JP2539008Y2 - カードリーダのカード搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、磁気カードに記録された情報の読取り、
あるいは磁気カードへの情報の書き込み等の処理を行う
カードリーダに関し、特に情報を書き込み読み取らせる
ために磁気カードを搬送させるカード搬送装置の改良に
関する。

〔従来の技術〕

一般に、磁気カード（以下単にカードと言う）に記録
された情報の読取り、あるいはカードへの情報の書き込
み、またカードに書き込まれた情報をチェックし、さら
にはカード使用者に磁気記録情報を目視伝達するパンチ
孔（特に、ある一定の金額の金額情報等を記録したプリ
ペイドカードを用いて物品や乗車券及び電話用の回数券
として使用する場合、その磁気記録された金額情報の残
度数を目視できるために設けられた孔）の形成にカード
リーダが使用されている。

従来、このようなカードリーダではカードへの情報の
書き込み、あるいはカードへの情報の読取り等を行なわ
せるために、複数のベルト式搬送機構から構成されたカ
ード搬送手段を使用し、カードをこのベルト式搬送装置
により磁気センサ上を走行させて上述した各種の処理を
おこなわせるようにしていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上述した従来のカード搬送装置では、カー
ドの搬送に複数のベルト式搬送手段を使用し、またこれ
らの複数のベルト式搬送手段を駆動するために複数のモ
ータを使用するようにしているので、カード搬送路上に
おいてモータスタート時点からモータが一定回転に至る
までの間にカードの搬送速度が不均一となり、またモー
タ停止時にモータあるいは搬送機構のエナーシャによっ
て、カードの搬送停止位置が一定寸法位置に定まらず、
このためカードにパンチ孔を形成する位置が不均一とな
って、使用者に正確な磁気記録情報（例えばカードの使
用量）を目視伝達させることが出来ない問題点があっ
た。

また、従来のベルト式カード搬送装置では、搬送ベル
トがカードの磁気データラインに直接接触するため、カ
ードの磁気データ面に汚れ、擦り傷等の損傷が発生し易
く、このためカードの読取り書き込みが不可能となる問
題点もあった。

この考案は、上述した事情に鑑み、カード搬送路上で
カードを一定速度で安定搬送させ、かつ瞬時にその搬送
を停止させることによりカードを確実に一定の寸法位置
に停止させるとともに、カードの磁気記録面に対する損
傷を可及的に阻止するようにしたカード搬送装置を提供
することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この考案のカード搬送装置では、磁気カードを、複数
の書込及び読取りヘッドを有する磁気センサを配置した
板形状の上下一対の上下搬送路面体からなるカード搬送
路内を往復走行させ、前記磁気カードに記録された情報
の読取り、あるいは磁気カードへの情報の書き込み等の
処理を行うとともに、前記磁気カードを前記カード搬送
路内に一時停止させ、当該磁気カードに磁気記録情報を
目視伝達するパンチ孔を形成するようにしたカードリー
ダのカード搬送装置において、前記磁気センサに形成さ
れた書込及び読取りヘッドに対向する位置の前記上下搬
送路面体であつて、該上下搬送路面体の長手方向に沿っ
て形成された凹部と、前記下搬送路面体の長手方向に沿
って所定のピッチで配設された複数本の軸と、該複数本
の軸に固着された第１の搬送ローラとからなり、前記カ
ード搬送路内に挿入された前記磁気カードの磁気記録面
を除いた一側面の両端部に圧接する第１のカード搬送手
段と、前記磁気センサの対向面に配設された軸を含む前
記上搬送路面体の長手方向に沿って所定のピッチで配設
された複数本の軸と、該複数本の軸に固着され、かつ前
記第１の搬送ローラと対向するように配設された第２の
搬送ローラとからなり、前記カード搬送路内に挿入され
た前記磁気カードの磁気記録面を除いた他側面の両端部
に圧接する第２のカード搬送手段と、前記磁気センサー
の対向面に配設された軸に固着された弾性体の加圧ロー
ラであって、前記カード搬送路内を走行する前記磁気カ
ードを前記磁気センサの書込及び読取りヘッドに押付け
る弾性体の加圧ローラと、前記第１のカード搬送手段の
第１の搬送ローラを固着した軸にそれぞれ固着されたタ
イミングプーリと、前記磁気センサーの下方に配設され
たアイドル軸と、該アイドル軸に固着された複数のタイ
ミングプーリと、これら各タイミングプーリ間に巻回さ
れたタイミングベルトとからなる第１の動力伝達手段
と、前記第２のカード搬送手段の第２の搬送ローラを固
着した軸の一端にそれぞれ固着されたタイミングプーリ
と、該タイミングプーリ間に巻回されたタイミングベル
トとからなる第２の動力伝達手段と、前記第２のカード
搬送手段の前記第２の搬送ローラを固着した複数の軸の
うちの一つの軸に固着された従動歯車と、該従動歯車に
歯合し、かつ前記第１のカード搬送手段の前記第１の搬
送ローラを固着した軸のうちの一つの軸に固着された駆
動歯車とからなる第３の動力伝達手段と、一つのモータ
からなる駆動手段と、該一つのモータからなる駆動手段
の駆動力を前記駆動歯車を支承する軸へ伝達するタイミ
ングプーリと該タイミングプーリ間に巻回されたタイミ
ングベルトとからなる第４の動力伝達手段と、該第４の
動力伝達手段に介在され、前記一つのモータの駆動力を
該モータが所定の定格回転数に至ったときに前記第４の
動力伝達手段に伝達するクラッチ機構と、該クラッチ機
構と前記駆動歯車との間の前記第４の動力伝達手段に介
在され該第４の動力伝達手段による動力の伝達を瞬時に
停止させるブレーキ機構とからなる動力切断手段とを具
えている。

