JP2541367B2 - 型打ちによる絞り成形方法 - Google Patents
型打ちによる絞り成形方法Info
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- JP2541367B2 JP2541367B2 JP4318778A JP31877892A JP2541367B2 JP 2541367 B2 JP2541367 B2 JP 2541367B2 JP 4318778 A JP4318778 A JP 4318778A JP 31877892 A JP31877892 A JP 31877892A JP 2541367 B2 JP2541367 B2 JP 2541367B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、型打ちによる金属板の
絞り成形方法に関する。
絞り成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図11に示すように、金属製の
箱1の両側面に凹窪状の取手部2を設けることを考えて
みる。箱1を金属板により組み立てるなら、凹窪状の取
手部2を型打ちにより絞り成形できれば、製造工数およ
びコストを低減でき、有利である。
箱1の両側面に凹窪状の取手部2を設けることを考えて
みる。箱1を金属板により組み立てるなら、凹窪状の取
手部2を型打ちにより絞り成形できれば、製造工数およ
びコストを低減でき、有利である。
【0003】通常、前記取手部2のような絞り部の成形
は、一度の型打ちにより行う。ところが、図8に矢印で
示すように、材質的に特に絞り性が悪く、伸びがごくわ
ずかしかない金属板(ブランク)6の場合、絞り部7を
所定形状に成形することは、その周囲の部分8の肉が絞
り部7に移行することによって可能となる。しかし、絞
り部7の周囲の部分8において十分な材料の伸びが得ら
れない場合、例えば、絞り部7が金属板6の端縁から遠
い場合、図10に示すように絞り部7に割れ9が発生し
てしまう。また、製品仕様上、絞り部7を前述のような
割れ9が生じない程度の浅いものにしたとしても、絞り
部7の絞り深さ分、その周囲の部分8の肉が引っ張られ
るため、図8に2点鎖線と実線との対比で示すように、
金属板6の外形が大きく歪むことになり、そのままで
は、製品としての価値がなくなってしまう。これに対し
て、製品を得るには、図8に1点鎖線aで示すような所
定形状に金属板6を打ち抜いて切断しなければならない
が、それでは、工数もかさみ、歩留りも悪くなる。ま
た、図10に示すように、絞り部7の周囲の部分8にし
わ12が生じるおそれもある。さらに、図9に示すよう
に、金属板6において、絞り部7となる領域の周囲の部
分8に予め孔や切り欠き線などの逃げ部13を形成してお
くことによっても、割れ9やしわ12を発生させることな
く、絞り部7を成形することが可能ではあるが、逃げ部
13は製品としては不要なものなので、製品を得るには、
やはり1点鎖線bで示すように金属板6を切断しなけれ
ばならない。
は、一度の型打ちにより行う。ところが、図8に矢印で
示すように、材質的に特に絞り性が悪く、伸びがごくわ
ずかしかない金属板(ブランク)6の場合、絞り部7を
所定形状に成形することは、その周囲の部分8の肉が絞
り部7に移行することによって可能となる。しかし、絞
り部7の周囲の部分8において十分な材料の伸びが得ら
れない場合、例えば、絞り部7が金属板6の端縁から遠
い場合、図10に示すように絞り部7に割れ9が発生し
てしまう。また、製品仕様上、絞り部7を前述のような
割れ9が生じない程度の浅いものにしたとしても、絞り
部7の絞り深さ分、その周囲の部分8の肉が引っ張られ
るため、図8に2点鎖線と実線との対比で示すように、
金属板6の外形が大きく歪むことになり、そのままで
は、製品としての価値がなくなってしまう。これに対し
て、製品を得るには、図8に1点鎖線aで示すような所
定形状に金属板6を打ち抜いて切断しなければならない
が、それでは、工数もかさみ、歩留りも悪くなる。ま
た、図10に示すように、絞り部7の周囲の部分8にし
わ12が生じるおそれもある。さらに、図9に示すよう
に、金属板6において、絞り部7となる領域の周囲の部
分8に予め孔や切り欠き線などの逃げ部13を形成してお
くことによっても、割れ9やしわ12を発生させることな
く、絞り部7を成形することが可能ではあるが、逃げ部
13は製品としては不要なものなので、製品を得るには、
やはり1点鎖線bで示すように金属板6を切断しなけれ
