JP2534742B2 - 測長装置 - Google Patents

測長装置

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JP2534742B2
JP2534742B2 JP62334813A JP33481387A JP2534742B2 JP 2534742 B2 JP2534742 B2 JP 2534742B2 JP 62334813 A JP62334813 A JP 62334813A JP 33481387 A JP33481387 A JP 33481387A JP 2534742 B2 JP2534742 B2 JP 2534742B2
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耕三 小野
浩二郎 緒方
健 村山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,微小な長さを高精度で測定する測定装置に
関する。
〔従来の技術〕
近年、各種技術分野においては装置が微小化又は高精
度化され、これに伴い装置の製造時における各部の寸法
も厳格な管理が必要となり、このため、サブμmオーダ
の精度で測定可能な測長装置が要望されるようになつ
た。ここで、上記のように高精度の測長が必要である対
象物として、テレビジヨン、コンピユータの表示等に使
用される液晶表示装置を例示して説明する。
第5図は液晶表示装置の電極の配置図である。図で、
1は基板、2は基板1上に縦横に多数配置された電極で
ある。例えば、図で横方向の長さが400mmの基板1上に
電極2が横方向1列に6700個配列されている。これら各
電極2は互いに正確な間隔で配置される必要がある。即
ち、第5図に示す隣接する電極2間の寸法x1,y1は正確
でなければならない。したがつて、このような電極パタ
ーンを製造するための原板(マスク)における上記寸法
x1,y1は厳格に管理されなければならない。そして、こ
のためには、高精度の測長装置が必要である。例えば、
上記の例では、寸法x1は60μであるので、測長装置とし
てはサブμmオーダの精度のものが要望される。このよ
うな装置の測定に使用される測長装置を第6図により説
明する。
第6図は従来の測長装置の系統図である。図で、5は
図示しない空気定盤上に支持されたステージ、6はステ
ージ5上を図で左右に移動可能な移動台、7は移動台6
を駆動するモータである。移動台6は、モータ7の回転
軸に連結され周面に螺旋状のねじが形成されている軸
(螺軸)に螺合する螺子を有し、モータ7の回転により
左右に移動する構成となつている。8は移動台7に固定
されたテーブル、9はテーブル8上に載置された被測長
対象物である原板を示す。9pは第5図に示す電極2を作
成するため原板9に構成された電極パターンである。電
極パターン9pは第5図に示す電極2の配置に等しく配置
されている。10はこれら電極パターン9pを観察する顕微
鏡、11は顕微鏡10を支持するスタンド、12は原板9を照
明する光源、13は光源12を支持すると共に光を顕微鏡10
に導く導光管である。14は顕微鏡10の視野内の像を撮像
するカメラであり、像に応じた電気信号を出力する。
15はリニアエンコーダであり、スケール15aおよびセ
ンサ15bで構成される。スケール15aはテーブル8の側面
に配置された多数の反射膜で構成されている。この反射
膜は、例えば5μmの巾を有し5μm間隔で配置されて
いる。センサ15bは発光素子スリツト板および受光素子
より成り、反射膜で反射された発光素子からの光を、ス
リツト板を介して受光素子で受光する構成となつてい
る。このリニアエンコーダ15によりテーブル8の移動距
離がサブμmオーダの精度で測定できる。このようなリ
ニアエンコーダは周知である。
16は画像処理装置を示し、画像処理部16aおよび表示
部16bで構成されている。画像処理部16aはカメラ14から
の信号に基づき顕微鏡10の視野内の像を表示部16bに表
示する処理を行なうとともに、後述するようにその像に
ついての種々の処理を実行する。表示部16bは等間隔に
縦横に配列された微粒子(画素)で構成されている。こ
れらの画素は表示部16bにおける発光単位であり、各画
素が選択的に発光することにより、映像が形成表示され
る。各画素は、画像処理部16aに内蔵されたメモリのア
ドレスに対応せしめられているのが通常である。どの画
素を発光させるかの選択は、カメラ14の信号に基づいて
画像処理部16aで行なわれる。17は測長装置における所
定の演算制御を行なう制御装置である。
次に、上記測長装置の動作を第7図(a),(b)に
示す画像処理装置の表示像を参照しながら説明する。ま
ず、原板9をテーブル8上にセットし、顕微鏡10の倍率
