JP2545063Y2 - 充電用アダプターが装着脱可能な電気機器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば水中でも使用可
能なシェーバー等の電気機器に係り、特に装着脱可能な
充電用アダプターを装着して内蔵の蓄電池が充電される
電気機器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えばシェーバー等の電気機器に
おいては、着脱可能な充電用アダプターを装着して内蔵
の蓄電池が充電されるようになされ、機器本体を水中で
も使用することのできるものが知られている。かかる電
気機器は、通常、機器本体と前記アダプターとの接続端
子として蓄電池への充電電流供給用の充電端子のみが設
けられるとともに、更にこの充電端子のうち蓄電池の負
極と接続される負端子側のラインに、前記アダプターが
装着されたときにのみ該ラインを接続するフローティン
グ用のスイッチが設けられ、短絡、電蝕等による故障の
防止が図られている。すなわち、シェーバーが使用され
るときは、前記充電端子の負端子と蓄電池の負極とは前
記フローティングスイッチにより常に遮断されるので、
特に水中で使用され、水により前記接続端子が短絡或い
は通電状態となった場合にも前記充電端子に電流が流れ
ることはなく、該充電端子で電蝕は発生しないようにな
されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、充電回路の
高度化に伴い水中や高湿度下で使用可能な電気機器にお
いても、例えば機器本体内に蓄電池の充電動作を制御す
る制御回路を設け、前記充電用アダプターにより該制御
回路の駆動を制御して効率よく蓄電池を充電することの
できるものが望まれる。しかし、このような構成にする
と、電気機器本体に充電電力供給用の充電端子の外に前
記制御回路と前記充電アダプターとの制御信号ラインを
接続するための制御端子を設ける必要があり、更にこれ
ら制御信号ラインにも上述の短絡及び電蝕の防止策を講
じなければならなくなる。かかる短絡及び電蝕の防止策
として制御信号ラインに上述のフローティングスイッチ
を設けることも考えられるが、配設用スペースが大きく
なり、小型化が困難となる。

【０００４】本考案は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、制御信号ラインにフローティング構造を設ける
ことなく制御端子の電蝕を防止することのできる電気機
器を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、蓄電池と該蓄
電池で動作される充電制御手段とを内蔵し、該蓄電池の
正極端子と前記充電制御手段への入力端子とが露出さ
れ、充電用アダプターが前記正極端子及び入力端子を介
して接続され、該入力端子から入力される外部制御信号
により蓄電池の充電制御が行われる電気機器において、
前記蓄電池の電圧レベルより高レベルの前記外部制御信
号を変換して前記充電制御手段を動作させるレベル変換
手段を備えたものである。

【０００６】なお、前記レベル変換手段は、電界効果形
トランジスタで構成するとよい。

【０００７】

【作用】本考案によれば、機器本体を水中や高湿度下で
使用した場合、露出された蓄電池の正極端子と制御信号
の入力端子とが水を介して通電状態となり、蓄電池の電
圧がレベル変換手段に印加される。しかし、印加された
電圧レベルはレベル変換手段の動作電圧以下なので、蓄
電池の正極から前記入力端子を介してレベル変換手段に
電流は流れず、前記正極端子及び入力端子の電蝕が防止
される。

【０００８】また、レベル変換手段を電界効果形トラン
ジスタで構成したものでは、該トランジスタの入力イン
ピーダンスが高いので、蓄電池から正極端子及び入力端
子を介して電界効果形トランジスタに流れる電流は微少
となり、前記正極端子及び入力端子の電蝕が防止され
る。

【０００９】

【実施例】本考案に係る電気機器を図１を用いて説明す
る。同図において、１は電気機器本体、２は該電気機器
本体１に装着脱可能な充電用アダプターである。前記電
気機器本体１内には、電源用の蓄電池Ｂと該蓄電池Ｂの
充電を制御する充電制御回路１２とが内蔵され、該充電
制御回路１２により蓄電池Ｂの満充電が制御されるよう
になっている。また、電気機器本体１の外部適所には前
記蓄電池Ｂに充電電流を供給するための充電端子ＴＢと
前記充電制御回路１２の制御信号を入出力させるための
制御端子ＴＣとが設けられ、前記充電用アダプター２に
は充電端子ＴＢ′と制御端子ＴＣ′とが設けられ、該充
電用アダプター２が電気機器本体１に装着されたとき、
充電端子ＴＢ′及び制御端子ＴＣ′がそれぞれ前記充電
端子ＴＢと制御端子ＴＣとに接続されるようになってい
る。前記蓄電池Ｂの正極及び負極は、それぞれ充電端子
ＴＢの正端子ａとグランドラインＬgとに接続され、更
にこのグランドラインＬgはフローティングスイッチＳ
Ｗを介して前記充電端子ＴＢの負端子ｂに接続されてい
る。フローティングスイッチＳＷは、前記充電用アダプ
ター２が装着時にのみ前記負端子ｂとグランドラインＬ
gとを接続させ、該充電用アダプター２が未装着時には
充電端子ＴＢの負端子ｂをフローティング状態にするも
のである。

