JP2537324B2 - アルキレンスルフィドの捕集方法 - Google Patents

アルキレンスルフィドの捕集方法

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JP2537324B2
JP2537324B2 JP4152358A JP15235892A JP2537324B2 JP 2537324 B2 JP2537324 B2 JP 2537324B2 JP 4152358 A JP4152358 A JP 4152358A JP 15235892 A JP15235892 A JP 15235892A JP 2537324 B2 JP2537324 B2 JP 2537324B2
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alkylene
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メルカプトアルカノー
ルを触媒の存在下、気相分子内脱水反応して得られるア
ルキレンスルフィドを含む反応混合物を疎水性有機化合
物の存在下で冷却し、該アルキレンスルフィドを安定的
に捕集する方法に関する。
【0002】アルキレンスルフィドは、反応性に優れ、
医薬品、農薬、各種工業薬品の製造原料や硫黄含有ポリ
マーの原料として広い分野に用いられる有用な化合物で
ある。
【0003】
【従来の技術】アルキレンスルフィドの製造方法とし
て、オランダ特許第7001172号公報には、酸化チ
タン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブなどの固体酸触媒
を用い、メルカプトアルカノールを気相分子内脱水反応
して目的物を得る方法が開示されている。しかしなが
ら、反応で得られたアルキレンスルフィドを反応混合物
中から安定に分離する方法については記載がない。
【0004】本発明者らの検討によれば、触媒を充填し
た反応器にメルカプトアルカノールを供給し気相分子内
脱水反応する工程を経て、気体状で得られるアルキレン
スルフィドを捕集する工程において次なる問題があるこ
とが明かとなった。
【0005】(1)反応工程より得られた気体状の反応
混合物を冷却して凝縮させ、アルキレンスルフィドを捕
集する操作を行ったところ、凝縮液中でアルキレンスル
フィドが重合し、捕集工程でのアルキレンスルフィドの
収率が著しく低下した。
【0006】(2)反応工程より得られた気体状の反応
混合物を水溶性あるいは親水性の有機化合物の存在下で
凝縮、吸収して捕集する操作を行ったところ、それらの
溶液中でアルキレンスルフィドが重合し、捕集工程での
アルキレンスルフィドの収率が低下した。
【0007】この様に生成したアルキレンスルフィドを
効率良く捕集するためには特別な捕集操作を行なう必要
のあることが明らかとなった。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の目的は、
メルカプトアルカノールの気相分子内脱水反応により得
られるアルキレンスルフィドを重合させることなく安定
的に効率よく捕集する新規な方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、メルカプ
トアルカノールの気相分子内脱水反応により得られるア
ルキレンスルフィドを安定的に効率よく捕集する方法に
ついて鋭意検討した結果、新規な方法を見いだし本発明
を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、一般式(I)
【0011】
【化3】
【0012】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は各々独
立して水素原子又はメチル基を表わす。)で示されるメ
ルカプトアルカノールを触媒の存在下、気相分子内脱水
反応して得られる一般式(II)
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は式
(I)と同じ)で示されるアルキレンスルフィドを含む
気体状の反応混合物を疎水性有機化合物の存在下で冷却
し、捕集することを特徴とするアルキレンスルフィドの
捕集方法である。
【0015】以下、本発明を詳しく説明する。
【0016】気体状で得られるアルキレンスルフィドを
捕集する工程において通常用いられる捕集方法では生成
したアルキレンスルフィドが重合し回収率が非常に低く
なってしまう原因について検討した結果、アルキレンス
ルフィドは未反応原料であるメルカプトアルカノールや
反応で生成する副生成物の存在する状況下で液体状の水
に対して非常に不安定であり、それらが接触することに
よってアルキレンスルフィドが重合し、捕集工程での収
率が低下することが判明した。
【0017】そこで本発明の方法によれば疎水性有機化
合物と共に凝縮させた液は、水相と有機層に分離し、そ
のときアルキレンスルフィドは選択的に有機層側に分配
される。このため、アルキレンスルフィドと液体状の水
との接触が回避されアルキレンスルフィドの重合による
収率の低下は生じない。
【0018】これらの結果、はじめてメルカプトアルカ
ノールの気相分子内脱水反応により得られる反応混合物
中からアルキレンスルフィドを高収率で捕集することが
可能となったものである。
【0019】また、反応原料の希釈剤として窒素、アル
ゴン、ヘリウム等の不活性ガスの使用を少なくするか、
全く使用しなければアルキレンスルフィドの飛散による
捕集収率の低下も抑えられるので好ましい。
【0020】本発明において原料として用いられる一般
式(I)で示されるメルカプトアルカノールとしては、
例えば2−メルカプトエタノール、1−メチル−2−メ
ルカプトエタノール、1,2−ジメチル−2−メルカプ
トエタノール等が挙げられる。 本発明で使用される触
媒はメルカプトアルカノールを気相状態で分子内脱水反
応させる能力があるものであれば制限されることなく使
用することができるが、特に本発明者らが見いだした下
記一般式(III)あるいは一般式(IV)で表される触媒が
従来技術に比較して選択性および触媒活性の長期安定性
が高いので好ましい。
【0021】一般式(III)の触媒は、次のような組成を
もつ触媒である。
【0022】 Ma b c (III) (式中、Mはアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属
より選ばれる少なくとも一種の元素を表し、XはNb、
Ta、Cr、Mo、W、B、Al、Si、P、Sから選
ばれる少なくとも一種の元素、Oは酸素を表す。添字
a,b,cは元素の組成比を表し、a=1のときb=
0.2〜100であり、cはa,bによって定まる値で
ある。)また、一般式(IV)の触媒は、次のような組成
の触媒であって且つ、酸塩基強度関数値(H0 )が+
3.3〜+7.0の範囲である酸点と+7.0〜+9.
