JP2536871Y2 - 遊星ローラ型動力伝達装置 - Google Patents

遊星ローラ型動力伝達装置

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JP2536871Y2
JP2536871Y2 JP319191U JP319191U JP2536871Y2 JP 2536871 Y2 JP2536871 Y2 JP 2536871Y2 JP 319191 U JP319191 U JP 319191U JP 319191 U JP319191 U JP 319191U JP 2536871 Y2 JP2536871 Y2 JP 2536871Y2
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lubricant
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power transmission
type power
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仁 岩本
高橋  毅
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、太陽軸の外周面と固定
輪の内周面との間に複数の遊星ローラを圧接状態で介在
させ、それら遊星ローラをキャリアに回転自在に保持さ
せた構成の遊星ローラ型動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の遊星ローラ型動力伝達装置
を示す断面図、図5はその側面図である。図中、2は第
1軸体、4は第1軸体2の端部に形成された太陽軸、6
はハウジング、8はハウジング6に内嵌合された固定
輪、10は太陽軸4の外周面と固定輪8の内周面との間
に周方向等配に圧接状態で複数介在された遊星ローラ、
12は遊星ローラ10を回転自在に軸支する支軸、14
は支軸12を保持するキャリア、16はキャリア14と
一体に形成された第2軸体である。
【0003】ここで、第1軸体2を入力軸、第2軸体1
6を出力軸として、減速機として機能させる場合を説明
する。第1軸体2の回転に伴い、太陽軸4の回転力が各
遊星ローラ10が与えられると、太陽軸4と固定輪8と
の間に挟圧された遊星ローラ10は、支軸12のまわり
に自転しながら固定輪8の内周面に沿って公転する。
【0004】この公転により支軸12が太陽軸4の軸心
まわりに回転するのに伴いキャリア14および第2軸体
16も回転する。遊星ローラ10の支軸12まわりの
方向は太陽軸4の回転方向とは逆であるが、支軸1
2、キャリア14、第2軸体16の回転方向は太陽軸4
と同方向となる。
【0005】なお、第1軸体2を出力軸、第2軸体16
を入力軸にと、上述した関係を逆にすれば、増速機とし
て機能するようになる。
【0006】ところで、遊星ローラ型動力伝達装置は、
摩擦力で回転力を伝達するいわゆるトラクションドライ
ブであるから、遊星ローラ10と太陽軸4および固定輪
8とは充分強力に圧接されていなければならない。ただ
し、その摩擦力は回転のためのものであって、遊星ロー
ラ10は太陽軸4に対しても固定輪8に対しても相対的
に滑りながら回転する必要がある。そこで、焼き付きを
防止してスムーズな回転を行わせるために、潤滑剤m
(グリース)が遊星ローラ10の表面、太陽軸4の外周
面、固定輪8の内周面のそれぞれに対して塗布される。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】ところで、回転に伴う
遠心力によって飛散する潤滑剤mの多くは固定輪8の内
周面に付着する。固定輪8の内周面上を転動する遊星ロ
ーラ10は、図5に示すように、遊星ローラ10の進行
方向前方側に潤滑剤mを押し集める。その押し集められ
た潤滑剤mの一部が遊星ローラ10の表面および固定輪
8の内周面を潤し、一部は図6に示すように遊星ローラ
10の両脇を後方側へ押しよけられる。
【0008】そして、遊星ローラ型動力伝達装置の内部
に封入された潤滑剤mの量が限られているため、ある一
定の回転時間をすぎると回転の遠心力によって固定輪8