〔作用〕

上述したカード搬送装置によると、一つのモータの駆
動力を第１乃至第４の動力伝達手段を介し、カードを搬
送する第１および第２の各搬送ローラと加圧ローラとに
同時に同位相で伝達するようにしたから、各搬送ローラ
と加圧ローラはいずれのローラに従動することなく同時
に同位相で回転し、これにより各搬送ローラ間の回転速
度の変動が可及的に阻止され、このため各搬送ローラお
よび加圧ローラ間に把持された磁気カードはカード搬送
路上を安定かつ一定速度で搬送されることとなる。また
カード搬送時に上下の第１および第２の各搬送ローラを
カードの両端部のみに接触させるととともに、書込及び
読取りヘッドに対向する位置の上下上搬送路面体の長手
方向に沿って凹部を形成するようにしたから、水、埃等
がカードの磁気記録面に付着するこもなく、このためカ
ード磁気記録面の汚れあるいは損傷が可及的に排除され
ることとなる。また第１および第２の各搬送ローラと加
圧ローラの回転が第１乃至第４の動力伝達手段とブレー
キ機構とにより同時に停止されるから、カードはカード
搬送路内で確実に一定の寸法位置に停止することとな
り、カードの一定寸法位置にパンチ孔を形成して、使用
者に正確な磁気記録情報を目視伝達させることが可能と
なる。

〔実施例〕

以下、この考案に係わるカード搬送装置の一実施例を
詳述する。

第２図は、この考案に係わるカード搬送装置１を示す
概念側面図である。

このカード搬送装置１はカード搬送路Ａが、上下方向
に所定間隔を設けて配設された上搬送路面体２と下搬送
路面体３とから構成されており、カード挿入口Ｂから挿
入されたカード４は、このカード搬送路Ａ内に所定の間
隔（使用し得るカードの厚さｔの1/2程度）を設けて配
設された上下一対の第１および第２の搬送ローラ５、６
からなるカード搬送手段７により把持されて前記カード
搬送路Ａを所定のタイミングで走行する。なお、このカ
ード搬送手段７は下側に配設された第１の搬送ローラ５
からなる第１のカード搬送手段と、また上側に配置され
た第２の搬送ローラ６からなる第２の搬送手段から構成
されている。

また、上述した第１および第２の搬送ローラ５、６の
うち下側に位置する第１の搬送ローラ５は比較的硬質で
上側の第２の搬送ローラ６は下側の搬送ローラ５よりも
軟らかい弾性体（例えば硬質及び軟質からなるシリコン
ゴム）で構成されている。なお、第１および第２のカー
ド搬送手段を構成する第１および第２の搬送ローラ５、
６はカード搬送路Ａを挾むように、当該カード搬送路Ａ
の長手方向に対し所定のピッチで下側３箇所、上側３箇
所の計６箇所に配設されている。

