JP2537440Y2 - 移植機における苗押えベルトの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、帯状苗用の移植機にお
ける苗押えベルトの取付構造に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、藺草苗等の根部を接着テープで
接着した帯状苗の移植機には、苗供給側から苗取出側に
至る苗搬送経路に、搬送ベルトを介して帯状苗を水平姿
勢で搬送する第一の苗送り機構と、水平姿勢で搬送され
た帯状苗を立姿状に変姿させる第二の苗送り機構を設け
て、立姿状で送り出された帯状苗を単位植付苗に切断し
て圃場に植え付けるようにしたものが知られている。と
ころで、従来この種の移植機では水平姿勢で搬送される
帯状苗を下方に付勢された苗押えガイド杆で上方から押
圧していたので、スムーズな苗搬送が行われにくく、こ
のため、苗搬送の乱れが生じて精度の良い植付が出来な
い、という問題があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、上記のよう
な問題点を解消すべく創案されたものであって、水平姿
勢の帯状苗を上方から押えてスムーズに搬送し、もって
苗搬送の乱れを生ずることなく精度の良い植付けを行う
ことができる移植機における苗押えベルトの取付構造を
提供することを目的としたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】課題を解決するため、本
考案が採用した技術的手段は、苗供給側から苗取出側に
至る苗搬送経路を形成し、該苗搬送経路に搬送ベルトを
介して帯状苗を水平姿勢で搬送する第一の苗送り機構
と、水平姿勢で搬送された帯状苗を立姿状に変姿させる
第二の苗送り機構を設け、かつ苗取出側に臨んで帯状苗
を単位植付苗に切断する切断装置と単位植付苗の植付装
置とを設けた移植機において、上記第二の苗送り機構に
設けた上部駆動軸に、第一の苗送り機構の上方に位置す
る苗押えベルトの支持フレームを軸支し、該支持フレー
ムの前端に従動プーリを装着して、上部駆動軸に設けた
駆動プーリと上記従動プーリとに懸回した苗押えベルト
を上下揺動自在に構成すると共に、上記支持フレーム
を、苗搬送経路を各条に仕切る仕切板に近接させて配設
したことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】したがって、本考案によれば、苗供給側から供
給された帯状苗は、苗搬送経路に設けた第一の苗送り機
構が、搬送ベルトを介して帯状苗を水平姿勢で搬送し、
第二の苗送り機構が水平姿勢の帯状苗を立姿状に変姿さ
せる。ついで、苗取出側に臨んで設けた切断装置が帯状
苗を単位植付苗に切断し、これを植付装置が田面に植付
ける。そして、上記駆動軸に設けた駆動プーリと支持フ
レームの前端に装着した従動プーリとの間に懸回した苗
押えベルトが第一の苗送り機構の上方に位置して上下揺
動自在となっているので、苗押えベルトと搬送ベルトと
で挟持された帯状苗はスムーズに搬送される。しかも、
苗押えベルトの支持フレームは、苗搬送経路の仕切板に
近接しているので、帯状苗の搬送に支障を来すことがな
い。

【０００６】

【実施例】次に、本考案の一実施例を添付した図面に基
づいて詳述する。１は走行機体であって、該走行機体１
は、前輪２および後輪３を備えた機体フレーム４の前部
にエンジン５が載置され、その後方に運転席６が配設さ
れている。走行機体１の後部には、藺草等の帯状苗を移
植する６条植えの植付部７がローリングヒッチ８を介し
て昇降自在に装着されている。また、走行機体１の前部
には、予備苗支持枠９が設けられ、運転席６の一側斜め
後方には補助者用座席１０が設けられている。

【０００７】上記受付部７は、支持体１１で支持された
苗供給側から苗取出側に至る苗搬送経路１２が形成され
ており、該苗搬送経路１２には、植付条数に対応して縦
方向に仕切る仕切板１３が設けられている。そして各仕
切板１３の対向間には、帯状苗を水平状に保持して下方
に搬送する第一の苗送り機構１４と、水平姿勢で搬送さ
れた帯状苗を立姿状に変姿させる第二の苗送り機構１５
が各条毎に設けられており、第二の苗送り機構１５から
苗取出側に臨んで立姿状の帯状苗を単位植付苗に切断す
る切断装置１６と、切断された苗を挟持して圃場に植え
付ける植付装置１７が設けられている。１８は支持アー
ム１９によって苗供給側に支持された苗箱である。

【０００８】上記第一の苗送り機構１４は、図４および
図５に示すように、左右方向の取付駆動軸２０に軸着し
たベルトプーリ２１と、苗供給側の支持軸２２に軸支し
たベルトプーリ２１との間に搬送ベルト２３、２３が帯
状苗の茎部側と根部側に位置して懸回されている。そし
て第一の苗送り機構１４の上方に位置して、帯状苗の根
部側に苗押えベルト２４が配設されているが、該苗押え
ベルト２４は次のように構成されている。即ち、２５は
第二の苗送り機構１５に設けた上部駆動軸であって、該
上部駆動軸２５に支持フレーム２６の基端部がブッシュ
を介して軸支されている。２７は支持フレーム２６の先
端に装着された前後微調節自在のサブフレームであっ
て、該サブフレーム２７に従動プーリ２８が支持されて
いて、該従動プーリ２８の上部駆動軸２５に軸着した駆
動プーリ２９との間に苗押えベルト２４を懸回すること
により、苗押えベルト２４が上下揺動自在となってい
る。また、支持フレーム２６はスプリング３０の付勢に
より常時帯状苗に向けて押圧されている。そして上記支
持フレーム２６は帯状苗の根部側にある仕切板１３に近
接した位置に設けられている。３１は支持フレーム２６
に設けた把手、３２は苗切れ検知センサーである。

