JP2537022Y2 - 電子機器の取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、計器や設定器などの電
子機器をパネルに形成した開口に、その前面が露出する
ように差し込んで取り付ける構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４および図５にこの種の取付け構造の
従来例の一例が示されている。

【０００３】ここで用いられる電子機器１は、その前端
に位置決め用のフランジ部１ａが備えられており、パネ
ル２に形成した開口３に電子機器１が挿入されて前記フ
ランジ部１ａがパネル２の開口縁前面に当接することで
機器挿入位置決めがなされるとともに、開口３と機器外
周との間に残存する間隙の閉塞が行われる。

【０００４】電子機器１の後端左右には一対の取り付け
金具４がそれぞれネジ止めされる。この取付金具４は金
属帯板材からなり、金具後端４ａが機器後端面に当接ネ
ジ止めされた状態において、金具前端４ｂがパネル２の
背面に多少弾性変形して当接するようにその長さが予め
設定されている。このように、取付金具４をパネル背面
に弾性圧接させて電子機器１に取り付けることで、取付
金具４の弾性復元力で電子機器１を内方に引き込み付勢
し、もってパネル前面にビス頭部を見せることなく電子
機器１を取付け固定するようにしている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】上記機器取付けに用い
られる取付金具４はバランスよく電子機器１を内方に引
き込み付勢するために少なくとも機器１の対向する外面
近くに作用するよう一対は必要であるが、従来ではパネ
ル２の開口３に挿入されただけで不安定な電子機器１に
取付金具４を１個ずつネジ止めしなければならず、電子
機器１及び取付金具４を支えながらネジ孔合わせを行っ
て締め込む操作は煩わしく手数のかかるものとなってい
た。

【０００６】本考案は、取付金具に改良を加えること
で、取付操作性を向上せんとしたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案の電子機器の取付け構造は、パネルに形成し
た開口に前方から電子機器を挿入して、機器前端のフラ
ンジ部を開口縁前面に当接支持させ、電子機器の後端に
ネジ止め装着した複数の取付金具の前端をパネルの背面
に当接させ、前端がパネルとの当接によって固定された
取付金具の弾性復元力で電子機器をパネル内方に引き込
み付勢するよう構成した電子機器の取付け構造におい
て、前記複数の取付金具を電子機器の側面それぞれに配
置し、それら取付金具を電子機器の下部を受けるように
配置されるステーによって連結し、複数の取付金具を一
体化して電子機器に外嵌仮止め可能に構成している。

【０００８】

【作用】本考案構成によると、パネルの開口に挿入した
電子機器にパネル背部から一体化した複数の取付金具を
外嵌してネジ孔を合わせ状態で仮止めし、片手で電子機
器を支えながらもう一方の片手でネジ装着及び締め込み
を行う。ネジ締めにより取付金具が固定された状態で
は、電子機器は取付金具により側面が、さらに、下部が
ステーにより支持される状態となる。

【０００９】

【実施例】図１は、本考案に係る電子機器の取付け構造
のパネル後方から見た斜視図であり、図２は、その平面
図である。

【００１０】電子機器１の前端外周にはフランジ部１ａ
が連設され、パネル２に形成した開口３に電子機器１を
前方より挿入して、フランジ部１ａを開口縁の前面に当
接させる。

【００１１】金属帯板材からなる左右一対の取付金具４
の後端４ａは機器後端面にネジ締め当接されるよう屈折
されるとともに、各取付金具４の前端４ｂは予め外側方
に少し傾斜がつけられている。そして、左右の取付金具
４はその前後２箇所においてＵ字形に屈折したステー５
で連結され、左右連結金具４を一体物として取り扱える
よう構成されている。

【００１２】又、電子機器１の左右外面には左右の取付
金具４を係入する溝６が形成されており、一体化した左
右の取付金具４を電子機器１に後方より一定姿勢で差し
込み外嵌可能となっている。そしてこの外嵌された取付
金具４の後端４ａはネジ孔位置合わせがなされている。

【００１３】本考案の取付構造は以上のようであり、パ
ネル２に前方より差し込み装着した電子機器１に一体化
した左右の取付金具４を一定姿勢に外嵌仮止めした後、
片手で電子機器１を支えながら他の片手でネジ装着及び
締め込み操作を行う。

【００１４】両取付金具４の後端４ａを機器後端面に当
接するまで締め付けると、取付金具４の前端４ｂが弾性
変形状態でパネル２の背面に当接され、左右の取付金具
４の弾性復元力で電子機器１がパネル内方に弾性的に引
き込まれて、フランジ部１ａが開口縁の前面に強く当て
付けられて電子機器１がパネルに固定される。

【００１５】尚、左右の取付金具４がステー５の弾力に
よって電子機器１の左右外面に弾性的に外嵌止着される
ように構成すれば、前記溝６は不要となる。又、ステー
５が電子機器１の上面に股がるように構成して、一体化
した取付金具４を電子機器１に脱落することなく仮止め
することができる。

【００１６】

【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
によれば、不安定な電子機器を片手で支えながらの複数
の取付金具の装着、ネジ孔合わせ、ネジ締め付け操作が
容易となり、組付作業性が大いに向上した。さらに、ネ
ジ締めにより取付金具が固定された状態では、電子機器
は取付金具により側面が、さらに、下部がステーにより
支持される状態となって、電子機器は安定した状態に取
り付けられるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る電子機器の取付け構造を示すパネ
ル後方からの斜視図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】電子機器と取付金具とを示す斜視図である。

【図４】従来例の分解斜視図である。

【図５】従来例の平面図である。

【符号の説明】

１ 電子機器 １ａ フランジ部 ２ パネル ３ 開口 ４ 取付金具 ４ａ 取付金具の後端 ４ｂ 取付金具の前端 ５ ステー

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネル（２）に形成した開口（３）に前
   方から電子機器（１）を挿入して、機器前端のフランジ
   部（１ａ）を開口縁前面に当接支持させ、電子機器
   （１）の後端にネジ止め装着した複数の取付金具（４）
   の前端（４ｂ）をパネル（２）の背面に当接させ、前端
   （４ｂ）がパネル（２）との当接によって固定された取
   付金具（４）の弾性復元力で電子機器（１）をパネル内
   方に引き込み付勢するよう構成した電子機器の取付け構
   造において、 前記複数の取付金具（４）を電子機器（１）の側面それ
   ぞれに配置し、それら取付金具（４）を電子機器（１）
   の下部を受けるように配置されるステー（５）によって
   連結し、複数の取付金具（４）を一体化して電子機器
   （１）に外嵌仮止め可能に構成してあることを特徴とす
   る電子機器の取付け構造。