従って、上述した第１および第２の搬送ローラ５、６
からなる第１および第２のカード搬送手段により、カー
ド４を搬送させると、カード４の両端部のみが上下一対
の第１および第２の搬送ローラ５、６間に把持されつつ
搬送されるので、これによりカード搬送時にカード搬送
手段によるカードの磁気記録面（カード４の下面で、そ
の両端部を除く部分）への接触が排除されることとな
る。

また、第２図の上搬送路面体２及び下搬送路面体３は
第２図のCC線及びDD線で展開する第３図と第４図のよう
に、磁気センサ８に形成された複数の書込及び読取りヘ
ツド8aに対向する位置に、カード搬送路Ａの長手方向に
沿って凹部2a、3aが形成されており、この各凹部2a、3a
によってカード走行中の書込及び読取りヘツド8aに対向
する位置のカード磁気記録面の摩擦による損傷を防ぐと
ともに、カード搬送路Ａ内に進入した水を逃がし、ある
いは埃等によりカード磁気記録面が損傷を受けないよう
に構成している。

なお、符号９はカード挿入口Ｂ直後に配設されたシャ
ッタで、このシャッタ９は図示せぬソレノイドプランジ
ヤにより所定のタイミングで駆動され、カード搬送路Ａ
を開閉する。また符号10、11はカード挿入口Ｂ直後のカ
ード搬送路Ａ内にほぼカード４の厚さｔと同一の間隔を
設けて配設された硬質な一対の搬送ローラで、この一対
の搬送ローラ10、11は遊転自在に支承され、使用可能な
カードの厚さ規制と、カード返却の際のブレーキ機構と
して機能する。

また、第２図で符号12、13、14、15、16、17は、それ
ぞれカード搬送路Ａにおけるカード４の位置を検出する
ホトセンサで、この各ホトセンサの検出信号に基づき、
図示せぬ制御装置により後述する駆動手段及びパンチ機
構の作動が制御され、そしてカード４の走行も制御され
る。また、符号18はカード４の側方にパンチ孔を形成す
るパンチ機構で、このパンチ機構18は、前記上搬送路面
体２に支承され、上搬送路面体２の一部を構成する上板
19と下搬送路面体３の一部を構成しかつ上搬送路面体２
に支承された下板20、及び後述するソレノイドプランジ
ャにより上下動し、カード４の側方所定位置にパンチ孔
を形成するパンチプランジャ21とから構成されている。

上述したパンチ機構18は、保守点検時に第５図のよう
に、カード搬送路Ａの後端に配設された第１のカード搬
送手段の搬送ローラ５を支承する一つの駆動軸22を中心
に、上搬送路面体２を反時計方向へ回転させ、カード搬
送路Ａを拡開させると、下板20を含むパンチ機構18全体
が上搬送路面体２とともに上方へ移動する。このパンチ
機構18の下板20に嵌着支承された円筒形のパンチ屑収容
器23も同様に上方へ移動するので、パンチ屑収容容器23
の交換は、第５図に示す状態でパンチ屑収容容器23をパ
ンチ機構18の下板20から取外し、さらに内部に収容され
たパンチ屑を廃棄した後、再びパンチ機構18の下板20に
嵌着支承させればよく、パンチ屑の廃棄処理作業が極め
て簡単である。

また、前記パンチ機構18は上搬送路面体２の要部拡大
上面図で示す第６図及び第６図のEE断面図で示す第７図
のように、図示せぬ制御装置の駆動信号により作動する
ソレノイド24と、このソレノイド24のプランジャ24a先
端に支承されたアーム25と、上板19に回動自在に支承さ
れた軸26に固着された一対のアーム27、28と、第７図で
示すようにパンチプランジャ21の上端に固着された受け
皿29と、前記上板19と受け皿29との間に配設されたコイ
ルバネ30とから構成されており、また前記パンチプラン
ジャ21の後端には硬球31が回動自在に嵌着され、前記軸
26に固着されたアーム27、28のうち一方のアーム28が圧
接している。なお、他方のアーム27はプランジャ24aに
支承されたアーム25と当接している。

