JP2535876Y2 - 転がり軸受の固定構造 - Google Patents

転がり軸受の固定構造

Info

Publication number
JP2535876Y2
JP2535876Y2 JP2730092U JP2730092U JP2535876Y2 JP 2535876 Y2 JP2535876 Y2 JP 2535876Y2 JP 2730092 U JP2730092 U JP 2730092U JP 2730092 U JP2730092 U JP 2730092U JP 2535876 Y2 JP2535876 Y2 JP 2535876Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fitted
rolling bearing
inner ring
rotating shaft
fixing structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2730092U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0586032U (ja
Inventor
英樹 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP2730092U priority Critical patent/JP2535876Y2/ja
Publication of JPH0586032U publication Critical patent/JPH0586032U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2535876Y2 publication Critical patent/JP2535876Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、軌道輪がセラミックで
構成された転がり軸受の固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、工作機械等における主軸の高速化
に伴ってセラミック軸受が頻繁に使用されるようになっ
ている。一般にセラミックは、耐熱性、耐摩耗性、耐薬
品性に優れる他、鋼に比べて比重及び線膨張係数が小さ
いという特徴を有する。従って、軌道輪をセラミックで
形成した場合には、軌道輪の回転膨張及び熱膨張を抑制
することができ、軸受ラジアル隙間の変動に伴う予圧の
過大・過少といった不具合を回避することが可能とな
る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、例えば、内
輪をセラミックで形成した場合には、高速回転時に回転
軸の回転膨張量及び熱膨張量が内輪の膨張量を上回るよ
うになる。このため、内輪と回転軸との締代が過大にな
りすぎる場合があった。
【0004】このような問題点を解決するものとして、
図2に示す固定構造が従来より知られている。この固定
構造は、鋼製の回転軸(13)にしまりばめで嵌合した一
対の鋼製の円錐座(14)のテーパ面でセラミック製の内
輪(15)のテーパ面を支持し、回転軸(13)の外周面と
内輪(15)の内径面との間に隙間を設けるようにしたも
のである。回転軸(13)が膨張すると、テーパ面同士が
滑り一対の円錐座(14)が左右に移動することにより、
内輪(15)に過大な締代が生じないようになっている。
【0005】しかし、この構造では、内輪(15)の固定
が不十分であり、回転軸(13)と内輪(15)とが滑って
いわゆるクリープが発生する可能性が大きい。
【0006】なお、外輪をセラミックで形成した場合に
は、ハウジング側の膨張により締代が減少し、ハウジン
グと外輪との間にクリープが発生する。
【0007】これらの問題点に鑑み、本考案は、軌道輪
をセラミックで形成した転がり軸受において、軌道輪の
過大締代及びクリープを防止することのできる転がり軸
受の固定構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的の達成のため、
本考案は、回転部材と固定部材との間に介在し、少なく
とも回転部材に嵌合される軌道輪がセラミックで形成さ
れた転がり軸受の固定構造において、前記回転部材の嵌
合面と、この嵌合面に嵌め合わされる前記軌道輪の嵌合
面とに、それぞれ、相互に回転方向に係合可能な係合部
を設けた。
【0009】また、ハウジングに嵌合される外輪と、回
転軸に嵌合される内輪とを有し、少なくとも前記内輪が
セラミックで形成された転がり軸受の固定構造におい
て、前記回転軸の外周面とこの外周面に径方向の隙間を
もって嵌め合わされる前記内輪の内径面とに、それぞ
れ、相互に回転方向に係合可能な係合部を設けた。
【0010】さらに、ハウジングに嵌合される外輪と、
回転軸に嵌合される内輪とを有し、少なくとも前記内輪
がセラミックで形成された転がり軸受の固定構造におい
て、前記回転軸に嵌合固定されたスリーブの外周面と、
この外周面に径方向の隙間をもって嵌め合わされる前記
内輪の内径面とに、それぞれ、相互に回転方向に係合可
能な係合部を設けた。
【0011】
【作用】回転部材の嵌合面と、この嵌合面に嵌め合わさ
れる軌道輪の嵌合面とに、それぞれ、相互に回転方向に
係合可能な係合部を設けたことにより、両部材間で滑り
が生じなくなり、耐クリープ力の向上が図れる。特に、
回転部材に嵌合される軌道輪が内輪である場合には、内
輪と回転部材との間に径方向の隙間を設けることによっ
て、回転時における内輪と回転部材の膨張差がこの隙間
で吸収される。これにより、内輪及び回転部材間での締
代過大と、クリープとを同時に防止することが可能にな
