JP2541802B2 - 形状記憶TiNiV合金及びその製造方法 - Google Patents

形状記憶TiNiV合金及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,低温で作動機能を有する形状記憶バネ,擬
弾性バネ,アクチュエーターバネ当の形状記憶合金であ
って,詳しくはTi,Niを主成分として残部にVを含有す
る形状記憶TiNiV合金及びその製造方法に関する。
(従来の技術) TiNi合金が熱弾性型マルテンサイト変態の逆変態に付
随して顕著な形状記憶効果,および擬弾性効果を示すこ
とはよく知られている。
TiNi合金をヒステリシスの小さな形状記憶バネとして
用いる場合,冷間加工後400〜500℃で焼鈍し,冷間の加
工組織を残すことで中間相変態を利用することが知られ
ている。また擬弾性バネについても同様な方法が採られ
ている。
これらは,家電用アクチュエーター,歯列矯正線,ガ
イドワイヤー,ブラジャー等への実用化が進められてい
るが,いずれも体温(約35℃)近傍で使用されるもので
あった。
(発明が解決しようとする問題点) 形状記憶合金を用いて室温(約20℃以下)とりわけ0
℃前後で作動するバネを得ようとする場合,TiNi2元合金
は500〜550℃の温度で短時間処理(5〜10分間)を必要
とする。この場合,処理時間が短いために,スプリング
・バックを無視できず,成型性に難点を有していた。ま
た,500℃を越えた熱処理条件では,冷間加工で与えられ
た加工組織が消えるために,ヒステリシスが大きくなる
難点を有している。
また0℃前後から擬弾性を示すバネは,400〜450℃で
短時間(5〜10分間)の処理によって得られる。しかし
前記と同様スプリングバックが大きくコイルバネの成型
は困難であった。
これらの難点を克服し,室温以下で作動する素子の製
造を可能にすることは,冷蔵庫,住宅用換気口,等のア
クチュエーター,自動車,衣料,医療等への擬弾性バネ
への実用化にとって極めて重要なことである。
本発明の目的は,室温(約20℃)以下特に0℃前後の
温度で作動する形状記憶TiNiV合金及びその製造方法を
提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば,主成分Ni,TiにおけるNi/Ti原子パー
セントの比が1.02〜1.06の範囲にあり,且つ残部として
Vを0.25〜2.0[原子パーセント]の範囲で含有するTiN
iV合金であって,温度20℃以下で超弾性が発現或いは形
状回復すると共に,変態温度ヒステリシスが5℃以下で
ある形状記憶TiNiV合金が得られる。
又,本発明によれば,主成分Ni,TiにおけるNi/Ti原子
パーセントの比が1.02〜1.06の範囲にあり,且つ残部と
してVを0.25〜2.0[原子パーセント]の範囲で含有す
るTiNiV合金材料を得る材料取得工程と,TiNiV合金材料
を熱間加工,冷間加工する熱間・冷間工程と,冷間加工
後にTiNiV合金材料を温度条件425〜525[℃]で10〜60
分間熱処理する熱処理工程とを含む形状記憶TiNiV合金
の製造方法が得られる。
(実施例) 以下に実施例を挙げ,本発明の形状記憶TiNiV合金及
びその製造方法について,図面を参照して詳細に説明す
る。
最初に,本発明の形状記憶TiNiV合金の基本的性質に
おいて簡単に説明する。この形状記憶TiNiV合金は,主
成分Ni,TiにおけるNi/Ti原子パーセントの比が1.02〜1.
06の範囲にあり,且つ残部としてVを0.25〜2.0[原子
パーセント]の範囲で含有するTiNiV合金であって,温
度20℃以下で超弾性が発現或いは形状回復すると共に,
変態温度ヒステリシスが5℃以下のものとなっている。
このような形状記憶TiNiV合金を製造する場合,その
製造方法として,主成分Ni,TiにおけるNi/Ti原子パーセ
ントの比が1.02〜1.06の範囲にあり,且つ残部としてV
を0.25〜2.0[原子パーセント]の範囲で含有するTiNiV
合金材料を得る材料取得工程と,TiNiV合金材料を熱間加
工,冷間加工する熱間・冷間工程と,冷間加工後にTiNi
V合金材料を温度条件425〜525[℃]で10〜60分間熱処
理する熱処理工程とを実施すれば良い。
そこで、以下は形状記憶TiNiV合金の製造工程を比較
試料を含めて具体的に説明する。
先ず,材料取得工程では高周波真空溶解により幾つか
の組成が異なるTiNiV合金材料を得て,これらのTiNiV合
金材料を温度900℃で2時間均一化処理した。この後,
熱間・冷間工程において,熱間加工では熱間ハンマー,
熱間ロール,及び冷間伸線を施して線径1.3mmまでの合
金線試料とし,冷間加工では焼鈍無しで加工率40%にて
線径1.0mmまでの合金線試料とした。
表1は,ここでの各組成のTiNiV合金材料に関する熱
間・冷間加工性を調べた結果を示したものである。
次に,熱処理工程として,得られた合金線のうちのひ
とつであるTi48.75Ni50.75V0.5合金線(No.6)を温度40
0℃,450℃,および500℃でそれぞれ30分間熱処理を施し
た。これらの形状記憶特性を調べるために−20℃から+
50℃まで温度を変化させた時の応力対ひずみ曲線を求め
た。0℃および20℃に於ける結果を第1図に示す。参考
として20℃に於けるTi49−Ni51合金線(No.15)の応力
対ひずみ曲線を併せて示す。この結果からTi48.75Ni
50.75V0.5合金線はいずれの熱処理についても20℃で良
好な擬弾性特性を示し,特に400℃,450℃熱処理につい
ては0℃でも顕著な擬弾性特性を示していることがわか
る。一方,Ti49−Ni51合金線は0℃での擬弾性特性は得
