JP2540495Y2 - サッシ枠の取付位置調整金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はサッシ枠の取付位置調整金具に関するもので
ある。

（従来の技術） 従来の軽量コンクリート躯体（以下ALC躯体と称す）
は、開口部と室内側に亘ってＬ字形のアングル材を取付
け、このアングル材にサッシ枠を取付けるようにしてい
た。

例えば、実開平１−114778号に開示された考案におい
ては、アングル材上に載置してALC躯体に釘にて固定し
たベース金物に、ベース板を取付け、このベース板に特
殊な位置調整機構を装着し、位置調整機構の一部を下枠
に取付けたアンカーに装着することによりサッシ枠の前
後及び上下位置を調整できるようになっている。

（考案が解決しようとする課題） 前記従来の考案においてはベース金物をALC躯体に取
付けなければならず、確実な固定を行うことができず、
更に、特殊な位置調整機構を必要とする欠点があった。

そこで、本考案においてはベース金物をALC躯体に固
定することなく固定ができ、且つ特殊な位置調整機構を
用いないで、確実に位置調整ができるサッシ枠の取付位
置調整金具を提供するのが目的である。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するために、開口部に取付け
たアングル材に添う連結片の一端に取付片を他端に固定
片を互いに反対方向に突設し固定片に長孔で形成した位
置調整孔を設けたベース金物と、位置調整片の両端から
いずれか一方が開口部に当接する躯体当接片を突設して
コ字状に形成し、位置調整片の中央に前記ベース金物の
位置調整孔を通したネジを螺合する螺子孔を設け、螺子
孔の両側端部に長孔で形成した位置調整孔を設けた調整
金物と、連結片の一端にサッシ枠の窪部に嵌入するサッ
シ嵌入片を突設し、他端にサッシ枠における両側枠の室
外側垂直壁に当接するサッシ当接片をサッシ嵌入片と同
方向に且つサッシ嵌入片よりも長く突設し、サッシ当接
片に調整金物の位置調整孔を通したネジを螺合する螺子
孔と室外側垂直壁を通したネジを螺合する螺子孔を夫々
設けたサッシ金物とから成るサッシ枠の取付位置調整金
具を構成したものである。又、前記サッシ金物のサッシ
当接片をサッシ嵌入片と反対方向に突設してサッシ枠に
おける上枠の室外側垂直壁に当接できるように形成した
ものである。

又、ベース金物の取付片の一端にアングル材に係合す
る係合部を釣形に設けたものである。

（作用） 本考案は前記のように構成したもので、サッシ金物の
サッシ枠の窪部に嵌入し、他端のサッシ当接片を室外側
垂直壁に当接してネジで室外側垂直壁とサッシ当接片を
固定し、調整金物の一方の躯体当接片を開口部に当接
し、他方の躯体当接片の先端をサッシ当接片に当接して
位置決めした後に位置調節片の位置調整孔からサッシ当
接片にネジを通して固定し、更にアングル材に当接した
ベース金物の固定片を位置調整片に当接し、位置調整孔
から位置調整片にネジを螺合してベース金物を固定す
る。

尚、ベース金物で係止部に有するものを使用する際に
は、係止部をアングル材の端部に係合して回転させるよ
うにして固定片を調整金物の位置調整片に当接してネジ
で固定する。

（実施例） 本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明すると、
取付位置調整金具Ａは第３図に示すようにベース金物１
と調整金物２とサッシ金物３とで構成している。

ベース金物１はＺ字状に形成し、一端を短辺で形成し
た固定片４となし、その中央に、中央の連結片５と直角
方向に長孔で形成した位置調整孔６を設け、他端を固定
片４より長い取付片７となし、その端部に連結片５側に
釣形に曲折した係止部８を設けている。

調整金物２はベース金物１よりも幅の広いコ字形に形
成し、上下を躯体当接片9,9となし、垂直部を位置調整
片10となし、この位置調整片10の中央にベース金物１の
固定片４を固定する螺子孔11を設け、両端部で固定片４
の外側に位置する個所に躯体当接片9,9と直交する長孔
で形成した位置調整孔12,12を設けている。

