JP2543200Y2 - 線材もつれ防止装置 - Google Patents

線材もつれ防止装置

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JP2543200Y2
JP2543200Y2 JP690393U JP690393U JP2543200Y2 JP 2543200 Y2 JP2543200 Y2 JP 2543200Y2 JP 690393 U JP690393 U JP 690393U JP 690393 U JP690393 U JP 690393U JP 2543200 Y2 JP2543200 Y2 JP 2543200Y2
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tension
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耕一 吉川
靖則 中村
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、リング状に巻回された
線材を送り出す際に線材に加わる張力を安定化する線材
もつれ防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、線材を送り出して他の工程に送る
場合、線材を雑に巻回してなるリング体をスタンドに取
り付け、すなわち、リング体の穴部内にスタンドの柱を
入れるようにして取り付け、この状態で線材の端部を上
方に引き上げることにより線材を送り出している。
【0003】このようにリング体から線材を送り出す場
合、線材に加わる張力が一定でないため、線材のたるみ
により巻くずれが起こる。巻くずれが起こることによ
り、送り出される線材が数ターン後方に巻かれている線
材の中に入り込み、その線材が送り出される際に数ター
ン後方の線材を持ち上げてしまい、線材のもつれが発生
する。また、リング体の線材が絞り込まれた際にも、同
様に送り出される線材が数ターン後方に巻かれている線
材の中に入り込み、数ターン後方の線材が絞り上げられ
てしまい、線材のもつれが発生する。
【0004】線材のたるみや絞り込みによる作業トラブ
ルの発生を防止するために、図6に示すように、スタン
ド61にリング体を62を装着し、リング体62の外側
に胴巻紙63を巻き付けてテープ止めし、線材の巻姿お
よび胴巻紙の位置を定期的に監視して作業トラブルの発
生を監視している。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ようにして線材を送り出す場合には、線材のたるみや絞
り込みによる作業トラブルが起こり易いので、線材の巻
姿等を定期的に監視していても、作業トラブルが発生し
てしまう恐れがある。したがって、根本的にこのような
作業トラブルの発生を防止できる手段が求められてい
る。
【0006】本考案はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、線材を送り出す際の作業トラブルを防止すること
ができ、しかも定期的な監視の必要がない線材もつれ防
止装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、巻回された線
材が取り付けられるスタンドの柱に上下に移動自在に嵌
め込まれる台部と、この台部の外周に回動可能に取り付
けられたリング部と、このリング部の外周に突設された
複数の針状部材とを具備することを特徴とする線材もつ
れ防止装置を提供する。
【0008】また、本考案は、線材に加わる張力が大き
くなったときには線材を送り出す方向に前記リング部を
回動させ、線材に加わる張力が小さくなったときには線
材を送り出す方向と逆方向にリング部を回動させる張力
調整機構をさらに具備する線材もつれ防止装置を提供す
る。
【0009】さらに、本考案は、前記台部が略円錐台形
状であり、その軸方向に沿って貫通穴を有しており、そ
の小径面が下方を向くようにして巻回された線材に取り
付けられることを特徴とする線材もつれ防止装置を提供
する。
【0010】
【作用】本考案では、リング部が回転自在に台部に取り
付けられているので、送り出される線材に加わる張力が
大きくなると、リング部が線材を送り出す方向に回転す
る。これにより、線材に加わる張力が緩和され、張力を
安定化できる。
【0011】また、張力調整機構が設けられている線材
もつれ防止装置においては、線材に加わる張力が大きく
なったときにはリング部の送り出し方向への回転により
線材の送り出しが促されて送り出される線材に加わる張
力が緩和され、線材に加わる張力が小さくなったときに
はリング部の送り出し方向と逆方向への回転により線材
の送り出しが遅延されて張力が増す。この結果、線材に
加わる張力をより適正に保つことができる。
【0012】さらに、台部が略円錐台形状で、その小径
面が下方を向くようにして巻回された線材に取り付ける
