JP2539102B2 - 高清浄ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents
高清浄ステンレス鋼の製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高耐食部材や電機部材
等として使用される、酸素含有量が10ppm以下の高
清浄ステンレス鋼の製造方法に関する。
等として使用される、酸素含有量が10ppm以下の高
清浄ステンレス鋼の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸素含有量が少ないステンレス鋼を溶製
する方法として、真空脱炭法やアルゴン−酸素脱炭法が
知られているが、これ等の方法で得られる酸素含有量は
約30ppmのレベルである。
する方法として、真空脱炭法やアルゴン−酸素脱炭法が
知られているが、これ等の方法で得られる酸素含有量は
約30ppmのレベルである。
【0003】更に高純度のステンレス鋼を製造する方法
として、エレクトロスラグ再溶解法(以下ESRと略記
する)が知られている。ESRでは、CaF2−CaO−
Al2O3系のスラグ材が広く用いられているが、このス
ラグ材は、操業中に、含有するAl2O3がAlとOに分解
し、これ等がステンレス溶鋼中に溶け込むために、酸素
含有量が極めて低いステンレス鋼の製造には適していな
い。酸素含有量の低減のためにはCaF2−CaO系のス
ラグ材が一般に使用されている。
として、エレクトロスラグ再溶解法(以下ESRと略記
する)が知られている。ESRでは、CaF2−CaO−
Al2O3系のスラグ材が広く用いられているが、このス
ラグ材は、操業中に、含有するAl2O3がAlとOに分解
し、これ等がステンレス溶鋼中に溶け込むために、酸素
含有量が極めて低いステンレス鋼の製造には適していな
い。酸素含有量の低減のためにはCaF2−CaO系のス
ラグ材が一般に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、CaO
−CaF2系のスラグ材と、Siを0.15〜1.00重量
%含有するJISオーステナイトステンレス鋼(本明細
書では汎用ステンレス鋼と略記する)の電極材を用いて
ステレス鋼の製造を研究した結果、下記の知見を得るに
至った、即ち(1)CaO−CaF2 系のスラグ材を使用
したESRにおいても、再溶解材の酸素含有量は約10
〜20ppmの範囲である。(2)この酸素含有量の変
動は溶融スラグの塩基度:CaO/SiO2(重量比)と
強い相関を示しており、酸素含有量が10ppm以下の
ステンレス鋼を安定して製造することはできない。
−CaF2系のスラグ材と、Siを0.15〜1.00重量
%含有するJISオーステナイトステンレス鋼(本明細
書では汎用ステンレス鋼と略記する)の電極材を用いて
ステレス鋼の製造を研究した結果、下記の知見を得るに
至った、即ち(1)CaO−CaF2 系のスラグ材を使用
したESRにおいても、再溶解材の酸素含有量は約10
〜20ppmの範囲である。(2)この酸素含有量の変
動は溶融スラグの塩基度:CaO/SiO2(重量比)と
強い相関を示しており、酸素含有量が10ppm以下の
ステンレス鋼を安定して製造することはできない。
【0005】本発明はこれ等の問題点を解決するために
なされたもので、生石灰と蛍石を主成分とするスラグ材
に金属Ca類を添加し、汎用ステンレス鋼を電極として
用いて、酸素含有量が10ppm以下のステンレス鋼を
安定して製造する方法を提供することを課題としてい
る。
なされたもので、生石灰と蛍石を主成分とするスラグ材
に金属Ca類を添加し、汎用ステンレス鋼を電極として
用いて、酸素含有量が10ppm以下のステンレス鋼を
安定して製造する方法を提供することを課題としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、生石灰と
蛍石のみからなり、CaOが20〜35重量%で、Ca
を含有しないスラグ材を用い、汎用のステンレス鋼を電