【００１０】前記充電制御回路１２は充電制御ＩＣ１３
とツェナーダイオードＤＺ及びトランジスタＱ１からな
るレベル変換回路１４とからなり、該充電制御ＩＣ１３
のＶDD端子には前記蓄電池Ｂからフィルタ１１を介して
駆動電源が入力されている。充電制御ＩＣ１３は、後述
するように入力（IN）端子がハイからローにレベル変化
することにより起動し、例えば所定の充電時間が経過す
ると充電を停止させるべく出力（OUT）端子から充電制
御信号を出力する。前記レベル変換回路１４は、充電用
アダプター２から送出される制御信号のレベルを前記充
電制御ＩＣ１３が動作するレベルに変換するもので、前
記トランジスタＱ１のコレクタ及びエミッタはそれぞれ
充電制御ＩＣ１３の入力（IN）端子とグランドラインＬ
gとに接続され、ベースは逆方向接続されたツェナーダ
イオードＤＺ及び抵抗Ｒ１を介して制御端子ＴＣの入力
端子ｃに接続された構成となっている。ツェナーダイオ
ードＤＺの逆方向電圧は、トランジスタＱ１のオン電圧
（ベース・エミッタ間電圧とツェナーダイオードＤＺの
逆方向電圧との和の電圧）が蓄電池Ｂの電圧より高くな
るように設定されており、該トランジスタＱ１は蓄電池
Ｂの電圧レベルより高レベルの制御信号によりオンする
ようになっている。充電制御ＩＣ１３の入力（IN）端子
は、ハイ状態に抵抗プルアップされており、充電用アダ
プター２から制御端子ＴＣを介してハイの制御信号が入
力されると、前記レベル変換回路１４のトランジスタＱ
１がオンして前記入力（IN）端子がローレベルに変換さ
れ、充電制御ＩＣ１３は起動する。また、前記出力（OU
T）端子は、通常、ハイ状態（電源電圧と略同一）にあ
り、前記制御信号により充電が開始された後所定の充電
時間経過後にロー状態に変化する充電制御信号が出力さ
れ、該充電制御信号は前記制御端子ＴＣの出力端子ｄを
介して充電用アダプター２側に出力される。なお、前記
蓄電池Ｂには不図示の負荷（モータ等）が接続され、蓄
電池Ｂから電源供給されるようになっている。

【００１１】一方、充電用アダプター２内には、整流回
路２１、スイッチングレギュレータ２２及び整流回路２
３からなるＤＣ−ＤＣコンバータ及び制御インターフェ
ース２４が内蔵されている。商用電源ｅは整流回路２１
で整流され、更にＤＣ−ＤＣコンバータで直流に変換さ
れ、この直流電圧が充電端子ＴＢ′に出力されるように
なっている。また、前記スイッチングレギュレータ２２
から前記充電制御ＩＣ１３の起動用の制御信号が出力さ
れ、この制御信号は制御インターフェース２４を介して
制御端子ＴＣ′の出力端子ｃ′に出力されるようになっ
ている。また、制御端子ＴＣ′の入力端子ｄ′から入力
される前記充電制御信号は、制御インターフェース２４
を介して前記スイッチングレギュレータ２２に入力され
るようになっている。

【００１２】上記構成において、蓄電池Ｂは、電気機器
本体１に充電用アダプター２を装着して充電される。電
気機器本体１に充電用アダプター２が装着されると、充
電端子ＴＢとＴＢ′、制御端子ＴＣとＴＣ′とがそれぞ
れ接続されるとともに、フローティングスイッチＳＷが
オンして電気機器本体１のグランドラインＬgが充電端
子ＴＢの負端子ｂに接続される。これにより充電用アダ
プター２から充電端子ＴＢ′，ＴＢを介して供給される
直流電流により蓄電池Ｂが充電可能となる。一方、充電
用アダプター２の装着と同時に該充電用アダプター２か
ら制御端子ｃ′，ｃを介して充電開始の制御信号が入力
される。これによりレベル変換回路１４がオンして充電
制御ＩＣ１３の入力（IN）端子がローレベルに変換さ
れ、充電制御ＩＣが起動する。また、該充電制御ＩＣ１
３の出力（OUT）端子から制御端子ｄ，ｄ′を介してハ
イの充電制御信号が充電用アダプター２に送出され、ス
イッチングレギュレータ２２は、かかるハイの充電制御
信号を受けて所定の充電電流を蓄電池Ｂに供給する。そ
して、例えば所定の充電時間が経過し、充電を停止すべ
くローの充電制御信号が出力されると、スイッチングレ
ギュレータ２２は、蓄電池Ｂの過充電を防止すべく充電
電流を停止或いは末期電流（微少電流）に切り換える。

