JP2542090Y2 - スロープ付車両 - Google Patents

スロープ付車両

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JP2542090Y2
JP2542090Y2 JP1990107873U JP10787390U JP2542090Y2 JP 2542090 Y2 JP2542090 Y2 JP 2542090Y2 JP 1990107873 U JP1990107873 U JP 1990107873U JP 10787390 U JP10787390 U JP 10787390U JP 2542090 Y2 JP2542090 Y2 JP 2542090Y2
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光広 菅原
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日野車体工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、例えば車椅子等での乗り降り等をし易くす
るためのスロープを備えたスロープ付車両に関する。
[従来の技術] 従来よりバス等の車両で、車椅子に座ったまま乗り降
りができるようにするのに、車両内通路と車両外の道路
上に掛け渡されるスロープ(導板)を備えた構造のもの
がある。
この車両では、スロープを使用しないときには、床根
太とフレームとの間にスロープを格納しておき、使用す
るときに引き出し、一端側を車両内の通路に掛け、他端
側を道路上に置いて斜めにセットするようになってい
る。
[考案が解決しようとする課題] しかしながら、スロープを引き出してそのまま車両内
の通路と車両外の道路上とに掛け渡してセットする構造
では、スロープ後端(上端)と車両内の床面との間に段
差が生じ、この段差を乗り越えて乗り降りしなければな
らない。このため、車椅子を使っている人等は、一人で
乗り降りするのが難しく、介護者による手助けを必要と
する。
また、スロープを床根太とフレームとの間のスロープ
格納部内に格納する場合も、スロープ格納部における引
き出し口の位置とスロープ上端との位置合わせをその都
度行わないとスムースに格納することができない。
すなわち、この種のスロープの構造では、スロープ格
納部内よりスロープを引き出して使用するときには、ス
ロープの後端が車両内の床面と同じ高さとなる位置まで
移動し、車椅子等を使用しての安全な乗り降りが確保で
きるようにするとともに、逆に格納するときには、スロ
ープ格納部における引き出し口と対応する位置にスロー
プの後端が移動されて、そのまま押し込むことによって
格納が簡単、かつ迅速にできる構造が要求される。特に
迅速性に付いては、引き出し及び格納作業を短時間で済
ませないと交通渋滞の原因ともなること、雨天の日等に
は操作者が雨で濡れること、スロープが格納されるまで
の間は車両の乗降口を開けておくことになるが、余り長
い時間開けておくと、空調ロスや、風雨等が吹き込むこ
と等を考慮すると非常に重要な点である。また、これ以
外には簡単な構造で、しかも安価にできること等も要求
される。
ところで、従来の車両においても、例えば特開平2−
216333号に見られるように、スロープ格納部内よりスロ
ープを引き出して使用するときには、スロープの後端が
車両内の床面と同じ高さとなる位置に移動し、逆に格納
するときにはスロープ格納部における引き出し口と対応
する位置に後端が移動される構造にしたものがある。し
かし、この従来構造ではスロープ格納部内へのスロープ
の出し入れと、スロープの昇降とを流体シリンダーを用
いて自動的に行っている。
このため、2つの流体シリンダーを使用することから
コスト的が高くなり、さらに構造も複雑で重量も大きく
なる問題点がある。
また、スロープの出し入れ及び昇降速度は、流体シリ
ンダーの駆動速度によるところが大きいが、この流体シ
リンダーの駆動速度を余り早くすると危険が伴うので、
一般には緩やかに設定せざるを得ない。このため、セッ
ト並びに格納に時間がかかると言う問題点もある。
本考案は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、
その目的は車椅子を使用しての乗り降り等が安全かつ簡
単になるとともに、スロープの出し入れを短時間で済ま
すことができる、簡単な構造でコスト低減が可能な構造
にしたスロープ付車両を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため本考案は、次の技術手段を講
じたことを特徴とする。すなわち、車両内の通路床下部