る。
【0012】また、回転軸にスリーブを嵌合固定し、こ
のスリーブの外周面と内輪の内径面とに係合部を設けた
ことにより、回転軸自体には何ら特別な加工を施す必要
がなくなる。
【0013】
【実施例】以下、本考案の実施例を図1(a)(b)に
基づいて説明する。
【0014】図1(a)は、本考案を玉軸受に適用した
場合の実施例を示す。この軸受は、内輪(1)がセラミ
ックで形成されたもので、鋼製の回転軸(2)の小径部
(2a)に、同じく鋼製のスリーブ(3)を介して装着さ
れている。また、この軸受は、回転軸(2)のネジ部
(2b)に螺合したナット(4)、ハウジング(5)の端
面に固定した押え板(6)、回転軸(2)の肩部(2c)
及び間座(7)によって軸方向への移動を規制されてい
る。前記スリーブ(3)は、小径部(2a)の外周面にし
まりばめで嵌合・固定されており、回転軸(2)に対し
て滑ることなくこれと一体になって回転する。
【0015】図1(b)は、内輪(1)と回転軸(2)
の断面を示す。なお、この図では転動体(8)、外輪
(9)といった他の軸受部品の図示が省略されている。
【0016】セラミックの内輪(1)の内径面には、円
周等配位置の3箇所に軸方向に沿って略U字型をなす係
合溝(1a)が形成されている。
【0017】鋼製のスリーブ(3)の外周面は、図示の
ように正三角形の三辺を等曲率の円弧状に形成したトラ
イローブ形状をなし、3つの頂部(3a)は、それぞれ、
係合溝(1a)と回転方向に係合可能である。
【0018】前記スリーブ(3)の外周面と内輪(1)
の内径面との間には、図示のように、径方向の隙間(1
1)が形成されている。ここで、スリーブ(3)の最大
径(ds)は内輪の半径(r)の2倍より大きく(ds>2
r)なるように設定されている。そのため、前記隙間(1
1)は、2つの頂部(3a)の間で略三日月型をなしてい
る。このような略三日月型をなす隙間(11)のうち最も
狭い部分は、回転軸(2)・スリーブ(3)と内輪
(1)との回転及び熱膨張差を考慮して、高速回転時に
おけるスリーブ(3)の膨張を吸収できる大きさ(A)
に設定されている。なお、同図においては、隙間(11)
を誇張して示しているが、隙間(11)は実際にはすきま
ばめ程度の大きさである。
【0019】なお、このようなトライローブ形状をなす
スリーブ(3)は、真円・薄肉の形状を持つ母材の内径
面を3等配で治具を用いて円周方向外側に押しつけ、外
径面を真円形状に研削し、治具を取り外せば得ることが
できる。
【0020】上述の構成により、内輪(1)と回転軸
(2)・スリーブ(3)とのクリープが防止される。ま
た、径方向の隙間(11)が、高速回転時における回転軸
(2)・スリーブ(3)と内輪(1)の膨張差を吸収す
るので、スリーブ(3)の膨張による内輪(1)の締代
過大が回避できる。さらに、本実施例では、トライロー
ブ形状に加工したスリーブ(3)を回転軸(2)の外周
面に嵌合固定するようにしたので、回転軸(2)自体に
は何らの特別加工を施す必要がない。
【0021】また、図1(b)に示す構造において、ス
リーブ(3)に負荷されるラジアル荷重は、各頂部(3
a)の周辺部、具体的には、内輪(1)に対して最も近
接している部分(3c)に作用する。ここで、上述のよう
に、回り止め(3a)を円周等配位置の3箇所に設けたこ
とから、ラジアル荷重が安定した支持構造である3点支
持構造で支持されることになる。従って、一定箇所に荷
重が集中しにくくなり、回転軸(2)の回転トルクの変
動といった不具合が回避できるようになる。
【0022】ところで、軸受の使用態様としては、上述
のような内輪回転の他に、外輪回転、即ち、内輪(1)
を固定状態にしてハウジング(5)を回転させる態様が
ある。このような外輪回転において、外輪(9)をセラ
ミックで形成した場合には、ハウジング(5)と外輪
(9)の膨張差により、外輪(9)とハウジング(5)
との間の締代が過少となってクリープが生じる場合がお
それがある。このような場合でも、上述の内輪回転の時
と同様にハウジング(5)に係合溝を設け、外輪(9)
をトライローブ形状に形成することにより、ハウジング
(5)と外輪(9)のクリープを阻止することが可能と
なる。
【0023】なお、回転軸(2)及びスリーブ(3)
は、回転及び熱膨張差をなくすため、同材料で構成する
か、若しくは、異種材料であっても比重や線膨張係数が
同程度の材料で構成するのが望ましい。また、本考案の
固定構造は、少なくとも回転部材側の軌道輪がセラミッ
クであれば、図示のような玉軸受に限らず、ころ軸受や
アンギュラ軸受といった種々の形式の転がり軸受に適用
することができる。この時、他方の軌道輪や転動体がセ
ラミックで形成されていてもよい。
【0024】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
高速回転時における軌道輪の過大締代及びクリープを確
実に防止することができる。また、回転軸自体には、何
ら特別の加工を施す必要もない。このような点から、本
考案は、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性等に優れた特性を
有するセラミック軸受の使用分野の拡大に大きく貢献す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本考案を玉軸受に適用した場合の実
施例を示す断面図であり、(b)は、内輪(1)と回転
軸(2)の断面図である。
【図2】従来の転がり軸受の固定構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 内輪 1a 係合溝 2 回転軸 3 スリーブ 5 ハウジング 3a 頂部 11 隙間