サッシ金物３は調整金物２と同一幅のＺ字状に形成
し、一方の短辺をサッシ嵌入片13となし、他方の短辺を
サッシ当接片14となし、このサッシ当接片14に前記調整
金物２を固定する螺子孔15,15を下部に設け、更に、両
螺子孔15,15間で且つ上部に螺子孔15′,15′を設け、サ
ッシ当接片14の端面に中央の連結片16と平行する支持片
17を設けている。

前記のように構成した取付位置調整金具Ａでサッシ枠
ＢをALC躯体Ｃに取付ける手段を説明する前に、サッシ
枠Ｂの下枠18をALC躯体Ｃの開口部19に取付ける手段を
説明する。開口部19の内周面には夫々内外面に亘ってア
ングル材20,21,22が取付けられている。そして、アング
ル材20にベース金物１を載置して係止部８をアングル材
20の下端に係合させて上側への離脱を阻止する。一方、
下枠18の底板23の室内側を支持するＺ字状の支持部材24
は室外側端部を一段低くした段部25で形成して開口部19
の内周面に直接当接し、垂直部26をベース金物１の固定
片４に当接し、位置調整孔６に通したネジ27を螺合する
ことにより垂直部26を固定片４に固定する。又、下枠18
の下端に設けた室外側垂直壁28の室内側に当接する支持
補強部材29は、室外側垂直壁28に当接する垂直当接部30
の下端を直角に折曲げた水平部31を前記支持部材24の段
部25上に載置し、垂直当接部30の下端を水平に折曲げ、
その先端を更に下側に折曲げて当接部32を形成して前記
支持部材24の垂直部26に当接し、室外側垂直壁28の室外
側に設けた水切部材33の室外側からネジ34を室外側垂直
壁28及び垂直当接部30に螺合して室外側垂直部28を支持
補強部材29に固定する。尚、35は段部25と垂直当接部30
とを溶接した溶接部、36は当接部32を支持部材24の垂直
部26に溶接した溶接部である。

尚、下枠18をアングル材20に固定する手段は前記実施
例に限定するものではなく、従来から用いられている各
種の手段を用いることができるものである。

次に、サッシ枠Ｂの高さ調整について説明すると、上
枠37を所定位置に設定した後に、取付位置調整金具Ａを
取付ける。即ち、上枠37の上端室内側に設けた窪部38
に、サッシ金物３のサッシ嵌入片13を室内側垂直壁39に
添うように嵌入し、連結片16を上枠37の上板40上に載置
し、サッシ当接片14を上枠37の室内側上端垂直壁41の室
内側に当接し、上端に設けた室外側垂直壁41からネジ4
2,42を通してサッシ当接片14の螺子孔15′,15′に螺合
して上枠37にサッシ金物３を固定する。次に、調整金物
２を開放側が室外側に位置するようにして一方の躯体当
接片９を開口部19の位置調整片10の一部をアングル材21
の下端に係合し、他方の躯体当接片９をサッシ金物３の
連結片16と支持片17間に位置させてその躯体当接片９の
先端をサッシ当接片14に当接し、両側の位置調整孔12,1
2からネジ43,43をサッシ当接片14の螺子孔15,15に螺合
して調整金物２をサッシ当接片14に固定する。次に、ベ
ース金物１の係止部８をアングル材21の端部に係合し、
取付片７と連結片５とを夫々アングル材21に添わせ、固
定片４を調整金物２の位置調整片10に当接し、位置調整
孔６からネジ27を通して位置調整片10の螺合孔11に螺合
してベース金物１を調整金物２に固定する。

又、サッシ枠Ｂの両側枠44,44（図示は一方のみ）を
所定位置に取付けるには、第２図に示すように、側枠44
の室内側の開口部19側に設けた窪部45内に、サッシ金物
３のサッシ嵌入片13を室内側垂直壁46に添うように嵌入
し、連結片16を側枠44の側板47に、サッシ当接片14を側
枠44の室外側垂直壁48に夫々当接し、室外側垂直壁48か
らネジ42,42を通してサッシ当接片14の螺子孔15′,15′
に螺合してサッシ金物３を側枠44に固定する。次に調整
金物２を開放側が室外側に位置するようにして一方の躯
体当接片９を開口部19の室外側に当接し、位置調整片10
の一部をアングル材22の室外端に当接し、他方の躯体当
接片９をサッシ金物３の連結片16と支持片17間に位置さ
れてその先端をサッシ当接片14に当接し、両側の位置調
整孔12,12からネジ43,43をサッシ当接片14の螺子孔15,1
5に螺合して調整金物２をサッシ当接片14に固定する。
次に係止部８を有しないベース金物に１′の取付片７を
アングル材22の室内側に係合し、反対側の固定片４を調
整金物２の位置調整10に当接するように連結片５をアン
グル材22に添わせ、固定片４の位置調整孔６からネジ27
を位置調整片10の螺子孔11に螺合してベース金物１を調
整金物２に固定する。

