JP2541685B2 - 枚葉輪転印刷機の見当合せ胴用周方向見当調整装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、請求の範囲第１項の上位概念に記載の周方
向見当調整装置に関するものである。

〔従来の技術〕

横方向の見当及び周方向の見当を調整するための装置
には、種々の形式のものが公知である。たとえばDE−OS
2720313による装置では引渡し胴を軸方向移動させるこ
とにより、横方向の見当を調整する。この調整のため、
引渡し胴軸端に配置されたスロツト・リンクにローラが
係合し、このローラが回転可能に旋回レバーに固定され
ている。この旋回レバーは、ハンド・ホイールを介して
ウオームギヤ装置により外方へ振り出すことができる。
周方向の見当は、歯車リムの軸方向移動により調整され
る。歯車リムは、軸端にフエザーキーを介して軸方向移
動可能に、しかし回動不能に支承されている。歯車リム
は、外側にはす歯を有しており、この歯を介して、歯車
リムは、次の歯車のはす歯と噛合う。歯車リムの軸方向
移動は、歯車リムに固定されたスロツト・リンクと係合
するローラの旋回により行なわれる。ローラは、ハンド
・ホイールとウオームギヤ装置を介して旋回可能なレバ
ーのところに回動可能に取付けられている。歯車リムの
軸方向移動は、はす歯を介して歯車リムの回転を生じさ
せ、フエザーキーを介してシリンダの周方向回動（調
整）を生じさせる。

このDE−OS2720313による見当調整装置の場合、周方
向の見当調整が大まかにしか可能ではない欠点がある。
これは、シリンダの軸端にルーズに支承された歯車と軸
との間に、機能を制約する遊びがあるため、周方向見当
の微調整ができないからである。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の根底をなす課題は、オフセツト・ユニツト及
び凹板ユニツトから成る迅速に微調整可能なハイブリツ
ド印刷機の見当合せ胴用調節装置の周方向見当調整装置
であつて、見当合せ胴の駆動用に備えられた歯車が、も
う一つの歯車とだけ伝動接続する形式のものを製造する
ことにある。

〔課題を解決するための手段〕

この課題は、本発明によれば、請求項１の特徴を有す
る手段によつて解決された。

本発明の利点は、特に、この調節装置により極めて精
密な調整が可能なため、高い精度が重要視される有価証
券用の印刷機にも使用でき、十分に満足のゆく結果が得
られる点にある。本発明の有利な構成によれば、見当調
整装置には自動制御装置が備えられているので、印刷工
程中、各枚葉紙が個々に計測され、目標位置から外れて
いる場合には、自動的に横方向、周方向の位置が修正さ
れる。

〔実施例〕

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

枚葉輪転印刷機のローラ列１には、２つの引渡し胴2,
3の間に見当合せ胴４が、枚葉紙５の横方向・周方向の
見当調整のために配置されている。第１の引渡し胴２に
は裏返し胴６が、また、裏返し胴６には蓄え胴７が、そ
れぞれ前置されている。枚葉紙送り方向で見て、第２の
引渡し胴３の後方には、圧胴８が配置されている。見当
合せ胴４以外のすべての胴2,3,6,7,8は、直接に印刷機
のサイド・フレーム9,11内に軸受けされている。

見当合せ胴４は、とりわけ、同軸線軸から成り、この
軸の内軸12は、その左端部13を介して左側のレバー14と
固定結合され、右端部16を介して右側のレバー17と固定
結合されている。