の内周面に付着する潤滑剤mの量よりも押しよけられる
量のほうが多くなり、結果として、転動面に残る潤滑剤
mの量が不足することになる。このような油切れ状態に
なると、遊星ローラ10と太陽軸4および固定輪8との
接触面が昇温し、ひいては焼き付きに至るおそれがあ
る。
【0009】本考案は、このような事情に鑑みて創案さ
れたものであって、特に高速回転時の遠心力に起因した
潤滑剤の油切れを防止することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような課題を達成す
るために、本考案は、太陽軸の外周面と固定輪の内周面
との間に複数の遊星ローラが圧接状態で介在されてなる
遊星ローラ型動力伝達装置において、次のような構成を
とる。
【0011】本考案の遊星ローラ型動力伝達装置は、前
記固定輪の内周面のうち軸方向の両側部分を除く所定幅
の部分が前記遊星ローラの転動する軌道面に形成され、
かつ、この軌道面の両脇のそれぞれに全周にわたって連
続した所定深さの油溜め用周溝が形成されているととも
に、この各油溜め用周溝の軸方向外側において遊星ロー
ラ外径部の転動軌跡面と固定輪内周面との間に潤滑剤の
外方流出に対する抵抗となる狭さの潤滑剤油膜用段部が
形成されていることに特徴を有する。
【0012】
【作用】固定輪軌道面上で転動する遊星ローラによって
進行方向前方に押し集められた潤滑剤は、その集中箇所
から後方側両脇へ押しよけられるときに、油溜め用周溝
に流入する。そして、この油溜め用周溝の外側は潤滑剤
油膜用段部となっていて潤滑剤の外方流出に対する抵抗
として作用するから、油溜め用周溝に溜まった潤滑剤を
油溜め用周溝にとどめる機能を発揮する
【0013】油溜め用周溝に溜まっている潤滑剤は、遊
星ローラの転動に伴う遊星ローラからの押し作用によっ
て油溜め用周溝内で周方向に沿って流動し、油溜め用周
溝内では全体的にほぼ均等に配油されることになる。ま
た、回転速度の高速化に伴う遠心力の増大によっても、
潤滑剤油膜用段部における潤滑剤油膜の存在によって潤
滑剤の外方飛散が阻止されるとともに、遊星ローラと固
定輪軌道面との間に潤滑剤を良好に供給することにな
る。
【0014】
【実施例】第1実施例 図1は本考案の第1実施例に係る遊星ローラ型動力伝達
装置を示す断面図、図2はその要部の一部破断の斜視図
である。
【0015】図中、2は第1軸体、4は太陽軸、6はハ
ウジング、8は固定輪、10は遊星ローラ、12は支
軸、14はキャリア、16は第2軸体であり、これらの
基本的な構成は従来例で説明したものと同じである。
【0016】以下、本実施例において従来例と異なる構
成を説明する。すなわち、固定輪8の内周面において、
軸方向の両側部分を除く所定幅Lの部分は、遊星ローラ
10が実質的に転動する有効な軌道面8aとされてい
る。固定輪軌道面8aの両脇のそれぞれには、固定輪8
の内周面に全周にわたり連続した所定深さの油溜め用周
溝8bが形成されている。この油溜め用周溝8bには焼
き付き防止用の潤滑剤m(グリース)が溜められるよう
になっている。そして、各油溜め用周溝8bの軸方向外
側において、遊星ローラ10の外径部の転動軌跡面と固
定輪8の内周面との間に潤滑剤mの外方流出に対する抵
抗となる狭さ(数100μm)の隙間を生じる潤滑剤油
膜用段部8cが形成されている。
【0017】なお、固定輪8の軸方向の幅は、遊星ロー
ラ10の軸方向の幅よりも大きくなっている。固定輪軌
道面8aの幅Lは、当然遊星ローラ10の幅よりも小さ
いのであるが、この幅Lは、固定輪8に対する遊星ロー
ラ10の接触面圧を一定値以上にするのに適当な値に設
定されている。
【0018】次に動作を説明する。
【0019】第1軸体2、太陽軸4の回転に伴って遊星
ローラ10が支軸12のまわりに自転しながら固定輪軌
道面8aに沿って公転すると、遊星ローラ10は、両側
の油溜め用周溝8bから潤滑剤mをその外周面に付着さ
せ、転動に伴って潤滑剤mを固定輪軌道面8aと太陽軸
4の外周面とに供給する。
【0020】固定輪軌道面8a上の潤滑剤mは遊星ロー
ラ10の転動に伴って、遊星ローラ10の進行方向前方
側に押し集められる。その潤滑剤mは、集中箇所から後