極材として用い、アルゴンガスの非酸化性雰囲気(通電
開始から30分以降のO2量は0.3%以下)でESRを
行った。その際の溶融スラグ中のSiO2の濃度の推移を
表1に示した。
蛍石のみからなり、CaOが20〜35重量%で、Ca
を含有しないスラグ材を用い、汎用のステンレス鋼を電
極材として用い、アルゴンガスの非酸化性雰囲気(通電
開始から30分以降のO2量は0.3%以下)でESRを
行った。その際の溶融スラグ中のSiO2の濃度の推移を
表1に示した。
【0007】
【表1】
【0008】表1の合計SiO2(A)欄は、生石灰中のS
iO 2 量と蛍石中のSiO 2 量の合計で、使用前のスラグ
材のSiO2含有量である(本明細書では合計SiO 2 と
記す)。即ち生石灰と蛍石を混合したスラグ材は0.3〜
2.8重量%の合計SiO2を含有している。
iO 2 量と蛍石中のSiO 2 量の合計で、使用前のスラグ
材のSiO2含有量である(本明細書では合計SiO 2 と
記す)。即ち生石灰と蛍石を混合したスラグ材は0.3〜
2.8重量%の合計SiO2を含有している。
【0009】表1の溶融スラグ(B)欄は、再溶解開始か
らの時間経過に伴う、溶融スラグ中のSiO2含有量であ
る。再溶解開始から30分後の溶融スラグでは、SiO2
は(A)に比べて1.5〜1.8%高い。これは電極材であ
るステンレス鋼中に含有されていたSiが酸化されて混
入した事による。
らの時間経過に伴う、溶融スラグ中のSiO2含有量であ
る。再溶解開始から30分後の溶融スラグでは、SiO2
は(A)に比べて1.5〜1.8%高い。これは電極材であ
るステンレス鋼中に含有されていたSiが酸化されて混
入した事による。
【0010】即ち再溶解開始から30分の間は、非酸化
性雰囲気が非定常で不安定であり、このため雰囲気中の
酸素が電極材であるステンレス鋼中のSiを酸化した事
によると思われる。2時間後、4時間後のSiO2は、3
0分後のSiO2と大きな差異はない。これは通電開始か
ら30分以降は非酸化性雰囲気が定常化しそのO2含有
量が0.3%以下で低くなるために、電極材中のSiは酸
化されないで、再溶解材に含有されるためと思われる。
表1のSiO2増加量(C)欄にみられる如く、(B)欄に示
した溶融スラグのSiO2は(A)欄に示した合計SiO2よ
りも1.6〜2.0%高い。
性雰囲気が非定常で不安定であり、このため雰囲気中の
酸素が電極材であるステンレス鋼中のSiを酸化した事
によると思われる。2時間後、4時間後のSiO2は、3
0分後のSiO2と大きな差異はない。これは通電開始か
ら30分以降は非酸化性雰囲気が定常化しそのO2含有
量が0.3%以下で低くなるために、電極材中のSiは酸
化されないで、再溶解材に含有されるためと思われる。
表1のSiO2増加量(C)欄にみられる如く、(B)欄に示
した溶融スラグのSiO2は(A)欄に示した合計SiO2よ
りも1.6〜2.0%高い。
【0011】本発明者等はまた、20〜35重量%の生
石灰と、蛍石および金属カルシウムからなるスラグ材を
用い、表1で述べたと同じ汎用ステンレス鋼を電極材と
して用い、同じ非酸化性雰囲気で、ESRを行った。
石灰と、蛍石および金属カルシウムからなるスラグ材を
用い、表1で述べたと同じ汎用ステンレス鋼を電極材と
して用い、同じ非酸化性雰囲気で、ESRを行った。
【0012】図1はその際の再溶解して得られたステン
レス鋼中の酸素含有量と溶融スラグのCaO/SiO
2(含有成分の重量比)との関係を示す図である。CaO
/SiO2が10未満では酸素含有量は10ppm以上で
あるが、CaO/SiO2を10以上とする事により、再
溶解して得られたステンレス鋼中の酸素含有量を10p
pm以下に低減する事ができる。本発明者等の知見によ
ると、CaOが10〜40重量%のスラグ材を使用した
場合も、またSi含有量が0.05〜1.50重量%のス
テンレス鋼を電極材として用いた場合も、図1と同様
に、溶融スラグのCaO/SiO 2 を10以上とするこ
とにより、酸素含有量が10ppm以下の高清浄ステン
