JP2545791Y2 - 自動循環式索道の加速、減速移送装置 - Google Patents

自動循環式索道の加速、減速移送装置

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JP2545791Y2
JP2545791Y2 JP1991005059U JP505991U JP2545791Y2 JP 2545791 Y2 JP2545791 Y2 JP 2545791Y2 JP 1991005059 U JP1991005059 U JP 1991005059U JP 505991 U JP505991 U JP 505991U JP 2545791 Y2 JP2545791 Y2 JP 2545791Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は自動循環式索道におい
て、搬器を加速しまたは減速するための加速、減速移送
装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動循環式索道は、両端のターミナル
(停留場をいう。以下同じ)に配置された滑車と滑車と
の間に無端状の索条を張架循環させ、索道線路中では搬
器を懸垂した握索機を索条に握索させて索条の循環移動
と共に運行して、両端のターミナルに到達すると搬器の
握索機は握索が解かれて索条から切り離され、以後ター
ミナル内に配設された軌条を転走しながら緩速に減速さ
れる。この後、緩速で回送移送されながら乗降客扱いが
行なわれ、さらに、加速されて再び索条を握索し索道線
路中へ出発する。
【0003】このような握索機乃至搬器の加速、減速の
ためには、ゴムタイヤ車輪を多数並設して、ゴムタイヤ
車輪と握索機との間に生じる摩擦力によって加速、減速
する装置が一般的に用いられている。
【0004】図5および図6は、上記した装置の一例を
示したものである。握索機60にはピン64、懸垂機6
5を介して搬器66が懸垂されており、搬器66の具体
的な図示は省略されているが、客車または椅子式のもの
が用いられる。また、握索機60にはピン61,61を
介してローラ62,62が枢着され、軌条67を転走す
るようになっている。かつ握索機60の上面には摩擦板
63を具えている。
【0005】一方、加速移送装置70は、図5に示すよ
うに複数の移送車輪71,71,…を駆動軸77,77
…を用いて枢着し、これを所定の間隙ごとに並設してな
っている。図6は前記した移送車輪71が枢着された状
態を断面で示したものである。移送フレーム87は断面
視で“□”型筒状の部材で形成され、円筒形の軸受ハウ
ジング81が貫通して溶接等で固着されている。図示移
送フレーム87の両側に延出した軸受ハウジング81の
両端部にはころがり軸受80,80が外輪側で装着され
ている。次に、駆動軸77には両側に軸受部77aと軸
受部77bとが形成されていて、前記ころがり軸受8
0,80の内輪側に装着されて回転可能に支承されてい
る。さらに、図示右側の軸受部77aにはスラスト方向
にカラー79とタイヤフランジ74を挾んでワッシャー
75を介してナット76,76によって締め付け固着す
る。またタイヤフランジ74と軸受部77aの間にはキ
ー78を挿入して軸受部77aとタイヤフランジ74と
の間に回転すべりを生じないようにする。このタイヤフ
ランジ74の外周には移送車輪71であるゴム製の空気
入りタイヤがハブ72を介してボルト73,73,…で
固着されている。次に、図示左側の軸受部77bにはカ
ラー84を挾んでプーリ82をナット86で締め付け固
着する。またプーリ82と軸受部77bとの間にはキー
85を挿入して、軸受部77bとプーリ82との間で回
転すべりが生じないようにする。このプーリ82には大
径プーリ82aと小径プーリ82bが形成されている。
このようにしてプーリ82と移送車輪71とが固着一体
