JP2541633Y2 - ボンネット内装エンジンのエアクリーナの空気取入れ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、農業機械や小型の土工
機などの作業機に搭載されるエンジンにおけるエアクリ
ーナの空気取入れ装置に関する。

【０００２】

【従来技術】エアクリーナが直付けされたエンジンをボ
ンネット内に収容設置した作業機においては、ボンネッ
トに設けた換気口から流入してくる外気をエアクリーナ
で吸入するようにしていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記構成においては、
エンジンの搭載条件によってエアクリーナの設置条件が
定められるために、エアクリーナが換気口の近くに設け
ざるを得ないこともあり、この場合、換気口からボンネ
ット内に流入する浮遊塵埃を含んだ外気をエアクリーナ
で吸入することになって、エアクリーナの頻繁な清掃が
要求されたり、エアクリーナから発生する吸気音が換気
口から外部に洩れ出る不具合が生じることがあった。も
ちろん、エアクリーナをエンジンとは別体にしてボンネ
ット内の浮遊塵埃の少ない箇所に設けて、このエアクリ
ーナとエンジンとを吸気ホースなどで連通接続すれば上
記不具合の低減を図ることができるが、ボンネットのス
ペースが小さい小型の作業機においては必ずしも実施で
きないこともあり、又、たとえ実施できたとしても、吸
気構造が複雑となって組付け・分解が煩わしいものにな
るものであった。本考案は、このような実情に着目して
なされたものであって、 エアクリーナのエンジンへの直
付け形態を維持したまま、 防塵及び防音効果の高いエア
クリーナの空気取入れ装置を提供することを目的とす
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、 本考案は、ボンネット４内にエンジン５を設置し、
このエンジン５にエアクリーナ８を固定し、そのボンネ
ット４に換気口１１を開口して構成したボンネット内装
エンジンのエアクリーナの空気取入れ装置において、前
記ボンネット４の一側壁に導気路１３を設け、この導気
路１３の入口部１４をそのボンネット４内の浮遊塵埃の
集まりにくい空間部に開口し、この導気路１３の出口部
１５と前記エアクリーナ８のクリーナケース９とを封止
材１６を介して嵌合接続して、この導気路１３とエアク
リーナ８の一次側室とを連通させ、導気路１３内に通気
自在な吸音材１７を設けた構成とした。

【０００５】

【作用】上記構成によると、ボンネット内の浮遊塵埃の
集まりにくい空間部の空気はボンネット側壁に設けられ
た導気路の入口部から吸入され、導気路内に設けられた
吸音材を通ってエアクリーナの一次側室に取り入れられ
ることになり、取り入れられた空気中の大きい塵埃の一
部は吸音材に付着除去され、又、エアクリーナから出た
吸気音は吸音材で吸収される。

【０００６】

【実施例】図２に、エンジン搭載作業機の一例としての
超小型バックホウが示されている。このバックホウは、
左右一対のクローラ走行装置１を備えた走行車体２の前
部に掘削用フロント装置３を連結して歩行操縦するよう
構成されたものであり、走行車体２に備えたボンネット
４の内部にエンジン５が搭載されるとともに、ボンネッ
ト４の上部に操縦及び作業用のレバー６類が設けられて
いる。図１に前記ボンネット４内のエンジン搭載部が示
されている。このエンジン５には、回転軸心が機体前後
方向に向けられたガソリンエンジンが採用され、エンジ
ン５の側面に気化器７が直結されるとともに、その外端
にエアクリーナ８のクリーナケース９が取付けられてい
る。ボンネット４の横一側壁には着脱自在なカバープレ
ート１０が設けられ、このカバープレート１０の下部に
防塵網やパンチングメタルを備えた換気口１１が形成さ
れている。又、このカバープレート１０の内面には導風
ダクト１２が付設されて導風路１３が形成され、この導
風路１３の上端に、ボンネット４内の上部、つまり浮遊
塵埃の集まりにくい空間部に臨む入口部１４が開口され
るとともに、導風ダクト１２の下部出口部１５が前記ク
リーナケース９に外嵌するよう構成されている。そし
て、クリーナケース９と導風路出口部１５との嵌合部に
封止材１６が介在されて気密が図られるとともに、導気
路１３の下部には、クリーナケース９の一次側室を全体
的に覆うように連続気泡状のスポンジからなる吸音材１
７が装填され、この通気可能な吸音材１６によって吸引
空気中の大きい塵埃を付着除去するとともにエアクリー
ナ８からの吸気音を吸収するよう構成されている。尚、
図１中の符号１８は前面開放状の前記クリーナケース９
に装填されたエレメントであり、導気ダクト１２をカバ
ープレート１０とともに取り外すことで、このエレメン
ト１８の取外し清掃や交換が容易に行える。

【０００７】

【考案の効果】本考案によれば、次のような効果が得ら
れる。 (1) エアクリーナへの塵埃の吸入が抑制され、エアクリ
ーナの清掃、エレメントの交換頻度を少なくできる。 (2) エアクリーナから出た吸気音が吸音材で吸収される
とともに、導気路で減衰されるので、防音効果が高ま
る。 (3) 導気路の構造及びこれの支持構造にボンネットの一
側壁を利用するので吸気取入れ装置の構造が簡単で安価
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るボンネット内装エンジン
のエアクリーナの空気取入れ装置を示す一部切欠き後面
図。

【図２】エンジン搭載作業機の一例を示す全体側面図。

【符号の説明】

４…ボンネット、５…エンジン、８…エアクリーナ、９
…クリーナケース、１１…換気口、１３…導気路、１４
…入口部、１５…出口部、１６…封止材、１７…吸音
材。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボンネット(４)内にエンジン(５)を設置
   し、このエンジン(５)にエアクリーナ(８)を固定し、そ
   のボンネット(４)に換気口(１１)を開口して構成したボ
   ンネット内装エンジンのエアクリーナの空気取入れ装置
   において、前記ボンネット(４)の一側壁に導気路(１３)
   を設け、この導気路(１３)の入口部(１４)をそのボンネ
   ット(４)内の浮遊塵埃の集まりにくい空間部に開口し、
   この導気路(１３)の出口部(１５)と前記エアクリーナ
   (８)のクリーナケース(９)とを封止材(１６)を介して嵌
   合接続して、この導気路(１３)とエアクリーナ(８)の一
   次側室とを連通させ、導気路(１３)内に通気自在な吸音
   材(１７)を設けて構成したことを特徴とするボンネット
   内装エンジンのエアクリーナの空気取入れ装置。