【０００９】また、第二の苗送り機構１５には、上部駆
動軸２５に軸着されたベルトプーリ２１および取付駆動
軸２０に軸着されたベルトプーリ２１から、それぞれ円
錐ローラ３３、３３を経て苗取出側に懸回された対向す
る捩れベルト３４、３４が配設されていて、該捩れベル
ト３４、３４によって中間部を挟持された帯状苗が、苗
取出側に搬送される過程で立姿状に変姿するようになっ
ている。３５は苗案内ガイド、３６は植付ガイド、３７
は苗繰出し体である。前記切断装置１６は、伝動機構３
８に連動して作動する切断刃３９、３９により構成され
ており、また、植付装置１７はドライブケース４０の回
転軸４１に連動して上下動する苗植付杆４２により構成
されている。

【００１０】上記上部駆動軸２５と取付駆動軸２０は、
ギア４３、４４を介して連動されており、上部駆動軸２
５に設けた遊転スプロケット４５が、伝動機構４６にチ
ェン連結されている。４７は条止めクラッチであって、
レバー４８に連動して軸芯方向に摺動し、ピン４９がギ
ア４３の係止孔５０に係止した状態で動力を伝動する。
また、上記条止めクラッチ４７は常時ギア４３側に押圧
付勢されている。

【００１１】叙上の如き構成において、いま苗箱１８か
ら帯状苗を植付部７の苗供給側へ供給すれば、第一の苗
送り機構１４に設けた搬送ベルト２３が帯状苗を水平姿
勢に保持して搬送し、次いで、第二の苗送り機構１５に
設けたよじりベルト３４が帯状苗を立姿状に変姿させて
苗取出側に送り出す。送り出された帯状苗は、切断刃３
９、３９により単位植付苗に分割切断されてから、上下
動する苗植付杆４２により圃地に植付られる。上記の過
程において、搬送ベルト２３で搬送される帯状苗は、根
部側が駆動プーリ２９によって回動する苗押えベルト２
４により抑えられ、更に苗押えベルトが帯状苗に向けて
上下揺動自在に付勢されているので、帯状苗は適正な水
平姿勢に保持されたままスムーズに搬送されて、精度の
良い移植作業を行うことができる。しかも苗押えベルト
２４の支持フレーム２６は、仕切板１３の狭い空間にコ
ンパクトに配設することができるので、支持フレーム２
６が帯状苗の搬送経路を妨げることはない。

【００１２】

【考案の効果】これを要するに、本考案は、苗供給側か
ら苗取出側に至る苗搬送経路を形成し、該苗搬送経路に
搬送ベルトを介して帯状苗を水平姿勢で搬送する第一の
苗送り機構と、水平姿勢で搬送された帯状苗を立姿状に
変姿させる第二の苗送り機構を設け、かつ苗取出側に臨
んで帯状苗を単位植付苗に切断する切断装置と単位植付
苗の植付装置とを設けた移植機において、上記第二の苗
送り機構に設けた上部駆動軸に、第一の苗送り機構の上
方に位置する苗押えベルトの支持フレームを軸支し、該
支持フレームの前端に従動プーリを装着して、上部駆動
軸に設けた駆動プーリと上記従動プーリとに懸回した苗
押えベルトを上下揺動自在に構成すると共に、上記支持
フレームを、苗搬送経路を各条に仕切る仕切板に近接さ
せて配設したから、苗供給側から供給された帯状苗は、
水平姿勢で搬送された後、立姿状に変姿され、次いで苗
取出側に臨んで設けた切断装置により単位植付苗に切断
され、田面に植え付けることができる。そして水平姿勢
で搬送される帯状苗は、回動する苗押えベルトで押えら
れ、更に苗押えベルトが上下に揺動するので、適正な搬
送姿勢を保持したままスムーズに搬送することができ
る。このため、苗搬送に乱れを生ずることなく、精度の
良い苗植付を行うことができる。しかも、仕切板に近接
している苗押えベルトの支持フレームは仕切板の近傍の
僅かなスペースを利用してコンパクトに取り付けること
ができるので、支持フレームが苗搬送を妨げるようなこ
とはない。

【００１３】

【図面の簡単な説明】

【図１】移植機の全体側面図である。

【図２】同上平面図である。

【図３】植付部の側面図である。

【図４】同上平面図である。

【図５】同上斜視図である。

【図６】要部の拡大図である。

【符号の説明】

１２ 苗搬送経路 １３ 仕切板 １４ 第一の苗送り機構 １５ 第二の苗送り機構 １６ 切断装置 １７ 植付装置 ２３ 搬送ベルト ２４ 苗押えベルト ２５ 上部駆動軸 ２６ 支持フレーム ２８ 従動プーリ ２９ 駆動プーリ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 苗供給側から苗取出側に至る苗搬送経路
   を形成し、該苗搬送経路に搬送ベルトを介して帯状苗を
   水平姿勢で搬送する第一の苗送り機構と、水平姿勢で搬
   送された帯状苗を立姿状に変姿させる第二の苗送り機構
   を設け、かつ苗取出側に臨んで帯状苗を単位植付苗に切
   断する切断装置と単位植付苗の植付装置とを設けた移植
   機において、上記第二の苗送り機構に設けた上部駆動軸
   に、第一の苗送り機構の上方に位置する苗押えベルトの
   支持フレームを軸支し、該支持フレームの前端に従動プ
   ーリを装着して、上部駆動軸に設けた駆動プーリと上記
   従動プーリとに懸回した苗押えベルトを上下揺動自在に
   構成すると共に、上記支持フレームを、苗搬送経路を各
   条に仕切る仕切板に近接させて配設したことを特徴とす
   る移植機における苗押えベルトの取付構造。