ばならない。
【0004】このような事情があるため、従来は、金属
製の箱1の側面に取手部2を設ける場合、図12に示す
ように、箱1の側面部に取付孔16を開口形成し、この取
付孔16に、別個の金属製あるいはプラスチック製の取手
17を組み付けていた。しかし、このように箱1と取手17
とを別体にするのでは、部品点数が増え、製造工数およ
びコストがかさむ。
製の箱1の側面に取手部2を設ける場合、図12に示す
ように、箱1の側面部に取付孔16を開口形成し、この取
付孔16に、別個の金属製あるいはプラスチック製の取手
17を組み付けていた。しかし、このように箱1と取手17
とを別体にするのでは、部品点数が増え、製造工数およ
びコストがかさむ。
【0005】ところで、絞り量が大きい場合などに成形
を良好に行うための従来の方法として、例えば特公昭45
-27703号公報や特開昭52-11161号公報に記載の方法が知
られている。特公昭45-27703号公報に記載の方法は、一
方向引張りや2軸方向引張りにより金属板に予めひずみ
模様を形成した後、型打ちによる成形を行うものであ
る。しかし、この従来の方法は、金属板全体にひずみ模
様を付与するものなので、前述のように金属板の中央部
を局部的に絞り成形する場合に適したものではない。
を良好に行うための従来の方法として、例えば特公昭45
-27703号公報や特開昭52-11161号公報に記載の方法が知
られている。特公昭45-27703号公報に記載の方法は、一
方向引張りや2軸方向引張りにより金属板に予めひずみ
模様を形成した後、型打ちによる成形を行うものであ
る。しかし、この従来の方法は、金属板全体にひずみ模
様を付与するものなので、前述のように金属板の中央部
を局部的に絞り成形する場合に適したものではない。
【0006】また、特開昭52-11161号公報に記載の方法
は、絞り成形時に金属板の周縁部に凹凸状のしわ状曲面
が形成されることを利用し、プレス型のしわ押えの形状
の設定により所定のしわ状曲面を形成し、その後、再度
型打ちを行って、金属板の周縁部に所定形状の凹凸部を
成形するものである。その際、しわ状曲面の凹凸とプレ
ス型の凹凸とは一致させられる。しかし、この従来の方
法は、絞り成形時に金 属板の周縁部に凹凸状のしわ状曲
面が形成されることを利用したものなので、やはり前述
のように金属板の中央部を局部的に絞り成形する場合に
適したものではない。
は、絞り成形時に金属板の周縁部に凹凸状のしわ状曲面
が形成されることを利用し、プレス型のしわ押えの形状
の設定により所定のしわ状曲面を形成し、その後、再度
型打ちを行って、金属板の周縁部に所定形状の凹凸部を
成形するものである。その際、しわ状曲面の凹凸とプレ
ス型の凹凸とは一致させられる。しかし、この従来の方
法は、絞り成形時に金 属板の周縁部に凹凸状のしわ状曲
面が形成されることを利用したものなので、やはり前述
のように金属板の中央部を局部的に絞り成形する場合に
適したものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来
は、絞り部を一度の型打ちにより成形していたため、伸
性が悪い金属板の場合や、絞り部が深い場合、絞り部に
割れを生じさせることなく、かつ、絞り部の周囲の部分
に歪みやしわなどを生じさせることなく、絞り部を成形
することが困難である問題があった。
は、絞り部を一度の型打ちにより成形していたため、伸
性が悪い金属板の場合や、絞り部が深い場合、絞り部に
割れを生じさせることなく、かつ、絞り部の周囲の部分
に歪みやしわなどを生じさせることなく、絞り部を成形
することが困難である問題があった。
【0008】なお、絞り量が大きい場合などに成形を良
好に行うための方法として、例えば特公昭45-27703号公
報には、引張りにより金属板に予めひずみ模様を形成し
た後、型打ちによる成形を行う方法が記載されており、
また、特開昭52-11161号公報には、絞り成形時に金属板
の周縁部に凹凸状のしわ状曲面が形成されることを利用
し、このしわ状曲面をさらに型打ちして所定の凹凸部を
成形することが記載されているが、これらの方法は、金
属板の中央部を局部的に絞り成形する場合に適したもの
ではない。
好に行うための方法として、例えば特公昭45-27703号公
報には、引張りにより金属板に予めひずみ模様を形成し
た後、型打ちによる成形を行う方法が記載されており、
また、特開昭52-11161号公報には、絞り成形時に金属板
の周縁部に凹凸状のしわ状曲面が形成されることを利用
