JP2535760C - - Google Patents

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JP2535760C
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、メタノールの水蒸気改質用触媒の製造方法に関する。更に詳しくは
、本発明は、メタノールを水蒸気と反応させ水素を主成分とする改質ガスを製造
する際に使用する、主として銅の酸化物、亜鉛の酸化物、アルミニウムの酸化物
からなる高活性、高選択性および長寿命の触媒を製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 メタノールが触媒の存在下で比較的容易に水素を主成分とするガスに改質され
ることは従来から良く知られている。特に、水蒸気の共存により水素含量が高く
分離の困難な一酸化炭素をほとんど含まないガスに改質されることから、近年、
今後増大が予想される燃料電池等に使用する水素の簡便な供給源として注目を集
めている。 水素ガスの製造法として、従来広く行われてきた方法には、例えば、液化天然 ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)およびナフサ等の炭化水素を水蒸気と
高温、通常700℃以上の温度で反応させて、実質的に水素および炭素酸化物か
らなるガス混合物に転化し、これから一酸化炭素および炭酸ガスを除いて水素ガ
スを製造する方法がある。しかしながら、この方法は、(1)800〜1000
℃といった極めて高い反応温度を必要とし、(2)一般に脱硫工程を必要とし、
更に(3)水素ガスとの分離が比較的困難な多量の一酸化炭素が併産されるので
、中規模ないし小規模での水素ガス製造法としては不適当である。 【0003】 このため反応条件も温和であり、脱硫、一酸化炭素の分離、変換等のための付
帯設備の必要のないメタノールの水蒸気改質が、比較的小規模の燃料電池用の水
素供給技術として注目を集めている。 メタノールの水蒸気改質反応は下記の反応からなる。 CH3OH+H2O→CO2+3H2−11.8KCal/mol 従来メタノールを改質する触媒としては、担体に白金、バラジウム等の白金族
金属を担持した触媒、銅、ニッケル、クロム、亜鉛など周期律表第IB族、第II
B族、第IVA族、第VII族の卑金属元素を担持した触媒やそれらの酸化物から
なる触媒など数多く提案されている。具体的にはニッケルを主成分とする触媒(
特開昭50−49204号、同51−68488号、同51−122102号、
同57−144031号、同58−69716号の各公報)、白金族金属を活性
成分とする触媒(特開昭58−174237号、同58−177153号、およ
び同59−199043号公報)等が提案されているが、これらの触媒の存在下
で進行するのは上記反応式に従う反応ではなく、メタノールから水素、一酸化炭
素を生成する分解反応が主体である。 【0004】 高純度の水素を効率よく生産するに適した上式の水蒸気改質反応を効果的に促
進するのは、銅を主成分とする触媒に限定されている。このような触媒としては
、例えば下記のような触媒が提案されている。 酸化銅、酸化クロムを主成分とする触媒で、更にマンガン、バリウム等の
酸化物を含有する触媒(特開昭54−11274号公報)。 酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを主成分とする触媒(特開昭49−
47281号公報)、更に酸化クロムを含有する触媒(特開昭57−17413
8号公報)、更に、酸化マンガン、酸化ホウ素等を含有する触媒(特開昭59−
131501号公報)。 酸化銅、酸化ニッケル、酸化アルミニウムを主成分とする触媒で、更にリ
チウム、カリウム等を含有する触媒(特開平1−224046号公報)。 銅/酸化アルミニウム等、銅を含む2成分系共沈触媒(H.Kobayashi,N.Ta
kezawa,C.Minochi,.Chem.Lett.,1347(1976))。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、これらの触媒は、本発明者らの知る限りでは、低温活性、選択性など
かなり改良されたものも見られるが、耐熱性に問題があり、長期間の連続運転を
実施した場合、連続的にその活性および選択性が低下する。この欠点は特に高温
の反応(反応温度250℃程度以上)下で顕著であり、比較的高温下での長時間
使用は困難である、などの問題を残している。 そこで本発明は、高活性、高選択性であり、しかも耐熱性が向上したメタノー
ルの水蒸気改質用触媒の製造方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】 〔発明の概要〕 銅酸化物、亜鉛酸化物およびアルミニウム酸化物を主成分とする触媒がメタノ
ールの水蒸気改質用触媒として有用であることは従来より知られている(上記特
開昭49−47281号公報等)。しかしながら、かかる触媒においても、特に
その耐熱性(耐久性)に問題があることは前記したとおりである。ここに本発明