分に形成されたスロープ格納部5と、 前記スロープ収納部5内に前後方向にスライド自在に
収納されているスロープ3と、 前記スロープ3の後端にリンク機構を介して取り付け
られていて、前記スロープ3が前記スロープ格納部5内
より引き出されると、前記スロープ3の前端側が下側に
回動できるとともに、後端側が上側に移動できる状態に
して前記スロープ3を支持している支持手段9と、 前記スロープ収納部5内を前記スロープ3及び前記支
持手段9と共に前後方向に移動されて、前記スロープ3
が前記スロープ格納部5内から使用可能な位置まで移動
されると前記支持手段9の下側より突出するようにして
設けられている引っ掛かりプレート16と、 前記スロープ3が前記使用可能な位置まで引き出され
たときに前記スロープ3の後端と対応する位置に支軸27
を支点として前後方向に回転可能に取り付けられている
とともに、前記スロープ3が前記使用可能な位置に配置
される直前で前記引っ掛かりプレート3が当接されて、
この引っ掛かりプレート16の前記使用可能な位置側への
移動に連動して前記スロープ3の引き出し方向に回転さ
れる回動部材19と、 前記支軸27を支点として前後方向に回転されるリンク
片21と、 前記回動部材19と前記リンク片21との間にリンク結合
して配設されており、前記回動部材19が前記スロープ3
の引き出し方向に回転される動作に連動して下側から前
記スロープ3の後端に向かって移動されて前記スロープ
3の後端を車両内通路の床面4と略同じ高さまで持ち上
げるとともに前記リンク片21を前記スロープ3が引き出
される方向に回転させ、前記リンク片3が前記スロープ
3が引き出される方向と反対の方向に回転される動作に
連動して下側に向かって移動されて前記スロープ3の後
端が前記スロープ格納部5の引き出し口まで戻るのを許
容するリフト部材20と、 一端側が車体1A側に回転自在に取り付けられ、他端側
が前記リンク片21の回転中心よりずれた位置に回動可能
に取り付けられた状態にして前記リンク片21と前記車体
1Aとの間に配置されていて、前記リンク片21に対して常
に回転力を付与しているとともに、前記リンク片21の回
転により前記他端側が前記支軸27を挟んで上下の位置に
切り替え配置されて、この切り替え配置された方向に前
記リンク片21が回転する力を常に付勢しておくためのガ
スステー23と、 ハンドル24を有し、このハンドル24を回転させると前記
ガスステー23の付勢力に抗して前記ガスステー23を一時
的に縮めて前記リンク片21を前記スロープ3が引き出さ
れる方向と反対の方向に回転切り替えさせて、前記スロ
ープ3の後端が前記スロープ格納部5の引き出し口まで
戻ることができる位置まで前記リフト部材20を移動させ
ることができるようにした手段、 とを備えてなる構成としたものである。
[作用] この構成によれば、作業者(介護者等)がスロープ3
を持つて引き出すと、このスロープ3が引き出される直
前で引っ掛かりプレート16が回動部材19に当接されて、
この回動部材19を使用位置側にリンク片21と共に回転さ
せ、この回転でリフト部材21がリンク動作によって上側
に移動されてスロープ3の後端側を車両内通路の床面4
と略同じ高さになるまで持ち上げ、持ち上げた後はガス
ステー23がリンク片21を使用位置側に押している力で保
持される。また、引き出したスロープ3の前側を車両外
の通路上に置くと、車両内の床面4とスロープ3の後端
側との間に段差を無くした状態でスロープ3を簡単にセ
ットすることができる。
逆に、スロープ3を格納するときは、作業者がハンド
ル24を回転操作すると、リンク片21をスロープ3が引き
出される方向と反対の方向に回転切り替えすることがで
き、リンク片21が回転切り替えされるとリフト部材21が
リンク動作によって下側に移動されてスロープ3の後端
がスロープ格納部5の引き出し口と対応した位置まで戻
すことができる。また、この状態はガスステー23がリン
ク片21を使用位置と反対側に押している力で保持され
る。さらに、この状態でスロープ3が略水平な状態にな
るまで前側を持ち上げ、スロープ3をスロープ格納部5
の内側へ押すと、そのままスロープ格納部5内に戻して
格納することができる。
したがって、この構造では、従来構造、すなわちスロ
ープ格納部内へのスロープの出し入れと、スロープの昇
降作業を行うのに2つの流体シリンダーは用いていた特
開平2−216333号に見られるような構造に比べて、操作
性の向上と、構造の簡略化並びに重量の低減が可能にな
るとともに、コストを下げて安価に提供することができ
る。
上記従来構造の場合では、スロープの出し入れ等が、
流体シリンダーの駆動速度によって決まり、この流体シ