3の範囲である塩基点とを併せて有する触媒である。
【0023】 Ma b c (IV) (式中、Mはアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属
より選ばれる少なくとも一種の元素を表し、Yは周期律
表のIIIa族、ランタニド、IVa族、Va族、IIIb族、IV
b族、及びVb族より選ばれる少なくとも一種の元素を
表し、Oは酸素を表す。添字a,b,cは元素の組成比
を表し、b=1のときa=0〜5であり、cはa,bに
よって定まる値である。)一般式(III)で表される触媒
の具体例としては、酸素を除く原子比で触媒組成を例示
するとNa1 Nb10、K1 Ta5 、Mg1 Cr4 、Ba
1 Mo3 、Ca110、Cs1 10Si90、Na1 Al
20、Sr1 Al2 2 、K1 1 Si5 、Ca
1 0.66、Li1 0.33、Rb0.9 Na0.1 1 Si10
などが挙げられる。また、一般式(IV)で表される触媒
の具体例としては、酸素を除く原子比で触媒組成を例示
すると、Na1 0.7 、Al1 1 、Ba1 La0.2
3 、Cs0.4 1 Nb2 、K1 Ce0.1 1 Ti3
Na1 Al20、Cs1 1 Si50Al0.2 、K1 5
5 などが挙げられる。
【0024】本発明で用いられる疎水性有機化合物は、
20℃で水の溶解度が3重量%以下、好ましくは1重量
%以下であり、且つフェノ−ル性水酸基、カルボキシル
基、スルホン酸基などの酸性基やアミノ基、置換アミノ
基、ピリジン基などの塩基性基を有しない不活性な化合
物であれば制限なく使用することができる。
【0025】例示するとベンゼン,トルエン,キシレ
ン,プソイドクメン,ジエチルベンゼン,テトラリンな
どの芳香族炭化水素類;フルオロベンゼン,ヘキサフル
オロベンゼン,クロロベンゼン,クロロトルエンなどの
含ハロゲン芳香族化合物類;ヘキサン,デカン,イソオ
クタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサンなどの
脂肪族炭化水素類;クロロホルム,四塩化炭素,1,2
−ジクロロエタン,フルオロシクロヘキサンなどの含ハ
ロゲン脂肪族化合物類;プロピルエ−テル,ブチルメチ
ルエ−テル,フェニルメチルエ−テルなどのエ−テル化
合物類;3−ヘキサノン,2−ヘプタノン,シクロヘキ
サノン,フェニルメチルケトンなどのケトン化合物類;
酢酸フェニル,安息香酸メチルなどのエステル化合物類
などを挙げることができる。特に、疎水性有機化合物と
して芳香族炭化水素類や脂肪族炭化水素類の使用が好ま
しい。
【0026】本発明で用いられる疎水性有機化合物は単
独で使用してもよいし、二種以上混合した形で使用して
も良い。
【0027】また、使用する疎水性有機化合物の量も非
常に広い範囲から選ぶことができ、凝縮液の有機層での
アルキレンスルフィドの濃度で表した場合、90重量%
以下、好ましくは80重量%以下となる量で捕集を行
う。疎水性有機化合物の使用量を少なくし、凝縮液有機
層でのアルキレンスルフィド濃度が90重量%を越える
と、凝縮液中でアルキレンスルフィドの重合が促進され
捕集収率が低下するため好ましくない。
【0028】本発明の実施にあたり、反応器は固定床
式、流動床式あるいは移動床式のいずれの形式でも使用
できる。
【0029】反応形式は、減圧、常圧、加圧のいずれの
方法でも実施可能である。
【0030】原料メルカプトアルカノールの反応器への
供給方法は希釈しないで行ってもよいし、前記の疎水性
有機化合物および/または、窒素、アルゴン、ヘリウム
等の不活性ガスで希釈して供給してもよい。
【0031】しかし、不活性ガスを多量に使用すると生
成したアルキレンスルフィドが飛散し、捕集が困難にな
るので好ましくない。