レス鋼を製造することができる。即ち本発明は、Ca
O:10〜40重量%と、溶融スラグ中のSiO 2 分を
還元して溶融スラグの(CaO)/(SiO 2 )を10以上
に調整するのに必要な量の金属カルシウム類とを含み、
残部が実質的にCaF 2 よりなる、生石灰と蛍石と金属
カルシウム類とを調合したスラグ材を用いて、非酸化性
雰囲気で、ステンレス鋼を電極として、エレクトロスラ
グ再溶解を行うことを特徴とする、高清浄ステンレス鋼
の製造方法である。
レス鋼中の酸素含有量と溶融スラグのCaO/SiO
2(含有成分の重量比)との関係を示す図である。CaO
/SiO2が10未満では酸素含有量は10ppm以上で
あるが、CaO/SiO2を10以上とする事により、再
溶解して得られたステンレス鋼中の酸素含有量を10p
pm以下に低減する事ができる。本発明者等の知見によ
ると、CaOが10〜40重量%のスラグ材を使用した
場合も、またSi含有量が0.05〜1.50重量%のス
テンレス鋼を電極材として用いた場合も、図1と同様
に、溶融スラグのCaO/SiO 2 を10以上とするこ
とにより、酸素含有量が10ppm以下の高清浄ステン
レス鋼を製造することができる。即ち本発明は、Ca
O:10〜40重量%と、溶融スラグ中のSiO 2 分を
還元して溶融スラグの(CaO)/(SiO 2 )を10以上
に調整するのに必要な量の金属カルシウム類とを含み、
残部が実質的にCaF 2 よりなる、生石灰と蛍石と金属
カルシウム類とを調合したスラグ材を用いて、非酸化性
雰囲気で、ステンレス鋼を電極として、エレクトロスラ
グ再溶解を行うことを特徴とする、高清浄ステンレス鋼
の製造方法である。
【0013】本発明で、例えばCaOの含有量が20〜
35重量%のスラグ材を用いる場合は、表1に基づい
て、スラグ材の金属カルシウム類の含有量を下記の方法
で設定することができる。即ちCaOの含有量が20〜
35重量%の場合、CaO/SiO 2 が10以上である
溶融スラグを得るには溶融スラグのSiO 2 を2.0重量
%以下とするように操業すればよい。
35重量%のスラグ材を用いる場合は、表1に基づい
て、スラグ材の金属カルシウム類の含有量を下記の方法
で設定することができる。即ちCaOの含有量が20〜
35重量%の場合、CaO/SiO 2 が10以上である
溶融スラグを得るには溶融スラグのSiO 2 を2.0重量
%以下とするように操業すればよい。
【0014】表1で述べた如く、金属Caを含有しない
スラグ材を用いた場合は、溶融スラグ中のSiO2含有量
(B)は大凡下記(1)式で表される。
スラグ材を用いた場合は、溶融スラグ中のSiO2含有量
(B)は大凡下記(1)式で表される。
【0015】 B={0.3〜2.8%の合計SiO2(A)}+{約2%の SiO2の増加量(C)}………(1) (1)式で示したSiO2の全量をCaと反応させて除去す
る。Caは下記(2)式によってSiO2を還元し、発生し
たSiは再溶解したステンレス鋼中に溶解する。
る。Caは下記(2)式によってSiO2を還元し、発生し
たSiは再溶解したステンレス鋼中に溶解する。
【0016】 2Ca+SiO2→2CaO+Si…………………………………………………(2) (2)式で1グラムのSiO2を除去するには、1.36グ
ラムのCaが化学当量として必要である。従って本発明
では下記(3)式のD1で示した量の金属カルシウムを、
スラグ材に含有せしめる。 D1=1.36×B =1.36×(合計SiO2量+2)………………………………………(3) (3)式のD1で示した量よりも過剰な金属カルシウムを
含有させても、再溶解して得られるステンレス鋼の酸素
含有量の低減には効果はなく、また過剰に金属カルシウ
ムを含有させると、金属カルシウムが溶融スラグ中に残
存して、溶融スラグの電気伝導度が過大となり、通電操
作が不安定になる。
ラムのCaが化学当量として必要である。従って本発明
では下記(3)式のD1で示した量の金属カルシウムを、
