JPH08103993A - 輪転印刷機のための枚葉紙引き渡し胴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 枚葉紙引き渡し胴の全てのグリッパブリッジ
を、処理しようとする被印刷物厚さに合わせて個別に調
節し、枚葉紙引き渡し／枚葉紙受け取り時における不正
確を補償することができるような、輪転印刷機のための
枚葉紙引き渡し胴を提供する。 【解決手段】 複数のグリッパ受けストリップ（１８）
を別個に高低調節するために、１つの駆動装置（５）
が、引き渡し胴（２）の胴ジャーナル（４）内に配置さ
れていてフレーム（１）に固定されており、前記駆動装
置（５）が、伝動技術的なカップリング（１２）を介し
て、相次いで個々に調節を行う複数の調節手段（１５）
に連結されており、これらの調節手段が、各グリッパブ
リッジ（２３）のために、グリッパ受けストリップに配
属された位置決め装置（１６，１７）によって連結され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、輪転印刷機の、複
数の印刷装置又は別の複数の処理ユニットの間で単数ま
たは複数のグリッパブリッジを使用して枚葉紙を引き渡
す引き渡し胴であって、グリッパブリッジが、均一に引
き渡し胴周面に分配されていて、かつ種々異なる被印刷
物厚さに合わせて調節可能である形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】ドイツ連邦共和国特許第３４２８６６８
号明細書によれば、倍胴以上の大きさの引き渡し胴のた
めの、中央のグリッパ受けストリップ調節装置が公知で
ある。グリッパ受けに作用する手段は各グリッパ受けの
個別の調節を可能にし、この手段にはグリッパ受けを調
節する位置決め手段全体が作用し、この位置決め手段は
中央の調節装置によって作動される。中央の調節装置は
モータによって駆動され、制御卓から制御される。どの
ようにして駆動装置が制御装置と連結されているのかと
いうことは説明されていない。

【０００３】英国特許第２０９８９６６号明細書から、
枚葉紙引き渡し胴のグリッパブリッジのグリッパ受けを
位置決め（高低調節）するための装置が公知である。グ
リッパ受けの位置決めは、処理したい被印刷物の厚さに
応じて、調節ロッドを用いて行われる。この調節ロッド
は、ねじを用いてばね力に抗して胴軸線方向で移動可能
に、胴長さ全体にわたって延びるグリッパ受けの下方に
配置されている。グリッパ受けと調節ロッドとの接触面
は胴軸線方向で送り楔形伝動装置を形成していて、調節
ロッドの移動が、グリッパ受けの半径方向位置決め（高
低調節）に作用するようになっている。

【０００４】グリッパ受けストリップを個々の被印刷物
厚さに合わせて中央で調節するために大きな手間が必要
となることは、不利である。ドイツ連邦共和国特許第３
４２８６６８号明細書に記載の、複数のグリッパブリッ
ジを備えた引き渡し胴の場合には、全てのグリッパ受け
ストリップを正確に調節するために、グリッパ受けスト
リップの基本調節及び微調節が必要である。このあと
で、例えば枚葉紙引き渡し胴間の枚葉紙受け取り又は枚
葉紙引き渡し時の不正確あるいは意図せずにグリッパ受
けストリップを調節した場合の不正確を補正するため
の、グリッパ受けストリップの個別の調節は不可能であ
る。各グリッパ受けストリップの個別の調節は、ロック
された調節手段を手動で開放することによってしか行う
ことができない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、枚葉紙引き渡し胴の全てのグリッパブリッジを、処
理しようとする被印刷物厚さに合わせて個別に調節（高
低調節）し、枚葉紙引き渡し／枚葉紙受け取り時におけ
る不正確を補償することができるような、輪転印刷機の
ための枚葉紙引き渡し胴を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、複数のグリッパ受けストリップを
別個に高低調節するために、１つの駆動装置が、引き渡
し胴の胴ジャーナル内に配置されていてフレームに固定
されており、前記駆動装置が、伝動技術的なカップリン
グを介して、相次いで個々に調節を行う複数の調節手段
に連結されており、これらの調節手段が、各グリッパブ
リッジのために、グリッパ受けストリップに配属された
位置決め装置によって連結されているようにした。