【００１３】また、充電用アダプター２を電気機器本体
1から取り外し、電気機器本体１を水中や高湿度下で使
用すると、前記充電端子ＴＢ及び制御端子ＴＣは本体１
の外部に露出しているので、該充電端子ＴＢの正端子ａ
と制御端子ＴＣの入力端子ｃ及び出力端子ｄとが水を介
して短絡又は通電状態になり、蓄電池Ｂの電圧が抵抗Ｒ
１を介してレベル変換回路１４に印加されることにな
る。しかし、このレベル変換回路１４のオン電圧は蓄電
池Ｂの電圧よりも高く設定されているので、駆動電流が
流れることはない。従って、前記充電端子ＴＢの正端子
ａ及び制御端子ＴＣの入力端子ｃとが短絡又は通電状態
になっても該正端子ａ及び入力端子ｃに電流が流れるこ
とはなく、電蝕が発生するようなことはない。また、蓄
電池Ｂの電圧がレベル変換回路１４に印加された場合、
充電制御ＩＣ１３は起動しないので、出力（OUT）端子
は電源電圧(≒電池電圧)と略同一のハイレベルに保持さ
れる。これにより前記充電端子ＴＢの正端子ａと制御端
子ＴＣの出力端子ｄ間は略同電位となるので、両端子に
電流が流れることはなく、出力端子ｄにおいても電蝕が
発生するようなことはない。

【００１４】図２は、本発明に係る電気機器の第２の実
施例の回路構成図を示したものである。同図は、図１の
ツェナーダイオードＤＺ及びトランジスタＱ１に代えて
電界効果形トランジスタ（ＦＥＴ）Ｑ２によりレベル変
換回路１４を構成したものである。

【００１５】この実施例は、ＦＥＴＱ２の入力インピー
ダンスが高いので、充電端子ＴＢの正端子ａと制御端子
ＴＣの入力端子ｃとが水を介して短絡又は通電状態にな
っても該正端子ａ及び入力端子ｃに流れる電流は極めて
微少電流となり、これらの端子ａ，ｃの電蝕が防止され
るものである。

【００１６】なお、本考案は係る電気機器は、水中や高
湿度中にて使用されるシェーバーその他種々の電気機器
に適用することができる。

【００１７】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、蓄
電池と該蓄電池で動作される充電制御手段とを内蔵し、
該蓄電池の正極端子と前記充電制御手段への入力端子と
が露出され、充電用アダプターが前記正極端子及び入力
端子を介して接続され、該入力端子から入力される外部
制御信号により蓄電池の充電制御が行われる電気機器に
おいて、前記充電アダプターから入力端子を介して入力
される蓄電池の電圧レベルより高レベルの前記外部制御
信号を変換させるレベル変換手段を充電制御手段の前段
に設けたので、水等により蓄電池の正極端子と前記入力
端子間が通電状態になる場合にも該蓄電池の正極端子及
び該入力端子に電流が流れることはなく、これらの端子
の電蝕が防止される。

【００１８】また、前記レベル変換手段を入力インピー
ダンスの高い電界効果形トランジスタで構成したので、
水等により蓄電池の正極端子と前記入力端子間が通電状
態になる場合にも該蓄電池の正極及び前記入力端子に流
れる電流は極めて微少となり、上記同様に両端子の電蝕
が防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る電気機器の一実施例を示す回路構
成図である。

【図２】本考案に係る電気機器の第２の実施例を示す回
路構成図である。

【符号の説明】

１，１′ 電気機器本体 ２ 充電用アダプター １１ フィルタ １２ 充電制御回路 １３ 充電制御ＩＣ １４ レベル変換回路 ２１，２３ 整流回路 ２２ スイッチングレギュレータ ２４ 制御インターフェース Ｒ１，Ｒ２ 抵抗 ＤＺ ツェナーダイオード Ｑ１ トランジスタ Ｑ２ 電界効果形トランジスタ ＳＷ フローティングスイッチ ＴＢ 充電端子 ＴＣ 制御端子 Ｂ 蓄電池

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 蓄電池と該蓄電池で動作される充電制御
   手段とを内蔵し、該蓄電池の正極端子と前記充電制御手
   段への入力端子とが露出され、充電用アダプターが前記
   正極端子及び入力端子を介して接続され、該入力端子か
   ら入力される外部制御信号により蓄電池の充電制御が行
   われる電気機器において、前記蓄電池の電圧レベルより
   高レベルの前記外部制御信号を変換して前記充電制御手
   段を動作させるレベル変換手段を備えたことを特徴とす
   る充電用アダプターが装着脱可能な電気機器。
2. 【請求項２】 前記レベル変換手段を電界効果形トラン
   ジスタで構成したことを特徴とする請求項１記載の充電
   用アダプターが装着脱可能な電気機器。