スラグ材に含有せしめる。 D1=1.36×B =1.36×(合計SiO2量+2)………………………………………(3) (3)式のD1で示した量よりも過剰な金属カルシウムを
含有させても、再溶解して得られるステンレス鋼の酸素
含有量の低減には効果はなく、また過剰に金属カルシウ
ムを含有させると、金属カルシウムが溶融スラグ中に残
存して、溶融スラグの電気伝導度が過大となり、通電操
作が不安定になる。
【0017】(3)式では溶融スラグ中のSiO2の全量を
Caを用いて除去する場合を述べたが、先に述べた如く
溶融スラグ中のSiO2が約2.0%以下であれば、CaO
/SiO2は10以上とすることができる。この際には下
記(4)式のD2で示した金属カルシウムをスラグ材に含
有せしめる。
Caを用いて除去する場合を述べたが、先に述べた如く
溶融スラグ中のSiO2が約2.0%以下であれば、CaO
/SiO2は10以上とすることができる。この際には下
記(4)式のD2で示した金属カルシウムをスラグ材に含
有せしめる。
【0018】 D2=1.36×(B−2%) =1.36×(合計SiO2量+2−2) =1.36×(合計SiO2量)…………………………………………(4)以上述べた如く 本発明は、生石灰と蛍石と金属カルシウ
ム類とを調合した、CaO:20〜35重量%、合計S
iO2:0.3〜3重量%、Ca:1.36×(合計Si
O2)〜1.36(合計SiO2+2)%を含有するスラ
グ材を用い、非酸化性雰囲気で、汎用ステンレス鋼を電
極として、エレクトロスラグ再溶解を行うことを特徴と
する、高清浄ステンレス鋼の製造方法である。
ム類とを調合した、CaO:20〜35重量%、合計S
iO2:0.3〜3重量%、Ca:1.36×(合計Si
O2)〜1.36(合計SiO2+2)%を含有するスラ
グ材を用い、非酸化性雰囲気で、汎用ステンレス鋼を電
極として、エレクトロスラグ再溶解を行うことを特徴と
する、高清浄ステンレス鋼の製造方法である。
【0019】CaOの含有量が20〜35重量%のスラ
グ材の例を詳述したが、CaOの含有量が20〜35重
量%以外の、例えばCaOの含有量が36〜40重量%
の本発明のスラグ材の場合も、金属カルシウム類の含有
量は下記の方法で設定する事ができる。即ち生石灰と蛍
石のみからなり、CaOが36〜40重量%でCaを含
有しないスラグ材を用いて、表1のSiO 2 の増加量
(C)に相当する値を例えば試験溶解して求め、溶融スラ
グのSiO 2 を3.6以下とするのに必要な金属カルシウ
ム量を(1)式〜(4)式で述べたと同様の方法で算出すれ
ばよい。
グ材の例を詳述したが、CaOの含有量が20〜35重
量%以外の、例えばCaOの含有量が36〜40重量%
の本発明のスラグ材の場合も、金属カルシウム類の含有
量は下記の方法で設定する事ができる。即ち生石灰と蛍
石のみからなり、CaOが36〜40重量%でCaを含
有しないスラグ材を用いて、表1のSiO 2 の増加量
(C)に相当する値を例えば試験溶解して求め、溶融スラ
グのSiO 2 を3.6以下とするのに必要な金属カルシウ
ム量を(1)式〜(4)式で述べたと同様の方法で算出すれ
ばよい。
【0020】本発明で金属カルシウム類は、金属カルシ
ウムあるいはフェロカルシウム等のカルシウム含有合金
をいう。合計SiO2は、スラグ材を製造する際に使用す
る生石灰、蛍石、金属カルシウム類が含有するSiO2の
含有量の合計であり、それぞれの配合量とそれぞれのS
iO2の分析値から算出される。本発明のスラグ材の、C
aO、SiO2、Ca以外の主成分はCaF 2 である。本発
明のスラグ材中のCaOは10〜40重量%とする。Ca
Oが40重量%超では溶融スラグの融点が高温となるた
め操業がし難い。CaOを20〜35%にすると、CaO
/SiO2を10以上に確保し易く、また操業も容易であ
る。本発明で、生石灰と蛍石と金属カルシウム類の調合
の方法は、格別に限定するものではない。例えば粒度が
5mm以下の各原料を混合調合してもよいし、あるいは
これ等を溶融混合して調合したものであってもよい。
ウムあるいはフェロカルシウム等のカルシウム含有合金