を電極パターン9pの全体像やその周辺が把握可能な程度
(例えば5倍)に低くする。次いで、カメラ14に撮影さ
れ表示部16bに表示された顕微鏡10の視野を観察しなが
ら、制御装置17を介して(又は手動で)テーブル8を移
動させ、最端部の電極パターン9p(この電極パターンを
9p1とする)を顕微鏡10の視野にとらえる。この状態で
顕微鏡10の倍率を高倍率(例えば200倍)とする。この
とき、表示部16bに表示された顕微鏡10の視野内の映像
が第7図(a)に示されている。第7図(a)で、Aは
顕微鏡10の視野、Cは顕微鏡10の中心線に対応する中心
線、9p1′は電極パターン9p1の映像である。
電極パターン9p1は顕微鏡10で拡大されているため、
その映像9p1′は電極パターン9p1の極く一部であり、か
つ、その縁部(エツジ)は図示のように凹凸となつて現
われる。ところで、原板9における測長は、各電極パタ
ーン9pのエツジ間を測定するのであるから、エツジに凹
凸が存在していては測定不可能となる。このため、何等
かの手段によりエツジを確定する必要がある。このエツ
ジの確定は、画像処理部16aにおいて、映像9p1′の縁部
の発光画素の位置を多数検出し、そらの平均値を演算す
ることにより行なわれる。なお、このようにエツジの確
定方法は、投影分布法として周知であるので詳細な説明
は省略する。第7図(a)に、確定したエツジが符号E
で示されている。画像処理部16aは中心線CとエツジE
との間隔l1を、その間の画素数をカウントする(メモリ
のアドレスの差を演算する)ことにより求め、その値l1
を制御装置17に出力する。
次に、制御装置17はモータ7に指令信号を出力し、テ
ーブル8を移動して次の電極パターン9p(この電極パタ
ーンを9p2とする。)を顕微鏡10の視野に入れ、これを
表示部16bに表示する。このときのテーブル8の移動量
lはリニアエンコーダ15により検出され、制御装置17に
出力される。第7図(b)に電極パターン9p2が視野に
入つたときの状態が示されている。第7図(b)で第7
図(a)と同一部分には同一符号が付してある。9p2
は電極パターン9p2の映像を示す。電極パターン9p2の映
像9p2′に対しても、電極パターン9p1の映像9p1′と全
く同様にしてエツジEが確定され、中心線Cとの間隔l2
が求められ、この値l2が制御装置17に出力される。ここ
で、リニアエンコーダ15で検出された移動量lは、最初
の視野において顕微鏡10の中心線に対向する原板9上の
位置と、次の視野において顕微鏡10の中心線に対向する
原板9上の位置との間の間隔に等しい。したがつて、第
7図(a),(b)に示す視野の場合、制御装置17は入
力された値l1,l2,lを加算して測定値L(L=l1+l2
l)を得る。各電極パターン9pの間隔は、第5図に示す
電極2の間隔x1,x2,x3………と同じように、最端部の
電極パターン(9p1)のエツジEを基準とし、上述のよ
うな方法で、当該エツジEからの間隔として測定され
る。
上記測長方向と直交する方向における各電極パターン
9の間隔の測定は、テーブル8から一旦原板9を外し、
載置方向を90°変更して再度テーブル8に載置すること
により行なわれるが、このような手間を省くため、ステ
ージ5の下に移動方向が直交するステージを重ね、リニ
アエンコーダ15が配置されている側面と隣接する側面に
さらに他のリニアエンコーダを設けて2軸(X軸,Y軸)
の測長装置を構成してもよい。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、一般に、レンズには球面収差が存在し、レ
ンズ中心部の像に対してレンズ周辺部の像が歪むことが
知られている。したがつて、顕微鏡10の視野内に入つた
像は視野の周辺部ではある程度歪をもつた像となる。そ
して、この像は歪をもつたままカメラ14に撮影され、こ
れが表示部16bに表示れることになる。それ故、第7図
(a)に示す電極パターン9p1の映像9p1′は、それが視
野の周縁近くに位置することから、可成りの歪をもつた
映像である。一方、第7図(b)に示す電極パターン9p
2の映像9p2′のエツジは視野の中心線Cに近いため、歪
みは少ないが、僅かながら歪みが存在するのを避けるこ
とはできない。この結果、確定されたエツジEは正確な
エツジとはならず、結局、測定に誤差を含み測定精度が
低下するという問題があつた。
さらに、顕微鏡10はその視野の中央部分と周辺部分と
では解像力に差があり、このため、両部分の輝度に差を
生じ、同一像であつてもそれが視野の中心部分にあると
きの輝度に比較して周辺部分にあるときの輝度は低下す
る。ところで、カメラ14は顕微鏡10の視野内に存在する
像をその輝度に比例した電気信号として画像処理部16a