リンダーの駆動速度を余り早くすることができないの
で、一般に操作が遅く、しかも速度が固定になるが、本
考案の場合では手動操作で行うので、周囲の状況に応じ
て操作速度を加減することも可能になる。
[実施例] 以下、本考案の実施例について図面を用いて詳細に説
明する。
第1図は本考案に係るスロープ付車両の一実施例とし
て示すバスの概略構成配置図、第2図はスロープ使用状
態で第1図のI−I線に沿って示す概略縦断側面図、第
3図は同じく第1図のI−I線に沿って示す要部拡大縦
断側面図である。
図において、このバス1は、片側三箇所の位置に乗降
口2A,2B,2Cを有し、また真中の乗降口2Bと対応した部分
にスロープ3がセット可能になっている。このスロープ
3は、使用しないときは、車内通路の床下部分に形成さ
れたスロープ格納部5(第1図中に点線で斜線を施して
示した部分の下側)内に第2図中に二点鎖線で示すよう
に格納されている。一方、使用するときには、介護者等
が第1図中の一点鎖線で示す位置までスロープ格納部5
内より引き出すと、第2図中に実線で示すように車内通
路の床面4上と道路6上に緩やかに傾斜した状態でセッ
トでき、このスロープ3を利用して車椅子に乗ったまま
バス1に乗り降りしたりすることができるようになって
いる。
さらに詳述すると、スロープ3は、第3図に示すよう
に板状に形成され、床面4の下側に配設された床根太7
とフレーム8との間のスロープ格納部5内に、このスロ
ープ格納部5内より引き出し可能に配設されている。加
えて、スロープ3の後端側には、リフト装置の一部を構
成している短い板状をした支持手段9が取り付けられて
いる。
一方、車体1A側には、スロープ格納部5内よりスロー
プ3が引き出されたときに、このスロープ3の後端およ
び支持手段9と対応する位置に、それぞれ上記リフト装
置における他の一部を構成しているところのリフト手段
10およびリターン手段11が配設されている。
また、スロープ3と支持手段9との連結構造、および
リフト装置の細部構造は、第3図の他にもさらに第4
図,第5図,第6図に示している。そこで、第3図乃至
第6図と共に、リフト装置の細部構造について次に説明
する。
まず、支持手段9は、スロープ3の後端側からさらに
後側へ延長するようにして配設されており、左右両側が
スロープ3の後端側にリンク片12および支軸13,14とで
なるリンク機構15を介して取り付けられている。そし
て、支持手段9とスロープ3との間に介装されたリンク
機構15によって、この支持手段9がスロープ3と同一面
上に直線的に配置されてそのスロープ3と一体的にスロ
ープ格納部5内で前後方向に往復移動可能な状態(第3
図および第4図参照)と、スロープ3が引き出されたと
きにスロープ3との間で折り曲げられてこのスロープ3
の上端が持ち上げられることが可能な状態を採り得るこ
とができるようになっている。加えて、支持手段9の左
右両側には、リンク機構15の後側に位置して、それぞれ
引っ掛かりプレート16が支軸17を介して回動自在に取り
付けられている。なお、この引っ掛かりプレート16は、
スロープ3がスロープ格納部5内に格納されるときには
第3図に示すように支持手段9の厚み寸法内に吸収され
た状態に回動保持され、これによってスロープ3と一体
に往復移動する支持手段9の動作を妨げることがないよ
うにし、逆にスロープ3の後端側がスロープ格納部5内
より引き出される近くになると第4図および第5図に示
すように支持手段9の下側より先端部分が突き出された
状態となるように図示せぬ手段によって制御される構造
になっている。
次に、リフト手段10およびリターン手段11は、一部の
部品を互いに共通に使用して形成されているもので、台
座18,回動部材19,リフト部材20,リンク21,22,ガスステ
ー23,ハンドル24等で構成されている。
このうち、台座18は左右両側面部18A,18Aと、底面部1
8Bおよび前面部18Cとを一体に設けて金属材で成形され
ており、底面部18Bが車体1A側に固定されている。ま
た、台座18の左右両側面部18A,18Aとの間には支軸25が
回転可能に取り付けられているとともに、一側面部18A
を貫通したこの支軸25の一端側にハンドル24が取り付け
られている。なお、このハンドル24と支軸25との間には
図示せぬワンウェイクラッチ機構が介装されており、ハ
ンドル24を第5図中の矢印F方向、すなわち乗降口2Bの
前側に引いて回動させたときには支軸25と一体に回転す
るが、矢印G方向に回転させたとき、すなわち前側へ引
いたハンドル24を戻したときには支軸25は回転せずにハ
ンドル24だけが回転して元の位置へ戻すことができるよ
うになっている。加えて、支軸25には、左右両側面部18