をいう。合計SiO2は、スラグ材を製造する際に使用す
る生石灰、蛍石、金属カルシウム類が含有するSiO2の
含有量の合計であり、それぞれの配合量とそれぞれのS
iO2の分析値から算出される。本発明のスラグ材の、C
aO、SiO2、Ca以外の主成分はCaF 2 である。本発
明のスラグ材中のCaOは10〜40重量%とする。Ca
Oが40重量%超では溶融スラグの融点が高温となるた
め操業がし難い。CaOを20〜35%にすると、CaO
/SiO2を10以上に確保し易く、また操業も容易であ
る。本発明で、生石灰と蛍石と金属カルシウム類の調合
の方法は、格別に限定するものではない。例えば粒度が
5mm以下の各原料を混合調合してもよいし、あるいは
これ等を溶融混合して調合したものであってもよい。
【0021】
【実施例1】本発明の実施例について述べる。Si含有
量が0.52重量%、酸素含有量が42ppmのJIS
SUS304を電極材として用いて、直径が210m
mの水冷銅鋳型を用いて、表2の各スラグ材を用いて、
ESRを行い、それぞれ450kgの再溶解鋼塊を製造
した。ESRはコールドスタート法(粉粒状のスラグ材
を再溶解用鋳型内で溶解する)で、金属カルシウムはス
ラグ材中に混合して使用した。また定常状態における雰
囲気(アルゴンガス)中の酸素は0.1%であった。
量が0.52重量%、酸素含有量が42ppmのJIS
SUS304を電極材として用いて、直径が210m
mの水冷銅鋳型を用いて、表2の各スラグ材を用いて、
ESRを行い、それぞれ450kgの再溶解鋼塊を製造
した。ESRはコールドスタート法(粉粒状のスラグ材
を再溶解用鋳型内で溶解する)で、金属カルシウムはス
ラグ材中に混合して使用した。また定常状態における雰
囲気(アルゴンガス)中の酸素は0.1%であった。
【0022】
【表2】
【0023】表2のNo1,2,3は本発明例である。
スラグ材の合計SiO2は1.6%であり、金属カルシウ
ムは1.36×(合計SiO2)〜1.36×(合計SiO2
+2)の範囲に含有している。溶融スラグのCaO/Si
O2は10以上で、操業電流は低く安定で、ESR後の
鋼中酸素含有量は何れも10ppm以下であった。表2
のNo4は金属カルシウムを含有しないスラグ材を用い
た比較例であるがCaO/SiO2が10以下であるた
め、鋼中酸素含有量は10ppm以上である。表2のN
o5は金属カルシウムを1.36×(合計SiO2+2)よ
りも多く含有させた比較例であるが、操業電流が大き
く、操業が不安定であった。
スラグ材の合計SiO2は1.6%であり、金属カルシウ
ムは1.36×(合計SiO2)〜1.36×(合計SiO2
+2)の範囲に含有している。溶融スラグのCaO/Si
O2は10以上で、操業電流は低く安定で、ESR後の
鋼中酸素含有量は何れも10ppm以下であった。表2
のNo4は金属カルシウムを含有しないスラグ材を用い
た比較例であるがCaO/SiO2が10以下であるた
め、鋼中酸素含有量は10ppm以上である。表2のN
o5は金属カルシウムを1.36×(合計SiO2+2)よ
りも多く含有させた比較例であるが、操業電流が大き
く、操業が不安定であった。
【0024】
【実施例2】市販のJIS SUS316(Si含有量:
0.24%、酸素含有量35ppm)の260mm×26
0mmの断面の角材を電極として用いて、1辺が350
mmの角型水冷銅鋳型を用いて、表3の各スラグ材を用
いて、ESRを行い、それぞれ1500kgの鋼塊を製
造した。ESRはコールドスタート法で、金属カルシウ
ムはスラグ材中に混合して使用した。また定常状態にお
ける雰囲気(アルゴンガス)中の酸素は0.2%であっ
た。
0.24%、酸素含有量35ppm)の260mm×26
0mmの断面の角材を電極として用いて、1辺が350
mmの角型水冷銅鋳型を用いて、表3の各スラグ材を用
いて、ESRを行い、それぞれ1500kgの鋼塊を製
造した。ESRはコールドスタート法で、金属カルシウ
ムはスラグ材中に混合して使用した。また定常状態にお
ける雰囲気(アルゴンガス)中の酸素は0.2%であっ
