JP2545870B2 - 粉体塗料組成物 - Google Patents
粉体塗料組成物Info
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- JP2545870B2 JP2545870B2 JP62189684A JP18968487A JP2545870B2 JP 2545870 B2 JP2545870 B2 JP 2545870B2 JP 62189684 A JP62189684 A JP 62189684A JP 18968487 A JP18968487 A JP 18968487A JP 2545870 B2 JP2545870 B2 JP 2545870B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <発明の目的> 〔産業上の利用分野〕 本発明は、改良された粉体塗料組成物に関し、更に詳
細にはプライマーを使用する必要なく金属基材に強固に
密着し得、また溶融性及び成膜性に優れたものとして得
ることができる塩化ビニル系粉体塗料組成物に関するも
のであって、この組成物は粉体塗料として各種の産業分
野で利用できるものである。
細にはプライマーを使用する必要なく金属基材に強固に
密着し得、また溶融性及び成膜性に優れたものとして得
ることができる塩化ビニル系粉体塗料組成物に関するも
のであって、この組成物は粉体塗料として各種の産業分
野で利用できるものである。
粉体塗料を用いる時には、一般に塗装すべき物品上に
樹脂等から成る組成物の粉末を付着させ、この粉末を加
熱することによって溶融させ、物品上に平滑な樹脂被覆
膜を形成させて塗装を行う。この手法は粉体塗装法と称
されるが、このように粉体を用いる技術では溶剤を使用
しないために、火災、爆発などの危険がなく安全である
他、塗装に熟練者を必要とせず、 塗装の自動化が容易である、 1コートで厚膜塗装が可能である、 回収粉が再利用できる、 などの特長があるため、現在種々の分野で広範囲に実用
されている。従来より粉体塗料を構成する組成物中の樹
脂成分として実用に供されているものとしては、熱硬化
性樹脂ではエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂などが挙げられ、また熱可塑性樹脂ではポリエチレ
ン樹脂、ナイロン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂な
どが挙げられ、これらの樹脂をベースとした粉体塗料が
知られている。中でも塩化ビニル樹脂を主成分とした粉
体塗料は、耐薬品性、耐候性、機械的強度などの諸性質
に優れ、なおかつ安価で経済的であるため優れた塗料と
言える。
樹脂等から成る組成物の粉末を付着させ、この粉末を加
熱することによって溶融させ、物品上に平滑な樹脂被覆
膜を形成させて塗装を行う。この手法は粉体塗装法と称
されるが、このように粉体を用いる技術では溶剤を使用
しないために、火災、爆発などの危険がなく安全である
他、塗装に熟練者を必要とせず、 塗装の自動化が容易である、 1コートで厚膜塗装が可能である、 回収粉が再利用できる、 などの特長があるため、現在種々の分野で広範囲に実用
されている。従来より粉体塗料を構成する組成物中の樹
脂成分として実用に供されているものとしては、熱硬化
性樹脂ではエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂などが挙げられ、また熱可塑性樹脂ではポリエチレ
ン樹脂、ナイロン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂な
どが挙げられ、これらの樹脂をベースとした粉体塗料が
知られている。中でも塩化ビニル樹脂を主成分とした粉
体塗料は、耐薬品性、耐候性、機械的強度などの諸性質
に優れ、なおかつ安価で経済的であるため優れた塗料と
言える。
しかしながら、塩化ビニル樹脂を主成分とした従来の
粉体塗料は、金属に対する密着強度が低いという難点を
もつ。このため従来はこれを金属面に塗装する場合には
溶剤タイプのプライマーを使用せざるを得ず、つまり液
状のプライマーを予め金属面に塗布する必要があり、よ
って工程が増え、塗装コストが高くなるものであり、更
には溶剤による火災、爆発等の危険性もなしとしなかっ
た。
粉体塗料は、金属に対する密着強度が低いという難点を
もつ。このため従来はこれを金属面に塗装する場合には
溶剤タイプのプライマーを使用せざるを得ず、つまり液
状のプライマーを予め金属面に塗布する必要があり、よ
って工程が増え、塗装コストが高くなるものであり、更
には溶剤による火災、爆発等の危険性もなしとしなかっ
た。
なお、粉体塗料として使用する塩化ビニル樹脂とし
て、共重合体を用いることは特開昭50−25631号公報な
どで知られているが、この公報の記載によれば、塩化ビ
ニルと共重合すべき相手方単量体としては、ヒドロキシ
ル基を有するものが好ましく、エポキシ基を有するもの
は平滑性に劣るとされている。更に、可塑剤を多量に添
加した系では、密着性が掲示的に低下するという問題が
あるため、可塑剤量を多量に使用できず、可塑剤量を少
なくした配合物を一旦ロールまたは押出機などの機械を
使用して溶融混練した後、粉砕する必要があるとしてい
る。
て、共重合体を用いることは特開昭50−25631号公報な
どで知られているが、この公報の記載によれば、塩化ビ
ニルと共重合すべき相手方単量体としては、ヒドロキシ
ル基を有するものが好ましく、エポキシ基を有するもの
は平滑性に劣るとされている。更に、可塑剤を多量に添
加した系では、密着性が掲示的に低下するという問題が
あるため、可塑剤量を多量に使用できず、可塑剤量を少
なくした配合物を一旦ロールまたは押出機などの機械を
使用して溶融混練した後、粉砕する必要があるとしてい
る。
上述のように、塩化ビニル樹脂を主成分とする従来の
粉体塗料組成物は、金属に対する密着強度が低いため、
金属基材に対してはプライマーを使用する必要があり、
またこれに伴って種々の問題を有するものである。
粉体塗料組成物は、金属に対する密着強度が低いため、
金属基材に対してはプライマーを使用する必要があり、
またこれに伴って種々の問題を有するものである。
本発明は上記従来の塩化ビニル系粉体塗料の問題点を
解決して、金属に対する密着強度が大きく、従ってプラ
イマーを使用しなくても金属基材に強固に密着し、かつ
平滑性に優れ、しかも塩化ビニル系粉体塗料の長所であ
る耐薬品性、耐候性、機械的強度などを維持した塩化ビ
ニル系粉体塗料組成物を得ようとするものである。
解決して、金属に対する密着強度が大きく、従ってプラ
イマーを使用しなくても金属基材に強固に密着し、かつ