し、このしわ状曲面をさらに型打ちして所定の凹凸部を
成形することが記載されているが、これらの方法は、金
属板の中央部を局部的に絞り成形する場合に適したもの
ではない。
【0009】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、伸性が悪い金属板の場合や、絞り部が深
い場合であっても、絞り部に割れを生じさせたり、絞り
部の周囲の部分に歪みやしわなどを生じさせたりするこ
となく、金属板の中央部に局部的に絞り部を成形できる
型打ちによる絞り成形方法を提供することを目的とす
る。
とするもので、伸性が悪い金属板の場合や、絞り部が深
い場合であっても、絞り部に割れを生じさせたり、絞り
部の周囲の部分に歪みやしわなどを生じさせたりするこ
となく、金属板の中央部に局部的に絞り部を成形できる
型打ちによる絞り成形方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、型打ちにより金属板の中央部を局部的に
絞り成形するに際して、金属板における絞り部となる領
域内に絞り量が前記絞り部よりも小さい複数の浅絞り部
を型打ちにより絞り成形した後、これら複数の浅絞り部
を潰し伸ばしながら前記絞り部を型打ちにより所定形状
に絞り成形し、 その際、最終的な前記絞り部の表面積に
対する前記浅絞り部全体の表面積は 100〜120 %にする
ものである。
成するために、型打ちにより金属板の中央部を局部的に
絞り成形するに際して、金属板における絞り部となる領
域内に絞り量が前記絞り部よりも小さい複数の浅絞り部
を型打ちにより絞り成形した後、これら複数の浅絞り部
を潰し伸ばしながら前記絞り部を型打ちにより所定形状
に絞り成形し、 その際、最終的な前記絞り部の表面積に
対する前記浅絞り部全体の表面積は 100〜120 %にする
ものである。
【0011】
【作用】本発明では、まず複数の浅絞り部を型打ちによ
り絞り成形することにより、金属板の中央部の局部的な
絞り部となる領域内で金属板が伸びる。浅絞り部は、絞
り量が最終的に成形すべき絞り部よりも小さいものであ
って、金属板に破断などを生じさせないものとする。ま
た、最終的な絞り部の表面積に対する浅絞り部全体の表
面積は 100〜120 %にする。ついで、絞り部を型打ちに
より所定形状に絞り成形し、その際、浅絞り部を潰し伸
ばすのであるが、前述した浅絞り部による金属板の伸び
により、絞り部の成形に必要な伸びが既にある程度確保
されている。そのため、伸性が悪い金属板の場合や、絞
り部が深い場合であっても、絞り部に割れを生じさせた
り、絞り部の周囲の部分に歪みやしわなどを生じさせた
りすることなく、絞り部が成形されることになる。
り絞り成形することにより、金属板の中央部の局部的な
絞り部となる領域内で金属板が伸びる。浅絞り部は、絞
り量が最終的に成形すべき絞り部よりも小さいものであ
って、金属板に破断などを生じさせないものとする。ま
た、最終的な絞り部の表面積に対する浅絞り部全体の表
面積は 100〜120 %にする。ついで、絞り部を型打ちに
より所定形状に絞り成形し、その際、浅絞り部を潰し伸
ばすのであるが、前述した浅絞り部による金属板の伸び
により、絞り部の成形に必要な伸びが既にある程度確保
されている。そのため、伸性が悪い金属板の場合や、絞
り部が深い場合であっても、絞り部に割れを生じさせた
り、絞り部の周囲の部分に歪みやしわなどを生じさせた
りすることなく、絞り部が成形されることになる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の型打ちによる絞り成形方法の
一実施例について、図1から図4を参照しながら説明す
る。本実施例の方法には、プレス型として、例えば多段
送り型が用いられる。これは、図1に示すように、下型
21にダイ22を有しているとともに、上型23に押え板24と
第1のポンチ25および第2のポンチ26とを有している。
また、ダイ22上には、第1のポンチ25の下方位置に第1
の凹部27が形成されているとともに、第2のポンチ26の
下方位置に第2の凹部28が形成されている。
一実施例について、図1から図4を参照しながら説明す
る。本実施例の方法には、プレス型として、例えば多段
送り型が用いられる。これは、図1に示すように、下型
21にダイ22を有しているとともに、上型23に押え板24と
第1のポンチ25および第2のポンチ26とを有している。
また、ダイ22上には、第1のポンチ25の下方位置に第1
の凹部27が形成されているとともに、第2のポンチ26の