【０００７】

【発明の効果】本発明による手段は特に、枚葉紙引き渡
し胴のために適していて、給紙胴又は前グリッパ胴にお
けるグリッパ受けストリップ調節にも適している。更に
本発明は、周面に対称的に配置された対応する数のグリ
ッパブリッジを備えた、特に（圧胴の直径に対して）１
倍〜４倍径の胴のために適している。本発明による手段
は、例えば紙またはボール紙のような種々異なる厚さの
被印刷物を処理するために働く。枚葉紙引き渡し胴のグ
リッパ受けを個別に調節することにより、枚葉紙引き渡
し若しくは枚葉紙受け取りの際に切換え時間が短縮さ
れ、種々の不都合な影響が最小限になり、不正確性が排
除される。更に別の利点は、各グリッパ受けストリップ
が個々に調節可能であることにある。これにより、（枚
葉紙引き渡し／枚葉紙受け取り時における）不正確を、
印刷作業中でも（手動で又は制御卓から）修正すること
ができる。更に本発明は、自動化可能な経済的な解決手
段である。胴ジャーナルにおける駆動装置の組付け位置
は場所を取らない。駆動は、電気モータ、ニューマチッ
ク式駆動装置、又はハイドロリック式駆動装置によって
行われる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面につき詳しく説明する。

【０００９】枚葉紙の引き渡し胴２は、オフセット輪転
印刷機において前置された印刷装置の圧胴に後置されて
おり、この引き渡し胴２には、後続の印刷装置の圧胴が
後置されている。引き渡し胴２は、圧胴の直径に対して
２倍の直径を備えた胴として構成されていて、２つのグ
リッパブリッジ２３を支持している。引き渡し胴２の周
面には、両グリッパブリッジ２３が対称的に（互いに１
８０°ずらされて）分配配置されている。各グリッパブ
リッジ２３は、グリッパ軸１９と、グリッパ２０と、ほ
ぼ半径方向で調節可能なグリッパ受けストリップ１８と
から成っている。グリッパ受けストリップ１８は、個々
のグリッパ２０を受けるために、各グリッパ２０に対応
したグリッパ受けブロックを支持している。

【００１０】引き渡し胴２に設けられた両胴ジャーナル
４は、それぞれ側方のフレーム１の軸受け３内で、回転
可能に収容されている。各グリッパ受けストリップ１８
には、位置決め装置が対応しており、位置決め装置は、
被印刷物厚さに関連してグリッパ受けストリップ１８の
高低調節に作用する。位置決め装置は、軸方向可動に引
き渡し胴２に支承されている。２倍径の引き渡し胴２の
場合には、２つの位置決め装置が配置されており、これ
らの位置決め装置は、それぞれ位置決めロッド１６と、
位置決めロッド１６に固定された複数の楔形部材１７と
によって形成されている。位置決め装置の楔形部材１７
は、グリッパ受けストリップ１８の複数の楔形部材に対
応している。楔形部材１７及びグリッパ受けストリップ
１８の楔形部材は、それぞれ送り楔の形のすべり継ぎ手
を形成している。位置決めロッド１６に配置された各楔
形部材１７は駆動部材として働き、グリッパ受けストリ
ップ１８の各楔形部材は被駆動部材として働く。グリッ
パ受けストリップ１８はばね付加されて位置決め装置に
支持されている。引き渡し胴２は一方の側で胴ジャーナ
ル４内に駆動装置５を有しており、この駆動装置５は、
保持部材６を介してフレーム１に固定されている。駆動
装置５は駆動軸７を有しており、この駆動軸７は、直動
案内装置８，９と共にねじ伝動装置を形成している。直
動案内装置８，９の周面にはリング１０が回転可能に支
承されており、このリング１０は、調節しようとするグ
リッパ受けストリップ１８に回転ジョイント１１を介し
て連結されている。各ラック１３は歯付きセグメント２
２を有しており、この歯付きセグメント２２は、調節手
段１５、例えば回転可能に支承された調節軸の外歯列に
噛合可能である。調節リング１４によって、各ラック１
３は対応する調節手段１５上で案内されている。各調節
手段１５は、引き渡し胴２の軸線の範囲で回転可能に支
承されている。駆動軸７と、直動案内装置８，９と、リ
ング１０と、回転ジョイント１１と、ラック１３と、調
節手段１５の外歯列とは、伝動技術的なカップリング１
２を形成している。