平滑性に優れ、しかも塩化ビニル系粉体塗料の長所であ
る耐薬品性、耐候性、機械的強度などを維持した塩化ビ
ニル系粉体塗料組成物を得ようとするものである。
<発明の構成> 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の粉体塗料組成物は、上記問題点を解決したも
ので、エポキシ基を有する単量体、アルキルビニルエー
テル、及び塩化ビニルからなる平均重合度400〜800の三
元共重合体100重量部と、エポキシ基と反応する架橋性
化合物0.1〜5重量部と、1分子中に2個以上の二重結
合を有する重合性不飽和化合物0.5〜10重量部とを配合
してなるものである。
ので、エポキシ基を有する単量体、アルキルビニルエー
テル、及び塩化ビニルからなる平均重合度400〜800の三
元共重合体100重量部と、エポキシ基と反応する架橋性
化合物0.1〜5重量部と、1分子中に2個以上の二重結
合を有する重合性不飽和化合物0.5〜10重量部とを配合
してなるものである。
本発明の粉体塗料組成物は上記構成の結果本発明の目
的を達成できるのであるが、本発明は以下のような知見
により、なされたものである。即ち上記のようなエポキ
シ基を有する単量体とアルキルビニルエーテルと塩化ビ
ニルとから成る三元共重合体に上記エポキシ基と反応し
得る架橋性化合物を添加することにより、初期密着力が
大幅に向上するという知見、及び更に驚くべきことに、
上記配合系に重合性不飽和化合物を添加することによっ
て耐久性が著しく向上し、塩水噴霧試験後の密着性(以
下二次密着性という)が飛躍的に向上するという、それ
ぞれ本発明者らの検討により明らかになった知見に基づ
いて、本発明が創案されたのである。
的を達成できるのであるが、本発明は以下のような知見
により、なされたものである。即ち上記のようなエポキ
シ基を有する単量体とアルキルビニルエーテルと塩化ビ
ニルとから成る三元共重合体に上記エポキシ基と反応し
得る架橋性化合物を添加することにより、初期密着力が
大幅に向上するという知見、及び更に驚くべきことに、
上記配合系に重合性不飽和化合物を添加することによっ
て耐久性が著しく向上し、塩水噴霧試験後の密着性(以
下二次密着性という)が飛躍的に向上するという、それ
ぞれ本発明者らの検討により明らかになった知見に基づ
いて、本発明が創案されたのである。
即ち上記のような組成をとることにより、密着性能が
良く、特に従来の塩化ビニル系粉体塗料では低かった金
属に対する密着性も充分に大きく、しかも塩化ビニル系
粉体塗料組成物としての長所が充分に発揮され得る組成
物が得られたのである。
良く、特に従来の塩化ビニル系粉体塗料では低かった金
属に対する密着性も充分に大きく、しかも塩化ビニル系
粉体塗料組成物としての長所が充分に発揮され得る組成
物が得られたのである。
本発明によれば、エポキシ基と反応し得る架橋性化合
物を配合しているにもかかわらず、溶融特性の低下がな
く、むしろ、溶融特性が向上し、混練に再し、押出機等
を用いる必要はなく、高速ミキサーでの加熱混合等によ
り平滑性の優れた塗料として得ることができるのであ
る。かつ塩化ビニル系粉体塗料の製法として公知の方
法、即ち、塩化ビニル系共重合体と可塑剤と安定剤など
を高速ミキサーなどで加熱混合した後、ふるい分けるこ
とにより、密着性、溶融特性、耐薬品性、耐候性、二次
密着性に優れた粉体塗料が得られる。
物を配合しているにもかかわらず、溶融特性の低下がな
く、むしろ、溶融特性が向上し、混練に再し、押出機等
を用いる必要はなく、高速ミキサーでの加熱混合等によ
り平滑性の優れた塗料として得ることができるのであ
る。かつ塩化ビニル系粉体塗料の製法として公知の方
法、即ち、塩化ビニル系共重合体と可塑剤と安定剤など
を高速ミキサーなどで加熱混合した後、ふるい分けるこ
とにより、密着性、溶融特性、耐薬品性、耐候性、二次
密着性に優れた粉体塗料が得られる。
本発明によれば、従来の塩化ビニル系粉体塗料組成物
の難点があった金属に対する密着性の問題が解決された
ものである。かつその場合にエポキシ基と反応し得る架
橋性化合物を含有させるが、この構成により問題が生ず
ることはなく、むしろ溶融特性や二次密着性などを向上
させることも可能となったのである。
の難点があった金属に対する密着性の問題が解決された
ものである。かつその場合にエポキシ基と反応し得る架
橋性化合物を含有させるが、この構成により問題が生ず
ることはなく、むしろ溶融特性や二次密着性などを向上
させることも可能となったのである。
以下に本発明の組成物の各構成成分について、更に詳
細に説明する。
細に説明する。
本発明に係る上記三元共重合体は、エポキシ基を有す
る単量体、アルキルビニルエーテル、塩化ビニルからな
る単量体混合物を常法により重合反応させ、未反応のも
のを除去して得ることができる。
る単量体、アルキルビニルエーテル、塩化ビニルからな
る単量体混合物を常法により重合反応させ、未反応のも
のを除去して得ることができる。
上記三元共重合体の単量体として使用されるエポキシ
基を有する単量体は、任意のものを使用でき、アクリル
酸、メタクリル酸などの不飽和有機酸のグリシジルエス
テルが一般にこれに属し、例えば、グリシジルメタクリ
レート、またはグリシジルアクリレート、メチルグリシ
ジルメタクリレート、メチルグリシジルアクリレートな
どが使用できる。その他エポキシ基を有する単量体とし
て、エポキシ化1,2−ポリブタジエンなどがある。
基を有する単量体は、任意のものを使用でき、アクリル
酸、メタクリル酸などの不飽和有機酸のグリシジルエス
テルが一般にこれに属し、例えば、グリシジルメタクリ
レート、またはグリシジルアクリレート、メチルグリシ
ジルメタクリレート、メチルグリシジルアクリレートな
どが使用できる。その他エポキシ基を有する単量体とし
て、エポキシ化1,2−ポリブタジエンなどがある。
本発明の三元共重合体の組成中で使用されるアルキル
ビニルエーテルは、任意に使用できるが、好ましくはア
ルキル基の炭素数が4乃至18の比較的長鎖のアルキルビ
ニルエーテルが一般に使用される。例えば、n−ブチル
ビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、セチルビ
ニルエーテルなどである。
ビニルエーテルは、任意に使用できるが、好ましくはア
ルキル基の炭素数が4乃至18の比較的長鎖のアルキルビ
ニルエーテルが一般に使用される。例えば、n−ブチル
ビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、セチルビ
ニルエーテルなどである。
本発明に用いられる三元共重合体はエポキシ基を有す
る単量体、アルキルビニルエーテル及び塩化ビニルから