関係をなして回転する。こうして構成された移送車輪7
1,71,…は相互に隣り合う移送車輪71,71の大
径プーリ82aと小径プーリ82b間毎にVベルト83
を巻き掛けて連結されている。このような連結構成にお
いて、一方からVベルト83を駆動すると、次々にVベ
ルト83,83,…を経て移送車輪71,71,…が駆
動され、かつ移送車輪71回転数は矢印90の方向に向
うに従って次第に大きくなり、よってその周縁部71
a,71a,…の周縁速度も矢印90方向に向うに従っ
て大きくなる。握索機60の摩擦板63は移送車輪7
1,71,…の周縁部71a,71a…に順番に当接し
て摩擦移送されて軌条67を転走し、次第に移送速度が
大きくなるように加速される。
【0006】前記した構成において摩擦板63の有効長
さは、並設された2つの移送車輪71,71の間隙と同
等以上の長さに定められるようになされているが、これ
は移送車輪71,71,…による摩擦板63の移送が断
続することなく、少なくとも1輪の移送車輪71が摩擦
板63に接して握索機60の加速移送が行なわれるよう
にするためである。
【0007】ターミナルの到着側の軌条に沿って配備さ
れた減速移送装置については、握索機の進行方向に向っ
て隣り合う移送車輪を小径プーリと大径プーリの順番に
Vベルトを巻き掛けて連結し、移送車輪の回転速度が次
第に小さくなるようにして、よって周縁速度も遅くして
握索機を減速移送する。加速移送装置と減速移送装置の
異なる点は、搬器の進行方向に対してVベルトをプーリ
に巻き掛ける時のプーリ径の大小の順番が違うだけで、
機械的な構造は同一であるために詳細な構造についての
説明は省略する。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】ところが図5に示した
加速移送装置70の場合において、2つの移送車輪71
A(71)と71B(71)とに亘って摩擦板63が当
接している状態について検討すると、前記した構造で、
大径プーリ82aの径をD1、小径プーリ82bの径を
2 として、大径プーリ82a側の移送車輪71A(7
1)の周縁速度をV1 とした時、小径プーリ82b側の
移送車輪71B(71)の周縁速度V2 はV2 =V1 ×
(D1 /D2 )となる。従って両方の移送車輪71A
(71)と71B(71)に亘って当接している摩擦板
63との間には何れかの箇所でスリップ(辷り)を生じ
ている。
【0009】このようなスリップの発生は、搬器60の
加速あるいは減速に対して逆方向に作用するために、加
速移送装置または減速移送装置を駆動するための専用の
電動機または索条の駆動滑車からチェーン等によって駆
動力を取り出す場合においてもスリップによるエネルギ
ーの消耗を補うだけの駆動装置の容量を大きくしなけれ
ばならない原因となっている。さらに、この他にもゴム
製の移送車輪71,71,…やVベルト83,83,…
の摩耗や、スリップによる摩擦騒音の原因ともなってい
る。こうした各種の弊害に対する改善が希まれている。
【0010】これに対応して先行技術として、特開昭6
3−2765号公報で開示されたものがある。この技術
では握索機乃至搬器移送する車輪と、この車輪を駆動す
るプーリとの間に「ころクラッチ」を介在させ、かつツ
ル巻ばねを移送車輪内に挿入して組立てたものである。
この技術によれば、移送車輪と握索機の摩擦板とのスリ
ップは解消されるが、ツル巻ばねがプーリと移送車輪の
間に封入されているために組立作業が困難であること
や、駆動力を伝達するころ状のボルトの頭部と、移送車
輪を取付けたハブとは線接触になっており摩耗が早いこ
となどの問題点が残されている。
【0011】この考案はこのような事情を改善するため
になされたものであって移送車輪と摩擦板との間の辷り
を生じないようにすると共に、耐摩耗性があり、組立作