上述した構成のパンチ機構18によると、第６図で示す
ようにソレノイド24が作動し、プランジャ24aが第６図
の左側に吸引されると、アーム25が支持軸32を中心に反
時計方向へ回転し、さらに第７図で示すようにアーム27
がアーム25の付勢力により軸26を中心に反時計方向へ回
転する。

このようにアーム27を介して軸26が反時計方向に回転
すると、第７図で示すようにアーム28も軸26を中心に反
時計方向に回転し、コイルバネ30の付勢力に抗してパン
チプランジャ21を下方に移動させて、上板19と下板20と
の間に位置決めされたカードの側方に磁気情報を目視伝
達するパンチ孔を形成することとなる。

なお、上述したパンチ機構18では、第７図で示すよう
に、アーム28とパンチプランジヤ21との間には回動自在
な硬球31が介在されているので、アーム28の回転運動が
スムーズにパンチプランジャ21の上下運動に変換される
こととなる。

一方、カードを搬送する第１および第２の搬送ローラ
５、６からなる第１および第２のカード搬送手段を駆動
する駆動手段、この駆動手段の動力を切断する動力切断
手段、さらに駆動手段の動力を伝達する動力伝達手段は
第１図の概念斜視図で示す構成となっている。

上述の駆動手段、動力切断手段、及び動力伝達手段の
うち、動力伝達手段は後述する４つの部分から構成され
ており、そのうちの一つは第１のカード搬送手段の第１
の搬送ローラ５をそれぞれ一方向に回転させる第１の動
力伝達手段と、第２のカード搬送手段の第２の搬送ロー
ラ６を前記第１の搬送ローラ５の回転方向に対し逆方向
に回転させる第２の動力伝達手段であり、これら第１乃
至第４の動力伝達手段のいずれもが一つのモータ40から
なる駆動手段と、この一つのモータ40の動力を、このモ
ータ40が定格回転数に至ったときに伝達するクラッチ機
構44及び前記第１および第２の動力伝達手段の作動を瞬
時に停止させるブレーキ機構45とからなる動力切断手段
を介して駆動される。なおブレーキ機構45、クラッチ機
構44は図示せぬ制御装置の制御信号により作動される電
磁クラッチ、電磁ブレーキにより構成されている。

次に上述した第１乃至第４の動力伝達手段を説明す
る。

一つのモータ40の駆動力は、大径のタイミングプーリ
41と小径のタイミングプーリ42間に巻回されたタイミン
グベルト43を介して、クラッチ機構44及びブレーキ機構
45を支承する軸46に伝達される。この軸46に伝達された
動力は、小径のタイミングプーリ47、48間に巻回された
タイミングベルト49を介して第１のカード搬送手段の第
１の搬送ローラ５を固着した軸22に伝達される。なお、
上述した軸22へモータ40の駆動力を伝達するタイミング
プーリ41、42、47、48と該タイミングプーリ41、42、4
7、48間に巻回されたタイミングベルト43,49とから第４
の動力伝達手段が構成されている。

そして、この第４の動力伝達手段を介しカード搬送路
Ａの後端に配設された軸22に伝達された動力は、軸22の
端部に配設された駆動歯車50と、この駆動歯車50に噛合
する従動歯車51からなる第３の動力伝達手段52を介し第
２の搬送ローラ６を固着した軸53に伝達される。

一方、この軸22に伝達された動力は小径のタイミング
プーリ54及びカード搬送路Ａの中央部下方に配設された
小径のタイミングプーリ55間に巻回されたタイミングベ
ルト56を介して、前記小径のタイミングプーリ55、及び
小径のタイミングプーリ57、58、59を固着したアイドル
軸60に伝達される。このアイドル軸60に伝達された動力
は、磁気センサ８の両端部に配設された第１の搬送ロー
ラ５、５を支承する軸61、62に小径のタイミングプーリ
63、64と各タイミングプーリ間に巻回されたタイミング
ベルト65、66を介して伝達される。また前記軸60に伝達
された動力は、カード搬送路Ａのカード挿入口Ｂ直後に
配設された第１の搬送ローラ５を支承する軸67に小径の
タイミングプーリ68、58及びこの小径のタイミングプー
リ68、58間に巻回されたタイミングベルト69を介して伝
達される。