レバー14,17は、それぞれボルト21,22に旋回可能に支
承されている。ボルト21,22は、それぞれサイド・フレ
ーム9,11内に固定的にはめ込まれている。レバー14,17
は、また、スペーサ23,24によりサイド・フレーム9,11
から隔てられている。更に、レバー14,17は共通の回転
軸線26を有し、この回転軸線26は、外軸28の回転軸線27
から間隔ｅをおいた位置にある。同軸線軸12,28の外軸2
8は、ニードル軸受け29を介して回転可能で、軸方向に
内軸12上を移動可能に支承されている。ボルト31,32を
介して、右側レバー17はシフタ・ロツド34に、左側レバ
ー14はシフタ・ロツド33にリンク結合している。シフタ
・ロツド33,34は互いに平行に配置され、それぞれ連結
部材36,37を介して、サイド・フレームに固定された軸
受け台40,42に旋回可能に軸受けされた同期軸38と結合
されている。連結部材36,37は、それぞれ同期軸38と固
定結合され、シフタ・ロツド33,34の第１端部39,41とリ
ンク結合している。

連結部材36,37とシフタ・ロツド33,34との間のリンク
結合は、それぞれボルト43,44により行なわれている。
ボルト43,44は、戻し力を得るための引張りばね46,47を
介して、フレーム固定のピン48,49と連結されている。
シフタ・ロツド34は、第２端部51のところに制御ローラ
52を有している。このローラ52は、回動可能に保持さ
れ、調節可能な制御カム54の、軸方向に設定された輪郭
53と接触している。制御カム54は、制御軸57の第１端部
56と固定結合している。制御軸57は、サイド・フレーム
11内に固定された軸受け台58に回転可能に軸受けされて
いる。第２の端部59は、サーボモータ62の駆動軸61と形
状接続的に連結されている。駆動軸61と制御軸57との角
度位置を決定するために、駆動軸61と接続されたパルス
発生器66が備えられている。

第２図から分かるように、レバー17の下端部67のとこ
ろには、半径方向に設定された輪郭69を有する制御カム
68が固定結合されている。この輪郭69は、グリツパ開口
運動のための制御ローラ71と接触している。制御ローラ
71は、公知の形式でレバー72のところに回転可能に支承
され、レバー72はクリツパ軸73と固定結合している。グ
リツパ軸73は、旋回可能に保持部74に軸受けされてい
る。保持部74は外軸28に固定的に座着している。外軸28
の右端部76には、同じくこの外軸28と固定結合した歯車
77が取付けられている。歯車77は、ローラ列１内に前置
された引渡し胴２の歯車78と噛合い、歯車78により駆動
される。

見当合せ胴４の左外側79には、保持部74のところに軸
受け台81が取付けられている。軸受け台81は、回転可能
に支承された制御ローラ82を保持している。制御ローラ
82は制御デイスク84の環状端面83と接触している。制御
デイスク84は、垂直に配置され、見当合せ胴４の外側79
の方向へ旋回可能かつ外側から離れる方向へ旋回可能で
ある。制御デイスク84は、また、その上方部86のところ
が、フレームに固定されたピン87を中心として旋回可能
に支承されており、下方部88のところには、回転可能に
支承された制御ローラ89を有している。制御ローラ89
は、制御デイスク92の、軸方向に設定された輪郭91と接
触し、デイスク92に沿つて転動する。制御デイスク92
は、側壁９内に回転可能に軸受けされた制御軸94の端部
に取付けられている。制御軸94は、側壁９に設置された
サーボモータ96によつて駆動される。制御デイスク84,9
2により位置がずらされるスライダ97、すなわち外軸2
8、歯車77、保持部74から成るスライダ97を戻す力を得
るために、複数の圧縮ばね98が備えられている。これら
の圧縮ばね98は、レバー17に水平に支えられ、スラスト
軸受99に作用している。このスラスト軸受け99は、外軸
28のところに軸方向に支えられている。