業の容易な装置の提供を目的としてなされたものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本考案は、前記目的に対
応してなされたものであって、両端のターミナルの滑車
間を循環する索条に、搬器を懸垂した握索機を握索させ
て索道線路中の搬器運行を行ない、前記ターミナルにお
いて前記握索機は前記索条を放索し、軌条に沿って減
速、折返し回送および加速の過程を経て転走させ、再び
前記索条を握索して前記索道線路へ出発するようになさ
れて輸送が行なわれる自動循環式索道において、前記加
速または減速のための加速移送装置または減速移送装置
は駆動軸と前記駆動軸によって駆動されるべき移送車輪
とを一組として、これを複数組並列に枢設し、隣り合う
前記移送車輪間ごとに周縁部が速度差を有して回転する
ように連結し、前記周縁部で前記握索機を摩擦移送する
ものであって、前記複数組の移送車輪はそれぞれ従動側
である該移送車輪と、駆動側である前記駆動軸との間に
クラッチ手段を介在させたのを用いてなり、前記クラッ
チ手段は、駆動側から延出した突起部と従動側から延出
した突起部とを噛合せ、かつ、トルク伝達方向に遊げき
を設けた噛合いクラッチであり、駆動側と従動側との間
で作用するバネ手段を装着して構成されたものである。
【0013】
【作用】加速、減速移送装置は自動循環式索道のターミ
ナルの加速区間および減速区間に沿って設けられて、複
数の移送車輪を並設して構成したものである。加速移送
装置の場合には、これらの移送車輪を握索機の進行方向
に向って、該移送車輪の周縁速度が大きくなるように回
動させて、周縁部によって握索機の摩擦板を押圧しなが
ら摩擦力で加速移送する。また減速移送装置の場合には
移送車輪を握索機の進行方向に向って該移送車輪の周縁
速度が小さくなるように回動させて周縁部によって握索
機の摩擦板を押圧しながら摩擦力で減速移送する。
【0014】ここで加速移送装置および減速移送装置の
移送車輪と該移送車輪を回動するための駆動軸との間に
クラッチ手段を介在させる。
【0015】加速移送装置においては移送車輪が駆動軸
より遅く回転しようとした場合にはクラッチ手段によっ
て駆動軸と移送車輪とが連結されて回転する。しかし移
送車輪の方が早く回転しようとするとクラッチ手段によ
る連結は解かれて遊転を許容する。こうして握索機が加
速移送装置に進入して、隣接する2つの移送車輪に握索
機の摩擦板が当接して移送される時、握索機は周縁速度
が大きい方の移送車輪によって有効に加速され、周縁速
度が小さい方の移送車輪は握索機に追従して駆動軸より
進み回転するので握索機の摩擦板と移送車輪との間には
辷りを生じない。また減速移送装置においては、移送車
輪が駆動軸より早く回転しようとした場合にはクラッチ
手段によって駆動軸と移送車輪とが連結されて回転す
る。しかし移送車輪の方が遅く回転しようとするとクラ
ッチ手段による連結が解かれて遊転を許容する。こうし
て握索機が減速移送装置に進入して隣り合う二つの移送
車輪に握索機の摩擦板が当接して移送される時、握索機
は周縁速度が小さい方の移送車輪によって有効に減速さ
れ、周縁速度が大きい方の移送車輪は握索機に追従して
駆動軸より遅れて回転するので、同様にして握索機の摩
擦板と移送車輪との間には辷りを生じない。
【0016】さらに本考案におけるクラッチ手段は駆動
軸に対す移送車輪の遊転範囲を隣接する移送車輪の周縁
速度差を吸収できる範囲に制限することによって、加速
移送装置では、加速時においては所定の速度以上の握索
機の逸走を防止し、減速移送装置では、減速時において
は所定の速度以下の握索機の停滞または逆走を防止する
ように作用する。
【0017】
【実施例】(第1の実施例) 以下、本発明の第1の実施例について記す。
【0018】図1はターミナル1における加速移送装置
7、減速移送装置5の配設関係を示したものである。
【0019】ターミナル1に枢設した滑車2には索条3