（考案の効果） 本考案は、前記のような構成、作用を有するもので、
上枠37を取付ける際にはベース金物１が係止部８でアン
グル材21の上端に係合し、連結片５をアングル材21の下
面に添わせているので、ベース金物１に固定した調整金
物２及びサッシ金物３に上下に移動することができな
い。

又、上枠37に固定したサッシ金物３に調整金物２及び
調整金物２を介してベース金物１が固定されているので
室内外側方向へ移動をも確実に阻止される。

更に、ベース金物１と調整金物２とを夫々長孔で形成
した位置調整孔を設けているので、上枠の高さ位置を簡
単で且つ確実に調整することができる。

又、側枠44の取付けた際しは、ベース金物１′の取付
片と固定片に固定した調整金物２がアングル材22に係合
しているので、室内外側への移動を確実に阻止すること
ができ、且つ開口部19内での位置調整及び移動を簡単且
つ確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はサッシ枠の取付位置調整金具の一実施例を上枠
に取付た状態を示す縦断側面図、第２図は側枠に取付け
た横断平面図、第３図は分解斜視図である。 Ａ……取付位置調整金具、Ｂ……サッシ枠、Ｃ……ALC
躯体、1,1′……ベース金物、２……調整金物、３……
サッシ金物、４……固定片、５……連結片、６……位置
調整孔、７……取付片、８……係止部、９……躯体当接
片、10……位置調整片、11……螺子孔、12……位置調整
孔、13……サッシ嵌入片、14……サッシ当接片、15、1
5′……螺子孔、16……連結片、17……支持片、18……
下枠、19……開口部、20,21,22……アングル材、23……
底板、24……支持部材、25……段部、26……垂直部、27
……ネジ、28……室外側垂直壁、29……支持補強部材、
30……垂直当接部、31……水平部、32……当接部、33…
…水切部材 34……ネジ、35,36……溶接部、37……上枠 38……窪部、39……室内側垂直壁、40……上板 41……室外側垂直壁、42……ネジ、43……ネジ 44……側枠、45……窪部、46……室内側垂直壁 47……側板、48……室外側垂直壁

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開口部に取付けたアングル材に添う連結片
   の一端に取付片を他端に固定片を互いに反対方向に突設
   し、固定片に長孔で形成した位置調整孔を設けたベース
   金物と、位置調整片の両端からいずれか一方が開口部に
   当接する躯体当接片を突設してコ字状に形成し、位置調
   整片の中央に前記ベース金物の位置調整孔を通したネジ
   を螺合する螺子孔を設け、螺子孔の両側端部に長孔で形
   成した位置調整孔を設けた調整金物と、連結片の一端に
   サッシ枠の窪部に嵌入するサッシ嵌入片を突設し、他端
   にサッシ枠における両側枠の室外側垂直壁に当接するサ
   ッシ当接片をサッシ嵌入片と同方向に且つサッシ嵌入片
   よりも長く突設し、サッシ当接片に調整金物の位置調整
   孔を通したネジを螺合する螺子孔と室外側垂直壁を通し
   たネジを螺合する螺子孔を夫々設けたサッシ金物とから
   成るサッシ枠の取付位置調整金具。
2. 【請求項２】請求項（１）におけるサッシ金物のサッシ
   当接片をサッシ嵌入片と反対方向に突設してサッシ枠に
   おける上枠の室外側垂直壁に当接できるように形成した
   ことを特徴とするサッシ枠の取付位置調整金具。
3. 【請求項３】ベース金物の取付片の一端にアングル材に
   係合する係合部を釣形に設けたことを特徴とする請求項
   １記載のサッシ枠の取付位置調整金具。