なるものであるが、これらの三元共重合体としては、エ
ポキシ基を有する単量体を好ましくは0.1〜5重量部、
より好ましくは0.3〜3.5重量部、アルキルビニルエーテ
ルを好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜4
重量部、及び塩化ビニルを好ましくは90〜99.8重量部、
より好ましくは92.5〜99.2重量部からなる単量体混合物
を常法により重合して得られるものが好ましい。なぜな
らば、エポキシ基を有する単量体が、0.1重量部より少
ないと、得られた共重合体から成る塗料の基材との密着
力の発現が充分でないことがあり、また、5重量部を越
えると、溶融特性の低下、熱安定性の低下及び機械的強
度の低下をもたらすことがあり、必ずしも満足し得る性
能が得られないことがある。更にまた、アルキルビニル
エーテルが0.1重量部より少ないと、溶融時の粘度低下
が不充分となり、5重量部を越えると、溶融時の粘度低
下は充分であるが、反面機械的強度が低下し塩化ビニル
樹脂に固有の優れた性質が失われることがあるからであ
る。
る単量体、アルキルビニルエーテル及び塩化ビニルから
なるものであるが、これらの三元共重合体としては、エ
ポキシ基を有する単量体を好ましくは0.1〜5重量部、
より好ましくは0.3〜3.5重量部、アルキルビニルエーテ
ルを好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜4
重量部、及び塩化ビニルを好ましくは90〜99.8重量部、
より好ましくは92.5〜99.2重量部からなる単量体混合物
を常法により重合して得られるものが好ましい。なぜな
らば、エポキシ基を有する単量体が、0.1重量部より少
ないと、得られた共重合体から成る塗料の基材との密着
力の発現が充分でないことがあり、また、5重量部を越
えると、溶融特性の低下、熱安定性の低下及び機械的強
度の低下をもたらすことがあり、必ずしも満足し得る性
能が得られないことがある。更にまた、アルキルビニル
エーテルが0.1重量部より少ないと、溶融時の粘度低下
が不充分となり、5重量部を越えると、溶融時の粘度低
下は充分であるが、反面機械的強度が低下し塩化ビニル
樹脂に固有の優れた性質が失われることがあるからであ
る。
また、本発明に係る三元共重合体は、平均重合度が40
0〜800の範囲内にある。平均重合度が400以下であると
樹脂の溶融性が良くなる反面、熱安定性、機械的強度が
低下し、逆に平均重合度が800以上になると溶融粘度が
上昇し、平滑な塗膜が得られない。好ましくは平均重合
度が450〜750の範囲にある三元共重合体を用いる。なお
平均重合度は、JIS K−6721の方法により測定すること
ができる。
0〜800の範囲内にある。平均重合度が400以下であると
樹脂の溶融性が良くなる反面、熱安定性、機械的強度が
低下し、逆に平均重合度が800以上になると溶融粘度が
上昇し、平滑な塗膜が得られない。好ましくは平均重合
度が450〜750の範囲にある三元共重合体を用いる。なお
平均重合度は、JIS K−6721の方法により測定すること
ができる。
本発明に係る三元共重合体は、一般的な重合手段、例
えば通常の塩化ビニルの重合手段により得ることができ
る。懸濁重合により重合させることは好ましい態様であ
り、懸濁重合する際の懸濁剤としては、ポリビニルアル
コールを用いることが好ましい。特にけん化度が65〜80
モル%で、かつ4%水溶液の20℃での粘度が2〜9cpsで
あるポリビニルアルコールを用いるか、あるいはけん化
度が30〜55モル%で、かつ4%水溶液の20℃での粘度が
6〜15cpsであるポリビニルアルコールを用いることが
適しており、このような2種類のポリビニルアルコール
を併用することが最も好ましく、その様な態様によって
本発明の効果がより大きく発揮される。但しこの場合、
得られる塩化ビニル系三元共重合体の物性に影響を与え
ない程度に他の懸濁剤であるポリビニルアルコール、メ
チルセルロースなどを併用してもかまわない。
えば通常の塩化ビニルの重合手段により得ることができ
る。懸濁重合により重合させることは好ましい態様であ
り、懸濁重合する際の懸濁剤としては、ポリビニルアル
コールを用いることが好ましい。特にけん化度が65〜80
モル%で、かつ4%水溶液の20℃での粘度が2〜9cpsで
あるポリビニルアルコールを用いるか、あるいはけん化
度が30〜55モル%で、かつ4%水溶液の20℃での粘度が
6〜15cpsであるポリビニルアルコールを用いることが
適しており、このような2種類のポリビニルアルコール
を併用することが最も好ましく、その様な態様によって
本発明の効果がより大きく発揮される。但しこの場合、
得られる塩化ビニル系三元共重合体の物性に影響を与え
ない程度に他の懸濁剤であるポリビニルアルコール、メ
チルセルロースなどを併用してもかまわない。
また、触媒としては通常懸濁重合に使用される油溶性
ラジカル触媒を使用し、重合温度は50〜70℃の範囲とす
ることが好ましい。本発明に係る三元共重合体は前記の
如く懸濁重合方法以外にも例えば乳化重合方法や塊状重
合法など通常の塩化ビニルの重合方法によっても製造で
きる。
ラジカル触媒を使用し、重合温度は50〜70℃の範囲とす
ることが好ましい。本発明に係る三元共重合体は前記の
如く懸濁重合方法以外にも例えば乳化重合方法や塊状重
合法など通常の塩化ビニルの重合方法によっても製造で
きる。
本発明の粉体塗料組成物中には、上記三元共重合体に
おけるエポキシ基と反応性のある架橋性化合物を使用す
る。該化合物はその分子中にエポキシ基と反応性を有す
る官能基、例えばカルボキシル基、アミノ基、ヒドラジ
ノ基等を2個以上有しており、非ラジカル重合性の化合
物である。使用することができる化合物としては、この
ような反応性を有するものであれば任意であるが、例え
ば下記の(a)〜(e)に示す化合物を挙げることがで
きる。
おけるエポキシ基と反応性のある架橋性化合物を使用す
る。該化合物はその分子中にエポキシ基と反応性を有す
る官能基、例えばカルボキシル基、アミノ基、ヒドラジ
ノ基等を2個以上有しており、非ラジカル重合性の化合
物である。使用することができる化合物としては、この
ような反応性を有するものであれば任意であるが、例え
ば下記の(a)〜(e)に示す化合物を挙げることがで
きる。
(a)ジカルボン酸とジアルコールを主成分とするカル
ボキシル基末端ポリエステル樹脂。
ボキシル基末端ポリエステル樹脂。
なおこのポリエステル樹脂の軟化点、酸価はそれぞ
れ、好ましくは、軟化点が65〜115℃、酸価が25〜120me
q/grである。軟化点が65℃未満の場合、塗料がブロッキ
ングを起こしやすくなり、また、軟化点が115℃を越え
る場合は溶融粘度が高くなり、塗面の平滑性が低下する