A,18Aとの間で左右両側に分かれて、2つの歯車26が支
軸25と一体回転する状態で取り付けられている。
さらに、台座18の左右両側面部18A,18Aには、支軸25
の上方で、かつ支軸25と平行に内側へ延ばされた状態
で、一対の支軸27,27が回転自在に取り付けられてい
る。この各支軸27には、歯車28とリンク21とがそれぞれ
支軸27と一体回転する状態で配設されている。このう
ち、歯車28は歯車26と常に噛合されている。これに対し
て、リンク21は、略三角板状に形成されている。このリ
ンク21の3つの頂点のうち、一つの頂点における近傍に
は支軸27に固定されている。また他の2つの頂点のうち
の一方側には支軸36を介してガスステー23の一端側がリ
ンク結合され、他方側には支軸29を介してリンク片22の
一端側がリンク結合されている。なお、ガスステー23の
他端側は支軸30を介して車体1A側に回転自在に取り付け
られ、各支軸27には上記回動部材19が回転自在に取り付
けられている。
回動部材19は、前面部19Aと、この前面部19Aの左右両
側より後方に向かってそれぞれ略直角に折り曲げられた
側面部19Bとを一体に設けて金属材を成形してなり、各
側面部19Bに貫通挿入された支軸27で回転可能に支持さ
れている。また、この各側面部19Bには上下方向に延び
る状態で長孔31が形成され、さらにこの各側面部19Bの
上部には引っ掛かりプレート16に対応して各々ピン35が
内側に延びる状態で設けられている。
次に、リフト部材20は、前面部20Aと、この前面部20A
の左右両側より後側に向かってそれぞれ略直角に折り曲
げられた側面部20Bと、前面部20Aの上端側より後側に向
かって略直角に折り曲げられた天面部20Cとを一体に設
けて金属材で成形してなり、天面部20Cの上面に補助板3
2が取り付けられている。そして、このリフト部材20
は、リンク22と回転部材19の側面部19Bとの間に側面部2
0Bが位置するようにして配置され、この側面部20Bの下
部に側面部20Bの長孔31に対して摺動自在に係合された
ピン33の一端が固定されている。また、このリフト部材
20は、ピン33よりも上方において、リンク22の他端と支
軸34を介してリンク結合されている。
次に、スロープ3を出し入れする場合の動作について
説明する。
まず、第3図に示しているように、スロープ3がスロ
ープ格納部5内に格納されている状態では、支持手段9
はスロープ3と同一面上に配置され、引っ掛かりプレー
ト16も図中時計回り方向に回動されてスロープ3の厚み
内に吸収された状態にある。また、リフト手段10とリタ
ーン手段11側は、第4図に示している状態にある。すな
わち、ガスステー23は支軸30を支点にして反時計回り方
向に回動され、リンク21は支軸27を支点にして時計回り
方向に回動されている。そして、リフト部材20はリンク
22およびリンク21を介して引かれ、長孔31の下端側にピ
ン33が当接された状態まで下方に変位されている。同時
に、回動部材19も下端側が台座18の前面部18Aの内面に
当接されて規制された状態になるまで、時計回り方向に
回動されている。
一方、この状態で、介護者等の手によってスロープ3
が引き出し操作され、フレーム8を通過し終わった位置
までスロープ3が引き出されと、引き出し終わる前に引
っ掛かりプレート16が第4図中に示すように反時計回り
方向に支軸17を支点にして回転され、この引っ掛かりプ
レート16の先端が支持手段9の下面側より下側へ突き出
された状態になる。さらにスロープ3が引き出される
と、引っ掛かりプレート16の先端が回動部材19上のピン
35に衝突する。そして、スロープ3が引き出されるのに
伴って、回動部材19が支軸27を支点にしてリンク片21お
よび歯車28と共に同図中の反時計回り方向に回転を始め
る。すると、これと同時にリンク21に支軸36を介して一
端側が回転自在に取り付けられているガスステー23が上
方に移動する。こうしてガスステー23が上方に移動し、
支軸27と支軸30とを結ぶ直線(デッドポイント)を支軸
36が越えると、ガスステー23の蓄積力が支軸27を支点に
してリンク21を第4図中の時計回り方向に回転させよう
とする力として動き、リンク22を介して回動部材19およ
びリフト部材20を支軸27と共に同図中の反時計回り方向
に回転させる。なお、このとき歯車28,26を介して支軸2
5も時計回り方向に回転されるが、支軸25とハンドル24
との間にはワンウェイクラッチが介装されているので、
ハンドル24は回転しない。こうして各部材が回転されて
行き、回動部材19の前面部19Aが台座18の前面部18Aの内
面にぶつかると、回動部材19とリフト部材20はそれ以上