【００１１】２倍径の引き渡し胴２を備えた構成の本実
施例においては、リング１０には、２つのラック１３
が、各１つの回転ジョイント１１を介して（互いに１８
０°ずらされて）連結されている。ラック１３は、常に
１つのラック１３だけが１つの調節手段１５に噛み合う
ようにずらされて配置された歯付きセグメント２２を有
している。

【００１２】３倍径の引き渡し胴２が設けられている場
合には、３つの調節手段１５が、互いに１２０°ずつず
らされて配置されており、これらの調節手段１５には、
３つのラック１３が配属されている。ラック１３は同様
に歯付きセグメント２２を有しており、歯付きセグメン
ト２２は、常に１つのラック１３だけが１つの調節手段
１５に噛み合うように配置されている。

【００１３】４倍径の引き渡し胴２が設けられている場
合には、４つの調節手段１５が、互いに９０°ずつずら
されて配置されており、これらの調節手段１５には、４
つのラック１３が配属されている。ラック１３は同様に
歯付きセグメント２２を有しており、歯付きセグメント
２２は、常に１つの歯付きセグメント１３だけが１つの
調節手段１５に噛み合うように配置されている。

【００１４】１倍径の引き渡し胴２の場合には、少なく
とも１つのラック１３が配属された調節手段１５が配置
されている。この他に、調節手段１５に作用する２つの
ラック１３を設けることも可能である。この場合調節手
段１５は２つの外歯列を有しており、これらの外歯列
は、個々のラック１３に互いに同期的に噛み合う。しか
し歯車伝動装置の代わりに、連結伝動装置を用いること
もできる。この場合直動案内装置８，９に配置されたリ
ングは、少なくとも１つのバイナリエレメント（例えば
連結ロッド）によって２つの回転ジョイントに連結され
ており、第１の回転ジョイントがリング１０に固定さ
れ、第２の回転ジョイントとが調節手段１５に固定され
る。

【００１５】作用形式 引き渡し胴２は、前置された印刷装置の圧胴から被印刷
枚葉紙を受け取り、この枚葉紙を、後置された印刷装置
の圧胴に引き渡す。異なる厚さの被印刷物を処理したい
場合は、グリッパ受けストリップ１８を高低調節する必
要がある。駆動装置５は、手動または自動で、例えば制
御卓から操作される。駆動装置５は、駆動軸７を駆動す
る。駆動軸７と直動案内装置８，９とがねじ伝動装置を
形成し、駆動軸７は駆動部材として、直動案内装置８，
９は被駆動部材としてそれぞれ働く。直線案内装置８，
９は軸方向で相対運動を行い、この相対運動はリング１
０を運動させる。リング１０は運動方向２１の運動を、
ラック１３を介して回転可能な調節手段１５に伝達す
る。調節手段１５は位置決めロッド１６を軸方向で操作
し、対応するグリッパ受けストリップ１８を調節する。
ラック１３は歯付きセグメント２２を有しており、歯付
きセグメント２２は、規定の範囲だけで調節手段１５の
外歯列に噛み合う。この規定の範囲を過ぎると、歯付き
セグメント２２は調節手段１５に噛み合わない。即ち、
調節手段１５は所定の位置に固定される。

【００１６】引き渡し胴２が２つのグリッパ受けストリ
ップ１８を有している場合には、各調節手段１５は別個
に相次いでラック１３によって回転される。第１のラッ
ク１３が第１の調節軸１５に噛み合っている時には、第
２のラック１３は第２の調節軸１５に噛み合わない。こ
れとは逆に、第２のラック１３が第２の調節軸１５に噛
み合っている時には、第１のラック１３は第１の調節軸
１５に噛み合わない。これにより、各グリッパ受けスト
リップ１８の別個の調節が行われる。グリッパ受けスト
リップ１８が３つ又は４つ設けられている場合にも、調
節は同様に行われる。常に１つのラック１３の歯付きセ
グメント２２だけが、対応する調節手段１５に噛み合
う。