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転部材と固定部材との間に介在し、少
    なくとも回転部材に嵌合される軌道輪がセラミックで形
    成された転がり軸受の固定構造において、前記回転部材
    の嵌合面と、この嵌合面に嵌め合わされる前記軌道輪の
    嵌合面とに、それぞれ、相互に回転方向に係合可能な係
    合部を設けたことを特徴とする転がり軸受の固定構造。
  2. 【請求項2】 ハウジングに嵌合される外輪と、回転軸
    に嵌合される内輪とを有し、少なくとも前記内輪がセラ
    ミックで形成された転がり軸受の固定構造において、前
    記回転軸の外周面とこの外周面に径方向の隙間をもって
    嵌め合わされる前記内輪の内径面とに、それぞれ、相互
    に回転方向に係合可能な係合部を設けたことを特徴とす
    る転がり軸受の固定構造。
  3. 【請求項3】 ハウジングに嵌合される外輪と、回転軸
    に嵌合される内輪とを有し、少なくとも前記内輪がセラ
    ミックで形成された転がり軸受の固定構造において、前
    記回転軸に嵌合固定されたスリーブの外周面と、この外
    周面に径方向の隙間をもって嵌め合わされる前記内輪の
    内径面とに、それぞれ、相互に回転方向に係合可能な係
    合部を設けたことを特徴とする転がり軸受の固定構造。
JP2730092U 1992-04-24 1992-04-24 転がり軸受の固定構造 Expired - Fee Related JP2535876Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2730092U JP2535876Y2 (ja) 1992-04-24 1992-04-24 転がり軸受の固定構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2730092U JP2535876Y2 (ja) 1992-04-24 1992-04-24 転がり軸受の固定構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0586032U JPH0586032U (ja) 1993-11-19
JP2535876Y2 true JP2535876Y2 (ja) 1997-05-14

Family

ID=12217246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2730092U Expired - Fee Related JP2535876Y2 (ja) 1992-04-24 1992-04-24 転がり軸受の固定構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2535876Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0586032U (ja) 1993-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3021899B2 (ja) ローラ・ベアリング組立体
US4699528A (en) Rotary assembly having self-positioning bearing, and method
JP2022048250A (ja) 旋回軸受
JPH11264416A (ja) 高い回転数用の玉軸受
JP2004245251A (ja) 自動調心ころ軸受
US7637664B2 (en) Composite roll bearing
JP2011190848A (ja) 耐熱単列深溝玉軸受
JP2535876Y2 (ja) 転がり軸受の固定構造
JPH0730788B2 (ja) 転がり軸受
JP2003042160A (ja) アンギュラ玉軸受及び主軸装置
JP2003299299A (ja) ダイレクトドライブモータのロータ支持構造
JPH0653323B2 (ja) 予圧調整式スピンドルユニット
JP2007170470A (ja) アンギュラ玉軸受用の合成樹脂製保持器およびアンギュラ玉軸受
JPH0512491Y2 (ja)
JPH0654130B2 (ja) ころがり軸受装置
JP2000120703A (ja) 軸受装置およびスピンドル装置
JPH1089364A (ja) 固体潤滑クロスロ−ラ軸受
JP2004314203A (ja) 工作機械テーブル装置及び工作機械テーブル装置用転がり軸受
JPH0750587Y2 (ja) ころがり軸受装置
JPS633463Y2 (ja)
JPH11148516A (ja) 複列転がり軸受
JPH08210359A (ja) 転がり軸受
JP2001107956A (ja) 軸受装置
JP2587897Y2 (ja) 転がり軸受
WO2019151306A1 (ja) 玉軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19961217

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees