JP2545213Y2 - カートリッジ式固形化粧料の繰出容器 - Google Patents

カートリッジ式固形化粧料の繰出容器

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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、化粧料収納カートリッ
ジから棒状の固形化粧料を繰り出す繰出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、容器本体に着脱式のカートリ
ッジから棒状の固形化粧料を繰り出して使用する型式の
繰出容器は種々提案され、例えば、図10に示す本出願
人により提案された実公平2−38669号公報の繰出
容器がある。この公報においても開示されているよう
に、繰出容器の基本的な構造例は、棒状の固形化粧料3
を繰り出し自在に内部保持したカートリッジ2が筒形の
容器本体1に着脱されるようになっていて、固形化粧料
3は保持部材である芯チャック4に取り付けられて繰り
出し方向に押し出され、また使用後は引き戻されて収納
される。カートリッジ2の後端は尾栓7によって閉塞さ
れ、この尾栓7をリテーナとして芯チャック4との間に
はコイルスプリング8が介装してあり、このコイルスプ
リング8によって芯チャック4に保持された化粧料3を
カートリッジ2内に引き戻す方向に付勢し、コイルスプ
リング8に抗して化粧料3を繰り出すことになる。
【0003】カートリッジ2内で固形化粧料3を繰り出
し、逆に引き戻すときの進退機構は、容器本体1の筒内
周にスパイラル状雌ねじ(螺旋凹溝)1aが形成してあ
って、この螺旋凹溝1aには押出しロッド5がその雄ね
じ状の突起形成部5aを螺合させて、使用時はカートリ
ッジ2と容器本体1とを相対に回転操作することで、螺
旋凹溝1aと突起形成部5aとのねじ推進によって押出
しロッド5を進退動作させ、ロッド直線動でもってカー
トリッジ内の芯チャック4を後方から押し出し、固形化
粧料3の任意の長さ量をカートリッジ2から繰り出し、
使用後は引き込むものである。
【0004】また、押出しロッド5の進退ストロークは
制限され、これを規制するストッパ部1bが容器本体1
側で螺旋凹溝1aの先端部に設けられ、押出しロッド5
の突起形成部5aをストッパ部1bに突き当てて前進を
規制している。
【0005】また一方では、カートリッジ2と容器本体
1との相対回転を押出しロッド5に伝達して進退方向へ
の直線動作に変換する部材が必要である。即ち、押出し
ロッド5に回転を付与して進退動作をさせつつ自らは定
位置にて止まっている部材が必要である。実公平2−3
8669号公報の繰出容器の例では、定位置に止まる部
材をカートリッジ2に求め、このカートリッジ2をその
定位置に留め置くための部材としてプラグ6を設けてい
る。プラグ6は容器本体1の先端口に内周嵌合により固
定され、カートリッジ2はこのプラグ6を介して容器本
体に着脱されることになる。
【0006】そこで、プラグ6側には、カートリッジ2
を回転可能に支持しつつ、このカートリッジ2が押出し
ロッド5の前進に伴って一緒に移動してしまうのを阻止
するために、プラグ6の後端内周面に環状で凸状の移動
制止リブ6aを設け、この移動制止リブ6aをカートリ
ッジ2後端の尾栓7に設けた環状の係止凹溝7aに係合
させている。また、尾栓7の中心には例えばスプロケッ
トまたはセレーションと呼ばれるような回転駆動溝7b
が設けられ、押出しロッド5はこの尾栓7に挿通してカ
ートリッジ2内部に進入する際、回転を付与されつつ進
退動作が可能となる。即ち、尾栓7の回転駆動溝7bに
摺接可能でしかも回転を付与されるよう、押出しロッド
5の断面の形状は尾栓7側の回転駆動溝7bに相似形状
に形成してある。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】ところで、この公報に
よる繰出容器にあっては解決すべき次の問題がある。そ
の1つは、使用を終えて化粧料3をカートリッジ2内に
引き込める際、或いは使用開始するにあたり最適量の化
粧料3の繰り出しのためにカートリッジ2から出入り量
を微調整する際、コイルスプリング8の力によって押出
しロッド5が急激に戻されたり、必要以上に引き込めら
れてしまうことである。
【0008】また1つは、図示のように押出しロッド5
の突起形成部5aがストッパ部1bに突き当って前進を
阻止された位置は、芯チャック4がカートリッジ2内の
最先端まで移動して、化粧料3が使用を繰り返して最短
長さにまで消耗したことを意味する。使用者はそのこと
に気がつくまで、繰り出そうと試みて突起形成部5aが
ストッパ部1bに突き当ってそれ以上繰り出しができな
くなった瞬間、弾みでカートリッジ2と容器本体1との
相対回転にかなり大きな力が加えられ、それで初めて化
粧料3を使い切ったことを認識する。そのため、直接衝
撃が加わる突起形成部5a及びストッパ部1bを含む内
部機構に無理が生じ、ときには破損などにより再使用で
きなくする場合もある。
【0009】前者の問題に対しては、化粧料3の引き戻
し時は、コイルスプリング8のばね力による引き戻し力
に抗した抵抗力を押出しロッド5に付与することが考え
られる。また、後者の問題に対しては、化粧料3を使い
切った段階で押出しロッド5に付与される前進力を解除
することにより、それ以上繰り出しの回転を試みても無
駄であることを使用者に認識させることである。
【0010】そこで、本考案は、化粧料のばね力による
引き戻しにある程度の抵抗力を付与することで操作感を
向上させ、化粧料を使い切った段階でそれを使用者に認
識させ、無理な繰り出し回転力による損傷などから保護
するようにしたカートリッジ式固形化粧料の繰出容器を
提供することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本考案によるカートリッジ式固形化粧料の繰出容器
は、内周に雌ねじ状の螺旋凹溝12を設けた容器本体で
ある外装筒11と、外装筒11に筒先端口から着脱可能
で内部保持した固形化粧料22を繰り出すカートリッジ
Cと、外装筒11内の螺旋凹溝12に螺合する雄ねじ状
の突起形成部15を介してねじ推進により進退動作し、
カートリッジCに後端から挿通し固形化粧料22を後方
からばね部材25に抗して押し出して繰り出す押出しロ
ッド13と、を備えている。
【0012】この押出しロッド13が挿通するカートリ
ッジ後端は、押出しロッド13に回転を付与するが進退
方向への直線動作も可能とする形状とされ、外装筒11
とカートリッジCとの相対的な回転操作によって押出し
ロッド13を進退させる繰出容器である。
【0013】かかる繰出容器において、カートリッジ後
端に後方から当接する位置で押出しロッド13の外周に
摺接可能に弾性リング39を嵌着させて設け、押出しロ
ッド13の基端部を前記弾性リング39の摺接を解除す
る細径のクラッチ部とした構成となっている。
【0014】
【作用】カートリッジCに収容されている固形化粧料2
2を使用に好適な最小限長さに繰り出す。このとき、一
方のカートリッジ本体20を握持固定して、他方の容器
本体10の外装筒11を回転させるか、もしくは一方の
カートリッジ本体20を回転させた場合は、他方の容器
本体10側の外装筒11を固定するなどし、双方を相対
に回転させる。
【0015】この相対的な回転操作によって、外装筒1
1内の押出しロッド13にはカートリッジ本体20の尾
栓24から回転が伝達され、押出しロッド13は外装筒
11の螺旋凹溝12に螺合した突起形成部15を介して
ねじ推進する。押出しロッド13の前進動作によって固
形化粧料22をカートリッジ本体20の先端口から繰り
出す。使用終了後は、先の繰り出し時と逆の相対回転に
より固形化粧料22をカートリッジ本体20内に引き込
めて収納する。即ち、押出しロッド13の後退動作によ
って、それまでばね部材25に抗して繰り出されていた
固形化粧料22は、逆に芯チャック21をばね部材25
の収縮弾性力でカートリッジ本体20内の定常位置まで
に引き込められて収められる。
【0016】押出しロッド13の前進時は、ばね部材2
5の弾性力と相まって弾性リング39との摺接抵抗力が
付加され、使用者に適度な繰り出し操作感を与える。反
対にロッド後退時は、ばね部材25による急激な戻りを
弾性リング39の摺接抵抗力で相殺させることができ
る。
【0017】使用を繰り返して、固形化粧料22が消耗
により短くなると、それに相応して押出しロッド13の
前進ストロークも長くなり、やがては突起形成部15が
プラグ30の後端のストッパ部37に近づくと、螺旋凹
溝12の切り終わりに達し、突起形成部15と螺旋凹溝
12との螺合が解除され、押出しロット13及び突起形
成部15は自由となる。この段階で、図2に示すよう
に、押出しロッド13の基端部のクラッチ部16が弾性
リング39の位置に来るので、押出しロッド13は弾性
リング39の摺接抵抗からも解放される。
【0018】この時点で、使用者は相対回転が空回りで
あることを認識し、カートリッジ本体20と外装筒11
との相対回転に無理が掛からず、容器を保護できる。固
形化粧料22が使用不可の長さであれば、カートリッジ
C自体の交換、もしくは芯チャック21に新たな固形化
粧料22を取り付け直すなどして対応する。
【0019】
【実施例】以下、本考案によるカートリッジ式固形化粧
料の繰出容器の実施例を図面に基づいて説明する。
【0020】図1において、筒状の容器本体10にはカ
ートリッジCが着脱自在である。カートリッジ本体20
の内部には芯チャック21が摺動可能に設けられ、この
芯チャック21に保持させた棒状の固形化粧料22の必
要量を使用時にカートリッジ本体20の先端口から繰り
出し、または引き込めて収納することができる。カート
リッジ本体20の後半部は外径を一段小さくして成形し
た挿入部23となっていて、この挿入部23を容器本体
10の外装筒11に固定したプラグ30に挿し込むこと
ができるようになっている。
【0021】挿入部23の後端は尾栓24で閉塞されて
いる。この尾栓24と芯チャック21との間にはコイル
スプリング等によるばね部材25が装着され、芯チャッ
ク21に保持された化粧料22はこのばね部材25に抗
して、外装筒11内に収容された押出しロッド13によ
り図の左方向に押し出されて繰り出すことができるよう
になっている。
【0022】図3及び図4に示すように、押出しロッド
13の外周には複数の凸形状の回転受動リブ14が放射
状でロッド長手方向に延びて設けてある。こうした断面
形状の押出しロッド13は図1で示された前記カートリ
ッジ尾栓24に摺接可能に挿通している。カートリッジ
尾栓24には押出しロッド13の断面形状に相似の回転
駆動孔24aが貫通して設けてあり、こうした相似形断
面による摺接で押出しロッド13には、尾栓24の回転
駆動孔24aを介してカートリッジ本体20からの回転
付与が可能となり、しかも押出しロッド13の軸線方向
への摺動が可能となる。
【0023】ここで、容器本体10の外装筒11内に設
けられた押出しロッド13を含め固形化粧料22を繰り
出す繰り出し機構は以下の通りである。外装筒11の内
周面には雌ねじとしての螺旋凹溝12が形成され、この
螺旋凹溝12に押出しロッド13が螺合している。即
ち、再び図3及び図4に示すように、押出しロッド13
の後端には雄ねじ状の突起形成部15が一体成形で設け
てあり、突起形成部15を螺旋凹溝12に雌雄ねじの関
係で螺合させている。押出しロッド13は全長にわたっ
てその外周に回転受動リブ14が設けてあるから、カー
トリッジCと容器本体10とを相対に回転させたとき、
この回転がカートリッジ尾栓24の回転駆動孔24aに
よって押出しロッド13に伝達され、突起形成部15の
螺旋凹溝12とのねじ推進により押出しロッド13の進
退動作させるのである。即ち、カートリッジ尾栓24と
の係合により、押出しロッド13にカートリッジ本体2
0の回転を付与しつつ、軸線方向への進退動作を可能と
している。この押出しロッド13の直線動作をカートリ
ッジ本体20内蔵の芯チャック21に伝達し、芯チャッ
ク21に保持された化粧料22を繰り出しまたは繰り込
む構成である。
【0024】図5〜図7に示すプラグ30は、このよう
な繰り出し機構で接続されたカートリッジCと容器本体
10とを媒介する部材である。プラグ30は、容器本体
10の外装筒11の先端口に嵌合固定される。プラグ3
0のほぼ中央部には外装筒11の先端口に落し込みで係
合させるアンダカット部31、32が設けてある。アン
ダカット部31、32から前方の先端部は外装筒11の
先端口から外部に突出したキャップ用装着部33となっ
ている。この装着部33の外周面にはカートリッジCを
被覆保護するキャップ40が差し込まれ、内周面にはカ
ートリッジ本体20の後部に段差加工で設けた挿入部2
3が摺接により着脱可能で、段差部まで突当てて嵌合で
きるようになっている。アンダカット部31、32の後
方の部分は外装筒11の先端部内周面に嵌着して固定さ
れる部分である。さらにその後方には、カートリッジ本
体を保持するカートリッジ保持片34が設けられてい
る。
【0025】プラグ30のカートリッジ保持片34は、
スリット36を設けることで弾性を有し、その後端内周
に沿って保持リブ35が環状に設けられ、この保持リブ
35を図1で示したカートリッジ本体20の挿入部23
に設けた環状の係止溝26に係合させている。従って、
プラグ30を介してカートリッジ本体20は外装筒11
に着脱自在でかつ定位置で相対的に回転可能に支持され
る。なお、カートリッジ保持片34は、スリット36で
弾性を有するので、カートリッジCのプラグ30への差
し込み装着を容易にしている。
【0026】また、プラグ30は、スリット36部分か
らさらに後方に延びてストッパ部37を有し、このスト
ッパ部37は円筒形に形成されて押出しロッド13が挿
通可能であり、ストッパ部37で押出しロッド13の前
進動作を規制するとともに、ストッパ部37の内側に設
けた弾性リング39が外装筒11に入り込むのを防止し
ている(図2参照)。
【0027】ストッパ部37の内側に設けた弾性リング
39は、本考案の要旨部材の1つであり、ゴム製であ
る。この弾性リング39は、内周側が押出しロッド13
の外周面に弾性でもって摺接することにより、押出しロ
ッド13に対して摺動抵抗を付与できるよう形状的な仕
様に設定されている。これにより、化粧料繰り出し時に
押出しロッド13の進出に抵抗を与え、繰り出し時の良
好な操作感を使用者に付与できるようになっている。ま
た、逆に繰り込み時は、カートリッジ本体20内のばね
部材25によって押出しロッド13の後退に抵抗を与
え、急激な戻りを和らげることができる。
【0028】更に、弾性リング39に関連するものとし
て、押出しロッド13には本考案の要旨構造が設けられ
ている。図3に示すように、押出しロッド13の後端側
で突起形成部15に隣接する位置には、ロッド本体の外
周径よりも小さく細径に段差加工されたクラッチ部16
が設けてある。弾性リング39の内周径はロッド外周に
摺接して適度な弾性抵抗を付与できるよう設定してあ
る。したがって、弾性リング39が押出しロッド13の
クラッチ部16に来たときは、弾性リング39と押出ロ
ッド13の係合が自由な状態になって解除され、弾性抵
抗力の付与を断ち切るようになっている。
【0029】このとき、更に、弾性リング39との関連
のみばかりでなく、突起形成部15と螺旋凹溝12との
螺合解除により押出しロッド13への回転伝達を解除す
るようになっている。なお、クラッチ部のような細径部
により、カートリッジ尾栓24の回転駆動孔24aと押
出ロッド39の係合関係を解除するようにして、押出し
ロッド13への回転伝達を解除するようにしてもよい。
【0030】ちなみに、こうした解除の状態は、押出し
ロッド13を基端一杯まで前進させたの最大ストローク
時であり、化粧料22を最大限繰り出したときか、もし
くは化粧料22を消耗して使い切った段階を意味してい
る。
【0031】次に、以上の構成による実施例の繰出容器
の動作及び作用を図1及び図2を中心に説明する。図1
のようにキャップ40を被せた保管状態にあっては、カ
ートリッジCは容器本体10側にプラグ30を介して装
着されている。使用に際して、まずキャップ40をプラ
グ30の装着部33から抜き外して別に保管し、カート
リッジCを使用可能に開放する。
【0032】これより、カートリッジCに収容されてい
る固形化粧料22を使用に好適な最小限長さに繰り出
す。このとき、一方のカートリッジ本体20を握持固定
して、他方の容器本体10の外装筒11を回転させる
か、もしくは一方のカートリッジ本体20を回転させた
場合は、他方の容器本体10側の外装筒11を固定する
などし、双方を相対に回転させる。
【0033】この相対的な回転操作によって、外装筒1
1内の押出しロッド13にはカートリッジ尾栓24の回
転駆動孔24aにより回転が伝達され、押出しロッド1
3は外装筒11の螺旋凹溝12に螺合した突起形成部1
5を介してねじ推進する。押出しロッド13の前進動作
で、カートリッジ本体20内ではばね部材25に抗して
押出しロッド13がそのロッド先端で芯チャック21を
後方から押し、この芯チャック21に保持された棒状の
固形化粧料22をカートリッジ本体20の先端口から繰
り出す。使用終了後は、先の繰り出し時と逆の相対回転
により固形化粧料22をカートリッジ本体20内に引き
込めて収納する。即ち、押出しロッド13の後退動作に
よって、それまでばね部材25に抗して繰り出されてい
た固形化粧料22は、逆に芯チャック21をばね部材2
5の収縮弾性力でカートリッジ本体20内の定常位置ま
でに引き込められて収められる。
【0034】押出しロッド13の前進時は、ばね部材2
5の弾性力と相まって弾性リング39との摺接抵抗力が
付加され、使用者に適度な繰り出し操作感を与える。反
対にロッド後退時は、ばね部材25による急激な戻りを
弾性リング39の摺接抵抗力で相殺させることができ
る。
【0035】使用を繰り返して、固形化粧料22が消耗
により短くなると、それに相応して押出しロッド13の
前進ストロークも長くなり、やがては突起形成部15が
プラグ30の後端のストッパ部37に突き当たる。この
段階で、図2に示すように、押出しロッド13の基端部
のクラッチ部16がカートリッジ尾栓24の回転駆動孔
24aに到達し、係合自由となって回転伝達を解除さ
れ、同時に弾性リング39との摺接抵抗からも解放され
る。
【0036】この時点で、使用者は相対回転が空回りで
あることを認識し、カートリッジ本体20と外装筒11
との相対回転に無理が掛からず、容器を保護できる。固
形化粧料22が使用不可の長さであれば、カートリッジ
C自体の交換、もしくは芯チャック21に新たな固形化
粧料22を取り付け直すなどして対応する。
【0037】かかる必要に応じて、新規カートリッジC
を着装する場合、カートリッジ本体20の後部の挿入部
23を容器本体10側の外装筒11にプラグ30を介し
て嵌合により挿入する。挿入時、プラグ側固定部34の
移動制止リブ35にカートリッジ本体20側の係止溝2
6が係合し、これでカートリッジ本体20を定位置で回
転可能に支持すると共に、前後方向への移動は制止す
る。
【0038】一方、図8及び図9は、本考案の第2実施
例を示す。これによると、前記第1の実施例のように螺
旋筒50の突当て端部52により押出ロッドの引き戻し
と共に弾性リングが螺旋筒50に入り込むのを防止して
いる。また、外装筒11の後部内周に螺旋筒50を嵌合
固定して設け、この螺旋筒50に第1実施例の螺旋凹溝
12と同様な機能する螺旋雌ねじ51を設けると共に、
この雌ねじ先端部に第1実施例のプラグ30のストッパ
部37に代わる突き当て端部52を設けた構成である。
したがって、この第2実施例においては、弾性リング3
9による作用のみを得る構成である。その他の部材の説
明は第1実施例で対応する部材と同一符号を付して省略
する。
【0039】
【考案の効果】以上説明したように、本発明によるカー
トリッジ式固形化粧料の繰出容器は、化粧料を繰り出す
押出しロッドの基端部に外径が一回り細いクラッチ部を
設け、またロッド外周に適度な摺接抵抗力を付与する弾
性リングを装着したことで、化粧料のばね力による引き
戻しにある程度の抵抗力を付与することで操作感を向上
させ、化粧料を使い切った段階でクラッチ部によりロッ
ドへの回転付与を断ち切って空回りことで、使用者に化
粧料の使い切りによる消耗を認識させ、無理な繰り出し
回転力による損傷などから容器を保護することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のカートリッジ式固形化粧料の繰出容器
の実施例を示すその使用前保管時の部分断面正面図
【図2】実施例のカートリッジ式固形化粧料の繰出容器
の繰り出し使用中の形態を示す部分断面正面図
【図3】実施例の押出しロッドの半断面による正面図
【図4】実施例の押出しロッドの左側面図
【図5】実施例のプラグのA−A線断面による部分断面
正面図
【図6】プラグの右側面図
【図7】実施例のプラグのB−B線断面による部分断面
正面図
【図8】本考案の第2実施例における繰出容器の使用前
保管時の部分断面正面図
【図9】第2実施例の繰り出し使用中の形態を示す部分
断面正面図
【図10】従来例として本願出願人により提案された繰
出容器の使用前保管時の部分断面正面図
【符号の説明】
10・・容器本体、 11・・外装筒、 12・・螺旋凹溝、 13・・押出しロッド、 14・・回転受動リブ、 15・・突起形成部、 16・・クラッチ部、 20・・カートリッジ本体、 21・・芯チャック、 22・・固形化粧料、 23・・挿入部、 24・・尾栓、 24a・回転駆動孔、 25・・ばね部材、 26・・係止溝、 30・・プラグ、 33・・キャップ装着部、 35・・移動制止リブ、 37・・ストッパ部 39・・弾性リング。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周に雌ねじ状の螺旋凹溝12を設けた
    容器本体である外装筒11と、 外装筒11に筒先端口から着脱可能で内部保持した固形
    化粧料22を繰り出すカートリッジCと、 外装筒11内の螺旋凹溝12に螺合する雄ねじ状の突起
    形成部15を介してねじ推進により進退動作し、カート
    リッジCに後端から挿通し固形化粧料22を後方からば
    ね部材25に抗して押し出して繰り出す押出しロッド1
    3と、を備え、 押出しロッド13が挿通するカートリッジ後端を押出し
    ロッド13に回転を付与するが進退方向への直線動作も
    可能とする形状にして、外装筒11とカートリッジCと
    の相対的な回転操作によって押出しロッド13を進退さ
    せる繰出容器であって、 カートリッジ後端に後方から当接する位置で押出しロッ
    ド13の外周に摺接可能に弾性リングを嵌着させて設
    け、押出しロッド13の基端部を前記弾性リングの摺接
    を解除する細径のクラッチ部としたことを特徴とするカ
    ートリッジ式固形化粧料の繰出容器。
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