JP2536347B2 - 走行式クレ―ンによる建物の構築工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、走行式クレーンによ
る建物の構築工法に関する。

【０００２】

【従来の技術】建築工事における代表的な省力化工法と
して、プレハブ工法が広く知られている。このプレハブ
工法では、柱や壁パネルなどのプレハブ部材の運搬、立
て込みなどの作業に旋回式クレーンが使用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、旋回式クレー
ンでは、一台あたりの作業範囲に限界があるため、大規
模な建物の場合には数台設置する必要があった。このた
め、建設規模が拡大するに伴って、仮設費の占める割合
が嵩むという課題があった。また、一台あたりの揚重能
力も10ｔ程度が限界であった。

【０００４】この発明はこのような前記従来の課題を解
決するために提案されたもので、仮設工事費の低減化、
作業効率の向上を可能にした走行式クレーンによる建物
の構築工法を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明にかかる走行式
クレーンによる建物の構築工法においては、最初に、構
築しようとする建物の一部の平行な壁若しくは柱を施工
し、つづいて、この左右の壁若しくは柱の上端部にクレ
ーンガーダを平行に取り付け、このクレーンガーダに走
行式クレーンを設置し、この走行式クレーンによってプ
レハブ部材を順次、運搬しつつ、所定位置に固定するこ
とにより建物の全体を構築するものである。

【０００６】

【実施例】以下、この発明にかかる建物の構築工法を順
をおって説明する。

【０００７】 最初に、構築しようとする建物の基礎
１を造成し、この基礎１の上に桁行き方向若しくは梁間
方向の平行な壁２および柱３を施工する。

【０００８】基礎１は従来の鉄筋コンクリート工法によ
って行い、壁２および柱３は地上移動式クレーンを用い
て従来のプレハブ工法によって施工する。

【０００９】 つづいて、平行に対向する壁2,2 およ
び柱3,3 の上端の側面部にブラケット4,4 を水平に突設
する。ブラケット４は横方向に所定間隔おきに突設す
る。そして、このブラケット4, 4間にクレーンガーダ５
をそれぞれ架け渡し、このクレーンガーダ5,5 間に走行
式クレーン６を設置する。クレーンガーダ5,5 の一端若
しくは両端は、壁2,2 若しくは柱3,3 の端部より所定長
さ引き出し、走行式クレーン６の引き込み部5a,5a とす
る。また、この走行式クレーンの引き込み部5a,5a の真
下に、地上近くに位置して荷受け架台７を設置する。

【００１０】 つづいて、荷受け架台７の上に搬入さ
れた壁パネルなどのプレハブ部材８を走行式クレーン６
によって順次吊って運搬し、所定位置に取付金具（図省
略)によって固定する。

【００１１】プレハブ部材の取り付けが全て完了した
ら、ブラケット４、クレーンガーダ５および走行式クレ
ーン６は撤去する。

【００１２】

【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているため、以下に記載するような効果を有する。

【００１３】クレーンガーダを支持するための支持構造
体として、構築しようとする建物の一部の壁や柱を利用
するため、クレーンガーダを支持するための支持構造物
を別途構築する必要がなくなり、全工事費に対する仮設
工事費の占める割合を著しく低減することができる。

【００１４】また、走行式クレーンを使用しているた
め、クレーン一台あたりの揚重能力および運搬可能な範
囲はきわめて広い。したがって作業性がきわめてよく、
作業効率の著しい向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】走行式クレーンによる建物の構築工法を示す構
築中の建物の平面図である。

【図２】図１における構築中の建物の縦断面図である。

【符号の説明】

１…建物の基礎、２…壁、３…柱、４…ブラケット、５
…クレーンガーダ、６…走行式クレーン、７…荷受け架
台、８…プレハブ部材。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 構築しようとする建物の一部の平行な壁
   若しくは柱を施工し、つづいて、この左右の壁若しくは
   柱の上端部にクレーンガーダを平行に取り付け、このク
   レーンガーダに走行式クレーンを設置し、この走行式ク
   レーンによってプレハブ部材を順次、運搬しつつ、所定
   位置に固定することを特徴とする走行式クレーンによる
   建物の構築工法。