JP2542451Y2 - 自動車のリアミラー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、バン型車、ワゴン車
等のワンボックス型自動車の車両後方壁に設置される自
動車のリアミラー装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、バン型車、ワゴン車、キャンピン
グカー等のワンボックス型自動車の需要が高まり、これ
らの自動車の安全性を向上させる技術も進歩しつつある
が、その中で、車高が高く、運転席からリアウィンドウ
が遠いため見えにくかった車両の後部下方域を、視認し
ながら、発車、後退、前進の判断を行える設備が必要と
なってきた。

【０００３】車両の後部下方域の視認のため、リアミラ
ー装置が数種類考案されてきたが、ミラーが固定されて
いるもの、人手により直接ミラーの向きや角度をセット
するもの、遠隔操作により、ミラー部分が突出するもの
等が主であった。

【０００４】しかし、ミラーが固定されているものは、
視野を変化させることができず、不便であり、人手によ
り直接ミラーの向きや角度をセットするものも、運転席
に座った状態で自在に視野を変化させることができず不
便であった。

【０００５】遠隔操作により、ミラー部分が突出するも
のは、運転席に座ったままで視野を変化させることがで
きるが、ミラーの角度が変化しないのでは、視界も限ら
れているし、自在に視認したい所を探しながら、視野を
変化させることが困難であった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】そこで、この考案は、
上記従来の技術が持つ欠点を除去するため考えられたも
のであり、運転席からリアミラーを、ルームミラーと併
用しつつ、必要時に遠隔操作により自在に回動させて、
車両後部下方域を視認し、なかんずく、リアミラーの回
転軸が車体から離れた位置にあり、それを中心にして回
動するリアミラーにより、車両後部の直下および下方域
の広範囲を視認でき、不必要時には、カバーケースに格
納させることのできる自動車のリアミラー装置を提供す
るものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この考案の一実施例を図
面に従って説明する。図１は、本考案のリアミラー装置
が設置されたワンボックス型自動車を示しており、車両
後方壁上部に突設されたカバーケース１と、カバーケー
ス１に車体から離れた位置に取り付けた自動車の幅方向
に平行な軸方向を持つ回転軸２と、回転軸２に取り付け
られ、回転軸２のまわりに回動自在で、運転席からの遠
隔操作により、上記自動車のバッテリーを電源として回
動し、自動車のルームミラー３と併用することによっ
て、自動車後部直下を含む下方域を視認できるリアミラ
ー４とからなるリアミラー装置が構成されている。

【０００８】 図２ は、本実施例のリアミラー装置の一部
欠截平面図である。ほぼリアミラー４の長さ分だけ車体
から離れた位置にある自動車の幅方向に平行な回転軸２
に、リアミラー４が固着して取り付けられており、側面
部と上面部がステンレス製のカバーケース１に覆われて
いる。

【０００９】 本実施例 のステンレス製のカバーケース１
には、回転軸２の一端の外側に、原動機用ボックス１４
が設けられており、自動車中心部のバッテリーを電源と
し、回転軸２と平行な軸を有するモーター６と、モータ
ー６の軸に取り付けられた歯付きベルト車１５と、回転
軸２の延長部分に取り付けられた歯付きベルト車１６
と、歯付きベルト車１５，１６を連結し、回転力を伝達
する歯付きベルト１７が納められている。

【００１０】 図３ は、本実施例のＢ−Ｂ断面図であり、
回転軸２にリアミラー４が固定され、回転軸２の回転に
従い、リアミラー４が回動するようになっている。

【００１１】 本実施例 では、運転席からの遠隔操作によ
り、自動車中心部のバッテリーを電源とするモーター６
を回転させると、歯付きベルト車１５が回転し、それに
伴い歯付きベルト１７が回転し、別の歯付きベルト車１
６にモーター６の回転力を伝達し、回転軸２が回動す
る。回転軸２に固着したリアミラー４は、図３の矢印に
示す如く回動し、運転者の意のままに角度を変化させ
る。

【００１２】 本実施例 では、カバーケース１内にリアミ
ラー４が格納されているとき、リアミラー４が下がらな
いように、重り１８を埋め込んでバランスをとるように
してある。