た。
【0025】
【表3】
【0026】実施例1の場合と同様に、本発明の実施例
であるNo7,No8は操業電流も低く安定し、鋼中酸素
含有量も十分に低い。No9は金属カルシウムが過剰な
スラグ材であるが、操業電流が高い。No10は金属カ
ルシウムを含有しないスラグ材の例であるが、No7,
No8に比べて鋼中[O]が高い。
であるNo7,No8は操業電流も低く安定し、鋼中酸素
含有量も十分に低い。No9は金属カルシウムが過剰な
スラグ材であるが、操業電流が高い。No10は金属カ
ルシウムを含有しないスラグ材の例であるが、No7,
No8に比べて鋼中[O]が高い。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、操業電流が通常の場合と同様であるためES
Rの操業が容易であり、かつESRによって得られたス
テンレス鋼中の酸素含有量は極めて低い。
によると、操業電流が通常の場合と同様であるためES
Rの操業が容易であり、かつESRによって得られたス
テンレス鋼中の酸素含有量は極めて低い。
【図1】は溶融スラグのCaO/SiO2と再溶解鋼塊の
酸素含有量の関係を示す図である。
酸素含有量の関係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】CaO:10〜40重量%と、溶融スラグ
中のSiO 2 分を還元して溶融スラグの(CaO)/
(SiO 2 )を10以上に調整するのに必要な量の金属
カルシウム類とを含み、残部が実質的にCaF 2 よりな
る、生石灰と蛍石と金属カルシウム類とを調合したスラ
グ材を用いて、非酸化性雰囲気で、ステンレス鋼を電極
として、エレクトロスラグ再溶解を行うことを特徴とす
る、高清浄ステンレス鋼の製造方法。 - 【請求項2】 生石灰と蛍石と金属カルシウム類とを調合
した、CaO:20〜35重量%、生石灰中のSiO 2 量
と蛍石中のSiO 2 量を合計した合計SiO 2 :0.3〜3
重量%、Ca:1.36×(合計SiO2)〜1.36×(合計
SiO2+2)重量%を含有するスラグ材を用いて、非酸
化性雰囲気で、Siを0.15〜1.00重量%含有する
ステンレス鋼を電極として、エレクトロスラグ再溶解を
行うことを特徴とする、高清浄ステンレス鋼の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3032857A JP2539102B2 (ja) | 1991-02-27 | 1991-02-27 | 高清浄ステンレス鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3032857A JP2539102B2 (ja) | 1991-02-27 | 1991-02-27 | 高清浄ステンレス鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0673464A JPH0673464A (ja) | 1994-03-15 |
JP2539102B2 true JP2539102B2 (ja) | 1996-10-02 |
Family
ID=12370517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3032857A Expired - Fee Related JP2539102B2 (ja) | 1991-02-27 | 1991-02-27 | 高清浄ステンレス鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2539102B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002021876A (ja) | 2000-07-10 | 2002-01-23 | Toyota Industries Corp | 電磁スプリングクラッチ |
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