JP2545718Y2 - 伸縮ブームの旋回動の最高速度制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、油圧式クレーンあるいは高所作業車に用
いられる伸縮ブームの旋回動の最高速度制御装置に関す
るものである。

（従来の技術） 伸縮ブームの旋回動を、スプリングセンタダブルパイ
ロット型の四方向三位置の油圧切換弁で以て制御するよ
う構成した油圧式クレーンあるいは高所作業車に用いら
れる伸縮ブームの旋回動の最高速度制御装置としては、
実開昭58−67899号により既に公知である。ここでは、
伸縮ブームの旋回動を、スプリングセンタダブルソレノ
イド型の四方向三位置の油圧切換弁で以て制御するよう
構成し、この四方向三位置の油圧切換弁の各ソレノイド
に、操作レバーの操作に関連する電圧を発生する操作電
圧発生器からの制御電圧を直接印加するように構成する
と共に、この操作電圧発生器の電源電圧を、伸縮ブーム
の作業半径に反比例するよう制御し、以て、旋回動の最
高速度を作業半径が大きいほど遅くなるようにしてい
る。

しかしながら、この様に構成した従来の伸縮ブームの
旋回動の最高速度制御装置は、四方向三位置の油圧切換
弁を直接電気制御信号で以て操作するものであるから、
消費電力が大きいという問題があった。またこの場合、
操作レバーが特定の操作状態であっても、旋回半径が大
きいと旋回速度が遅くなるので、操作レバーの操作量と
旋回速度の関係が一義的に定まらず、操作レバーの操作
が面倒であるという問題があった。

また、実公昭57−23439号に示されたように、四方向
三位置の油圧切換弁への圧油の供給油路に、電磁比例制
御式の絞り弁を介装し、この絞り弁の通過油量を、伸縮
ブームの作業半径に反比例するよう制御し、以て、旋回
動の最高速度を作業半径が大きいほど遅くなるようにし
たものがあるが、この様に構成したものにおいては、大
流量の電磁比例制御式の絞り弁を必要とするのみなら
ず、当該絞り弁の制御のための消費電力が大きいという
問題があった。

この考案は、上記従来技術の問題点を解決することを
目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、この考案の伸縮ブームの
旋回動の最高速度制御装置は、伸縮ブームの旋回動を、
スプリングセンタダブルパイロット型の四方向三位置の
油圧切換弁で以て制御するよう構成した油圧式クレーン
あるいは高所作業車であって、少なくとも前記四方向三
位置の油圧切換弁は、操作レバーの操作に対応するパイ
ロット圧を発生するパイロット圧発生手段から、一対の
パイロット管路を介して印加される油圧で以て操作され
るよう構成したものにおいて、前記一対のパイロット管
路に、これらパイロット管路の油圧の上限値を規定する
電磁比例制御式のリリーフ弁を関連連結し、このリリー
フ弁の制御圧を、前記伸縮ブームの長さ或いは作業半径
を検出する検出器からの信号で以て、伸縮ブームの長さ
或いは作業半径が大きいほど低く制御するよう構成した
のである。

（作用） この様な構成によれば、電磁比例制御式の弁として
は、小容量のリリーフ弁のみであり、このため消費電力
が従来のものに比べ極めて少なくてすむものである。ま
た、リリーフ弁は、スプリングセンタダブルパイロット
型の四方向三位置の油圧切換弁に作用するパイロット圧
の上限を規定するものであるので、操作レバーの操作量
と旋回速度の関係が一義的に定まり、操作レバーの操作
がやりやすいのである。

（実施例） 以下本考案の伸縮ブームの旋回動の最高速度制御装置
を移動式クレーンに実施した実施例を、第１図〜第２図
に基づいて説明する。

図において、Ａは移動式クレーンであって、車両１上
に旋回自在に搭載した旋回台２を介して旋回並びに起伏
自在に取り付けられた伸縮ブーム３を備えている。前記
伸縮ブーム３の旋回動（旋回台２の旋回動）は、旋回油
圧モータ４で行うようになっており、この旋回油圧モー
タ４の駆動制御は、スプリングセンタダブルパイロット
型の四方向三位置の油圧切換弁５で以てなされる。６
は、四方向三位置の油圧切換弁５に圧油を供給する油圧
ポンプである。

