JP2543538Y2 - 制振耐震壁 - Google Patents

制振耐震壁

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JP2543538Y2
JP2543538Y2 JP5547091U JP5547091U JP2543538Y2 JP 2543538 Y2 JP2543538 Y2 JP 2543538Y2 JP 5547091 U JP5547091 U JP 5547091U JP 5547091 U JP5547091 U JP 5547091U JP 2543538 Y2 JP2543538 Y2 JP 2543538Y2
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巧次 北沢
壮一 河村
満 泉
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Taisei Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、中小程度の地震に対
しても確実な減衰性能を発現する制振耐震壁に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、構造物の耐震壁は、その壁面内
力によってせん断耐力を向上させ、地震発生時のエネル
ギーを吸収することができるように設計されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
耐震壁に用いられている鋼板は、普通鋼または高強度鋼
を素材とするものであって、大きな地震が発生したとき
は、十分に抵抗することができるせん断耐力をもってお
り、信頼性の高い減衰性能が得られるようになっている
が、中小程度の地震に対しては、弾性域内であるため減
衰性能が弱く、共振現象が生じて振幅が増大することが
あり、十分なエネルギー吸収効果が得られないという問
題がある。
【0004】この考案は、上記のような問題を解決し
て、大地震だけでなく、中小地震に対しても確実な減衰
性能が発現される制振耐震壁を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この考案においては、構造物の耐震壁の壁板が、普
通鋼板または高強度鋼板と極軟鋼板との2種の鋼板のう
ち、いずれか1種の鋼板の少なくとも一方の表面に他種
の鋼板を接合した複合鋼板であり、地震発生時におい
て、前記2種の鋼板のうち、極軟鋼板がより早期に降伏
点に到達し、この鋼板の塑性変形による減衰性能が付与
される構成としてある。
【0006】普通鋼板と極軟鋼板とを接合した複合鋼板
からなる制振耐震壁が地震エネルギーを吸収する機構に
ついて、その原理を説明する。 (1)普通鋼板と極軟鋼板との双方がせん断降伏する場
合 普通鋼板と極軟鋼板とのせん断力Qと変形δとの関係を
図示すると図1のとおりであり、それぞれ降伏点に対応
する力QM , QS が加えられたときδM , δSの変形を
生じ、この状態でさらに力を加えると塑性変形する。同
図のKM , KSは各鋼板のせん断剛性である。この両者
の線図を合成したときのせん断力と変形との関係は、図
2に示すような履歴ループとなり、普通鋼板が降伏する
前に極軟鋼板が降伏点に到達する。
【0007】したがって、耐震壁を構成する2種の鋼板
が双方とも降伏するような大地震が発生した場合におい
ては、図2の斜線で示す部分が極軟鋼板の塑性変形によ
るエネルギー吸収効果として付与され、これにより大地
震発生時の振動をより有効に減衰させる。 (2)極軟鋼板のみがせん断降伏する場合 普通鋼板と極軟鋼板とのせん断力Qと変形δとの関係
は、それぞれ図3(A)に示す直線と図3(B)に示す
履歴ループによって表され、普通鋼板は弾性域内での変
形であって、力Qが零に戻ったときの残留変形は零にな
るが、極軟鋼板は降伏点を超える力が加えられると塑性
変形し、この力Qを零に戻しても残留変形δ1 が生じ
る。
【0008】この両者の線図を合成したせん断力と変形
との関係を図示すると、図4のような履歴ループが得ら
れる。この関係を見ると、力Qが零に戻ったときの残留
変形は零とδ1 との中間の値(δ2 )となり、極軟鋼板
は(δ1 −δ2 )に相当するゆるみが生じるため、せん
断剛性には寄与しない状態になる。そこで、力Qが零に
近いときは普通鋼板のせん断剛性KM のみが有効であ
り、力Qがわずかに増大して極軟鋼板のゆるみがなくな