に出力する。そして、画像処理部16aは、この電気信号
(電圧)をある電圧レベルと比較し、入力された電圧が
当該レベル以上にあるとき表示部16bにおける対応する
画素を発光させる処理を行なう。この場合、上記電圧レ
ベルは、光源の輝度の低下や周辺部からの反射光の入射
等を考慮して、入力電圧の最大値と最小値の1/2に設定
されるのが通常である。上記の処理を第8図(a),
(b),(c)により説明する。
第8図(a)は電極パターン9pの平面図、第8図
(b),(c)は画像処理部の入力信号の波形図であ
り、横軸に顕微鏡の視野内の距離、縦軸に入力信号の電
圧がとつてある。第8図(b)に示す波形は電極パター
ン9pが顕微鏡10の視野の中心部分にあるときの波形
(F1)を、又、第8図(c)は周辺部分にあるときの波
形(F2)を示す。一点鎖線で示す電圧レベルVS1は各電
圧波形F1,F2における最大値と最小値の1/2の電圧レベ
ルを示し、これが前記の設定レベルとなる。
今、第8図(b)に示すように電極パターン9pが視野
の中心部分にある場合、何等かの理由により輝度が低下
すると入力される電圧レベルも低下し、破線で示す波形
F1′に変化する。これにしたがって、設定レベルVS1
二点鎖線で示す設定レベルVS2に変化する。この結果、
表示部16bに表示される電極パターン9pのエツジ部分の
映像には微小な誤差Δl1を生じる。ただし、図で、この
誤差Δl1は理解を容易にするため誇張して描かれてお
り、実際には値Δl1はほぼ0である。
次に、第8図(c)に示すように電極パターン9pが視
野の周辺部分にある場合、上記のように輝度が低下する
と電圧波形は破線で示す波形F2′に変化し、設定レベル
も二点鎖線で示すレベルVS2に変化する。このため、上
記と同様に表示部16bに表示される電極パターン9pのエ
ツジ部分の映像に誤差Δl2を生じる。この誤差Δl2も誇
張して描かれているが、第8図(b)に示す誤差Δl1
比較して極度に大きな値(Δl2≫Δl1)となる。即ち、
電極パターン9pが視野の周辺部分にあると、僅かな輝度
の変化にしたがつてそのエツジ部分の映像に誤差Δl2
生じることになる。この結果、確定されたエツジEは上
記球面収差の場合と同様に正確さを欠き、測定精度が低
下するという問題があつた。
これらの問題について、モータ7を制御してテーブル
8を移動させ、電極パターン9pのエツジを顕微鏡10の視
野の中心に位置せしめることも考えられるが、モータ
7、これに連結された螺軸、および移動台6に設けられ
螺軸と螺合する螺子9より成る移動機構は反応速度が遅
く、かつ移動台6およびテーブル8の重量による慣性が
大きいので、エツジを視野の中心に位置づけようとする
とハンチングを生じ、当該位置づけはほとんど不可能で
ある。又、螺軸と螺子との間には微小のガタが存在し、
これも上記位置づけを不可能としている。さらに、仮に
手動等の他の手段でエツジを視野の中心に位置づけるこ
とができたとしても、それには相当時間を要する。そし
て、顕微鏡10の光源12には相当大きな出力の光源が使用
され、電極パターン9pはこの光源に照射されているの
で、上記位置合せに時間がかかると、電極パターン9pは
光源の輻射熱により膨脹し、位置合せが終了したときは
膨脹したエツジに位置合せをしたことになり、位置合せ
自体が無意味となる。又、仮に、電極パターン9pの熱膨
脹を考慮しなくても、位置合せに相当な時間を消費する
と、数千の電極パターン9pの測定には長時間を要すると
いう問題も生じることとなる。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、被
測長物の測長基準位置を顕微鏡の視野の中心部において
確定することができ、ひいては測定精度を向上させるこ
とができる測長装置を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明は、被測長物を載置
する台と、この台に対向し前記被測長物を視る顕微鏡
と、この顕微鏡の視野の像の測定基準位置を確定すると
ともにこの測定基準位置と前記顕微鏡の中心線との偏差
を演算する画像処理装置と、前記台を移動させる移動機
構と、前記台の移動距離を測定する測定手段とを備えた
測長装置において、平行たわみ梁変位機構で構成される
微動機構と、この微動機構を前記偏差だけ移動させこの
移動毎に前記測定基準位置の確定と前記偏差の算出を行
なわせる制御手段とを設けたことを特徴とする。
〔作用〕
被測定物を台に載置し、移動機構により被測長物を移
動させてこれを顕微鏡の視野内に入れ、その像を電気信
号に変換して画像処理装置に入力する。画像処理装置で
は入力された信号に基づき映像を作成するとともに測定
端となる測定基準位置を確定し、この測定基準位置と前
記視野の中心との間の偏差を求める。この偏差は微動機