なお、上述した第１のカード搬送手段の各第１の搬送
ローラ５を固着する軸22、61、62、67にそれぞれ固着さ
れたタイミングプーリ54、63、64、68と、前記磁気セン
サー８の下方に配設されたアイドル軸60と、このアイド
ル軸60に固着された複数のタイミングプーリ55、57、5
8、59と、これら各タイミングプーリ54、55、57、58、5
9、63、64、68間に巻回されたタイミングベルト56、6
5、66、69とにより第１の動力伝達手段が構成される。

一方、前記軸22から第３の動力伝達手段52を介して第
２の搬送ローラ６を支承する軸53に伝達された動力は、
磁気センサ８の上方に支承され、第２の搬送ローラ６を
固着した軸70に固着された小径のタイミングプーリ71
と、前記軸22の一端に固着された小径のタイミングプー
リ72と、この各小径のタイミングプーリ71、72間に巻回
されたタイミングベルト73を介して伝達され、さらに軸
70に伝達された動力はカード搬送路Ａのカード挿入口Ｂ
直後に配設された搬送ローラ６を固着した軸74の一端に
固着された小径のタイミングプーリ75と、前記軸70の他
端に固着された小径のタイミングプーリ76と、この小径
のタイミングプーリ75、76間に巻回されたタイミングベ
ルト77を介して伝達される。

なお、前記第２のカード搬送手段の第２の搬送ローラ
６を固着する各軸53、70、74の一端にそれぞれ固着され
た各タイミングプーリ71、72、75、76と、この各タイミ
ングプーリ71、72、75、76間に巻回されたタイミングベ
ルト73、77とにより第２の動力伝達手段が構成される。

なお、第１図で符号78は搬送されるカード４を磁気セ
ンサ８に密着させる加圧ローラで、この加圧ローラ78は
軸70に固着され、当該軸70と一体に回転する。なお、こ
の加圧ローラ78も比較的軟らかい弾性体（シリコンゴ
ム）により構成されており、しかも加圧ローラ78の外周
面は磁気センサに所定間隔をもって配設されている。そ
してこの加圧ローラ78はカード４が高速で搬送され当該
加圧ローラ78に当接する際の振動をスムーズに吸収する
とともに、加圧ローラ78の回転によりカード４をその先
端から確実に磁気センサ８に密着させ、これによりカー
ド４の高速搬送に伴う磁気データの読取り書き込みの処
理を一層確実なものとしている。

次に、上述したカード搬送装置１の動作を概念的に説
明し、併せて構成をより詳細に説明する。

電源が投入されると第２図に示すシャッタ９が下方に
後退し、カード搬送路Ａを解放する。この状態でカード
４を挿入すると、当該カード４はホトセンサ12により検
知され、この結果第１図に示す一つのモータ40が始動正
転し、該モータ40が定格回転数に至るとクラッチ機構44
が接続され、さらに上述した第１乃至第４の動力伝達手
段を介し第１の搬送ローラ５と第２の搬送ローラ６の回
転方向は互いに逆方向であるが、全ての第１および第２
の搬送ローラ５、６と加圧ローラ78は同時に同位相で回
転し、その搬送力によりカード４が図面の左方向に搬送
されて磁気センサ８上を通過する。

その際に、カード４に書き込まれた情報は磁気センサ
８に読み取られる。そして、カード４が第２図に示すカ
ード搬送路Ａの後端に配設されたホトセンサ17で検出さ
れると、クラッチ機構44、ブレーキ機構45が同時に作動
して全ての第１および第２の搬送ローラ５、６と加圧ロ
ーラ78の回転を停止させるとともにモータ40の作動も停
止させる。

従って、カード４は所定の寸法位置に確実に停止する
こととなる。

次に、前記と同様の手順によってモータ40が再び始動
逆転し、カード４がカード搬送路Ａ上を逆進してホトセ
ンサ12で検出されると、再び前記と同様の手順によって
カード４が停止し、再びモータ40が所定回転数だけ正転
されて、カード４を前進させ、所定位置にカード４を上
述した同様の処理ににより停止させ、その後、第２図に
示すパンチ機構18によりカード４にパンチ孔を形成す
る。