傾向がある。また、酸価が25meq/grより小さい場合は反
応性が低下し、架橋性化合物がもたらす主たる効果と考
えられる初期密着性の向上が充分でないことがある。ま
た、酸価が120meq/grを越えると架橋密度が高くなりす
ぎ、硬くもろい、機械的強度の低い塗膜しが得られない
ことがある。
れ、好ましくは、軟化点が65〜115℃、酸価が25〜120me
q/grである。軟化点が65℃未満の場合、塗料がブロッキ
ングを起こしやすくなり、また、軟化点が115℃を越え
る場合は溶融粘度が高くなり、塗面の平滑性が低下する
傾向がある。また、酸価が25meq/grより小さい場合は反
応性が低下し、架橋性化合物がもたらす主たる効果と考
えられる初期密着性の向上が充分でないことがある。ま
た、酸価が120meq/grを越えると架橋密度が高くなりす
ぎ、硬くもろい、機械的強度の低い塗膜しが得られない
ことがある。
このポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、コハク酸、アゼライン
酸、スベリン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバチン酸、p−オキシ安息香酸などを挙げるこ
とができ、またこれらの低級アルキルエステルを用いる
こともできる。
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、コハク酸、アゼライン
酸、スベリン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバチン酸、p−オキシ安息香酸などを挙げるこ
とができ、またこれらの低級アルキルエステルを用いる
こともできる。
また、ジアルコール成分として用いることができるも
のとして、エチレングリコール、1,2−及び1,3−プロパ
ンジオール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、プロピレ
ングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、グリセリン、キシレングリコール、水添ビスフェノ
ールAなどを挙げることができる。
のとして、エチレングリコール、1,2−及び1,3−プロパ
ンジオール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、プロピレ
ングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、グリセリン、キシレングリコール、水添ビスフェノ
ールAなどを挙げることができる。
このようなポリエステル樹脂の市販品としては、大日
本インキ化学工業製のファインディックM−8500,M−85
30,M−8830,M−8520,日本エステル製のエステルレジンE
R−8101,ER8105,東洋紡製のGV−230,GV−760,DSM製のP
−2065,P−2980,P−2298,P−2127などが挙げられる。
本インキ化学工業製のファインディックM−8500,M−85
30,M−8830,M−8520,日本エステル製のエステルレジンE
R−8101,ER8105,東洋紡製のGV−230,GV−760,DSM製のP
−2065,P−2980,P−2298,P−2127などが挙げられる。
(b)アジピン酸ジヒドラジッド、イソフタル酸ジヒド
ラジッド、セバチン酸ジヒドラジッド、ドデカ二酸ジヒ
ドラジッドなどのジヒドラジッド類。
ラジッド、セバチン酸ジヒドラジッド、ドデカ二酸ジヒ
ドラジッドなどのジヒドラジッド類。
(c)ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、
ジアミノジフェニルスルホン、ジエチレントリアミンな
どのアミン化合物。
ジアミノジフェニルスルホン、ジエチレントリアミンな
どのアミン化合物。
(d)アジピン酸、イタコン酸、セバチン酸、無水トリ
メリット酸、無水ピロメリット酸などのカルボン酸もし
くはその酸無水物。
メリット酸、無水ピロメリット酸などのカルボン酸もし
くはその酸無水物。
(e)2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾ
ール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ペンタデシル
イミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチ
ルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒド
ロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物。
ール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ペンタデシル
イミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチ
ルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒド
ロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物。
上記架橋性化合物は、本発明に係る三元共重合体100
重量部に対して、0.1〜5重量部使用する。この架橋性
化合物の添加量が0.1重量部よりも少ない場合は塗膜の
初期接着力の発現が不充分である。また、添加量が5重
量部を越えると溶融特性の低下が著しく、平滑な塗面が
得られない。好ましくは三元共重合体100重量部に対し
て、0.2〜4重量部使用する。
重量部に対して、0.1〜5重量部使用する。この架橋性
化合物の添加量が0.1重量部よりも少ない場合は塗膜の
初期接着力の発現が不充分である。また、添加量が5重
量部を越えると溶融特性の低下が著しく、平滑な塗面が
得られない。好ましくは三元共重合体100重量部に対し
て、0.2〜4重量部使用する。
本発明の組成物中に配合される1分子中に2個以上の
二重結合を有する重合性不飽和化合物は、該二重結合に
よって、重合性がもたらされるものである。このような
不飽和性化合物としては本発明の効果を阻害しない限り
任意のものが用いられるが、例えば、下記(イ)〜
(ヘ)のように、常温で液体または固体のものを挙げる
ことができる。
二重結合を有する重合性不飽和化合物は、該二重結合に
よって、重合性がもたらされるものである。このような
不飽和性化合物としては本発明の効果を阻害しない限り
任意のものが用いられるが、例えば、下記(イ)〜
(ヘ)のように、常温で液体または固体のものを挙げる