線材もつれ防止装置では、台部は、その側面と巻回され
た線材の上端とが当接する。この状態は、線材が送り出
されても常に保たれる。したがって、巻回された線材の
上端からリング部までの距離はほぼ一定に保たれる。こ
の結果、送り出される線材に加わる制動力が安定し、線
材の張力を安定化することができる。また、この装置で
は、台部が巻かれた線材に対する重しとしても働き、線
材間の隙間が小となり、線材が侵入しにくくなるので、
この点ももつれ防止に寄与する。
【0013】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して具体
的に説明する。
【0014】(実施例1) 図1(A)および(B)は、本考案の線材もつれ防止装
置が装着されるスタンドを示す正面図および平面図であ
る。図中1はスタンドを示す。スタンド1は、スタンド
基台11とその上に設置されているスタンド柱12とか
ら構成されている。
【0015】スタンド1のスタンド柱12には、図2に
示すように、巻回された線材13並びに第1および第2
の線材もつれ防止装置14,15が装着されている。す
なわち、スタンド柱12には、まず巻回された線材13
を嵌め、次いで、第1の線材もつれ防止装置14をその
小径面を下向きにしてスタンド柱12に嵌め込み、この
後第2の線材もつれ防止装置をその大径面を下向きにし
てスタンド柱12に取り付けてある。第1の線材もつれ
防止装置14は、線材の送り出しに応じて下方向に移動
できるように装着されており、第2の線材もつれ防止装
置15は、スタンド柱12の上部に固定されている。
【0016】巻回された線材13から送り出される線材
は、第1の線材もつれ防止装置14の隣合う任意の針状
部材23間を通り、さらに第2の線材もつれ防止装置1
5の隣合う任意の針状部材23間を通り、他の工程に送
られる。なお、この線材は、張力計16によりその張力
が測定される。
【0017】ここで、第1の線材もつれ防止装置14
は、図3(A)および(B)に示すように、略円錐台形
状、すなわち2つの対向する面のうち一方の面から他方
の面に向かって徐々に縮径するような形状である台部2
1と、台部21の大径部21aに取り付けられたリング
部22と、リング部22の外周に沿って突設された複数
の針状部材23とから構成されている。台部21には、
その軸方向に沿って前記2つの対向する面の中央部に貫
通穴24が形成されている。
【0018】この貫通穴24は、スタンド柱12を内挿
させることができる大きさを有する。また、この貫通穴
24の形状は、スタンド柱12の横断面形状に応じて適
宜決定される。針状部材23は、リング部22の外周面
にほぼ等間隔で放射状に設けられている。この針状部材
23としては、例えば外径が3.5mmの弾性を有するプ
ラスチック棒等を用いることができる。なお、針状部材
23の材料は、プラスチックに限定されず、弾性材料か
らなる各種のものを用いることもできる。
【0019】第2の線材もつれ防止装置15は、スタン
ド柱12の上部に固定されるので、台部21の貫通穴2
4が有底である等その形状が異なるが、他の構成は第1
の線材もつれ防止装置14と同様である。
【0020】このような構成を有する第1および第2の
線材もつれ防止装置を用いて巻回された線材13を他の
工程に送る場合、送り出し中に線材に加わる張力が大き
くなると、線材が針状部材23に接触し、針状部材23
を押す。この力が大になると、リング部22が線材を送
り出す方向に回転する。その結果、線材に加わる張力が
速やかに緩和され、張力が安定化される。本実施例の場
合、第2の線材もつれ防止装置15においても同様の張
力調整が行われるので、より一層張力の安定化が図れ
る。なお、線材は針状部材23に接触し、スタンド柱1
2には接触しないので、スタンド柱12との接触により
線材に制動力がかかることも防止できる。
【0021】また、第1の線材もつれ防止装置14は、
その台部21の側面が巻回された線材13の上部に当接
する。すなわち、第1の線材もつれ防止装置14をスタ
ンド柱12に取り付けるときに、台部21は、巻回され
た線材の巻回径とほぼ同じ外径を有する側面部分で線材
13の上端と当接する。この場合、巻回径が変化しなけ
れば、線材の上端と接触する台部21の側面部分の位置
は変わらない。このため、線材が送り出しに応じて第1
の線材もつれ防止装置14の位置が下降する。したがっ
て、巻回された線材の上端からリング部22までの距離
はほぼ一定に保たれる。この結果、送り出される線材に
加わる制動力が安定し、線材の張力を安定化することが
できる。
【0022】(実施例2) 本考案の線材もつれ防止装置には、図4(A)〜(C)
に示すように、第1の線材もつれ防止装置14のリング
部22の表面上にラック31を形成し、さらにピニオン
32を取り付けたモータ33を設置して、いわゆるピニ
オンギヤを構成することにより張力調整機構を設けても
よい。この場合、モータ33を制御手段34を介して張