双方のサーボモータ62,96は、電気導体（図示せず）
を介して計算ユニツト101と接続されている。サーボモ
ータ62,96は、この計算ユニツトから調整命令を受けて
いる。計算ユニツト101は、電気導体102を介して読取り
装置103と接続されている。読取り装置103は、第１図に
示されているように、引渡し胴２から間隔をおいて配置
され、裏返し胴６から引取つた枚葉紙５の位置を決定す
るのに役立つている。枚葉紙５の位置を示す信号は、計
算ユニツト101へ伝送され、横方向ないし周方向の位置
の相応の目標値と比較される。同時に、計算ユニツト10
1は、制御カム54の位置を告げるパルス発生器66からの
信号と、制御カム92の位置を告げるパルス発生器（図示
せず）からの信号を、それぞれ受信する。この入力信号
から、計算ユニツト101は、調整値を算出し、これが分
析評価回路（図示せず）を介して、調整命令として、サ
ーボモータ62,96へ送られる。

周方向見当の調整は次のように行なわれる。サーボモ
ータ62が、引渡し胴２の上の枚葉紙５の周方向位置に応
じて、右回り又は左回りに回転する。これにより、制御
カム54も相応に一緒に旋回する。制御カム54の輪郭53に
より、シフタ・ロツド34は、制御ローラ52により引張り
ばね46,47の力に抗して移動せしめられる。これにより
シフタ・ロツド34にリンク結合されているレバー17が、
ボルト22の回転軸線26を中心として旋回する。連結部材
36,37と同期軸とを介して、レバー14は、相応にボルト2
1を中心として一緒に旋回する。その場合、内軸12の回
転軸線27は、ボルト21,22の回転軸線26を中心とする円
形軌道上を運動する。旋回角度が小さいため、この円形
運動は、内軸12の直線的な移動と見ることもできる。歯
車77,78の噛合いにより、歯車77は、したがつてまたス
ライダ97は、歯車77,78の噛合い点Ａを中心として旋回
せしめられる。噛合い点Ａは、同時に、引渡し胴２と見
当合せ胴４との間の引渡し点Ａを示すものである。引渡
し点Ａは一定で、その位置は変動しない。引渡し胴３は
見当合せ胴４と噛合つていないので、見当合せ胴４は一
緒に回転はせず、見当合せ胴４のグリツパ104と引渡し
胴３のグリツパ106との間の引渡し点Ｂの相対運動が生
じる。グリツパ104,106は、枚葉紙５を十分に広い範囲
（約3mm）にわたつて見当を合わせて掴み、固定するこ
とができるように構成されている。シフタ・ロツド34
が、たとえば矢印方向に左へ移動すると、見当合せ胴４
が時計回り方向に旋回し、引渡し点Ｂが左へ、ないしは
枚葉紙の送り方向で見れば前方へ移動する。

横方向の見当を調整するには、サーボモータ96が、引
渡し胴２上の枚葉紙５の位置に応じて、右回り又は左回
りに回転する。これにより、制御カム92は、相応に一緒
に旋回する。制御カム92の輪郭91により、制御ローラ89
を介して制御デイスク84が、ピン87を中心として旋回す
る。この結果、制御ローラ82は、制御デイスク84の端面
83上を転動するさい、スライダ97を圧縮ばね98の戻し力
にともなつて、もしくは戻し力に抗して、軸方向に移動
させる。