を巻き掛け、折返されて矢印9の方向に循環する。放索
点であるA点附近からB,C,D点を経て、握索点であ
るE点に到る間には、軌条4が配設されている。またB
点〜C点〜D点間には回送移送装置6が設けられてい
る。索道線路8方向より索条3と共にターミナル1に到
達した搬器(図1に図示していない。)はA点附近で放
索して軌条4を転走し、減速移送装置5で減速される。
B点からD点に到る間に回送移送装置6によって折り返
し回送されると共に、この間に乗客の扱いが行なわれ
る。次に、D点〜E点間では、加速移送装置7によって
加速され、E点附近において索条3を握索し、再び索道
線路8方向に出発する。
【0020】ここで加速移送装置7の場合を図2に示
す。加速移送装置7には、軌条4に沿って空気入りタイ
ヤでできた複数の移送車輪35,35,…が並列に設け
られている。即ち移送フレーム45(図2においては図
示省略)に枢支した駆動軸27,27,…にはそれぞれ
移送車輪35,35,…が枢着されており、かつ、それ
ぞれの駆動軸27と移送車輪35との間にはクラッチ手
段20が介在している。また、それぞれの駆動軸27に
は、大径プーリ39aと小径プーリ39bを形成したプ
ーリ39が嵌着されている。これらの隣り合う移送車輪
35,35,…の相互間毎に、大径プーリ39aと小径
プーリ39bとの間毎にベルト41が巻き掛けられてい
る。駆動手段によってVベルト41,41,…で移送車
輪35,35,…を次々に回転させ、また握索機10の
進行方向である矢印17の方向に向かうに従って移送車
輪35,35,…の周縁部35a,35a…の周縁速度
が次第に大きくなるようになされている。
【0021】握索機10にピン11,11で枢着された
ローラ12,12により軌条4を転走すると共に、該握
索機10の摩擦板13が移送車輪35,35,…の周縁
部35a,35a…に当接して摩擦力によって矢印17
方向へ次第に加速される。
【0022】次に駆動軸27および移送車輪35と、こ
の間に介在するクラッチ手段20の構成の詳細は図3
(a),(b)および(c)に図示する。
【0023】図3(a)において断面が“□”型筒状で
長尺の移送フレーム45に円筒形の軸受ハウジング36
を貫通して溶接等で固着する。こうして移送フレーム4
5に固着された軸受ハウジング36の図示両端部からこ
ろがり軸受30,30を外輪側で嵌着する。次に駆動軸
27を両側に形成した軸受部27a,27bを、ころが
り軸受30,30の内輪側に挿入して、軸受36に回転
可能に支承する。この時軸受部27aと27bが軸受ハ
ウジング36の両端から延出するようになす。該軸受ハ
ウジング36の図示左側の軸受部27bにはカラー38
とプーリ39が順番に挿入され、ナット42で締め付け
られて抜け止めがなされている。また軸受部27bとプ
ーリ39の間にはキー40が挿入されて駆動軸27とプ
ーリ39の間で辷りが生じなようにして、Vベルト41
の駆動力が駆動軸27に確実に伝達するようになす。前
記したプーリ39には小径プーリ39bと大径プーリ3
9bが形成されて隣り合う移送車輪35,35の大径プ
ーリ39aと小径プ―リ39aの順にVベルト41,4
1が巻き掛けられている。
【0024】次に軸受ハウジング36の図示右側に延出
した軸受部27aにはカラー38とクラッチ板21が挿
入されて、ワッシャ28を介してナット29,29で軸
方向に締め付けられて、抜け止めがなされている。また
軸受部27aとクラッチ板21の間にはキー31が嵌着
されて駆動軸27とクラッチ板21とが一体で回転する
ようになす。
【0025】次に該クラッチ板21のボス部21cの外
周に、ころがり軸受30,30を介してタイヤフランジ
22を枢着する。さらに該タイヤフランジ22の外周に
は移送車輪35がハブ34を介して円周上に配置したボ
ルト33,33,…で固着する。次に図3(b),