【００１３】 本実施例 では、リアミラー４をカバーケー
ス１に格納するとき、リアミラー４を傷つけないように
受け止めるためのクッション付き制御部材２２が、カバ
ーケース１上面部から下方へ向けて取り付けてある。

【００１４】 本実施例では 、リアミラー４の取り付けて
あるカバーケース１は、自動車のボディーに取り付けビ
ス２３，２３，・・で取り付けてある。カバーケース１
は、丈夫で耐蝕性のものならばよく、特にステンレスに
限定するものではない。リアミラー４を回動させる仕組
みも、本実施例の通りでなくともよく、本実施例の歯付
きベルト機構も、チェーンとチェーンスプロケットの機
構でもよく、特に限定しない。

【００１５】 本実施例では 、図１に示す如く車両後方壁
上部に取り付けて、運転者１９が運転席に座ったまま、
ルームミラーと併用し、角度を自在に変化させるように
できており、図１の二点鎖線の矢印で示すような方向に
視界が開け、車両後部下方域が広範囲に、自在に、視認
できる。

【００１６】 特に、リアミラー４の回転軸２が、車体か
らほぼリアミラー４の長さ分だけ離れて位置しており、
図１、図３に示されるようにリアミラー４が、リアウィ
ンドウ２０から離れているために、車体後部の直下付近
を含めて広範囲に視認できる。

【００１７】 図４は、本実施例 を取り付けたワンボック
ス型自動車を後方から見た斜視図であり、リアミラー装
置は後方壁上部中央に取り付けられ、リアウィンドウ２
０の上部付近に位置している。

【００１８】 図５は、本実施例 をワンボックス型自動車
の後部ルーフ端のウイング２１に埋め込んだものを示す
車両後方から見た斜視図であり、カバーケース１の代用
として、後部ルーフ端のウイング２１を活用しても良い
ことを示している。

【００１９】

【考案の効果】この考案によると、自動車のバッテリー
を電源として、リアミラー付近にモーターを取り付け、
運転席からの遠隔操作で、リアミラーの角度を変えるよ
うにしたため、運転者が座席に座ったまま、ルームミラ
ーとリアミラーを併用しつつ、リアミラーの角度を自在
に変化させて車両後部下方域を視認でき、自動車の発
車、後退、前進、方向変え等の判断に役立つ。特に、リ
アミラーの回転軸が車体から離れているため、リアミラ
ーで車両後部の直下付近を含めて広範囲に視認できる。
そのため、ワンボックス型自動車の運転の際の、安全性
の向上に多大に役立ち、簡単な構造のため安価に製造で
き、ルーフ後端のウイングに格納する場合は、外観デザ
イン上も優れたものが可能である等極めて有益なる効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を設置したワンボックス型自
動車を示す一部欠截側面図である。

【図２】本考案の一実施例を示す一部欠截平面図であ
る。

【図３】本考案の一実施例を示すＢ−Ｂ断面図である。

【図４】本考案の一実施例を設置したワンボックス型自
動車の後部を後方より見た一部斜視図である。

【図５】本考案の一実施例のカバーケースにウイングを
活用したワンボックス型自動車の後部を後方より見た一
部斜視図である。

【符号の説明】

１ カバーケース ２ 回転軸 ３ ルームミラー ４ リアミラー ６ モーター １４ 原動機用ボックス １５ 歯付きベルト車 １６ 歯付きベルト車 １７ 歯付きベルト １８ 重り １９ 運転者 ２０ リアウィンドウ ２１ ウイング ２２ クッション付き制御部材 ２３ 取り付けビス ２４ 自動車ボディー

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワンボックス型自動車の車両後方壁上部
   に突設されたカバーケースと、該カバーケースに取り付
   けた上記自動車幅方向に平行な軸方向を持つ回転軸と、
   該回転軸に取り付けられ、該回転軸の回りに回動可能
   で、運転席からの遠隔操作により上記自動車のバッテリ
   ーを電源として自在に回動し、上記自動車のルームミラ
   ーと併用することによって、上記自動車後部下方域を視
   認することのできるリアミラーとからなる自動車のリア
   ミラー装置において、上記回転軸が上記自動車の車両後
   方壁から上記リアミラーの長さ分だけ離れ、その回転軸
   を支点にして上記リアミラーが回動可能であることを特
   徴とする自動車のリアミラー装置。