JP2541362Y2 - バランス調整できる吊具 - Google Patents

バランス調整できる吊具

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JP2541362Y2
JP2541362Y2 JP1986179692U JP17969286U JP2541362Y2 JP 2541362 Y2 JP2541362 Y2 JP 2541362Y2 JP 1986179692 U JP1986179692 U JP 1986179692U JP 17969286 U JP17969286 U JP 17969286U JP 2541362 Y2 JP2541362 Y2 JP 2541362Y2
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rope
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wire rope
wire
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滋 中村
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滋 中村
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案のクレーン等で長尺の鋼材等を吊上げる際に使
用する吊具に関するものである。
〔従来の技術〕
長尺材をいわゆるワイヤ掛けしてクレーン等により吊
下げる場合、ワイヤ掛けの位置を目測により長尺材の重
心から略均等な位置の2ヶ所を選び、ここにワイヤを掛
けて当該ワイヤの先端側をクレーンのフック等に掛けて
吊上げることが行われている。この場合、第6図
(イ),(ロ)に示すように、フックF等に掛けられる
ワイヤWの略中央部がフックF等からすべらない様にす
るためいわゆる「締めころし」にして上記クレーンのフ
ックF等に掛け吊上げている。
〔考案が解決しようとする問題点〕
しかし、上記従来手段では、ワイヤ掛けの位置が長尺
材の重心に関しほぼ均等な位置でないときは、吊上げた
荷物が傾き、その長尺材の取扱いに支障を来すといった
問題がある。
従来、かかる問題に対処するため、ワイヤ掛けの位置
に拘らず、自動的にバランスをとる吊下装置を本願の考
案者が特開昭51−9477号等として提案している。
提案した装置は上記問題を解決するには充分であった
が、装置としてかなり大がかりなもので、製造手間やコ
ストの面で手軽に利用し難い面もあったため、本願の考
案者は研究を重ね簡潔且つ小形の構造であるバランス調
整できる吊具を考案し、実用新案登録出願した(実願昭
60−193520号)。
本考案は上記の提案した考案にさらに改良を加え、よ
り構造が簡単で、実用上、上記考案と同等あるいはそれ
以上の機能を発揮できる吊具を提供することを目的とし
てなされたものである。
〔問題点を解決するための手段〕
而して、上記目的を達成するための本考案の構成は、
上部にシャックルを有するブラケットに、両端にフック
等の係止具を有するワイヤロープの中間部が掛回される
つづみ形巻胴を回転不能に固着すると共に、該巻胴の外
周縁に沿った外側であって、掛回されたワイヤロープに
近接する部位に3以上のたいこ形案内ローラを取付けて
成り、ワイヤロープ緊張時には該ロープは前記巻胴に巻
付けられて係止される一方、ワイヤロープ弛緩時には、
該ロープは前記巻胴から離れて前記案内ローラに外径を
規制されかつ該ローラに回転案内されたループが形成さ
れるようにしたことを特徴とするものである。
〔作用〕
ブラケットに回転不能に取付けられた巻胴に列を揃え
て中間部が複数回巻付けられているワイヤロープはその
両側に張力が働いている時は、ロープ同士、及び、ロー
プと巻胴との摩擦力で巻胴上をすべることはなく、また
案内ローラに接することもない。一方、ロープに対する
張力を解除して巻付け力を弛めたときはワイヤロープの
反撥力が作用して巻胴に巻付けられているロープの輪が
拡開し、外側の案内ローラに規制される輪として形成さ
れ、この形成されたロープの輪が接する各案内ローラが
