JP2542283B2 - 壁式ラ―メン構造の柱における梁鉄筋の接合方法 - Google Patents

壁式ラ―メン構造の柱における梁鉄筋の接合方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は壁式ラーメン構造の柱における梁鉄筋の接合
方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、壁式ラーメン構造における柱と梁とは、第7図
に示す方法により接合されている。
これは、主筋10が端部で夫々直角に折り曲げられて先
組形成された一対の梁鉄筋20を、壁付帯梁40の主筋50の
手前側に位置するように落とし込んだ後、柱30の帯筋60
を左右にそれぞれ分割して柱主筋に巻き回し、分割され
た帯筋60の間を水平補強筋70でつないで一体化を図る方
法をとっていた。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記の梁鉄筋の接合方法は、左右両方の梁鉄
筋をその端部が柱の略中央部に位置するように落とし込
んだ後に、左右に分割された帯筋および水平補強筋の組
込み作業を後から行なうため、これらの帯筋および水平
補強筋が、柱主筋および壁付帯梁の主筋と交差して作業
が非常に困難となり、かつ手間がかかるという問題があ
った。
また、前記水平補強筋は柱の外周部に挿入され、かつ
単に直線状の鉄筋であるため、柱と梁の接合部の拘束力
が劣っていた。
さらに、左右の梁の一体性に欠けて一体挙動しないた
め、これらが繰り返しの荷重を受けると梁と柱の接合部
周辺のかぶりコンクリートがはらみ出して破壊するとい
う恐れがあった。
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、
その目的は、壁式ラーメン構造の柱における梁鉄筋が手
間をかけずに容易に接合できると共に、左右両側の梁鉄
筋同士が一体的に連結されて繰り返しの荷重を受けて
も、梁と柱の接合部周辺のかぶりコンクリートのはらみ
出しや、破壊を防止できる壁式ラーメン構造の柱におけ
る梁鉄筋の接合方法を提供することである。
(課題を達成するための手段) 以上のような課題を達成するための手段は、壁式ラー
メン構造における柱と梁との接合部において、分割され
た柱鉄筋の帯筋と、スライド自在なコ字形の連結筋とが
配置された一対の梁鉄筋の接合端部を、柱との接合部に
落とし込んで壁付帯梁の横筋の手前側に配置した後、前
記接合端部における連結筋を柱の中央部側に引き寄せて
接続することにより、前記分割された柱鉄筋の帯筋を一
体的な柱鉄筋の帯筋としたことである。
(作用) 而して、上記のような壁式ラーメン構造の柱における
梁鉄筋の接合方法によれば、一対の梁鉄筋を落とし込ん
だ後、該梁鉄筋の接合端部における分割された帯筋を柱
鉄筋の主筋に組み付けると共に、コ字状の連結筋をそれ
ぞれ柱の中央部側へ引き寄せて接続することにより、分
割された帯筋と連結筋とにより一体的な柱鉄筋の帯筋が
形成されるとともに、連結筋により左右の梁鉄筋同士を
拘束する閉鎖型帯筋が形成されるので左右の梁鉄筋が一
体的に接合される。
よって前記帯筋により連結部におけるかぶりコンクリ
ートのはらみ出しや、破壊が防止できる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第1図〜第3図は、本発明の壁式ラーメン構造の柱に
おける梁鉄筋の接合方法の一実施例を示したものであ
り、第1図は梁鉄筋が落とし込まれる前の柱と壁の平面
図、第2は梁鉄筋が落とし込まれた柱と壁の平面図、第
3図は梁鉄筋の連結筋を引き出して接合した状態の柱と
壁の平面図である。
[梁鉄筋の組立] まず、接合端部mに連結筋2及び分割された帯筋3aが
設置された梁鉄筋1を先組形成する。
この梁鉄筋1は、第5図及び第6図に示すように、先