同期軸38を使用しないで、レバー14,17を別個に旋回
させることもできる。その場合には、レバー14に、レバ
ー17に対するように、相応の調節装置66,57,52を備えて
おく。また、その場合には、レバー14,17の非同期制御
も考えられる。この制御形式によれば、たとえば、枚葉
紙５の交差誤差を修正するのに、見当胴４を傾斜位置に
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はローラ列内の見当合せ胴の位置を示す略示側面
図、第２図は本発明による見当調整装置を有する見当合
せ胴の断面図、第３図は第２図のIII−III線に沿つた断
面図である。 １……ローラ列、2,3……引渡し胴、４……見当合せ
胴、５……枚葉紙、６……裏返し胴、７……蓄え胴、８
……圧胴、９……サイド・フレーム、11……サイド・フ
レーム、12……内軸、13……軸端、14……レバー、16…
…軸端、17……レバー、21,22……ボルト、23,24……ス
ペーサ、26,27……回転軸線、28……外軸、29……ニー
ドル軸受け、31,32……ボルト、33,34……シフタ・ロツ
ド、36,37……連結部材、38……同期軸、39……端部（3
3）、40,42……軸受け台、41……端部（34）、43,44…
…ボルト、46,47……引張りばね、48,49……ピン、51…
…端部（34）、52……制御ローラ、53……輪郭、54……
制御カム、56……端部（57）、57……制御軸、58……軸
受け台、59……端部（57）、61……従動軸、62……サー
ボモータ、66……パルス発生器、67……端部（17）、68
……制御カム、69……輪郭（68）、71……制御ローラ、
72……レバー、73……グリツパ軸、74……保持部、76…
…端部（38）、77,78……歯車、79……見当合せ胴の外
側、81……軸受け台、82……制御ローラ、83……端面
（84）、84……制御デイスク、86……制御デイスク上
部、87……ピン、88……制御デイスク下部、89……制御
ローラ、91……輪郭（92）、92……制御デイスク、93…
…端部（94）、94……制御軸、96……サーボモータ、97
……スライダ（28,74,77）、98……圧縮ばね、99……ス
ラスト軸受け、101……計算ユニツト、102……電気導
体、103……読取り装置、104……グリツパ、106……グ
リツパ（３）、Ａ……歯の噛合い点、Ｂ……引渡し点、
ｅ……軸線間隔。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−32755（ＪＰ，Ａ) 実開 昭48−77002（ＪＰ，Ｕ)

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】枚葉輪転印刷機の見当合せ胴（４）用の周
   方向見当調整装置であって、見当合せ胴（４）の駆動歯
   車（77）が、前方に配置された引渡し胴（２）の歯車
   （78）に噛合い、見当合せ胴（４）の軸方向移動による
   横方向の見当調整が行われる形式のものにおいて、見当
   合せ胴（４）が、周方向見当合せのために、両方の支承
   側で偏心的に旋回可能に支承されており、伝動接続され
   ている歯車（77・78）が平歯を有しており、かつまた見
   当合せ胴（４）が前方に配置されている引渡し胴（２）
   との間には固定的は引渡し点（Ａ）を有し、後方に配置
   されている引渡し胴（３）との間には変動可能の引渡し
   点（Ｂ）を有していることを特徴とする周方向見当調整
   装置。
2. 【請求項２】見当合せ胴（４）を支承するために、旋回
   可能のレバー（14・17）が備えられていることを特徴と
   する請求項１記載の周方向見当調整装置。
3. 【請求項３】連結部材（36・37）とシフタ・ロッド（33
   ・34）とを介して、レバー（14・17）を互いに連結する
   同期軸（38）が備えられていることを特徴とする請求項
   ２記載の周方向見当調整装置。
4. 【請求項４】シフタ・ロッド（34）が、第１の端部（4
   1）を連結部材（37）に連結されており、かつ逆の側の
   第２の端部（51）のところに、回動可能に支承された制
   御ローラ（52）を有しており、このローラが、調節可能
   の制御カム（54）の軸方向に設定された輪郭（53）と接
   触していることを特徴とする請求項３記載の周方向見当
   調整装置。
5. 【請求項５】同軸線軸によって構成されている見当合せ
   胴（４）の外軸（28）と、この外軸に固定されたグリッ
   パ保持部（74）と、見当合せ胴の駆動歯車（77）とから
   成るスライダ（97）を軸方向に移動させるために、見当
   合せ胴（４）の外側（79）の方向へ旋回可能かつ外側か
   ら離れる方向へ旋回可能な制御ディスク（84）が備えら
   れており、この制御ディスク（84）がスライダに固定さ
   れた制御ローラ（82）と接触していることを特徴とする
   請求項１から４までのいずれか１項記載の周方向見当調
   整装置。