ると、普通鋼板と極軟鋼板とのせん断剛性の和(KM
S )が剛性として寄与するようになり、さらに力Qが
増加して極軟鋼板がせん断降伏すると、普通鋼板のせん
断剛性KM のみが寄与することになる。
【0009】図4の履歴ループは、スリップのあるバイ
リニア型のものであるから、普通鋼板は降伏することな
く、極軟鋼板のみが降伏するような中小地震が発生した
場合においても、この履歴ループによるエネルギー吸収
効果として、地震による振動を減衰させる制振力のほ
か、スリップによるやじろべえ型に類した制振力が併せ
て付与される。
【0010】上記の地震エネルギー吸収機構の原理は、
高強度鋼板と極軟鋼板とを接合した複合鋼板について
も、前記と同様に成立する。
【0011】
【実施例】図5は鉄骨造りの構造物1であり、この構造
物1の耐震壁2にこの考案を適用した実施例を図6ない
し図8に示す。図6は、耐震壁2の壁板10に、普通鋼
板または高強度鋼板11と極軟鋼板12とをそれぞれの
片面に接合した複合鋼板が配設してあり、各鋼板11,
12の表面には同種鋼板の座屈防止リブ11a,12b
が取り付けてある。
【0012】図7の耐震壁2の壁板10は、極軟鋼板1
2の両面に普通鋼板または高強度鋼板11が接合された
複合鋼板が配設してあり、表面側の鋼板11には、これ
と同種鋼板の座屈防止リブ11aが取り付けてある。図
8の耐震壁2の壁板10は、上記とは反対に普通鋼板ま
たは高強度鋼板11の両面に極軟鋼板12が接合された
複合鋼板であって、表面側の鋼板12の座屈防止リブ1
2aはこれと同種の鋼板である。
【0013】
【考案の効果】以上説明したように、この考案によれ
ば、耐震壁の壁板として、普通鋼板または高強度鋼板と
極軟鋼板との降伏点の異なる2種の鋼板を接合した複合
鋼板を用い、地震発生時に、これらの2種の鋼板のそれ
ぞれの特性を合成した履歴ループによるエネルギーの吸
収原理に基づいて振動を減衰する性能を付与しているた
め、大地震が発生した場合だけでなく、中小地震が発生
した場合においても共振現象を誘発することなく、確実
な減衰性能を発現する制振耐震壁が得られる。
【0014】また、この考案によれば、降伏点の異なる
2種の鋼板を接合した複合鋼板を壁板に用いるという極
めて簡単な構成によって所期の制振効果を得ることがで
きるため、特別な制振装置を設置する必要がなく、制振
用機器類の保守管理は全く不要になるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】普通鋼板と極軟鋼板とのせん断降伏時における
力と変形との関係を示す線図である。
【図2】図1の普通鋼板と極軟鋼板とを合成したせん断
力と変形との関係を示す線図である。
【図3】普通鋼板の弾性域内におけるせん断力と変形と
の関係を示す線図(A)および極軟鋼板がせん断降伏に
より塑性変形した後、力を零に戻すまでのせん断力と変
形との関係を示す履歴ループ図(B)である。
【図4】図3(A)と図3(B)とを合成したせん断力
と変形との関係を示す履歴ループ図である。
【図5】鉄骨構造物を示す正面概要図である。
【図6】この考案の耐震壁の実施例を示す正面図(A)
と側面断面図(B)である。
【図7】この考案の耐震壁の他の実施例を示す正面図
(A)と側面断面図(B)である。
【図8】この考案の耐震壁のさらに他の実施例を示す正
面図(A)と側面断面図(B)である。
【符号の説明】
1 構造物 2 耐震壁 10 壁板 11 普通鋼板または高強度鋼板 12 極軟鋼板

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の耐震壁に、普通鋼板または高強
    度鋼板と極軟鋼板とのうち、いずれか1種の鋼板の少な
    くとも一方の表面に他種の鋼板が接合された複合鋼板か
    らなる壁板を配設し、地震発生時に、前記2種の鋼板の
    うち、極軟鋼板がより早期に降伏点に到達し、この鋼板
    の塑性変形による減衰性能が付与される構成としたこと
    を特徴とする制振耐震壁。
JP5547091U 1991-07-17 1991-07-17 制振耐震壁 Expired - Lifetime JP2543538Y2 (ja)

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JPH057866U JPH057866U (ja) 1993-02-02
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