JP2541295Y2 - キャップ状部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は蓋体付きのキャップ状部材に関する。

「従来の技術」 従来、弾性反転可能に蓋体を付設したキャップとし
て、所謂三点ヒンジ機構により蓋体を付設したものが知
られている。これらは、容器キャップ本体後部上端と、
それ等上面に穿設させた口部を閉塞させて、それ等上面
に載置させた蓋体の後部下端とを、適宜間隙をおいて左
右一対の第１ヒンジで連結すると共に、その第１ヒンジ
間に設けた逆Ｌ字形弾性板下端を第１ヒンジよりも下方
のキャップ本体の後部へ第２ヒンジを介して連結すると
ともに、弾性板他端を第１ヒンジよりも前方の蓋体上面
部分に第３ヒンジを介して連結するという構成を有する
ものである。又、本出願人は蓋体付きのキャップ状部材
を提案している（特開昭64−37360号）。この部材は、
本体部材の後方上部に、弾性弯曲板の左右方向中間部
を、該弾性弯曲板の左右両部が本体部材周壁の後部外面
の曲面と沿う方向へ突出するよう連結すると共に、該弾
性弯曲板の上端面に肉薄の弧状ヒンジ部を介して上記蓋
体を、上記口部開閉のために本体部材に対して蓋体をヒ
ンジ部を中心として回動させる際、弾性弯曲板が弾性反
転可能に、連結させて構成している。

「考案が解決しようとする課題」 近年のこの種の部材を使用する容器の用途の多様化に
伴い、この種部材にも種々の形状が要求されてきてお
り、特に全体的に球状でしかも弾性反転可能な蓋体を有
するものが求められている。しかしながら、上記の如き
部材では、球状に形成することは難しくて、できても外
観の悪いものしか得られないのが実状である。

本考案は、上記した従来技術の欠点を解消した蓋付き
のキャップ状部材を提供することを目的とするものであ
る。

「課題を解決するための手段」 周壁４上端縁より延設した頂壁５中央に注出口６を穿
設してなる下面開放の筒状をなすとともに、周壁４外周
に嵌合凹部８を周設し、且つ、周壁４後部の上記凹部８
上端より頂壁５に至る一対の嵌合溝９を所定間隔をもっ
て形成してなるキャップ本体２と、上記嵌合凹部８に嵌
合させたリング状基部12の後部上端より上記各嵌合溝９
に起伏可能に嵌合し且つ後方に突出弯曲した一対の弾性
弯曲板11を立設するとともに、各弾性弯曲板11上端をキ
ャップ本体頂壁５外周縁に載置させる蓋体10の周壁13下
端に一対の肉薄ヒンジ14を介して各々連結してなる蓋構
成部材３とからなり、外周全体を球状に構成してなる。

「作用」 全体をキャップ本体２と蓋構成部材３とで構成し、キ
ャップ本体２に嵌号凹部８及び一対の嵌合溝９を形成
し、嵌合凹部８に蓋構成部材３の一部であるリング状基
部12を嵌合するとともに、各嵌合溝９に同弾性弯曲板11
を起伏可能に嵌合させ、且つ、その弾性弯曲板上端に同
蓋体10の周壁下端を薄肉ヒンジ14を介して連結したた
め、各部材のが外周面を連続する曲面状に形成すること
が可能となり、しかも、蓋体10は後方に突出弯曲した一
対の弾性弯曲板11により肉薄ヒンジ部14を介して支持さ
れているため、弾性反転が可能となる。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図〜第７図は本考案の一実施例を示し、図中１は
キャップ状部材を示す。該部材１は、キャップ本体２
と、蓋構成部材３とから構成している。

キャップ本体２は、外面が球面状をなす円筒状周壁４
の上端縁より頂壁５を延設し、その中央に注出口６を穿
設している。又、周壁４の内周面には容器体口頸部外周
に螺合する為の螺条７を周設している。更に周壁４外周
面の上下方向中程に、外周面を中心方向へ帯状に凹ませ
て形成した嵌合凹部８を周設し、その後部上端より、所
定間隔をあけて頂壁５に至る一対の嵌合溝９を設けてい
る。各嵌合溝９は、周壁４の外周面の球面に沿って略均
一な深さを有し、且つ、両側壁を略平行に構成してい
る。

