込む係止片(2
    6)と、前記両ケースの双方の周壁部に跨がって形成さ
    れて前記係止片が挿入される開口(28)とを備え、 前記第2係合部分が、前記両ケースの周壁部外面から側
    方に突出して一体的に形成された係合突起(30,3
    2)と、前記カバー部材の裏面に凹設され、前記係合突
    起が嵌合挿入されるスライド溝(34)とを備えてなる
    ことを特徴とする筐体の接合構造。
  2. 【請求項2】 箱状の筺体を形成する下方開口した中空
    箱状の上側ケース(12)の周壁部(18)の下端面
    と、上方開口した中空箱状の下側ケース(14)の周壁
    部(20)の下端面とを相互に突き合わせるとともに、 その突き合わせた状態で前記両ケースの周壁部の外側所
    定位置にカバー部材(22)を着脱自在に装着し、 前記カバー部材と、前記各周壁部との係合により前記上
    側ケースと下側ケースとを一体化してなる筐体(16)
    の接合構造であって、 前記カバー部材と前記両ケースの各周壁部とに、前記カ
    バー部材の前記突き合わせ部に沿った方向への相対的な
    スライド移動により相互に係合するとともに、逆方向に
    スライドすることにより、前記係合が解除される接合手
    段(36)を設けてなり、 かつ、前記接合手段が、前記カバー部材が前記両ケース
    から離反するのを抑止する第1係合部分と、前記カバー
    部材にて前記両ケースの周壁部の端面同士の離反を抑止
    する第2係合部分とを備え、 前記第1係合部分が、前記連結部材の裏面側に一体的に
    突出形成された突出片(24′)と、前記突出片の先端
    から前記連結部材の裏面に平行に延出形成されて前記裏
    面との間に前記両ケースの周壁部を挟み込む係止片(2
    6′)と、前記両ケースの双方の周壁部に跨がって形成
    されて前記係止片が挿入される開口(28′)とを備
    え、 前記第2係合部分が、前記両ケースの周壁部内面から側
    方に突出して一体的に形成された係合突起(30,3
    2)と、前記係止片にコ字状に形成されて前記係合突起
    が嵌合挿入されるスライド溝(34′,34″)とを備
    えてなることを特徴とする 筐体の接合構造。
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