の回転が規制される。しかし、リンク21はガスステー23
の力でさらに回転を続けることができる。そして、リン
ク21が回転を続けると、この回転でリフト部材20がリン
ク22を介して上方へ突き出されて行く。また、この突き
出しによってリフト部材20の上面20Cが補助板32を介し
てスロープ30の後端側下面にぶつかり、このスロープ3
を押し上げる。すると、このリフト部材20によってスロ
ープ3の後端側が第5図に示すように床面4と略同じ高
さになるまで自動的に押し上げられる。一方、床面4と
略同じ高さまで押し上げられると、この状態は支軸36の
位置が支軸34と支軸27を結ぶ直線(デッドポイント)を
越えた反対側にあるので、リンク21が回動部材19の前面
部19Aに接触することでロックされる。そして、この状
態でスロープ3の先端側を道路6上に配置させると、こ
のスロープ3が車両内通路の床面4と車両外の道路6上
に掛け渡された状態となり、このスロープ3を利用して
車椅子等を昇り降りさせることができる。
したがって、この場合では、スロープ3の後端側がリ
フト手段となるリフト部材20等によって、車両内通路の
床面4と略同じ高さまで自動的に持ち上げられるので、
スロープ3の使用時に車両内通路の床面4とスロープ3
の後端側との間の段差をなくした状態で簡単にセットす
ることができる。これにより車椅子等を利用する場合に
は介護者の手を借りずに、車両内通路の床面4と車両外
の道路6との間をスムースに伝わって一人で乗り降りす
ることができ、安全性が図れるとともに介護者の負担を
少なくすることができる。
一方、車両内通路の床面4と道路6との間に掛け渡さ
れてセットされているスロープ3を再び格納する場合
は、車体1A内に格納されているリターン手段11の一部を
構成しているところのハンドル24を、介護者等の手で乗
降口2Bの前側へ、第5図中に一点鎖線で示すように引き
倒す。すると、支軸25を介して歯車26が第5図中の反時
計回り方向に回転され、これと同時にガスステー23の付
勢力に抗してリンク21が歯車28,支軸27と共に同図中の
時計回り方向に回転する。また、リンク21の回転に伴っ
てリフト部材20がリンク22に引かれて下降を開始する。
同時にリンク21が回転され、ガスステー23が下方に移動
する。そして、支軸27と支軸30とを結ぶ直線(デッドポ
イント)を支軸36が越えると、ガスステー23の蓄積力が
支軸27を支点にしてリンク片21を第5図中の反時計回り
方向に回転させようとする力として動き、第4図に示す
状態に復帰し、この状態がロックされる。その後、ハン
ドル24を戻すと、ワンウェイクラッチ機構の働きによっ
て支軸25を回転させることなく、このハンドル24を車両
内の所定位置に戻すことができる。そして、スロープ3
の後端側はスロープ格納部5の入口(引き出し口)前側
に対応配置された状態になる。また、この状態で道路6
上に載置されているスロープ3の前端側を持ち上げてス
ロープ格納部5内へ押すと、第3図に示すように、この
スロープ3を再びスロープ格納部5内へ格納させること
ができる。
すなわち、この構造で一度引き出されてセットされて
いるスロープ3を格納する場合は、介護者等が手でハン
ドル24を回動操作させると、引き出されているスロープ
3の後端側をスロープ格納部5内の引き出し口と略同じ
高さ(第4図参照)まで戻すことができる。また、この
位置でスロープ3の前端側を持ち上げてスロープ格納部
5内に向かって押すと、このスロープ3をスロープ格納
部5内へ簡単に格納することができる。これによりスロ
ープを格納する作業が簡単に、しかも迅速に行うことが
できる。
したがって、本考案の実施例の構造では、スロープ格
納部内へのスロープの出し入れと、スロープの昇降作業
を行うのに2つの流体シリンダーを用いていた特開平−
2−216333号に見られる従来構造に比べて、操作性の向
上と、構造の簡略化並びに重量の低減が可能になるとと
もに、コストを下げて安価に提供することができること
になる。また、上記従来構造の場合では、スロープの出
し入れ等が、流体シリンダーの駆動速度によって決ま
り、この流体シリンダーの駆動速度を余り早くすること
ができないので操作が遅くなるが、本考案の実施例の構
造の場合では手動操作で行うことができるので、周囲の
状況に応じて操作速度を加減することも可能になる。
なお、本考案は上記実施例により説明したが、勿論こ
の実施例の構造に限定されるものではなく、本考案の要
旨を逸脱しない範囲で色々と設計の変更を施しても差し
支えないものである。さらに、上記実施例では、車椅子
で乗り降りするバスに適用した場合について説明した
が、これに限ることなく、広く一般の車両で、また一輪
車を利用しての荷物の積み降ろしを行う場合等にも適用