下方位置に第2の凹部28が形成されている。
【0013】本実施例で用いる金属板31の材質は、アル
ミメッキ鋼板である。そして、絞り成形に際しては、ま
ず図1(a)および図2(a)に示すように、所定形状
の平らな金属板31が下型21上に装着される。ついで、図
1(b)および図2(b)に示すように、1段送られ
て、第1のポンチ25により金属板31にまず複数条の浅絞
り部32が絞り成形される。ついで、もう1段送られて、
第2のポンチ26により金属板31に所定形状の絞り部33が
浅絞り部32に重ね合わせて絞り成形される。これら型打
ちに際しては、ダイ22と押え板24とにより、金属板31に
おける浅絞り部32あるいは絞り部33の周囲の部分34が挟
まれて押え付けられた状態で、ポンチ25,26が金属板31
に上から押圧されることにより、浅絞り部32あるいは絞
り部33が絞り成形される。特に、絞り部33の成形時に
は、第2の凹部28におけるダイ22と第2のポンチ26の下
端部との間に金属板31が挟み込まれて押圧される。
ミメッキ鋼板である。そして、絞り成形に際しては、ま
ず図1(a)および図2(a)に示すように、所定形状
の平らな金属板31が下型21上に装着される。ついで、図
1(b)および図2(b)に示すように、1段送られ
て、第1のポンチ25により金属板31にまず複数条の浅絞
り部32が絞り成形される。ついで、もう1段送られて、
第2のポンチ26により金属板31に所定形状の絞り部33が
浅絞り部32に重ね合わせて絞り成形される。これら型打
ちに際しては、ダイ22と押え板24とにより、金属板31に
おける浅絞り部32あるいは絞り部33の周囲の部分34が挟
まれて押え付けられた状態で、ポンチ25,26が金属板31
に上から押圧されることにより、浅絞り部32あるいは絞
り部33が絞り成形される。特に、絞り部33の成形時に
は、第2の凹部28におけるダイ22と第2のポンチ26の下
端部との間に金属板31が挟み込まれて押圧される。
【0014】前記複数の浅絞り部32は、細かいもので、
平面形状が平行直線状であって、断面形状は波状になっ
ている。かつ、浅絞り部32の絞り量は、絞り部33のそれ
よりは小さいが、金属板31の素材が有する伸性の限界に
なるべく近いものとする。これとともに、複数の浅絞り
部32は、金属板31における絞り部33となる領域c内のほ
ぼ全体に成形する。こうして、浅絞り部32の成形によ
り、金属板31における絞り部33となる領域cは、金属板
31の素材が有する伸性の限界まで伸ばしきられる。そし
て、引き続く絞り部33の成形に際しては、浅絞り部32が
潰し伸ばされることになる。なお、前記型打ちによる絞
り部33の成形に伴い、図4に示すように、絞り部33の表
面が滑らかになれば望ましいが、図3に示すように、前
記型打後絞り部33に浅絞り部32の跡32a の凹凸が残る場
合には、必要に応じて、型打ちを繰り返すなど、絞り部
33の表面を滑らかにする仕上げ加工を加える。
平面形状が平行直線状であって、断面形状は波状になっ
ている。かつ、浅絞り部32の絞り量は、絞り部33のそれ
よりは小さいが、金属板31の素材が有する伸性の限界に
なるべく近いものとする。これとともに、複数の浅絞り
部32は、金属板31における絞り部33となる領域c内のほ
ぼ全体に成形する。こうして、浅絞り部32の成形によ
り、金属板31における絞り部33となる領域cは、金属板
31の素材が有する伸性の限界まで伸ばしきられる。そし
て、引き続く絞り部33の成形に際しては、浅絞り部32が
潰し伸ばされることになる。なお、前記型打ちによる絞
り部33の成形に伴い、図4に示すように、絞り部33の表
面が滑らかになれば望ましいが、図3に示すように、前
記型打後絞り部33に浅絞り部32の跡32a の凹凸が残る場
合には、必要に応じて、型打ちを繰り返すなど、絞り部
33の表面を滑らかにする仕上げ加工を加える。
【0015】以上のように、型打ちによる絞り部33の成
形に際して、まず、この絞り部33よりも絞り量が小さい
複数の浅絞り部32を絞り成形することにより、金属板31
の中央部の局部的な絞り部33となる領域cを伸ばし、そ
の後、浅絞り部32を潰し伸ばしながら、本来目的とする
絞り部33を絞り成形すれば、アルミメッキ鋼板のような
硬く伸性が悪い金属板31であっても、あるいは、絞り部
33が深い場合であっても、絞り部33に割れを生じさせた
り、絞り部33の周囲の部分に歪みやしわなどを生じさせ
たりすることなく、絞り部33を成形できる。これは、浅
絞り部32の成形による金属板31の伸びが、絞り部33の成