ことができる。
(イ)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香属2〜6価の
多価アルコール、及びポリアルキレングリコールのポリ
(メタ)アクリレート(「(メタ)アクリレートの語を
もて、「アクリレート」及び「メタアクリレート」の双
方を表す。以下同じ)。
多価アルコール、及びポリアルキレングリコールのポリ
(メタ)アクリレート(「(メタ)アクリレートの語を
もて、「アクリレート」及び「メタアクリレート」の双
方を表す。以下同じ)。
具体例としては、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,3または1,4−ブタンジオール、ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオ
ール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ソルビトール、ペンタエルスリトー
ル、ジペンタエルスリトール、水素化ビスフェノールA
などの多価アルコール、及びジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等の多価アルコールのポリ(メ
タ)アクリレートが挙げられる。
リコール、1,3または1,4−ブタンジオール、ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオ
ール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ソルビトール、ペンタエルスリトー
ル、ジペンタエルスリトール、水素化ビスフェノールA
などの多価アルコール、及びジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等の多価アルコールのポリ(メ
タ)アクリレートが挙げられる。
(ロ)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族2〜6価の
多価アルコールに、アルキレンオキサイドを付加させた
形の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート。
多価アルコールに、アルキレンオキサイドを付加させた
形の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート。
具体例としては、ビスフェノールAなどの多価アルコ
ールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付
加させて得られる多価アルコールのポリ(メタ)アクリ
レートなどが挙げられる。
ールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付
加させて得られる多価アルコールのポリ(メタ)アクリ
レートなどが挙げられる。
(ハ)ポリエステルポリ(メタ)アクリレート。
ポリエステルポリ(メタ)アクリレートは通常(メ
タ)アクリル酸と多価アルコールと多価カルボン酸とを
エステル化することによって合成される。具体例として
は、コハク酸とエチレングリコールとのポリエステルジ
オールのジ(メタ)アクリレート、マレイン酸とエチレ
ングリコールとのポリエステルジオールのジ(メタ)ア
クリレート、フタル酸とジエチレングリコールとのポリ
エステルジオールのジ(メタ)アクリレート、テトラヒ
ドロフタル酸とジエチレングリコールのジ(メタ)アク
リレート、アジピン酸とトリエチレングリコールとのポ
リエステルジオールのジ(メタ)アクリレート、テトラ
ヒドロフタル酸とトリメチロールプロパンとのポリエス
テルポリオールのポリ(メタ)アクリレート、テトラヒ
ドロフタル酸とペンタエリスリトールとのポリエステル
ポリオールのポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
タ)アクリル酸と多価アルコールと多価カルボン酸とを
エステル化することによって合成される。具体例として
は、コハク酸とエチレングリコールとのポリエステルジ
オールのジ(メタ)アクリレート、マレイン酸とエチレ
ングリコールとのポリエステルジオールのジ(メタ)ア
クリレート、フタル酸とジエチレングリコールとのポリ
エステルジオールのジ(メタ)アクリレート、テトラヒ
ドロフタル酸とジエチレングリコールのジ(メタ)アク
リレート、アジピン酸とトリエチレングリコールとのポ
リエステルジオールのジ(メタ)アクリレート、テトラ
ヒドロフタル酸とトリメチロールプロパンとのポリエス
テルポリオールのポリ(メタ)アクリレート、テトラヒ
ドロフタル酸とペンタエリスリトールとのポリエステル
ポリオールのポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
(ニ)エポキシポリ(メタ)アクリレート。
これは分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ樹脂に、エポキシ基とほぼ当量の(メタ)アクリレー
ト、もしくは(メタ)アクリル酸またはカルボキシル基
をもつ(メタ)アクリレートと多塩基酸との混合物を反
応させることによって合成することができる。
シ樹脂に、エポキシ基とほぼ当量の(メタ)アクリレー
ト、もしくは(メタ)アクリル酸またはカルボキシル基
をもつ(メタ)アクリレートと多塩基酸との混合物を反
応させることによって合成することができる。
具体例としては、ビスフェノールAグリシジルエーテ
ル型、グリセリングリシジルエーテル型、ポリアルキレ
ングリコールジグリシジルエーテル型、多塩基酸ジグリ
シジルエステル型、シクロヘキセンオキサイド型など
の、各エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸との付加反
応生成物などが挙げられる。
ル型、グリセリングリシジルエーテル型、ポリアルキレ
ングリコールジグリシジルエーテル型、多塩基酸ジグリ
シジルエステル型、シクロヘキセンオキサイド型など
の、各エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸との付加反
応生成物などが挙げられる。
(ホ)ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート。
これは主鎖にポリウレタン結合単位を有する多価アル
コールの(メタ)アクリレートの構造を有し、通常ヒド
ロキシル基含有(メタ)アクリレートとポリイソシアネ
ート及び必要により多価アルコールとを反応させること
によって合成することができる。