回転自由であるため、ワイヤロープを片側から引張るこ
とにより、吊具に於てロープをスムースに移動させるこ
とができる。また、つづみ形巻胴の断面 状の外周面とたいこ形案内ローラの断面⌒状の外周面が
対峙してロープの太さより稍大きい断面 状をなす間隔(溝)を形成しているから、ロープを弛め
て輪が拡開するときはたいこ形案内ローラの溝幅方向で
ロープ同士の間隔が拡がり、逆にロープ両側に張力が作
用すると、輪が縮小すると共に巻胴の溝幅方向でロープ
同士の間隔が狭まり、ロープが巻胴上をすべることはな
く、また、ロープの上記の輪が拡開縮小動作をする際こ
のロープの巻付け列はその列が乱れることはない。
〔実施例〕
次に、本考案の実施の一例を第1図乃至第5図を参照
して説明する。
第1図は本考案装置の側断面図、第2図は正断面図、
第3図は使用状態の側面図、第4図,第5図は同じく正
面図である。
第1図〜第2図に於て、1は2枚の亀甲形プレートか
ら成るブラケット、2はシャックル(図示せず)の取付
穴、3は外周断面が 状をなすつづみ形の巻胴で、この巻胴3は上記ブラケッ
ト1にその両面から取付ボルト4により回転不能に固着
されている。5は外周断面が⌒状をなすたいこ形の案内
ローラで、上記巻胴3の外周縁の外側に位置する部分に
このローラの3個が適宜間隔を置いて上記ブラケット1
に取付けられている。
即ち、各ローラ5は、巻胴3の外周曲面Q1と、各ロー
ラ5の外周曲面Q2とが形成する間隔がワイヤロープWの
太さ幅より若干大きくなるようにローラシャフト6を介
して上記ブラケット1に取付けられている。
この実施例に於ては、ロープWは巻胴3に列をそろえ
て約2回半巻付けられており、ロープWを弛めれば、そ
の左端側から右端側へ、或は、この逆側への滑動が容易
にできる。この滑動の際、ロープWが巻付け列からはず
れそうになっても該ロープWは各ローラ5に当接するた
め、列からはずれることはない。
尚、ブラケットは、第3図に示すように逆L字状のプ
レート1枚により形成してもよい。このようにすると巻
胴3へのワイヤロープWの着脱が容易になる。
次に、このように構成した本考案吊具Hを用いて、長
尺材Sを吊上げる場合について第4図,第5図により説
明する。
いま、第4図々示のように左右不均衡なワイヤ掛けで
吊上げたとすると、荷重の左右バランスがとれないの
で、長尺材Sは第4図の鎖線に示すように重い側へ傾
く。第4,5図に於て、Gは長尺材の重心、Cは偏心量を
示す。
そこで、本考案吊具Hの使用に際しては、上記長尺材
Sを地上へ一旦下してワイヤロープWにかかる長尺材S
による張力を解き、吊具Hを第5図のように長尺材Sの
左側即ち、重心Gの側へ少し移動させる。
このようにして吊具H自体を長尺材Sの重心G上に位
置付け、その長尺材Sを吊上げると、左右のワイヤ掛け
の位置が重心Gに対し偏っていても、上記長尺材Sは水
平な姿勢で吊上げられることとなる。これは、次に述べ
る原理にもとづくものである。
一般に、巻胴に巻付けられたワイヤロープの両側にそ
れぞれ張力,S1,S2がかかっているとき、この張力S1
S2には次式のような関係があることが知られている。
ここで、αは巻付角(rad),μはロープと巻胴との摩
擦係数,eは自然対数の底である。
いま、摩擦係数μを0.2とし、第7図に示すように巻
胴3にワイヤロープWを2回半巻付けると、 α=2π×2.5=5π このことから、一方の張力S1は他方の張力S2の約23倍
にすることができることが判る。
このことは次のことを意味する。即ち、第7図に於
て、ワイヤロープWを巻胴3に2回半巻付けた本考案吊
具HのワイヤロープWの両端で長尺材の2ヶ所を係止し
て吊下げたとき、該吊具Hから下した垂線hと張力S1
のロープW1がなす角度をθ1,張力S2側のロープW2とな
す角度をθ2とすると、上記の関係式から次式並びに第
8図に示すような張力の関係が得られる。
S2sinθ2=S1sinθ1 S1=23S2 S2sinθ2=23S2sinθ1 この式において、例えばθ2=60°にするとθ=2°
になる。
このことは、第9図に示すように、長尺材の重心Gの
近くにワイヤロープの片側の先端が係止された長尺材で
も、これを傾けることなく吊下げることができることを
意味する。従って、長尺材の重心Gは、ワイヤロープの