者らは、上記三成分から成る触媒を製造するに際し、従来法とは異なった特定の
態様にて行うことにより、即ち、1)三成分共沈ではなく、銅および亜鉛をまず
共沈させ、次に水和アルミナを配合し、かつ2)上記銅および亜鉛の共沈を特定
の条件下にて行う(即ち、沈殿生成時のpHを常に塩基側に保つよう沈殿剤とし
てのアルカリ水溶液中に銅および亜鉛の水溶性化合物を滴下する)ことにより、 得られる触媒の活性を増大させ、しかもその耐熱性を著しく向上し得ることを見
出し、本発明に至った。 【0007】 即ち、本発明のメタノールの水蒸気改質用触媒の製造方法は、銅の酸化物、亜
鉛の酸化物およびアルミニウムの酸化物から成るメタノールの水蒸気改質用触媒
の製造方法であって、銅の水溶性化合物および亜鉛の水溶性化合物を含有する水
溶液を沈殿剤であるアルカリ水溶液中に滴下することにより銅の塩基性炭酸塩お
よび/または水酸化物および亜鉛の塩基性炭酸塩および/または水酸化物からな
る沈殿物を生成させ、この沈殿物をろ過、洗浄および所望により焼成に付すこと
により塩基性炭酸銅、水酸化銅、酸化銅からなる群から選ばれた少なくとも一種
の銅化合物と、塩基性炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、酸化亜鉛からなる群から選ばれた
少なくとも一種の亜鉛化合物とからなる組成物を調製し、次いでこの組成物をア
ルミナ水和物と混合し、得られた混合物を焼成および還元に付すことを特徴とす
るものである。 【0008】 〔発明の具体的説明〕 〈触媒の製造〉 本発明方法は、銅、亜鉛の沈殿を特定の条件下で行うこと、および銅、亜鉛を
含有する組成物を予め調製後にアルミナ水和物と混合し焼成することを除けば、
従来公知の製造法と本質的に変わるものではない。 本発明の方法における銅および亜鉛の原料としては、それぞれの水溶性化合物
であればよく、特に制限はないが、実用上は硝酸塩が好ましい。また、銅および
亜鉛それぞれの金属、合金、酸化物等のような水に不溶の原料も、硝酸等の酸を
加えて溶解し使用することは可能である。 本発明における銅と亜鉛の沈殿の生成は、苛性アルカリ、炭酸アルカリ、重炭
酸アルカリ等の水溶液中へ前記水溶性化合物の水溶液を滴下し、溶液を常に塩基
性に保持しつつ実施される。沈殿生成時、銅、亜鉛溶液中に沈殿剤としてアルカ
リを添加したり、アルカリ水溶液中に金属化合物水溶液を一度に大量に投入する
等は、良好な沈殿が得られず好ましくない。また沈殿生成は、通常室温から80 ℃程度の温度範囲で行われる。また沈殿剤であるアルカリとしては取り扱い、経
済面の両面から炭酸ナトリウムが好適に使用される。 【0009】 このようにして得られた沈殿スラリーはろ過、洗浄更に場合により焼成された
後、常法により、アルミナ水和物と混合される。 本発明で使用されるアルミナ水和物には特に制限はなく、例えば、硝酸アルミ
ニウム水溶液と水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ水溶液を反応さ
せた沈殿物から得られる、無定型のアルミナ水和物、ベーマイトゲル、バイアラ
イト、ジブサイト等の結晶性アルミナ水和物等が使用できる。 得られた組成物は常法により成形、乾燥され、焼成される。 本発明における銅化合物、亜鉛化合物およびアルミナ水和物の量比は、原子比
で銅1に対して、亜鉛0.2〜3、好ましくは0.3〜1.5、アルミニウム0
.01〜2、好ましくは0.1〜1である。 成型触媒の形状は柱状、錠剤、球状、粒状、顆粒状、板状などである。 【0010】 乾燥は、常法に従い、例えば常圧下または減圧下で、100℃以下の温度で行
われる。焼成条件についても特に制限はなく、例えば、空気中で焼成温度200
℃以上、好ましくは250〜600℃程度の温度で、1〜5時間程度焼成される
。 焼成された組成物は酸化物であり、これを触媒として調製するには常法により
還元し賦活する必要がある。この賦活処理は、予め水素ガス、一酸化炭素などの
還元性ガス雰囲気で150〜400℃で触媒を加熱して行うこともできるが、加
熱された触媒に水蒸気改質反応時と同様にメタノールと水の混合物を接触させ、
発生したガスで還元することも可能である。 【0011】 〈メタノール気相触媒反応〉 上記のようにして得られた触媒は、メタノールまたはメタノールと水との混合
物を原料として水素を得ようとする反応に対して、長時間の連続高温反応におい
て高活性、高選択性を保持する優れた性能を有するものである。 なお、本発明の効果を最もよく亮受することができるのは、メタノールと水を
原料とする水蒸気改質反応で、この触媒を180℃以上、特に250℃以上で使
用する場合であるが、一般にメタノールの水蒸気改質反応で採用されている反応
条件は、反応温度150〜400℃、好ましくは180〜350℃、メタノール
に対する水のモル比はメタノール1モルに対し水は1〜7モル、好ましくは1〜
5モル、メタノールの空間速度50〜50000hr-1、好ましくは100〜1
5000hr-1、反応圧力50kg/cm2以下である。このような条件下で得