なおパンチ孔を形成する際、カード４は確実に所定の
寸法位置に停止するので、磁気情報を目視伝達させるパ
ンチ孔はカード４の正確な位置に形成されることとな
る。

このパンチ孔の形成後、カード４は再び逆進し、ホト
センサ12によりカード４が検出された位置でその進行を
停止させ、再びモータ40を正転させてカード４がホトセ
ンサ17に検知されるまでカード搬送路Ａを搬送させ、そ
の間に磁気センサ８によってカード４に情報が書き込ま
れる。この情報が書き込まれたカード４はホトセンサ12
に検知される位置まで再び逆進させ、その位置に停止さ
せ、さらにその位置から再びカード４をホトセンサ17に
検知させるまで前進させ、この間にカード４に書き込ま
れた情報を磁気センサ８により再び読み取らせ、再びカ
ード４を逆進させてホトセンサ12に検知される位置で停
止させる。しかる後、制御装置により書き込まれたデー
タと読み取られたデータとが同一であるか否かを判断
し、同一であると判断した場合は、カード４をさらに逆
進させてカード挿入口Ｂからカード４を排出する。その
際、カード４はカード挿入口Ｂの搬送ローラ５、６から
離れるが、カード返却の際のブレーキ機構として機能す
る一対のローラ10、11間に把持された状態でその進行を
停止する。従って、カード４がこの一対のローラ10、11
間に把持された状態でその進行を停止すると、カードの
使用者は、簡単にカード搬送装置１からカード４を回収
することができることとなる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案では、一つのモータの
駆動力を、第１乃至第４の動力伝達手段と、この第４の
動力伝達手段に介在されたクラッチおよびブレーキ機構
とを介し、カードを搬送する第１および第２の各搬送ロ
ーラと加圧ローラ（第１の搬送ローラに対する第２の搬
送ローラおよび加圧ローラの回転方向は逆であるが）と
に同時に同位相で伝達させ、また第１および第２の各搬
送ローラと加圧ローラへ伝達される駆動力を第１乃至第
４の動力伝達手段とブレーキ機構とにより同時に停止さ
せるようにしたから、磁気カードはカード搬送路内を安
定かつ一定速度で走行するとともに、その走行が瞬時に
停止されることとなり、このため磁気カードの正確な位
置にパンチ孔を形成して、カード使用者に正確な磁気記
録情報を目視伝達させることができる。またカード搬送
時に第１および第２の各搬送ローラはカードの両端部の
みに接触するとともに、上下上搬送路面体の書込及び読
取りヘッドに対向する位置の長手方向には凹部が形成さ
れているから、水、埃等によるカードの磁気記録面の汚
れ、あるいは損傷が可及的に排除され、このためカード
リーダによる磁気カードの長期間安定した読取り書き込
み処理が行われ、信頼性の高いカードリーダを提供する
ことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係わるカード搬送装置の概念斜視
図、第２図はこの考案に係わるカード搬送装置の概念側
面図、第３図は第２図のCC展開図、第４図は第２図のDD
展開図、第５図はカード搬送路を拡開した状態を示すカ
ード搬送装置の概念側面図、第６図は上搬送路面体の要
部拡大破断面図、第７図は第６図のEE断面図である。 １……カード搬送装置、４……磁気カード、５……第１
の搬送ローラ、６……第２の搬送ローラ、８……磁気セ
ンサ、40……モータ、41、42、46、48、54、55、57、5
8、59、64、64、68、71、72、75、76……タイミングプ
ーリ、43、49、56、65、66、69、73、77……タイミング
ベルト、44……クラッチ機構、45……ブレーキ機構、Ａ
……カード搬送路。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気カード（４）を、複数の書込及び読取
   りヘッド（8a）を有する磁気センサ（８）を配置した板
   形状の上下一対の上下搬送路面体（2,3）からなるカー
   ド搬送路（Ａ）内を往復走行させ、前記磁気カード
   （４）に記録された情報の読取り、あるいは磁気カード
   （４）への情報の書き込み等の処理を行うとともに、前
   記磁気カード（４）を前記カード搬送路（Ａ）内に一時
   停止させ、当該磁気カード（４）に磁気記録情報を目視
   伝達するパンチ孔を形成するようにしたカードリーダの