(c)に示すようにタイヤフランジ22とクラッチ板2
1の間に構成したクラッチ手段20はダイヤフランジ2
2の図示右側に駆動軸27と同芯でリング状の突起部2
2dを軸方向に延出して、さらに周長L1 の切欠き22
a,22aを対称位置にて2ヶ所形成する。次にクラッ
チ板21側からは、前記タイヤフランジ22の突起部2
2dにある切欠き22a,22aに適合する周長L2 の
円弧状の突起部21a,21aを円周上の対称位置で図
示左側に延出してタイヤフランジ22の突起部22d,
22dと2ヶ所で円周方向に当接するようになす。この
時、タイヤフランジ22の突起部22dとクラッチ板2
1の突起部21aとの間には図示するように周長L3 の
遊げき22bができるようにする。次にタイヤフランジ
22とクラッチ板21の間で形成したリング状の空間部
22eに、バネ手段であるねじりバネ32を装着して、
一端のフック32aをタイヤフランジ22の係合溝22
cに係止し、他端のフック32bはクラッチ板21の係
合穴21bに係止する。こうして、ねじりバネ32によ
ってタイヤフランジ22とクラッチ板21の間にねじり
モーメントが発生するようになす。
【0026】図4(a),(b)は前記した構造のクラ
ッチ手段20を駆動軸27と移送車輪35のタイヤフラ
ンジ22との間に組み込んだ加速移送装置7および減速
移送装置5の作用について記す。
【0027】図1のターミナル1内に配設された回送移
送装置6により微速で回送されて、乗降客扱いが行なわ
れながら、出発側に転向された搬器16は加速移送装置
7に進入すると、図4(a)に示すように握索機10の
摩擦板13は図示左端の移送車輪35Aの周縁部35a
に当接する。この時、クラッチ手段20の状態は、駆動
軸27に嵌着したクラッチ板21の突起部21aの当接
面23aと、タイヤフランジ22の突起部22dの当接
面25aとおよび対称位置にある当接面24bと26b
とが同時に接して駆動軸27の矢印51の回転駆動力が
遊びなく移送車輪35Aに伝達されて矢印50の方向に
回転し、握索機10を隣り合う移送車輪35Bの矢印5
3の方向に向けて移送する。
【0028】次に、移送された握索機10の摩擦板13
が2つの移送車輪35Bと35Cに当接すると、移送車
輪35Bの周縁速度VB と、移送車輪35cの周縁速度
Cとの間には大径プーリ39aと小径プーリ39bの
割合だけVC >VB の関係となっており、周縁速度が早
い移送車輪35Cで加速されることになる。この時、周
縁速度が遅い方の移送車輪35Bの周縁部35aも摩擦
板13と接しているために移送車輪35Cに追従して駆
動軸27の回転速度より早い回転速度となる。クラッチ
手段20はクラッチ板21の突起部21aがタイヤフラ
ンジ22の突起部22dの切欠き22aを相対的に矢印
53の方向に移動する。従って、突起部21aの当接面
23a,24bと突起部22dの当接面25a,26b
とが離れて、移送車輪35Bと駆動軸27との連結関係
が解かれて、移送車輪35Bがクラッチ板21のタイヤ
フランジ22との間に係合されたねじりバネ32の復元
力に打ち勝って遊転する。次に、握索機10の摩擦板1
3が移送車輪35Bから離れると、ねじりバネ32の復
元力によって強制的にクラッチ板21の突起部21aと
タイヤフランジ22の突起部22dとが当接面23a,
25aと当接面24b,26bとが接するまで移送車輪
35Bは矢印52の方向に回転して、移送車輪35Aま
たは移送車輪35Dに示した駆動軸27の駆動力が移送
車輪35に伝達する状態にまで戻し、次に進入して来る
搬器16の握索機10の加速移送に備えるようになす。
加速移送装置7に枢着された各々の移送車輪35A,3
5B,35C,35D,…はクラッチ手段20によって
前記した動作を順番に繰り返しながら握索機10によっ
て徐々に搬器16を加速移送して、図1に示したターミ
ナル1のE点では高速で循環移送する索条3の速度にま