コールの(メタ)アクリレートの構造を有し、通常ヒド
ロキシル基含有(メタ)アクリレートとポリイソシアネ
ート及び必要により多価アルコールとを反応させること
によって合成することができる。
具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ートとジイソシアネートとの付加反応生成物、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレートとジイソシアネート
と多価アルコールとの付加反応生成物などが挙げられ
る。
リレート又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ートとジイソシアネートとの付加反応生成物、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレートとジイソシアネート
と多価アルコールとの付加反応生成物などが挙げられ
る。
(ヘ)その他 その他にポリアミドポリ(メタ)アクリレート、ポリ
シロキサンポリ(メタ)アクリレート、フタル酸のジア
リルエステル類、エチレン性不飽和二塩基酸のジアリル
エステル類、飽和二塩基酸のジアリルエステル類があ
る。
シロキサンポリ(メタ)アクリレート、フタル酸のジア
リルエステル類、エチレン性不飽和二塩基酸のジアリル
エステル類、飽和二塩基酸のジアリルエステル類があ
る。
上記重合性不飽和化合物は、本発明の三元共重合体樹
脂100重量部に対して0.5〜10重量部使用する。上記重合
性不飽和化合物の添加量が0.5重量部より少ないと二次
密着性の向上が期待できない。また、上記重合性不飽和
化合物の添加量が10重量部を越えると塗料のブロッキン
グ性が増加し、貯蔵安定性が悪いという問題が発生す
る。好ましくは、三元共重合体100重量部に対し、1〜
8重量部使用する。
脂100重量部に対して0.5〜10重量部使用する。上記重合
性不飽和化合物の添加量が0.5重量部より少ないと二次
密着性の向上が期待できない。また、上記重合性不飽和
化合物の添加量が10重量部を越えると塗料のブロッキン
グ性が増加し、貯蔵安定性が悪いという問題が発生す
る。好ましくは、三元共重合体100重量部に対し、1〜
8重量部使用する。
本発明の組成物中には、粉対塗料組成物を構成するも
のとしての可塑性、安定性、顔料を適宜配合することが
できる。可塑性、安定性、顔料としては、一般に塩化ビ
ニル系粉体塗料用配合剤として用いられているものを広
く使用できる。
のとしての可塑性、安定性、顔料を適宜配合することが
できる。可塑性、安定性、顔料としては、一般に塩化ビ
ニル系粉体塗料用配合剤として用いられているものを広
く使用できる。
可塑剤は、一般に塗膜の機械的強度や硬度を調整する
ために使用し、通常三元共重合体100重量部に対し、10
〜80重量部の添加が好ましい。可塑剤の添加量が10重量
部より少ないと塗膜が硬くなり、耐衝撃性、耐屈曲性が
低下する傾向がでる。また本発明によれば可塑剤は比較
的多量に含有させることができるが、可塑剤の添加量が
80重量部を越えると軟かくなり、強度、耐汚染性、耐候
性などが低下する傾向がでる。本発明の組成物中で、可
塑剤は種々の可塑剤の中から、1種または、2種以上が
使用できる。
ために使用し、通常三元共重合体100重量部に対し、10
〜80重量部の添加が好ましい。可塑剤の添加量が10重量
部より少ないと塗膜が硬くなり、耐衝撃性、耐屈曲性が
低下する傾向がでる。また本発明によれば可塑剤は比較
的多量に含有させることができるが、可塑剤の添加量が
80重量部を越えると軟かくなり、強度、耐汚染性、耐候
性などが低下する傾向がでる。本発明の組成物中で、可
塑剤は種々の可塑剤の中から、1種または、2種以上が
使用できる。
安定剤は塩化ビニル系樹脂の耐熱性を改良するための
もので、一般に塩化ビニル系樹脂には必要な添加剤とさ
れており、通常三元共重合体100重量部に対して、0.5〜
10重量部の添加が好ましい。安定剤の添加が0.5重量部
より少ないと、安定剤の添加効果が充分発揮されず、加
熱焼付中の変色が著しくなり、作業管理幅が狭くなると
いう問題が生じる。また、安定剤の添加量が10重量部を
越えても熱安定性改良効果は変わらず、コストアップの
要因となるため好ましくない。本組成物中で、安定剤は
種々の安定剤の中から、1種または、2種以上が使用で
きる。
もので、一般に塩化ビニル系樹脂には必要な添加剤とさ
れており、通常三元共重合体100重量部に対して、0.5〜
10重量部の添加が好ましい。安定剤の添加が0.5重量部
より少ないと、安定剤の添加効果が充分発揮されず、加
熱焼付中の変色が著しくなり、作業管理幅が狭くなると
いう問題が生じる。また、安定剤の添加量が10重量部を
越えても熱安定性改良効果は変わらず、コストアップの
要因となるため好ましくない。本組成物中で、安定剤は
種々の安定剤の中から、1種または、2種以上が使用で
きる。
顔料は通常の着色顔料の他、必要に応じ炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、亜鉛華、シリカ、ケイ砂粉末などい
わゆる体質顔料も使用できる。顔料の添加量は、三元共
重合体100重量部に対して、0.5〜20重量部の添加が好ま
しい。顔料の添加量が0.5重量部より少ないと、隠蔽力
不足となり所定の色調の塗膜が得られない他、膜厚によ
り色調が変動することがある。また、顔料の添加量が20
重量部を越えると、溶融粘度の低下が著しくなり平滑な
塗膜が得られなかったり、機械的強度が低下したりする
ことがある。
ム、硫酸バリウム、亜鉛華、シリカ、ケイ砂粉末などい
わゆる体質顔料も使用できる。顔料の添加量は、三元共
重合体100重量部に対して、0.5〜20重量部の添加が好ま
しい。顔料の添加量が0.5重量部より少ないと、隠蔽力
不足となり所定の色調の塗膜が得られない他、膜厚によ
り色調が変動することがある。また、顔料の添加量が20
重量部を越えると、溶融粘度の低下が著しくなり平滑な
塗膜が得られなかったり、機械的強度が低下したりする
ことがある。
また、必要であればシラン系及びチタネート系などい
わゆるカップリング剤、更に基材との表面張力を調製す
るために、(メタ)アクリル系低分子量重合体などを配
合することもできる。
わゆるカップリング剤、更に基材との表面張力を調製す
るために、(メタ)アクリル系低分子量重合体などを配
合することもできる。
本発明の組成物は、次のようにして粉体にすることが
できる。例えば高速ミキサーで加熱混合を行なった後、
ふるい分けする方法によって、粉体として得ることがで
きる。あるいは高速ミキサーで加熱混合を行なった後、
押出機またはロール等を使用して溶融混合後、冷却、粉
砕するという方法によっても粉体として得ることができ