方側両脇へ押しよけられるときに、両側の油溜め用周溝
8bに流入する
【0021】遊星ローラ10が通過したあとの油溜め用
周溝8bの部分においては、潤滑剤mが充分に溜まって
いるのであるが、それの軸方向外側が潤滑剤油膜用段部
8cとなっているために、高速回転によって大きな遠心
力が作用しても、油溜め用周溝8b内の潤滑剤mは外方
への流出を阻止される。つまり、潤滑剤油膜用段部8c
における油膜が流出に対する抵抗となるからである。
【0022】以上のように、油溜め用周溝8b内に充分
な量の潤滑剤mを常に溜めておき、そこから遊星ローラ
10を介して太陽軸4および固定輪8に潤滑剤mを供給
するから、遊星ローラ10と太陽軸4および固定輪8と
の焼き付きが防止され、スムーズな動力伝達機能を長期
間にわたって発揮させることができるのである。
【0023】第2実施例 図3は本考案の第2実施例に係る遊星ローラ型動力伝達
装置を示す断面図である。図3において、第1実施例に
係る図1に示した符号と同一の符号は、本実施例におい
ても、その符号が示す部品,部分等と同様のものを指す
ので、説明を省略する。
【0024】第1実施例においては、油溜め用周溝8b
が断面形状において軸方向の内端も外端も直角に形成さ
れていたのに対して、第2実施例では外端は直角である
が内端は鈍角の斜面に形成されている。したがって、油
溜め用周溝8b内の潤滑剤mを軸方向内方に誘い込む作
用があり、潤滑剤mを遊星ローラ10と固定輪軌道面8
aとの間に浸透させる作用が第1実施例よりも優れてい
る。
【0025】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、固定輪
軌道面両脇の油溜め用周溝で外部に押しやられる潤滑剤
を受け、かつ、潤滑剤油膜用段部によって油溜め用周溝
の潤滑剤が外部に飛散することを防止できるから、遊星
ローラの軌道部分で潤滑剤不足が起こるのを防止できる
ばかりか、高速回転にかかわらず油溜め用周溝から常に
軌道面に対して所定量の潤滑剤を供給できるようにな
る。したがって、長期にわたって遊星ローラと太陽軸お
よび固定輪との間での焼き付きがなく、スムーズな動力
伝達が行える遊星ローラ型動力伝達装置を提供できるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る遊星ローラ型動力伝
達装置を示す断面図である。
【図2】図1の遊星ローラ型動力伝達装置の要部を示す
一部破断の斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る遊星ローラ型動力伝
達装置を示す断面図である。
【図4】従来例に係る遊星ローラ型動力伝達装置を示す
断面図である。
【図5】従来例に係る遊星ローラ型動力伝達装置の側面
図である。
【図6】潤滑剤の両脇への流れの様子を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
4 太陽軸 8 固定輪 8a 固定輪軌道面 8b 油溜め用周
溝 8c 潤滑剤油膜用段部 10 遊星ローラ
m 潤滑剤

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽軸の外周面と固定輪の内周面との間
    に複数の遊星ローラが圧接状態で介在されてなる遊星ロ
    ーラ型動力伝達装置であって、前記固定輪の内周面のう
    ち軸方向の両側部分を除く所定幅の部分が前記遊星ロー
    ラの転動する軌道面に形成され、かつ、この軌道面の両
    脇のそれぞれに全周にわたって連続した所定深さの油溜
    め用周溝が形成されているとともに、この各油溜め用周
    溝の軸方向外側において遊星ローラ外径部の転動軌跡面
    と固定輪内周面との間に潤滑剤の外方流出に対する抵抗
    となる狭さの潤滑剤油膜用段部が形成されていることを
    特徴とする遊星ローラ型動力伝達装置。
JP319191U 1991-02-01 1991-02-01 遊星ローラ型動力伝達装置 Expired - Lifetime JP2536871Y2 (ja)

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