【図面の簡単な説明】

【図１】２倍径の引き渡し胴の実施例を示す図である。

【図２】調節手段の噛み合い状態の概略図である。

【図３】調節手段の別の噛み合い状態の概略図である。

【符号の説明】

１ フレーム、 ２ 引き渡し胴、 ３ 軸受け、 ４
胴ジャーナル、 ５駆動装置、 ６ 保持部材、 ７
駆動軸、 ８，９ 直動案内装置、 １０リング、
１１ 回転ジョイント、 １２ カップリング、 １３
ラック、１５ 調節手段、 １６ 位置決めロッド、
１７ 楔形部材、 １８ グリッパ、 １９ グリッ
パ軸、 ２０ グリッパ、 ２１ 運動方向、 ２２
歯付きセグメント、 ２３ グリッパブリッジ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クレメンス ケンメルアー ドイツ連邦共和国 ゼーリゲンシュタット シュライフバッハヴェーク 22

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷機のための枚葉紙引き渡し胴であっ
   て、それぞれグリッパ軸とグリッパと調節可能なグリッ
   パ受けストリップとから形成されていて前記枚葉紙引き
   渡し胴の周面に均一に分配配置された複数のグリッパブ
   リッジが設けられている形式のものにおいて、複数の前
   記グリッパ受けストリップ（１８）を別個に高低調節す
   るために、１つの駆動装置（５）が、引き渡し胴（２）
   の胴ジャーナル（４）内に配置されていてフレーム
   （１）に固定されており、前記駆動装置（５）が、伝動
   技術的なカップリング（１２）を介して、相次いで個々
   に調節を行う複数の調節手段（１５）に連結されてお
   り、これらの調節手段（１５）が、各グリッパブリッジ
   （２３）のために、グリッパ受けストリップ（１８）に
   配属された位置決め装置（１６，１７）によって連結さ
   れていることを特徴とする、輪転印刷機のための枚葉紙
   引き渡し胴。
2. 【請求項２】 前記駆動装置（５）が、制御可能な電動
   モータ、ハイドロリック式駆動装置、又はニューマチッ
   ク式駆動装置である、請求項１記載の枚葉紙引き渡し
   胴。
3. 【請求項３】 伝動技術的な前記カップリング（１２）
   が、全体的に作用するねじ伝動装置と、それぞれ個々に
   前記各調節手段（１５）に作用する歯車伝動装置とから
   構成されている、請求項１または２記載の枚葉紙引き渡
   し胴。
4. 【請求項４】 前記ねじ伝動装置が、駆動軸（７）と、
   リング（１０）を備えた直動案内装置（８，９）とから
   構成されている、請求項３記載の枚葉紙引き渡し胴。
5. 【請求項５】 前記歯車伝動装置が、少なくとも１つの
   歯付きセグメントを有したラック（１３）と、外歯列を
   備えた回転運動可能な調節手段（１５）とから構成され
   ている、請求項３記載の枚葉紙引き渡し胴。
6. 【請求項６】 前記枚葉紙引き渡し胴（２）に複数のグ
   リッパ受けストリップ（１８）が配置されている場合
   に、常に１つの前記ラック（１３）の歯付きセグメント
   だけが、対応する前記調節手段（１５）に噛み合ってい
   る、請求項３記載の枚葉紙引き渡し胴。
7. 【請求項７】 ２倍径の引き渡し胴（２）が設けられて
   いる場合に、２つの調節軸が調節手段（１５）として対
   称的に配置されている、請求項１記載の枚葉紙引き渡し
   胴。
8. 【請求項８】 ３倍径の引き渡し胴（２）が設けられて
   いる場合に、３つの調節軸が調節手段（１５）として互
   いに１２０°ずつずらされて配置されている、請求項１
   記載の枚葉紙引き渡し胴。
9. 【請求項９】 ４倍径の引き渡し胴（２）が設けられて
   いる場合に、４つの調節軸が調節手段（１５）として互
   いに９０°ずつずらされて配置されている、請求項１記
   載の枚葉紙引き渡し胴。
10. 【請求項１０】 １倍径の引き渡し胴（２）が設けられ
    ている場合に、１つの調節軸が調節手段（１５）として
    配置されている、請求項１記載の枚葉紙引き渡し胴。