【0032】原料ガスの空間速度は原料ガス組成、反応
温度、反応圧、また用いる触媒によって異なるが10〜
10000hr-1の範囲で反応を実施する。反応温度は
180〜350℃、好ましくは200〜320℃であ
る。反応温度が180℃以下の場合、触媒活性が低く充
分な収率が得られない。逆に反応温度が350℃以上で
は副反応が優先し目的のアルキレンスルフィドの選択率
が低下する。
【0033】アルキレンスルフィドの捕集はメルカプト
アルカノールの気相分子内脱水反応を行い、得られたア
ルキレンスルフィドを含む気体状の反応混合物を疎水性
有機化合物の存在下に冷却することによってアルキレン
スルフィドを疎水性有機化合物の溶液として得ることで
達成される。
【0034】使用される疎水性有機化合物の状態は気体
状、液体状あるいは気体と液体の共存状のいずれのもの
であってもよい。また、その接触方法は反応形式に応じ
て選択される。それらのアルキレンスルフィドの捕集方
法について具体的に例示すると、例えば (1)メルカプトアルカノールに疎水性有機化合物を随
伴させて反応器に供給して気相分子内脱水反応を実施
し、ついで得られた反応混合物を冷却し、凝縮させアル
キレンスルフィドを疎水性有機化合物の溶液として捕集
する方法。
【0035】(2)反応器出口からの気体状反応混合物
の流れに気体状及び/又は液体状の疎水性化合物を合流
させ、それらの混合物を冷却し凝縮させアルキレンスル
フィドを疎水性有機化合物の溶液として捕集する方法。
【0036】(3)該気体状反応混合物をシャワー状あ
るいは噴霧状の疎水性有機化合物と接触させアルキレン
スルフィドを吸収あるいは冷却により凝縮して疎水性有
機化合物の溶液として捕集する方法。
【0037】(4)疎水性有機化合物中へ該気体状反応
混合物を吹き込みアルキレンスルフィドを吸収させ疎水
性有機化合物の溶液として捕集する方法。
【0038】などをあげることができる。
【0039】更に、上記(1)〜(4)を組み合せた捕
集方法も実施できる。
【0040】アルキレンスルフィドは、未反応原料であ
るメルカプトアルカノールや反応で生成する副生物の存
在する状況下で液体状の水に対して非常に不安定で接触
により重合しやすいが、反応工程で得られる気体状のこ
れらの混合物を疎水性有機化合物の共存下で凝縮させる
とアルキレンスルフィドは選択的に疎水性有機化合物中
に溶解し、一方、水は有機層と分離されて捕集される。
これにより、アルキレンスルフィドと液体状の水との接
触が回避できアルキレンスルフィドはほとんど重合する
ことなく安定的に疎水性有機化合物の溶液として捕集さ
れる。
【0041】捕集されたアルキレンスルフィドは必要に
応じて前記した疎水性化合物の溶液から蒸留などの操作
により容易に分離することができる。本発明の方法はア
ルキレンスルフィドの中でも特に反応性に富み重合しや
すいエチレンスルフィドの製造に対してきわだった効果
を示す。
【0042】
【発明の効果】本発明により、メルカプトアルカノール
の気相分子内脱水反応により得られるアルキレンスルフ
ィドを重合させることなく安定的に効率よく捕集する新
規な方法が提供される。本発明は、特にこれまで有用性
を認められながらも工業的に供給されえなかったエチレ
ンスルフィドを製造する方法に対して極立った効果を示
し経済的に優れたプロセスを実現することが出来、その
意義は工業的に重要である。
【0043】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を詳
細に説明するが、これらは本発明を限定するものではな
い。
【0044】なお、メルカプトアルカノールの転化率、
アルキレンスルフィドの収率、総合収率、捕集率は、次
の定義に従うものとする。
【0045】
【数1】
【0046】(実施例1)95%水酸化ナトリウム4.