られた改質ガス中の一酸化炭素の含有量は極めて微量であり、通常は実用上ほと
んど支障とならない程度である。また併産する二酸化炭素は常法により容易に分
離し得るので、簡単に良質の水素ガスが得られる。 【0012】 【実施例】 実施例1 Cu(NO32・3H2O 181.2gおよびZn(NO32・6H2O 2
23.1gを含む水溶液0.8リットルを無水炭酸ナトリウム476.6g(硝
酸塩の3倍モル)を含む水溶液3リットルの中に充分に撹拌しながら滴下し、3
5℃で沈殿を生成させた。沈殿物をろ過し、更にイオン交換水で充分に洗浄した
。次に、この沈殿物のスラリーとアルミナ水和物であるベーマイトゲル(含水率
:23%)16.5gとを充分に混練しながら乾燥し、270℃で3時間塩分解
を行った。成型(3φ×4mm)後300℃で3時間焼成した。この焼成物10ml
をラシヒリング(3×4mm)20mlで希釈し、反応器に充填後、反応温度を25
0℃にした以外は表−1に示した条件で2時間還元し、触媒−1を得た。次に、
アルミナ水和物として、バイアライト(含水率:44%)22.6g、ジブサイ
ト(含水率:38%)20.5gをそれぞれ用いた以外は上記と全く同様にして
触媒を調製し、触媒−2、−3を得た。このようにして得た各触媒を使用し、表
−1に示す条件下でメタノールの水蒸気改質反応を行った。反応開始後15時間
および2000時間の時点で測定したメタノール転化率を表−2に示す。 【0013】 実施例2 実施例1の沈殿物を塩分解(270℃、3時間)し、酸化物とした後にベーマ
イトゲルと混練した以外は実施例1の触媒−1と全く同様にして触媒を調製し、
触媒−4を得た。この触媒につき、実施例1と同様にして活性評価を行った。結
果を表−2に示す。 【0014】 比較例1 Cu(NO32・3H2O 181.2gおよびZn(NO32・6H2O 2
23.1gを含む水溶液0.8リットルの中に無水炭酸ナトリウム476.6g
(硝酸塩の3倍モル)を含む水溶液3リットルを充分に撹拌しながら滴下し、3
5℃で沈殿を生成させた以外は実施例1の触媒−1と全く同様にして触媒を調製
し、比較触媒−1を得た。 この触媒につき実施例1と同様にして活性評価を行った。結果を表−2に示す。 【0015】 比較例2 アルミナ水和物の代わりにγ−アルミナ12.7gを用いた以外は実施例1と
全く同様にして触媒を調製し、比較触媒−2を得た。この触媒の活性を実施例1
と同様に評価した。結果を表−2に示す。 【0016】 比較例3 Cu(NO32・3H2O 181.2gおよびZn(NO32・6H2O 2
23.1gおよびAl(NO33・9H2O 93.8gを含む水溶液1.0リ
ットルを無水炭酸ナトリウム476.6gを含む水溶液3リットルの中に充分に
撹拌しながら滴下し、35℃で沈殿を生成させた。次に、この沈殿物を混練しな
がら乾燥し、270℃で3時間塩分解を行い、成型(3φ×4mm)後300℃で
3時間焼成した。この焼成物を実施例1と同様に還元し、比較触媒−3を得た。
この触媒の活性を実施例1と同様に評価した。結果を表−2に示す。 以上、調製した触媒および比較触媒の組成は全てCu:Zn:Al=1.5:
1.5:0.5(原子比)である。 【0017】 実施例3 触媒−1を使用し、反応温度を表−3に示すように変化させた以外は表−1と
同様の条件下でメタノールの水蒸気改質反応を行い、2000時間経過後の生成
ガス組成(dryベース)を測定した。結果を表−3に示す。 【0018】 【表1】 【0019】 【表2】 【0020】 【表3】 【0021】 【発明の効果】 本発明の方法により製造された触媒は、前記したように、メタノールの水蒸気
改質反応に対し活性および選択性が共に高く、しかも耐久性(耐熱性)が大きく
向上している。 上記の効果は、本発明の方法により触媒を調製することにより、銅および亜鉛
の高活性でより安定な結合状態が酸化アルミを含めて生起されているためと考え
られる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 銅の酸化物、亜鉛の酸化物およびアルミニウムの酸化物から成るメタノールの
    水蒸気改質用触媒の製造方法であって、銅の水溶性化合物および亜鉛の水溶性化
    合物を含有する水溶液を沈殿剤であるアルカリ水溶液中に滴下することにより銅
    の塩基性炭酸塩および/または水酸化物および亜鉛の塩基性炭酸塩および/また
    は水酸化物からなる沈殿物を生成させ、この沈殿物をろ過、洗浄および所望によ
    り焼成に付すことにより塩基性炭酸銅、水酸化銅、酸化銅からなる群から選ばれ
    た少なくとも一種の銅化合物と、塩基性炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、酸化亜鉛からな
    る群から選ばれた少なくとも一種の亜鉛化合物とからなる組成物を調製し、次い
    でこの組成物をアルミナ水和物と混合し、得られた混合物を焼成および還元に付
    すことを特徴とする方法。

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