難く,500℃熱処理では20℃での擬弾性特性も得られな
い。
第2図に前記合金線の応力対温度曲線を示している
が,400℃および450℃熱処理については−10℃から前記
特性が得られている。
次に成型性を調べるために,冷間加工によって得られ
た1mmφ素線を6mmφのコイルに加工し,400℃,450℃およ
び500℃で30分間熱処理を施した。その結果,450℃,お
よび500℃熱処理材については,加工コイル(径6mm)の
バネが得られたが,400℃熱処理材についてはスプリング
バックによってコイル径は8mmに拡がった。この傾向は
比較として行ったTi49Ni51合金線にも認められた。また
得られたコイル・バネの特性は第1図と同様の結果を示
した。
500℃で30分間熱処理コイルバネの定荷重下に於ける
温度−変位について調べた。一例としてNo.6およびNo.1
5の合金線によるものを第3図に示す。(図中には荷重2
50gr下におけるバネの加熱・冷却による変位を示してい
るが,低温域でのバネの変位に対しストッパーを設けて
いる。)この結果より本発明による合金(No.6)のコイ
ルバネのマルテンサイト変態開始温度(Ms点)および逆
変態完了温度(Af点)はそれぞれ4℃と7℃であった。
一方,比較としてのTi49Ni51合金(No.15)のコイルバ
ネのMs点およびAf点はそれぞれ26℃と35℃であった。す
なわち本発明による合金は変態温度ヒステリシス(Af−
Ms)の小さい且つ,作動温度(Ms,およびAf)の低い素
子の製作を可能にした。
表1に示す合金の変態温度を750℃で1時間の熱処理
したものについてそれぞれ調べた結果を第4図に示す。
図中(1)はTi49Ni51-XVXなる形でBを添加した時のMs
点と添加量(x)の関係,(2)はTi49-XNi51VX
(3)はTi49-X/2Ni51-X/2VXなる形で添加した時のそれ
ぞれの関係を示している。この結果より,V添加量の増加
とともにMs点はいずれの添加系についても低下する。こ
のことより低変態点材を製作するために,Vを多く添加す
ることが期待されるが,冷間加工性は添加量の増加とと
もに悪くなり,特に表に示すように2at%を越えると殆
ど加工できなかった。一方,添加量が0.25at%未満では
添加による効果は認められなかった。合金組成限定理由
はNiとTiの原子パーセント比が1.02未満,例えばTi49.5
Ni49.5V1.0,Ti49.5Ni50V0.5,等の合金組成では,変態
温度低下の顕著な効果が認め難い。また同原子パーセン
ト比が1.06を越える,例えばTi47.5Ni52V0.5,Ti47.75N
i51.75V0.5等の合金組成では変態温度の顕著な低下は認
められるものの,加工が殆ど出来ない。本発明のV添加
最適範囲は,0.5〜1.0at%であり,添加に供される母合
金(TiNi合金)のNi濃度は良好な形状記憶特性を示す50
〜51at%である。
(発明の効果) 以上説明したように,本発明による形状記憶合金によ
れば,形状記憶効果および超弾性効果の作動温度を低温
側へ移動させられるため,常温(約20℃)以下,特に0
℃前後において顕著な擬弾性特性を示すとともに,変態
温度ヒステリシスの小さい形状記憶特性を示すという効
果があり,冷蔵庫,医療,衣料関連への応用が期待でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本文表中の合金No.6(Ti48.75Ni50.75V0.5
金)、No.15(Ti49Ni51合金)を500℃,450℃および400
℃でそれぞれ30分間熱処理したものの0℃,20℃に於け
る応力対ひずみ線図。第2図は,第1図中合金No.6を50
0,450,400℃でそれぞれ30分間熱処理したものの,降伏
応力と温度関係を示す図(図中,破線部は形状記憶特性
温度域,実線は擬弾性特性温度域を示している。),第
3図は本文表1中合金No.6およびNo.6の素線をコイルバ
ネに500℃で30分間の熱処理で成型したものの250gr荷重
下での温度と変位の関係を示す図(コイル径:6.0mmφ.
線径1.0),第4図は本試験に用いられた合金を750℃で
1時間熱処理したもののMs点とV添加量の関係を示す図
(図中,〜は本文表中の合金番号,(1)はTi49Ni
51-XVX,(2)はTi49-XNi51-XVX,(3)はTi49-X/2Ni
51-X/2VXの添加系を示している。)である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分Ni,TiにおけるNi/Ti原子パーセント
    の比が1.02〜1.06の範囲にあり,且つ残部としてVを0.
    25〜2.0[原子パーセント]の範囲で含有するTiNiV合金
    であって,温度20℃以下で超弾性が発現或いは形状回復
    すると共に,変態温度ヒステリシスが5℃以下であるこ
    とを特徴とする形状記憶TiNiV合金。
  2. 【請求項2】主成分Ni,TiにおけるNi/Ti原子パーセント
    の比が1.02〜1.06の範囲にあり,且つ残部としてVを0.
    25〜2.0[原子パーセント]の範囲で含有するTiNiV合金
    材料を得る材料取得工程と,前記TiNiV合金材料を熱間
    加工,冷間加工する熱間・冷間工程と,前記冷間加工後
    に前記TiNiV合金材料を温度条件425〜525[℃]で10〜6
    0分間熱処理する熱処理工程とを含むことを特徴とする
    形状記憶TiNiV合金の製造方法。
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