   カード搬送装置において、 前記磁気センサ（８）に形成された書込及び読取りヘッ
   ド（8a）に対向する位置の前記上下搬送路面体（2,3）
   であつて、該上下搬送路面体（2,3）の長手方向に沿っ
   て形成された凹部（2a,3a）と、 前記下搬送路面体（３）の長手方向に沿って所定のピッ
   チで配設された複数本の軸（22,61,62,67）と、該複数
   本の軸（22,61,62,67）に固着された第１の搬送ローラ
   （５）とからなり、前記カード搬送路（Ａ）内に挿入さ
   れた前記磁気カード（４）の磁気記録面を除いた一側面
   の両端部に圧接する第１のカード搬送手段と、 前記磁気センサー（８）対向面に配設された軸（70）を
   含む前記上搬送路面体（２）の長手方向に沿って所定の
   ピッチで配設された複数本の軸（53,70,74）と、該複数
   本の軸（53,70,74）に固着され、かつ前記第１の搬送ロ
   ーラ（５）と対向するように配設された第２の搬送ロー
   ラ（６）とからなり、前記カード搬送路（Ａ）内に挿入
   された前記磁気カード（４）の磁気記録面を除いた他側
   面の両端部に圧接する第２のカード搬送手段と、 前記磁気センサー（８）の対向面に配設された軸（70）
   に固着された弾性体の加圧ローラ（78）であって、前記
   カード搬送路（Ａ）内を走行する前記磁気カード（４）
   を前記磁気センサ（８）の書込及び読取りヘッド（8a）
   に押付ける弾性体の加圧ローラ（78）と、 前記第１のカード搬送手段の第１の搬送ローラ（５）を
   固着した軸（22,61,62,67）にそれぞれ固着されたタイ
   ミングプーリ（54,63,64,68）と、前記磁気センサー
   （８）の下方に配設されたアイドル軸（60）と、該アイ
   ドル軸（60）に固着された複数のタイミングプーリ（5
   5,57,58,59）と、これら各タイミングプーリ（54,55,5
   7,58,59,63,64,68）間に巻回されたタイミングベルト
   （56,65,66,69）とからなる第１の動力伝達手段と、 前記第２のカード搬送手段の第２の搬送ローラ（６）を
   固着した軸（53,70,74）の一端にそれぞれ固着されたタ
   イミングプーリ（71,72,75,76）と、該タイミングプー
   リ（71,72,75,76）間に巻回されたタイミングベルト（7
   3,77）とからなる第２の動力伝達手段と、 前記第２のカード搬送手段の前記第２の搬送ローラ
   （６）を固着した複数の軸（53,70,74）のうちの一つの
   軸（53）に固着された従動歯車（51）と、該従動歯車
   （51）に歯合し、かつ前記第１のカード搬送手段の前記
   第１の搬送ローラ（５）を固着した軸（22,61,62,67）
   のうちの一つの軸（22）に固着された駆動歯車（50）と
   からなる第３の動力伝達手段と、 一つのモータ（40）からなる駆動手段と、 該一つのモータ（40）からなる駆動手段の駆動力を前記
   駆動歯車（50）を支承する軸（22）へ伝達するタイミン
   グプーリ（41,42,47,48）と該タイミングプーリ（41,4
   2,47,48）間に巻回されたタイミングベルト（43,49）と
   からなる第４の動力伝達手段と、 該第４の動力伝達手段に介在され、前記一つのモータ
   （40）の駆動力を該モータ（40）が所定の定格回転数に
   至ったときに前記第４の動力伝達手段に伝達するクラッ
   チ機構（44）と、該クラッチ機構（44）と前記駆動歯車
   （50）との間の前記第４の動力伝達手段に介在され該第
   ４の動力伝達手段による動力の伝達を瞬時に停止させる
   ブレーキ機構（45）とからなる動力切断手段と、 を具え、前記一つのモータ（40）の駆動力を、前記クラ
   ッチ機構（44）と前記第１乃至第４の動力伝達手段とを
   介し、同時に同位相で前記第１の搬送ローラ（５）と、
   前記第２の搬送ローラ（６）と、前記加圧ローラ（78）
   とへ伝達し、また前記第１乃至第４の動力伝達手段と前
   記クラッチ機構（44）と前記ブレーキ機構（45）とを介
   し、同時に前記第１の搬送ローラ（５）と、前記第２の
   搬送ローラ（６）と、前記加圧ローラ（78）の回転を停
   止させるようにしたことを特徴とするカードリーダのカ
   ード搬送装置。