で加速する。
【0029】次に、減速移送装置5の作用について記
す。図1に示したように到着側の軌条4に沿って配設さ
れた減速移送装置5は、搬器16の進行方向に向って移
送車輪35,35,…の回転速度が漸次遅くなるように
隣り合う移送車輪35,35の大径プーリ39aと小径
プーリ39b間にVベルト41を巻き掛けて駆動する。
【0030】ターミナル1に搬器16が高速で到着し、
該搬器16の握索機10が索条3を放索して減速移送装
置5に進入し、図4(b)に示すように、握索機10の
摩擦板13が図示左端の移送車輪35Dに接すると、ク
ラッチ手段20はクラッチ板21の突起部21a,21
aの当接面23b,24aとタイヤフランジ22の突起
部22d,22dの当接面25b,26aとが各々接し
て駆動軸27の減速動力が移送車輪35Dに伝達されて
回転し握索機10を減速させる。さらに握索機10が矢
印55の方向に減速移送されて、摩擦板13が2つの移
送車輪35cと移送車輪35Bの両方に接すると、移送
車輪35Cの駆動軸27の回転速度より移送車輪35B
の駆動軸27の回転速度がおそいので、クラッチ手段2
0は、クラッチ板21の突起部21a,21aの当接面
23b,24aとタイヤフランジ22の突起部22d,
22dの当接面25b,26aとが接して、握索機10
の減速を行なう。他方、移送車輪35Cも握索機10の
摩擦板13に接しているので、移送車輪35Bの周縁速
度が等速となる。この時、移送車輪35Cのクラッチ手
段20はクラッチ板21の突起部21a,21aがタイ
ヤフランジ22の突起部22d,22dとに形成した切
欠き部22a,22aを矢印54の方向に相対的に回転
移動し、突起部21a,21aの当接面23a,24b
と、突起部22d,22dの当接面25a,26bとが
離れて、駆動軸27と移送車輪35cの連結関係が解除
される。こうして移送車輪35cがクラッチ板21とタ
イヤフランジ22との間に係合されたねじりバネ32の
復元力に打ち勝って遊転する。次に、握索機10が通過
して摩擦板13と移送車輪35cとが離れると、該移送
車輪35cをねじりバネ32の復元力によって強制的に
矢印50の方向に相対回転してクラッチ板21の突起部
21a,21aの当接面23b,24aと、タイヤフラ
ンジ22の突起部22d,22dの当接面25b,26
aとが接する。従って、移送車輪35cのクラッチ手段
20は、移送車輪35Dのクラッチ手段20の状態に戻
り、移送車輪35Cと駆動軸27とを連結状態にして、
次に進入して来る握索機10の減速移送に備えるように
なす。減速移送装置5に枢着された各々の移送車輪35
D,35C,35B,35A,…はクラッチ手段20に
よって、次々に前記した動作を繰り返し、握索機10を
介して搬器16を減速移送して、図1に示したターミナ
ル1のB点では回送速度である微速として、次の回送層
装置に移送するようになすものである。
【0031】(第2の実施例) 第2の実施例は、移送車輪に組込んだクラッチ手段に取
付けたねじりバネを別の形状としたものを用いた例であ
る。
【0032】図3(d)は第2の実施例のクラッチ手段
の構造を示した断面視、正面図である。クラッチ手段5
5は、タイヤフランジ57からリング状の突起部57d
を軸方向に延出して、2ヶ所に周長L1 の切欠き57
a,57aを対称位置に形成する。またクラッチ板56
からは周長L2 の円弧状の突起部56a,56aを延出
して切欠き57a,57a内に挿入しさらに突起部57
d,57dと円周方向に2ヶ所で当接するようになす。
この時、突起部56a,56aと突起部57d,57d
との間に周長L3 の遊げき57b,57bができるよう
になす。次に、クラッチ板56とタイヤフランジ57と
の間で形成した空間部59にリング状のねじりバネ58
を装着する。このねじりバネ58の両端部にはつる巻状
のフック58aを内側に向けまたフック58bを外側に