係止位置間における距離Lの範囲内にあれば、水平な姿
勢で吊下げることが可能である。
以上より、第5図に示すような偏心状態で吊上げら
れ、ワイヤロープWは左側の張力が右側より大きいとき
であっても、ロープWは巻胴3において滑動することな
く、長尺材Sを水平な姿勢で吊下げることができること
が明らかである。尚、実施例の場合は、巻胴3がつづみ
形の巻胴であるため張力がかかると巻付けられたロープ
同士が接触し、この接触よる抵抗も生じてロープの滑り
防止を助長する。
本考案の吊具における巻胴及びローラは、上記実施例
における断面形状以外の断面形状のもの、例えば、単な
る円柱体,筒体状で良く、案内ローラの数も上記実施例
における数以外であっても良い。また、ロープ巻数も2
回半に限定されるものではない。
〔考案の効果〕
本考案の以上の通りであって、荷重による張力が作用
しないときは、吊具の巻胴に巻付けられているワイヤロ
ープを弛め、吊具の長尺材等に対する位置をワイヤロー
プの巻付け列を乱すことなく、自由に変更することがで
き、また、これによって位置を変えてから荷物を吊上げ
るときは、当該荷重による張力の作用でワイヤロープが
上記巻胴に強く巻付けられ、たとえ左右の張力に相当の
差が生じても、巻胴と巻付けられたロープの摩擦により
ロープの滑動を防止しその位置を確保するから、左右バ
ランスの取り難い長尺材の吊具としてきわめて有用であ
る。また、その構造は簡潔なため、容易且低コストで、
しかも小形に形成することができる。
更に、第6図々示のようにワイヤロープを「締めころ
し」にして掛けることをしないので、ロープに曲りのく
せがつかない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案吊具の一例の側断面図、第2図は正断面
図、第3図は別例の使用状態の側面図、第4図及び第5
図はいずれも本考案吊具の使用状態を示す正面図であ
る。第6図(イ),(ロ)は従来の吊具を使用しないで
吊上げる場合のロープ締め方を示す斜視図、第7図及び
第9図は本考案における荷重と張力との関係を説明する
線図、第8図は張力のベクトル線図である。 1……ブラケット、2……取付穴、3……巻胴、4……
取付ボルト、5……ローラ、6……ローラシャフト、
Q1,Q2……外周曲面、W……ワイヤロープ、S……長尺
材、H……本考案吊具

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部にシャックルを有するブラケットに、
    両端にフック等の係止具を有するワイヤロープの中間部
    が掛回されるつづみ形巻胴を回転不能に固着すると共
    に、該巻胴の外周縁に沿った外側であって、掛回された
    ワイヤロープに近接する部位に3以上のたいこ形案内ロ
    ーラを取付けて成り、ワイヤロープ緊張時には該ロープ
    は前記巻胴に巻付けられて係止される一方、ワイヤロー
    プ弛緩時には、該ロープは前記巻胴から離れて前記案内
    ローラに外径を規制されかつ該ローラに回転案内された
    ループが形成されるようにしたことを特徴とするバラン
    ス調整できる吊具。
JP1986179692U 1986-11-25 1986-11-25 バランス調整できる吊具 Expired - Lifetime JP2541362Y2 (ja)

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JPS6388682U JPS6388682U (ja) 1988-06-09
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5125845B2 (ja) * 1972-04-25 1976-08-03
JPS5914473Y2 (ja) * 1982-05-17 1984-04-27 豊 勝山 吊金具

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JPS6388682U (ja) 1988-06-09

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