端部が直角に折り曲げられた主筋1aと、該主筋1aに適宜
間隔ごとに巻き付けられたあばら筋1bとにより形成さ
れ、その接合端部mに、柱主筋3bに取り付けられる分割
された帯筋3aと、連結筋2とが予め設置されている。
前記分割された帯筋3aは連結筋2とにより柱鉄筋3の
帯筋3cを形成するものであり、梁鉄筋1の接合端部mに
おける主筋1aに番線nで固定されており、その上部には
コ字状の連結筋2が、開口側を接合端部mの先端側に向
けた状態でスライド自在に設置されている。
[梁鉄筋の設置] 上記のように、梁鉄筋1を予め工場又は現場において
先組形成する一方、第1図に示すように、現場では柱M
の構築箇所に柱鉄筋3を配筋しておく。
そして、第2図に示すように、左右の梁鉄筋1を柱と
の接合部に落とし込んで、接合端部mを壁付帯梁Lの横
筋5bの手前側に配置するとともに、対向する接合端部m
における分割された帯筋3aをそれぞれ柱鉄筋3の主筋3b
に挿入して番線nで固定する。
よって分割された帯筋3aは柱鉄筋3の両側部に固定さ
れるが、連結筋2は接合端部m内に収納されたままとな
る。
[連結筋の接合] このように左右の梁鉄筋1を落とし込んで、分割され
た帯筋3aを柱鉄筋3の主筋3bに固定した後、第3図に示
すように、双方の梁鉄筋1の接合端部mにおける連結筋
2を柱Mの中央部側へ引き寄せて、クリップ式ジョイン
ト4により連結する。
よって分割された帯筋3aが連結筋2により一体的に連
結された柱鉄筋3の帯筋3cになる。また連結筋2は閉鎖
型帯筋2aとなって壁付帯梁Lの横筋5bと交差した状態で
柱鉄筋3の中央部に架け渡されることにより、左右両側
の梁Nを連結することとなる。なお、図中5は壁鉄筋、
5aは壁縦筋である。
(発明の効果) 本発明は以上のような構成にしたことにより下記の効
果を有する。
分割された柱鉄筋の帯筋と、スライド自在なコ字形
の連結筋とが配置された一対の梁鉄筋の接合端部を、柱
との接合部に落とし込んで壁付帯梁の横筋の手前側に配
置した後、前記接合端部における連結筋を柱の中央部側
に引き寄せて接続することにより、前記分割された柱鉄
筋の帯筋が一体的な柱鉄筋の帯筋となるので、壁式ラー
メン構造の柱における梁鉄筋を手間がかからず容易に接
合できて工期の短縮が図れる。
連結筋を接合して形成した閉鎖型帯筋が、一対の梁
同士を一体的に連結するので、これらが繰り返しの荷重
を受けても、梁と柱との接合部周辺のかぶりコンクリー
トのはらみ出しや破壊が防げる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の壁式ラーメン構造の柱におけ
る梁鉄筋の接合方法を示す平面図、第4図は同縦断面
図、第5図は梁鉄筋の拡大斜視図、第6図は梁鉄筋の連
結筋を引き出した状態の一部省略斜視図、第7図は従来
の壁式ラーメン構造の柱における梁鉄筋の接合方法を示
す平面図である。 M:柱 N:梁 L:壁付帯梁 m:接合端部 1:梁鉄筋 2:連結筋 3:柱鉄筋 5:壁鉄筋 5a:壁縦筋 5b:壁付帯梁の横筋

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】壁式ラーメン構造における柱と梁との接合
    部において、分割された柱鉄筋の帯筋と、スライド自在
    なコ字形の連結筋とが配置された一対の梁鉄筋の接合端
    部を、柱との接合部に落とし込んで壁付帯梁の横筋の手
    前側に配置した後、前記接合端部における連結筋を柱の
    中央部側に引き寄せて接続することにより、前記分割さ
    れた柱鉄筋の帯筋を一体的な柱鉄筋の帯筋としたことを
    特徴とする壁式ラーメン構造の柱における梁鉄筋の接合
    方法。
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