向けて形成し、フック58a側はクラッチ板56のボス
部56cの外周面に形成した半円状の係合溝56bに係
止し、フック58b側はタイヤフランジ57の突起部5
7dの内周面に形成した半円状の係合溝57cに係止す
る。こうして、ねじりバネ58によって、クラッチ板5
とタイヤフランジ57との間にねじりモーメントを発生
するようにしている。
【0033】上記した構造のクラッチ手段55の作用
は、第1の実施例と同様である。即ち、周縁速度差のあ
る2輪の移送車輪35,35に握索機10の摩擦板13
が当接すると、一方の移動車輪35は駆動軸27に対し
て遊転し、前記した2輪の移動車輪35,35の周縁速
度は等速となり、摩擦板13との間に辷りは生じない。
【0034】次に、遊転した移送車輪35が摩擦板13
から離れるとねじりバネ58の復元力によって、駆動軸
27と相対回転して、連結状態に戻り、次に進入して来
る握索機10の加減速移送に備えるのである。
【0035】
【考案の効果】自動循環式索道の加速移送装置と減速移
送装置に用いられる移送車輪は、従来、駆動軸に直結し
て回転する構造となされていた。しかし、握索機を加速
または減速するのであるから隣り合う移送車輪の周縁速
度は当然速度差がある。これに対して握索機を連続して
加速移送または減速移送するためには速度差のある移送
車輪の2輪に亘って握索機の摩擦板を当接させる移送区
間が必要である。従って、移送車輪と握索機の摩擦板
か、または駆動軸のプーリとベルト間で辷りが生じてい
た。このためゴム製の空気入りタイヤでできた移送車輪
あるいはゴム製のベルトが摩耗したり、あるいは辷りに
よる移送のための駆動動力乃至エネルギー損失の原因と
なっている。
【0036】本考案の装置においては、加速、減速移送
装置に用いる移送車輪と駆動軸との間にクラッチ手段を
介在して、加速移送装置では移送車輪が駆動軸に対して
進み側へ遊転可能となし、減速移送装置では移送車輪が
駆動軸に対して遅れ側に遊転可能となして、握索機が速
度差のある2輪の移送車輪に進入した場合は、移送車輪
の周縁速度が等速となって辷りを生じないようにしたも
のである。またクラッチ手段は、駆動軸の駆動力を移送
車輪に伝達する場合には面接触となる構造として頻回の
駆動力の断続があっても、伝達部分での摩耗を少なくし
て耐久性を向上し、さらにクラッチ手段に内装したねじ
りバネの復元力によって移送車輪が摩擦板に接していな
い場合には遊転を抑制して安定した加速または減速移送
を行なえる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の加速、減速移送装置の配設関係を示し
たターミナルの平面図である。
【図2】本考案の加速移送装置によって握索機を加速移
送する状態を示した正面図である。
【図3】(a)は、本考案の第1の実施例における移送
車輪を断面で示した側面図である。(b)は、第1の実
施例の移送車輪のクラッチ手段の部分を拡大して断面で
示した側面図である。(c)は、第1の実施例のクラッ
チ手段の構造を示した断面視正面図てある。(d)は、
第2の実施例のクラッチ手段の構造を示した断面視正面
図である。
【図4】(a)は、第1の実施例の加速移送装置で、ク
ラッチ手段の作用を図示した正面図である。(b)は、
第1の実施例の減速移送装置で、クラッチ手段の作用を
図示した正面図である。
【図5】従来の加速移送装置で握索機を加速移送する状
態を示した正面図である。
【図6】従来の加速、減速移送装置の移送車輪を断面で
示した側面図である。
【符号の説明】