2g、オルトリン酸の85%水溶液8.1g、担体の炭
化珪素(ウィスカー)30gを水200mlに懸濁さ
せ、充分に攪はんしながら80℃で加熱凝縮した。得ら
れた固形物を空気中、120℃で12時間乾燥した後、
空気中600℃で2時間焼成することにより、担体元素
及び酸素を除く原子比でNa1 0.7 なる組成の触媒を
得た。
【0047】このNa1 0.7 なる組成の触媒を4〜9
メッシュに破砕した後、その25mlを内径18mmの
ステンレス製反応管に充填し、その反応管を270℃の
溶融塩浴に浸漬した。
【0048】2−メルカプトエタノール濃度100%の
原料ガスを反応圧200mmHg、空間速度100hr
-1で前記反応管に通じて反応した。
【0049】反応器出口からの気体状の反応混合物をガ
スクロマトグラフィーで分析したところ2−メルカプト
エタノールの転化率は96.5%でありエチレンスルフ
ィドの収率は90.2%であった。
【0050】次に生成したエチレンスルフィドの捕集操
作について説明する。反応器の出口部分に外筒つき冷却
器を接続し、この冷却器と反応器の間に疎水性有機化合
物を導入することのできる流路をもった装置を用いた。
生成したエチレンスルフィドの捕集は、反応器出口から
の気体状の反応混合物の流れに前記流路より疎水性有機
化合物としてトルエンを30g/hrでフィードし接触
させ、外筒側に−5〜0℃の冷媒を流した冷却器にそれ
らの混合物を通して気体状の反応混合物を凝縮させ0℃
に冷却した受器に捕集した。前記した操作で得たエチレ
ンスルフィドのトルエン溶液をガスクロマトグラフィー
で分析したところ、エチレンスルフィドが供給した2−
メルカプトエタノールに対する収率で88.9%存在し
た。これは、エチレンスルフィドの捕集率で98.6%
に相当する。さらに、この反応および捕集操作を連続し
て30時間実施した時点で、上記と同様に分析したとこ
ろエチレンスルフィドの2−メルカプトエタノ−ルに対
する収率は、90.4%であり、エチレンスルフィドの
捕集率は98.7%であった。
【0051】このことは、エチレンスルフィドが安定的
にかつ高収率でトルエンに捕集されたことを示す。
【0052】なお、分析するため凝縮液を室温にもどし
た時、生成した水は用いた受器に水相として分離されて
いることが確認された。表1に反応条件を示し、表2に
反応および捕集の結果を示した。
【0053】(実施例2〜3)疎水性有機化合物の種類
を変えた以外は実施例1と同様に操作した。表1に反応
条件を示し、表2に反応および捕集の結果を示した。
【0054】(実施例4)原料を1−メチル−2−メル
カプトエタノールとした以外は実施例1と同様に操作し
た。表1に反応条件を示し、表2に反応および捕集の結
果を示した。
【0055】(実施例5)硝酸ナトリウム5.1gを水
100mlに溶解させたものを五酸化ニオブ80gに加
え、加熱濃縮後、120℃で14時間乾燥した。得られ
た固形物を、空気気流中600℃で3時間焼成した後、
4〜9メッシュに破砕し、酸素を除く原子比でNa1
10なる組成の触媒を得た。
【0056】このNa1 Nb10なる組成の触媒、25m
lを内径18mmのステンレス製反応管に充填し、その
反応管を300℃の溶融塩浴に浸漬した。
【0057】2−メルカプトエタノールを容量比で、2
−メルカプトエタノール:トルエン=60:40の原料
ガスを、反応圧300mmHg、空間速度300hr-1
で前記反応管に通じて反応した。
【0058】反応器出口からの気体状の反応混合物をガ
スクロマトグラフィーで分析したところ2−メルカプト
エタノールの転化率は94.8%であり、エチレンスル
フィドの収率は91.5%であった。
【0059】次に、生成したエチレンスルフィドの捕集
操作について説明する。反応器の出口部分に外筒つき冷
却器を接続し、外筒側に−5〜0℃の冷媒を流し、気体
状の反応混合物を冷却、凝縮させ、0℃に冷却した受器
に捕集した。この操作で得たエチレンスルフィドのトル
エン溶液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
エチレンスルフィドがフィードした2−メルカプトエタ
ノールに対する収率で90.7%存在した。これは、エ
チレンスルフィドの捕集率で99.1%に相当し、安定
的にかつ高収率でトルエンに捕集されたことを示す。
【0060】なお、生成した水は用いた受器に水相とし
て分離されていることが確認された。表1に反応条件を
示し、反応および捕集の結果は表2に示した。
【0061】(実施例6)疎水性有機化合物をジブチル
エーテルとした以外は、実施例5と同様に操作した。表
1に反応条件を示し、表2に反応および捕集の結果を示
した。
【0062】(実施例7)容量比で2−メルカプトエタ
ノール:トルエン=10:90の原料ガスを反応圧76
0mmHg、空間速度2000hr-1で反応管に通じた
以外は実施例5と同様に操作した。表1に反応条件を示
し、表2に反応および捕集の結果を示した。
【0063】(実施例8)実施例1で用いた反応管の出
口に、容量200mlの吹き込み管付きガス吸収管を2
個連結した捕集器を接続した装置を用いた。
【0064】触媒は実施例1に示したNa1 0.7 なる
組成の触媒を用いその25mlを内径18mmのステン
レス製反応管に充填し、300℃の溶融塩浴に浸漬し
た。
【0065】容量比で1,2−ジメチル−2−メルカプ
トエタノール:窒素:トルエン=70:5:25の原料
ガスを反応圧300mmHg、空間速度150hr-1
反応管に通じて反応し、反応器出口からの気体状の反応
混合物を、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、
1,2−ジメチル−2−メルカプトエタノールの転化率
は96.5%であり、2,3−ジメチルエチレンスルフ
ィドの収率は90.2%であった。
【0066】次に生成した2,3−ジメチルエチレンス
ルフィドの捕集操作について説明する。前記したガス吸
収管それぞれにキシレンを100mlずつ入れ全体を−
45〜−40℃に冷却した冷媒に浸漬する。2,3−ジ
メチルエチレンスルフィドの捕集は、反応器出口からの
気体状反応混合物を上記ガス吸収管に吹き込むことで達
成される。1時間捕集を行なった後、捕集液を室温にも
どし、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、2,
3−ジメチルエチレンスルフィドがフィードした1,2
−ジメチル−2−メルカプトエタノールに対する収率で
87.2%存在した。これは、2,3−ジメチルエチレ
ンスルフィドの捕集率で96.7%に相当し、安定的か
つ高収率でトルエンに捕集されたことを示す。
【0067】なお、生成した水はガス吸収管に水相とし
て分離されていることが確認された。表1に反応条件を
示し、反応および捕集の結果は表2に示した。
【0068】(比較例1)水溶性有機化合物であるトリ
エチルアミンを用いて捕集を行った以外は実施例1と同
様の操作を行った。
【0069】(比較例2)水溶性有機化合物であるプロ
ピルアルコールを用いて捕集を行った以外は、実施例1
と同様の操作を行った。
【0070】(比較例3)親水性有機化合物であるジメ
チルホルムアミドを用いて捕集を行った以外は実施例1
と同様の操作を行った。
【0071】これらの結果は表1に反応条件を示し、表
2に反応および捕集結果を示した。これら水溶性あるは
親水性の有機化合物を捕集溶剤に用いた場合、捕集液中
で生成したエチレンスルフィドの大部分が重合してしま
い、エチレンスルフィドの捕集溶剤として適さないこと
がわかった。
【0072】(比較例4)疎水性有機化合物であるトル
エンを使用せず希釈剤として窒素を用いて表1に示した
条件で実験を行なった。
【0073】反応結果は、実施例1とほぼ同じ成績であ
ったが、エチレンスルフィドの捕集工程で支障が生じ
た。
【0074】すなわち、生成したエチレンスルフィドの
約50%以上は不活性ガスである窒素に同伴され、飛散
した。
【0075】さらに、捕集された生成物の分析を行なう
ため前記の捕集器を反応器よりとりはずした。この状態
で内容物の一部にエチレンスルフィドの重合物が認めら
れたが、室温で放置しておくと、さらに重合が進み内容
物が固化した。
【0076】この例は、反応工程において高収率でエチ
レンスルフィドを得たにもかかわらず通常実施される捕
集方法ではエチレンスルフィドをうまく捕集できないこ
とを示している。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 27/18 B01J 27/18 X C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 石川 隆一 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒 中央研究所内 審査官 瀬下 浩一

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 は各々独立して水素原
    子又はメチル基を表わす。)で示されるメルカプトアル
    カノールを触媒の存在下、気相分子内脱水反応して得ら
    れる一般式(II) 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 は式(I)と同じ)で
    示されるアルキレンスルフィドを含む気体状の反応混合
    物を疎水性有機化合物の存在下で冷却し、捕集すること
    を特徴とするアルキレンスルフィドの捕集方法。
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