形にあてられるためである。もちろん、個々の浅絞り部
32の絞り量は、金属板31に破断を生じさせない程度のも
のであるが、複数ある浅絞り部32全体では、絞り部33の
成形に必要な伸びが確保されているのである。本実施例
においては、浅絞り部32全体の表面積は、絞り部33の表
面積の約 100〜110 %である。そして、絞り部33の成形
が、その周囲の部分34に与える影響を小さくでき、この
部分34の肉の移動が少なくなり、この部分34に発生する
歪みを小さくできる。これにより、金属板31の中央部の
任意の位置に、任意の形状の絞り部33を局部的に成形で
き、しかも、金属板31に切断などの後処理を施すことな
く、そのまま製品とできる。そして、製造も2段階のプ
レス工程でよく、容易である。
形に際して、まず、この絞り部33よりも絞り量が小さい
複数の浅絞り部32を絞り成形することにより、金属板31
の中央部の局部的な絞り部33となる領域cを伸ばし、そ
の後、浅絞り部32を潰し伸ばしながら、本来目的とする
絞り部33を絞り成形すれば、アルミメッキ鋼板のような
硬く伸性が悪い金属板31であっても、あるいは、絞り部
33が深い場合であっても、絞り部33に割れを生じさせた
り、絞り部33の周囲の部分に歪みやしわなどを生じさせ
たりすることなく、絞り部33を成形できる。これは、浅
絞り部32の成形による金属板31の伸びが、絞り部33の成
形にあてられるためである。もちろん、個々の浅絞り部
32の絞り量は、金属板31に破断を生じさせない程度のも
のであるが、複数ある浅絞り部32全体では、絞り部33の
成形に必要な伸びが確保されているのである。本実施例
においては、浅絞り部32全体の表面積は、絞り部33の表
面積の約 100〜110 %である。そして、絞り部33の成形
が、その周囲の部分34に与える影響を小さくでき、この
部分34の肉の移動が少なくなり、この部分34に発生する
歪みを小さくできる。これにより、金属板31の中央部の
任意の位置に、任意の形状の絞り部33を局部的に成形で
き、しかも、金属板31に切断などの後処理を施すことな
く、そのまま製品とできる。そして、製造も2段階のプ
レス工程でよく、容易である。
【0016】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
浅絞り部としては、前記実施例に示すものの他、成形す
べき絞り部の形状などに応じて、図5(a)に示すよう
な多重の正方形状の浅絞り部41、図6(a)に示すよう
な長方形状の浅絞り部42、あるいは、図7(a)に示す
ような多重の円形状の浅絞り部43など、各種のものが可
能である。図5(b)、図6(b)および図7(c)
は、それぞれ、浅絞り部41,42,43から成形される絞り
部46,47,48を示している。また、前記実施例では、金
属板31の材質がアルミメッキ鋼板であったが、もちろん
それに限るものではない。ただ、十分に柔らかく伸性の
ある材質では、本発明を適用する必要はもとよりなく、
本発明は、特に硬く伸性に乏しい材質に適したものであ
る。最終的な絞り部の表面積に対する浅絞り部全体の表
面積は、 100〜120 %程度が望ましい。
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
浅絞り部としては、前記実施例に示すものの他、成形す
べき絞り部の形状などに応じて、図5(a)に示すよう
な多重の正方形状の浅絞り部41、図6(a)に示すよう
な長方形状の浅絞り部42、あるいは、図7(a)に示す
ような多重の円形状の浅絞り部43など、各種のものが可
能である。図5(b)、図6(b)および図7(c)
は、それぞれ、浅絞り部41,42,43から成形される絞り
部46,47,48を示している。また、前記実施例では、金
属板31の材質がアルミメッキ鋼板であったが、もちろん
それに限るものではない。ただ、十分に柔らかく伸性の
ある材質では、本発明を適用する必要はもとよりなく、
本発明は、特に硬く伸性に乏しい材質に適したものであ
る。最終的な絞り部の表面積に対する浅絞り部全体の表
面積は、 100〜120 %程度が望ましい。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、金属板の中央部を局部
的に絞り成形するに際して、金属板における絞り部とな
る領域内に絞り量が前記絞り部よりも小さい複数の浅絞
り部を型打ちにより絞り成形した後、これら複数の浅絞
り部を潰し伸ばしながら前記絞り部を型打ちにより所定