る。但し、製造コストを比較した場合には、前者の方法
が極めて安価であり、後者の方法はコスト的に不利であ
る。
できる。例えば高速ミキサーで加熱混合を行なった後、
ふるい分けする方法によって、粉体として得ることがで
きる。あるいは高速ミキサーで加熱混合を行なった後、
押出機またはロール等を使用して溶融混合後、冷却、粉
砕するという方法によっても粉体として得ることができ
る。但し、製造コストを比較した場合には、前者の方法
が極めて安価であり、後者の方法はコスト的に不利であ
る。
次に本発明の粉体塗料組成物を使用する場合の塗布方
法について説明する。
法について説明する。
本発明の粉体塗料組成物の塗装方法としては、既に知
られている各種の方法を任意に用いることができる。例
えば流動浸漬法、静電塗装法等を利用することができ
る。これらの方法により、塗装後、例えば180℃〜250℃
の温度で2〜20分間加熱するようにすると、ビニル系三
元共重合体と架橋性化合物との反応により、平滑性に優
れ、かつ、プライマーの存在なしで金属等にも強固に密
着する塗膜が得られる。
られている各種の方法を任意に用いることができる。例
えば流動浸漬法、静電塗装法等を利用することができ
る。これらの方法により、塗装後、例えば180℃〜250℃
の温度で2〜20分間加熱するようにすると、ビニル系三
元共重合体と架橋性化合物との反応により、平滑性に優
れ、かつ、プライマーの存在なしで金属等にも強固に密
着する塗膜が得られる。
以下、本発明の実施例について、比較例とともに説明
する。なお当然のことではあるが、本発明は以下に述べ
る実施例にのみ限定されるものではない。
する。なお当然のことではあるが、本発明は以下に述べ
る実施例にのみ限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例で用いる三元共重合体の製造
について述べる。
について述べる。
純粋1200と、けん化度70モル%でかつ4%水溶液の
20℃での粘度が6cpsであるポリビニルアルコール400g
と、けん化度33モル%でかつ4%水溶液の20℃での粘度
が10cpsであるポリビニルアルコール150gとを、2400
オートクレーブに仕込み、3時間撹拌する。次に、重合
触媒としてジ−1−メチルヘプチルパージカーボネート
330g及びラウリルパーオキサイド461gを添加した後、オ
ートクレーブ内を窒素置換し、ゲージ圧−600mmHgまで
真空にする。
20℃での粘度が6cpsであるポリビニルアルコール400g
と、けん化度33モル%でかつ4%水溶液の20℃での粘度
が10cpsであるポリビニルアルコール150gとを、2400
オートクレーブに仕込み、3時間撹拌する。次に、重合
触媒としてジ−1−メチルヘプチルパージカーボネート
330g及びラウリルパーオキサイド461gを添加した後、オ
ートクレーブ内を窒素置換し、ゲージ圧−600mmHgまで
真空にする。
次に塩化ビニル単量体650kg、グリシジルメタクリレ
ート6.5kg、n−ブチルビニルエーテル13kgを仕込み、6
5℃の温度で重合し、85%の収率で塩化ビニル三元共重
合体(A)を得た。また上記と同様な方法で仕込み組成
比(重量比)を表1に示すように変えて、塩化ビニル三
元共重合体(B)〜(D)を製造した。
ート6.5kg、n−ブチルビニルエーテル13kgを仕込み、6
5℃の温度で重合し、85%の収率で塩化ビニル三元共重
合体(A)を得た。また上記と同様な方法で仕込み組成
比(重量比)を表1に示すように変えて、塩化ビニル三
元共重合体(B)〜(D)を製造した。
表1に塩化ビニル三元共重合体(A)〜(D)の仕込
み組成比、及び平均重合度をまとめて示す。
み組成比、及び平均重合度をまとめて示す。
以下にこの三元重合体(A)〜(D)を用いた具体的
実施例、及び比較例を述べる。
実施例、及び比較例を述べる。
実施例1 塩化ビニル三元重合体(A)100部に対し、ジオクチ
ルフタレーチ(DOP)を40部、p−2065(DSM製。カルボ
キシル末端ポリエステル樹脂系架橋性化合物として前記
示したもの)を1部、重合性不飽和化合物としてトリメ
チロールプロパントリアクリレートを5部、有機すずマ
レエート系安定剤を3部、及び顔料として酸化チタンを
5部加え、ヘンシェルミキサーを使用して80〜100℃の
温度で加熱したのち冷却し、40メッシュのふるいで分級
し、粉体塗料を製造した。
ルフタレーチ(DOP)を40部、p−2065(DSM製。カルボ
キシル末端ポリエステル樹脂系架橋性化合物として前記
示したもの)を1部、重合性不飽和化合物としてトリメ
チロールプロパントリアクリレートを5部、有機すずマ
レエート系安定剤を3部、及び顔料として酸化チタンを
5部加え、ヘンシェルミキサーを使用して80〜100℃の
温度で加熱したのち冷却し、40メッシュのふるいで分級
し、粉体塗料を製造した。
この粉体塗料を使用して、230℃に予熱した2.0mm厚の
樹脂済みの軟鋼板に流動浸漬塗装した後、230℃で2分
間加熱を行い冷却して塗膜を得た。この塗膜の平滑性、
初期密着性、二次密着性、貯蔵安定性を表2に示す。
樹脂済みの軟鋼板に流動浸漬塗装した後、230℃で2分
間加熱を行い冷却して塗膜を得た。この塗膜の平滑性、
初期密着性、二次密着性、貯蔵安定性を表2に示す。
表2から明らかなように、本実施例で得られた塗膜
は、密着性が180度の剥離強度で7.5kg/cmと優れてお
り、また塗膜平滑性、二次密着性、貯蔵安定性もすべて
優秀であった。
は、密着性が180度の剥離強度で7.5kg/cmと優れてお
り、また塗膜平滑性、二次密着性、貯蔵安定性もすべて
優秀であった。
なお、表2に示した塗膜の性能の評価は、次のように
行なった。
行なった。
(塗膜平滑性) 塗膜平滑性は目視にて評価し、評価基準は以下のとお
りとする。
りとする。
◎ 極めて平滑。
× 平滑性に劣る。
(密着性) 70×150×0.8mmの軟鋼板を試験板として用い、これを
脱脂した後、流動浸漬法により塗膜厚400〜500μmに塗
装する。これについて25mm幅の平行した2本の切り込み
を入れ、この部分の180度剥離強度を引張試験機を用い
て、20mm/minの速度で測定する。単位はkg/cm2で示し
た。
脱脂した後、流動浸漬法により塗膜厚400〜500μmに塗
装する。これについて25mm幅の平行した2本の切り込み
を入れ、この部分の180度剥離強度を引張試験機を用い
て、20mm/minの速度で測定する。単位はkg/cm2で示し
た。
(二次密着性) 塩水噴霧試験を200時間実施した後の剥離強度を測定
する。
する。
◎ 剥離強度>6kg/cm2 ○ 2〜6kg/cm2 △ 0.5〜2kg/cm2 × <0.5kg/cm2 (貯蔵安定性) 得られた粉体塗料を500gをポリエチレン袋に入れ、50