蓋構成部材３は、蓋体10と、一対の弾性弯曲板11と、
リング状基部12とを合成樹脂により一体に形成して構成
している。

上記リング状基部12は、上記嵌合凹部８内に嵌合させ
て装着し、その外周面を上記キャップ本体周壁４の外周
面と連続する球面状に構成している。

又、弾性弯曲板11は、後方に突出弯曲した板状をなし
ており、リング状基部12の後部上端より所定間隔をもっ
て立設して、上記各嵌合溝９内に起伏可能に嵌合させて
おり、その外面を上記キャップ本体周壁４の外周面と連
続する球面状に構成している。

蓋体10は、キャップ本体頂壁５の外周縁に載置された
周壁13下端縁の後部に一対の肉薄ヒンジ14を介して上記
各弾性弯曲板11の上端を連結することにより、弾性反転
可能に設けている。又、その周壁13から頂壁15にかけて
連続する球面状をなし、その外周面下端縁は、上記キャ
ップ本体２の周壁４上端縁と連続する球面状に構成して
いる。

蓋体10の弾性反転機構を図面にて説明すると、まず閉
蓋状態（第４図の実線）から蓋体10を後方へ押し上げる
と、蓋体周壁13の後部下端がキャップ本体２の頂壁５後
端上面を支点として回動する。この際、各弾性弯曲板11
は伸びる如く弾性変形しつつ後方へと立上る。蓋体10が
所定位置（第４図二点鎖線）まで回動すると、蓋体10周
壁の後部下端が各弯曲板11の弾性復元力でキャップ本体
頂壁５上を前方へ滑り、手をはなしても蓋体は後方へ反
転する。

閉蓋の際は上記したと逆の順で反転する。

「考案の効果」 以上説明した如く本考案のキャップ状部材は、既述構
成したことにより、特に、周壁４外周に嵌合凹部８を周
設し、また、周壁４後部の上記凹部８上端より頂壁５に
至る一対の嵌合溝９を所定間隔をもって形成したキャッ
プ本体２と、上記嵌合凹部８に嵌合させたリング状基部
12の後部上端より各嵌合溝９に起伏可能に嵌合し且つ後
方に突出弯曲した一対の弾性弯曲板11を立設するととも
に、各弾性弯曲板11上端をキャップ本体頂壁５外周縁に
載置させる蓋体10の周壁13下端に一対の肉薄ヒンジ14を
介して各々連結した蓋構成部材３とからなり、外周全体
を球状に構成したので、各弾性弯曲板を各嵌合溝を介し
て外周面に組み込むことが可能なため全体を球状に形成
してたにも拘らず良好な外観を得られ、この種キャップ
状部材の需要の多様化に充分応えられるものである。

又、製造に際しても、二つの部材を嵌合させるだけで
形成でき、しかも各部材は合成樹脂により各々成形でき
るため、容易に製造できる利点もある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は斜視図、第２
図は平面図、第３図は第２図III−III線に沿う縦断面
図、第４図は弾性反転を説明する説明図、第５図は各部
材を分解した際の平面図、第６図は同側面図、第７図は
同縦断面図である。 ２…キャップ本体、３…蓋構成部材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】周壁４上端縁より延設した頂壁５中央に注
   出口６を穿設してなる下面開放の筒状をなすとともに、
   周壁４外周に嵌合凹部８を周設し、且つ、周壁４後部の
   上記凹部８上端より頂壁５に至る一対の嵌合溝９を所定
   間隔をもって形成してなるキャップ本体２と、上記嵌合
   凹部８に嵌合させたリング状基部12の後部上端より上記
   各嵌合溝９に起伏可能に嵌合し且つ後方に突出弯曲した
   一対の弾性弯曲板11を立設するとともに、各弾性弯曲板
   11上端をキャップ本体頂壁５外周縁に載置させる蓋体10
   の周壁13下端に一対の肉薄ヒンジ14を介して各々連結し
   てなる蓋構成部材３とからなり、外周全体を球状に構成
   してなることを特徴とするキャップ状部材。