形状に絞り成形し、その際、最終的な絞り部の表面積に
対する浅絞り部全体の表面積は 100〜120 %にするの
で、伸性が悪い金属板の場合や、絞り部が深い場合であ
っても、絞り部に割れを生じさせたり、絞り部の周囲の
部分に歪みやしわなどを生じさせたりすることなく、絞
り部を成形できる。
的に絞り成形するに際して、金属板における絞り部とな
る領域内に絞り量が前記絞り部よりも小さい複数の浅絞
り部を型打ちにより絞り成形した後、これら複数の浅絞
り部を潰し伸ばしながら前記絞り部を型打ちにより所定
形状に絞り成形し、その際、最終的な絞り部の表面積に
対する浅絞り部全体の表面積は 100〜120 %にするの
で、伸性が悪い金属板の場合や、絞り部が深い場合であ
っても、絞り部に割れを生じさせたり、絞り部の周囲の
部分に歪みやしわなどを生じさせたりすることなく、絞
り部を成形できる。
【図1】本発明の型打ちによる絞り成形方法の一実施例
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】同上成形された絞り部を示す斜視図である。
【図4】同上成形された絞り部を示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例を示すもので、(a)は浅
絞り部の平面図、(b)は絞り部の斜視図である。
絞り部の平面図、(b)は絞り部の斜視図である。
【図6】本発明のまた他の実施例を示すもので、(a)
は浅絞り部の平面図、(b)は絞り部の斜視図である。
は浅絞り部の平面図、(b)は絞り部の斜視図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例を示すもので、
(a)は浅絞り部の平面図、(b)は絞り部の斜視図で
ある。
(a)は浅絞り部の平面図、(b)は絞り部の斜視図で
ある。
【図8】従来の方法の一例を示す平面図である。
【図9】従来の方法の他の例を示す平面図である。
【図10】従来の方法の問題を示す斜視図である。
【図11】箱の斜視図である。
【図12】箱のプラスチック製の取手部付近の断面図で
ある。
ある。
31 金属板 32 浅絞り部 33 絞り部 41 浅絞り部 42 浅絞り部 43 浅絞り部 46 絞り部 47 絞り部 48 絞り部
Claims (1)
- 【請求項1】 型打ちにより金属板の中央部を局部的に
絞り成形するに際して、金属板における絞り部となる領
域内に絞り量が前記絞り部よりも小さい複数の浅絞り部
を型打ちにより絞り成形した後、これら複数の浅絞り部
を潰し伸ばしながら前記絞り部を型打ちにより所定形状
に絞り成形し、最終的な前記絞り部の表面積に対する前
記浅絞り部全体の表面積は 100〜120 %にすることを特
徴とする型打ちによる絞り成形方法。
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---|---|---|---|
JP4318778A JP2541367B2 (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | 型打ちによる絞り成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4318778A JP2541367B2 (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | 型打ちによる絞り成形方法 |
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JP2541367B2 true JP2541367B2 (ja) | 1996-10-09 |
Family
ID=18102842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP4318778A Expired - Fee Related JP2541367B2 (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | 型打ちによる絞り成形方法 |
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-
1992
- 1992-11-27 JP JP4318778A patent/JP2541367B2/ja not_active Expired - Fee Related
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