できるものである。
[考案の効果] 以上説明したとおり、本考案に係るスロープ付車両に
よれば、車椅子を使用しての乗り降り等が安全かつ簡単
になるとともに、スロープの出し入れを短時間で済ます
ことができる等の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係るスロープ付車両の一実施例として
示すバスの概略構成配置図、第2図はスロープ使用状態
で第1図のI−I線に沿って示す概略縦断側面図、第3
図は同じく第1図のI−I線に沿って示す要部拡大縦断
側面図、第4図は同上バスのスロープを引き出し途中の
状態で示した要部拡大、第5図は同上バスのスロープを
引き出して使用している状態で示した要部拡大図、第6
図は第5図のII−II線に沿う方向より一部を破断して見
た正面図である。 1……バス(車両)、3……スロープ、4……床面、5
……スロープ格納部、6……道路、9……支持手段、10
……リフト手段、11……リターン手段、15……リンク機
構。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両内の通路床下部分に形成されたスロー
    プ格納部5と、 前記スロープ収納部5内に前後方向にスライド自在に収
    納されているスロープ3と、 前記スロープ3の後端にリンク機構を介して取り付けら
    れていて、前記スロープ3が前記スロープ格納部5内よ
    り引き出されると、前記スロープ3の前端側が下側に回
    動できるとともに、後端側が上側に移動できる状態にし
    て前記スロープ3を支持している支持手段9と、 前記スロープ収納部5内を前記スロープ3及び前記支持
    手段9と共に前後方向に移動されて、前記スロープ3が
    前記スロープ格納部5内から使用可能な位置まで引き出
    されると前記支持手段9の下側より突出するようにして
    設けられている引っ掛かりプレート16と、 前記スロープ3が前記使用可能な位置まで引き出された
    ときに前記スロープ3の後端と対応する位置に支軸27を
    支点として前後方向に回転可能に取り付けられていると
    ともに、前記スロープ3が前記使用可能な位置に配置さ
    れる直前で前記引っ掛かりプレート3が当接されて、こ
    の引っ掛かりプレート16の前記使用可能な位置側への移
    動に連動して前記スロープ3の引き出し方向に回転され
    る回動部材19と、 前記支軸27を支点として前後方向に回転されるリンク片
    21と、 前記回動部材19と前記リンク片21との間にリンク結合し
    て配設されており、前記回動部材19が前記スロープ3の
    引き出し方向に回転される動作に連動して下側から前記
    スロープ3の後端に向かって移動されて、前記スロープ
    3の後端を車両内通路の床面4と略同じ高さまで持ち上
    げるとともに前記リンク片21を前記スロープ3が引き出
    される方向に回転させ、前記リンク片3が前記スロープ
    3が引き出される方向と反対の方向に回転される動作に
    連動して下側に向かって移動されて、前記スロープ3の
    後端が前記スロープ格納部5の引き出し口まで戻るのを
    許容するリフト部材20と、 一端側が車体1A側に回転自在に取り付けられ、他端側が
    前記リンク片21の回転中心よりずれた位置に回動可能に
    取り付けられた状態にして前記リンク片21と前記車体1A
    との間に配置されていて、前記リンク片21に対して常に
    回転力を付与しているとともに、前記リンク片21の回転
    により前記他端側が前記支軸27を挟んで上下の位置に切
    り替え配置されて、この切り替え配置された方向に前記
    リンク片21が回転する力を常に付勢しておくためのガス
    ステー23と、 ハンドル24を有し、このハンドル24を回転させると前記
    ガスステー23の付勢力に抗して前記ガスステー23を一時
    的に縮めて前記リンク片21を前記スロープ3が引き出さ
    れる方向と反対の方向に回転切り替えさせて、前記スロ
    ープ3の後端が前記スロープ格納部5の引き出し口まで
    戻ることができる位置まで前記リフト部材20を移動させ
    ることができるようにした手段、 とを備えたことを特徴とするスロープ付車両。
JP1990107873U 1990-10-15 1990-10-15 スロープ付車両 Expired - Lifetime JP2542090Y2 (ja)

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