力計16に接続して、張力計16で測定された張力の値
の情報を制御手段34に送り、あらかじめ入力されてい
る回転速度、線材の外径等の情報と照合してモータ33
に信号を送り、ピニオン32の回転を調節する。すなわ
ち、線材に加わる張力が大きくなったときには線材を送
り出す方向にリング部22が回動するようにピニオン3
2を回転させ、線材に加わる張力が小さくなったときに
は線材を送り出す方向と逆方向にリング部22が回動す
るようにピニオン32を回転させる。これにより、線材
に加わる張力をより安定化させることができる。
【0023】(実施例3) また、張力調整機構として、図5に示すように、リング
部22の表面に一対のピン35を取り付け、さらに一対
のピン35の間にその一端が位置するように台部21に
板ばね36を取り付けてもよい。このような構成の張力
調整機構においても、線材に加わる張力を安定化させる
ことができる。なお、一対のピン35およびばね36は
4つに限らず任意の数設けることができる。
【0024】なお、本考案の装置に用いられる台部21
は、その外面を覆ったとき略円錐台形状となっていれば
よく、上記実施例に示したものに限定されない。例え
ば、台部21はフレームを繋ぎ合わせて作製されたもの
であってもよい。
【0025】
【考案の効果】以上説明した如く本考案の線材もつれ防
止装置は、回動自在なリング部を有しているので、リン
グ部の回動により線材に加わる張力が緩和され、張力を
安定化できる。
【0026】また、本考案の線材もつれ防止装置は、線
材に加わる張力が大きくなったときには線材を送り出す
方向にリング部を回動させ、線材に加わる張力が小さく
なったときには線材を送り出す方向と逆方向にリング部
を回動させる張力調整機構をさらに具備することによ
り、線材に加わる張力の変化に応じて、線材の送り出し
を調節することができる。
【0027】さらに、本考案の線材もつれ防止装置は、
その台部が略円錐台形状であり、その小径面が下方を向
くようにして巻回された線材に取り付けられることによ
り、線材の上端からリング部までの距離をほぼ一定に保
つことができ、線材の張力をより安定化することができ
る。
【0028】したがって、本考案の線材もつれ防止装置
は、線材を送り出す際の作業トラブルを防止することが
でき、しかも線材巻姿の定期的な監視の必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本考案の線材もつれ防止装置が装着さ
れるスタンドを示す正面図、(B)は(A)の平面図。
【図2】本考案の線材もつれ防止装置をスタンドに装着
した状態を示す概略図。
【図3】(A)は本考案の線材もつれ防止装置を示す正
面図、(B)は(A)の平面図。
【図4】(A)は本考案の線材もつれ防止装置の張力調
整機構の一例を示す正面図、(B)は(A)の平面図、
(C)は(B)のA−Aに沿う断面図。
【図5】本考案の線材もつれ防止装置の張力調整機構の
他の例を示す平面図。
【図6】従来の線材送り出し方法を説明するための概略
図。
【符号の説明】
1…スタンド、11…スタンド基台、12…スタンド
柱、13…巻回された線材、14…第1の線材もつれ防
止装置、15…第2の線材もつれ防止装置、16…張力
計、21…台部、21a…大径部、22…リング部、2
3…針状部材、24…貫通穴、31…ラック、32…ピ
ニオン、33…モータ、34…制御手段、35…ピン、
36…板ばね。

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻回された線材が取り付けられるスタン
    ドの柱に上下に移動自在に嵌め込まれる台部と、この台
    部の外周に回動可能に取り付けられたリング部と、この
    リング部の外周に突設された複数の針状部材とを具備す
    ることを特徴とする線材もつれ防止装置。
  2. 【請求項2】 線材に加わる張力が大きくなったときに
    は線材を送り出す方向に前記リング部を回動させ、線材
    に加わる張力が小さくなったときには線材を前記送り出
    す方向と逆方向に前記リング部を回動させる張力調整機
    構を具備する請求項1記載の線材もつれ防止装置。
  3. 【請求項3】 前記台部が略円錐台形状であり、その軸
    方向に沿って貫通穴を有しており、その小径面が下方を
    向くようにして前記巻回された線材に取り付けられるこ
    とを特徴とする請求項1記載の線材もつれ防止装置。
JP690393U 1993-02-24 1993-02-24 線材もつれ防止装置 Expired - Fee Related JP2543200Y2 (ja)

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JPH0665369U JPH0665369U (ja) 1994-09-16
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