1 ターミナル 2 滑車 3 索条 4 軌条 5 減速移送装置 6 回送移送装置 7 加速移送装置 8 索道線路 9 矢印 10 ピン 12 ローラ 13 摩擦板 14 ピン 15 懸垂機 16 搬器 17 矢印 20 クラッチ手段 20a 噛合部 21 クラッチ板 21a 突起部 21b 係合穴 21c ボス部 22 タイヤフランジ 22a 切欠き 22b 遊げき 22c 係合溝 22d 突起部 22e 空間部 23a,23b 当接面 24a,24b 当接面 25a,25b 当接面 26a,26b 当接面 27 駆動軸 27a,27b 軸受部 28 ワッシャー 29 ナット 30 ころがり軸受 31 キー 32 ねじりバネ 32a,32b フック 33 ボルト 34 ハブ 35 移送車輪 35a 周縁部 35A,35B 移送車輪 35C,35D 移送車輪 36 軸受ハウジング 37 ころがり軸受 38 カラー 39 プーリ 39a 大径プーリ 39b 小径プーリ 40 キー 41 Vベルト 42 ナット 45 移送フレーム 50,51,52 矢印 53,54 矢印 55 クラッチ手段 56 クラッチ板 56a 突起部 56b 係合溝 56c ボス部 57 タイヤフランジ 57a 切欠き 57b 遊げき 57c 係合溝 57d 突起部 58 ねじりバネ 58a,58b フック 59 空間部 60 握索機 61 ピン 62 ローラ 63 摩擦板 64 ピン 65 懸垂機 66 搬器 70 加速移送装置 71 移送車輪 71a 周縁部 71A,71B 移送車輪 72 ハブ 73 ボルト 74 タイヤフランジ 75 ワッシャー 76 ナット 77 駆動軸 77a,77b 軸受部 78 キー 79 カラー 80 ころがり軸受 81 軸受ハウジング 82a 大径プーリ 82b 小径プーリ 83 Vベルト 84 カラー 86 ナット 87 移送フレーム 90,91 矢印 L1 ,L2 ,L3 周長 V1 ,V2 周縁速度 D1 大径プーリ D2 小径プーリ A,B,C,D,E 点

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端のターミナルの滑車間を循環する
    索条に、搬器を懸垂した握索機を握索させて索道線路中
    の搬器運行を行ない、前記ターミナルにおいて前記握索
    機は前記索条を放索し、軌条に沿って減速、折返し回送
    および加速の過程を経て転走させ、再び前記索条を握索
    して前記索道線路へ出発するようになされて輸送が行な
    われる自動循環式索道において、前記加速または減速の
    ための加速移送装置または減速移送装置は駆動軸と前記
    駆動軸によって駆動されるべき移送車輪とを一組とし
    て、これを複数組並列に枢設し、隣り合う前記移送車輪
    間ごとに周縁部が速度差を有して回転するように連結
    し、前記周縁部で前記握索機を摩擦移送するものであっ
    て、前記複数組の移送車輪はそれぞれ従動側である該移
    送車輪と、駆動側である前記駆動軸との間にクラッチ手
    段を介在させたのを用いてなり、前記クラッチ手段は、
    駆動側から延出した突起部と従動側から延出した突起部
    とを噛合せ、かつ、前記両突起間にトルク伝達方向に遊
    げきを設けた噛合いクラッチであり、駆動側と従動側と
    の間で前記トルク伝達方向に作用するねじりバネ手段を
    装着したことを特徴とする自動循環式索道の加速、減速
    移送装置。
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DE3405038A1 (de) * 1984-02-13 1985-08-14 Zahnradfabrik Altona-Elbe Hans Meyer GmbH & Co KG, 2000 Hamburg Schaltkupplung
JP2696391B2 (ja) * 1989-04-21 1998-01-14 日本ケーブル株式会社 自動循環式索道の搬器間隔制御装置

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