伸縮ブーム３の起伏動及び伸縮動も油圧的におこなわ
れるが、ここでは、説明を省略する。

前記四方向三位置の油圧切換弁５は、操作レバー７の
操作に対応するパイロット圧を発生するパイロット圧発
生手段８から、一対のパイロット管路9,10を介して印加
される油圧で以て操作されるよう構成している。前記一
対のパイロット管路9,10には、これらパイロット管路9,
10の油圧の上限値を規定する電磁比例制御式のリリーフ
弁11を関連連結している。そしてこの電磁比例制御式の
リリーフ弁11の制御圧は、前記伸縮ブーム３の長さ或い
は作業半径を検出する検出器12からの信号で以て、伸縮
ブーム３の長さ或いは作業半径が大きいほど低く制御す
るよう構成している。この例では、パイロット管路9,10
の油圧の上限値を規定する電磁比例制御式のリリーフ弁
11を、パイロット管路9,10に関連連結するにあたり、シ
ャットル弁13を介して連結しているが、このシャットル
弁13は、二個の逆止弁で代替してもよいこと勿論であ
る。

このように構成した伸縮ブームの旋回動の最高速度制
御装置は、操作レバー７の操作量とパイロット圧発生手
段８の発生油圧の関係を一義的に保ったままで、四方向
三位置の油圧切換弁５を操作するパイロット圧の上限
を、伸縮ブーム３の長さ或いは作業半径が大きいほど低
く制御するものであるから、旋回台２の旋回動の最高速
度を伸縮ブーム３の長さ或いは作業半径が大きいほど小
さく制御できるものでありながら、操作レバー７の操作
量と旋回速度の関係が一義的に定まり、旋回操作がやり
やすいのである。

また、電磁比例制御式の弁としては、小容量の電磁比
例制御式のリリーフ弁11のみであり、このため消費電力
が従来のものに比べ極めて少なくてすむものである。

（効果） 以上の如く構成し作用する本考案は、極めて簡単な構
成でありながら、消費電力が少なく、しかも操作レバー
の操作量と旋回速度の関係が一義的に定まった操作がや
りやすい、伸縮ブームの旋回動の最高速度制御装置を提
供することができるので、その実用上の効果大である。

【図面の簡単な説明】 第１図および第２図は、本考案の伸縮ブームの旋回動の
最高速度制御装置の説明図であって、第１図は、移動式
クレーンの説明図、第２図は、制御回路の説明図であ
る。 伸縮ブーム;3、四方向三位置の油圧切換弁;5、操作レバ
ー７、パイロット管路;9,10、電磁比例制御式のリリー
フ弁;11、伸縮ブームの長さ或いは作業半径を検出する
検出器;12、

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】伸縮ブームの旋回動を、スプリングセンタ
   ダブルパイロット型の四方向三位置の油圧切換弁で以て
   制御するよう構成した油圧式クレーンあるいは高所作業
   車であって、少なくとも前記四方向三位置の油圧切換弁
   は、操作レバーの操作に対応するパイロット圧を発生す
   るパイロット圧発生手段から、一対のパイロット管路を
   介して印加される油圧で以て操作されるよう構成すると
   共に、前記一対のパイロット管路に、これらパイロット
   管路の油圧の上限値を規定する電磁比例制御式のリリー
   フ弁を関連連結し、このリリーフ弁の制御圧を、前記伸
   縮ブームの長さ或いは作業半径を検出する検出器からの
   信号で以て、伸縮ブームの長さ或いは作業半径が大きい
   ほど低く制御するよう構成してあることを特徴とする伸
   縮ブームの旋回動の最高速度制御装置。