℃の温度で7日間貯蔵した後の粉体塗料のブロッキング
状態を目視で観察する。
℃の温度で7日間貯蔵した後の粉体塗料のブロッキング
状態を目視で観察する。
◎ ブロッキングなし ○ 軽くブロッキング × 完全にブロッキング 実施例2 塩化ビニル三元共重合体(A)に代えて同(B)を使
用する以外は実施例1と同様にして、粉体塗料組成物を
製造し、その後同様に評価を行なった。その結果、表2
に示したように、実施例1と同様に平滑性、初期密着
性、二次密着性、貯蔵安定性に優れた塗膜が得られた。
用する以外は実施例1と同様にして、粉体塗料組成物を
製造し、その後同様に評価を行なった。その結果、表2
に示したように、実施例1と同様に平滑性、初期密着
性、二次密着性、貯蔵安定性に優れた塗膜が得られた。
実施例3 塩化ビニル三元共重合体(A)に代えて同(C)を使
用する以外は実施例1と同様にして、粉体塗料組成物を
製造し、その後同様に評価を行なった結果、表2に示し
たように、実施例1と同様に平滑性、初期密着性、二次
密着性、貯蔵安定性に優れた塗膜が得られた。
用する以外は実施例1と同様にして、粉体塗料組成物を
製造し、その後同様に評価を行なった結果、表2に示し
たように、実施例1と同様に平滑性、初期密着性、二次
密着性、貯蔵安定性に優れた塗膜が得られた。
比較例1 実施例1の組成物から、架橋性化合物及び重合性不飽
和化合物を除いた粉体塗料組成物を製造した。これを上
記例と同様にして評価を行なった結果を表2に示した
が、実施例1に対して平滑性及び密着性が著しく劣る塗
膜しか得られなかった。
和化合物を除いた粉体塗料組成物を製造した。これを上
記例と同様にして評価を行なった結果を表2に示した
が、実施例1に対して平滑性及び密着性が著しく劣る塗
膜しか得られなかった。
比較例2 実施例1の組成物における重合性不飽和化合物の量を
12部とした以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料組
成物を製造した。これを上記例と同様に評価を行ない、
表2に示す結果を得た。塗膜性能は実施例1と同程度の
結果を示すが、35℃以上の温度ではブロッキングを起こ
しやすくなり、貯蔵安定性が低下し実用上問題を起こす
可能性があることがわかった。
12部とした以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料組
成物を製造した。これを上記例と同様に評価を行ない、
表2に示す結果を得た。塗膜性能は実施例1と同程度の
結果を示すが、35℃以上の温度ではブロッキングを起こ
しやすくなり、貯蔵安定性が低下し実用上問題を起こす
可能性があることがわかった。
比較例3 塩化ビニル三元共重合体(A)に代えて、アルキルビ
ニルエーテルを用いない共重合体(D)を使用する以外
は、実施例1と同様にして、粉体塗料組成物を製造し、
同様に評価を行ない、表2に示す結果を得た。実施例1
に対して著しく平滑性に劣る塗膜しか得られなかった。
ニルエーテルを用いない共重合体(D)を使用する以外
は、実施例1と同様にして、粉体塗料組成物を製造し、
同様に評価を行ない、表2に示す結果を得た。実施例1
に対して著しく平滑性に劣る塗膜しか得られなかった。
比較例4 実施例1で三元共重合体(A)に代えて重合度700の
ストレート塩化ビニル(アロンTS−700;東亞合成化学工
業(株)製)を使用する以外は、実施例1と同様に粉体
塗料組成物を製造し、同様に評価を行い、表2に示す結
果を得た。表2に示すように本比較例の如くストレート
塩化ビニルを使用した場合は三元共重合体を使用する場
合に比べ、平滑性は同等以上であるが、初期密着性及び
二次密着性が著しく劣る塗膜しか得られなかった。
ストレート塩化ビニル(アロンTS−700;東亞合成化学工
業(株)製)を使用する以外は、実施例1と同様に粉体
塗料組成物を製造し、同様に評価を行い、表2に示す結
果を得た。表2に示すように本比較例の如くストレート
塩化ビニルを使用した場合は三元共重合体を使用する場
合に比べ、平滑性は同等以上であるが、初期密着性及び
二次密着性が著しく劣る塗膜しか得られなかった。
<発明の効果> 上述の如く、金属試験片を用いて接着性を試験した各
実施例及び比較例のデータからも明らかなように、この
発明の粉体塗料組成物は、金属に対する密着性が良好で
あり、さらには塩水噴霧試験後の密着力が格段に向上
し、かつ平滑性に優れ、また、耐薬性、耐候性などの塩
化ビニル系組成物としての利点を維持しているものであ
る。
実施例及び比較例のデータからも明らかなように、この
発明の粉体塗料組成物は、金属に対する密着性が良好で
あり、さらには塩水噴霧試験後の密着力が格段に向上
し、かつ平滑性に優れ、また、耐薬性、耐候性などの塩
化ビニル系組成物としての利点を維持しているものであ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】エポキシ基を有する単量体、アルキルビニ
ルエーテル及び塩化ビニルからなる平均重合度400〜800
の三元共重合体100重量部と、エポキシ基と反応する架
橋性化合物0.1〜5重量部と、1分子中に2個以上の二
重結合を有する重合性不飽和化合物0.5〜10重量部とを
配合してなる粉体塗料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62189684A JP2545870B2 (ja) | 1987-07-29 | 1987-07-29 | 粉体塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62189684A JP2545870B2 (ja) | 1987-07-29 | 1987-07-29 | 粉体塗料組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6433172A JPS6433172A (en) | 1989-02-03 |
JP2545870B2 true JP2545870B2 (ja) | 1996-10-23 |
Family
ID=16245449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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1987
- 1987-07-29 JP JP62189684A patent/JP2545870B2/ja not_active Expired - Fee Related
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