構に出力され、微動機構は当該偏差分だけ変位する。こ
の変位終了後、制御手段の指令により画像処理装置は変
位した位置において再び測定基準位置の確定および偏差
の算出を行なう。算出された偏差は微動機構に入力され
その偏差だけ台を変位させる。この動作は、所定回数又
は偏差が0になるまで制御手段により繰返えされる。
〔実施例〕
以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
第1図は本発明の実施例に係る測長装置の系統図であ
る。図で、第6図に示す部分と同一部分には同一符号を
付して説明を省略する。Xは座標軸を示す。17′は第6
図に示す制御装置17に相当する制御装置である。18は移
動台6とテーブル8との間に設けられた微動機構であ
る。この微動機構18の構成は第2図により詳細に説明す
る。19は微動機構18の駆動を制御する微動コントローラ
である。
ここで、第1図に示す微動機構18の構成を説明する。
第2図は微動機構の斜視図である。図で、25は剛性の高
い部材より成る中心剛体部、26aは中心剛体部25からY
軸方向に張出した張出し部、26bは中心剛体部25から張
出し部26aと反対向きに張出した張出し部、27aは中心剛
体部25からX軸方向に張出した張出し部、27bは中心剛
体部25から張出し部27aと反対向きに張出した張出し部
である。28a,28bはそれぞれ張出し部26a,26bの端部下端
に設けられ移動台6に固定される固定部、29a,29bはそ
れぞれ張出し部27a,27bの端部上端に設けられテーブル
8を連結するテーブル連結部である。
張出し部26a,26b,27a,27b、固定部28a,28b、およびテ
ーブル連結部29a,29bはそれぞれ中心剛体部25と同じ部
材で構成され、中心剛体部25とともに1つのブロツクか
ら加工成形される。
26Fxa,26Fxbはそれぞれ張出し部26a,26bに構成された
平行たわみ梁変位機構(平行たわみ梁変位機構について
は後述する。)であり、互いに中心剛体部25に対して対
称的に構成されている。平行たわみ梁変位機構26Fxa,26
Fxbは共働してX軸方向の並進変位(中心剛体部25のX
軸方向の変位)を発生する。27Fya,27Fybはそれぞれ張
出し部27a,27bに構成された平行たわみ梁変位機構であ
り、互いに中心剛体部25に対して対称的に構成されてい
る。平行たわみ梁変位機構27Fya,27Fybは共働してY軸
方向の並進変位(中心剛体部25のY軸方向の変位)を発
生する。上記平行たわみ梁変位機構26Fxa,26Fxb,27Fya,
27Fybは各張出し部26a,26b,27a,27bの所定個所に所定の
貫通穴を形成することにより構成される。
平行たわみ梁変位機構27Fxaは、貫通孔30を形成する
ことにより構成される2つの互いに平行な平板状のたわ
み梁31、および貫通孔30内に中心剛体部25と張出部26a
から突出した突起間に装架された圧電アクチユエータ3
2、ならびにたわみ梁31の所定個所に貼着されたひずみ
ゲージGで構成される。他の平行たわみ梁変位機構26F
xb,27Fya,27Fybも同様な構成を有する。なお、平行たわ
み梁変位機構の構成および動作については、例えば特開
昭61-209846号公報に提示されている。
次に、この微動機構の動作を説明する。今、平行たわ
み梁変位機構26Fxa,26Fxbの各圧電アクチユエータ32に
等しい電圧を印加すると、その平行たわみ梁31が印加電
圧に応じて変形し、微動機構はX軸方向に並進変位す
る。この変位は中心剛体部25、平行たわみ梁変位機構27
Fya,27Fyb、および固定部29a,29bを介してテーブル8に
伝達され、テーブル8は同量だけX軸方向に並進変位す
る。同様に、平行たわみ梁変位機構27Fya,26Fybの圧電
アクチユエータに同一電圧を印加した場合、テーブル8
はY軸方向に並進変位する。なお、本実施例では用いな
いが、これら各平行たわみ梁変位機構を同時に駆動する
と、合成された並進変位を得ることができる。上記の変
位作動中、各ひずみゲージGはたわみ梁31のたわみを検
出することにより微動機構の実際の変位量を検出する。
したがつて、この検出された変位量に基づいてフイード
バツク制御を行なえば、微動機構の正確な変位を実施す
ることができる。
以上、微動機構18の構成および動作について説明し
た。次に、第1図に示す本実施例のX軸方向の測定動作
を第3図に示すフローチヤートを参照しながら説明す
る。まず、制御装置17′に予め定められている電極パタ
ーン9pの間隔lを設定するとともに、測定間隔の總数N
も設定し、又、制御装置17′のメモリの所定アドレスの
数値iを0とし、さらにリニアエンコーダをリセツトし
ておく(第3図に示す手順S1)。なお、上記数値iは測
定回数をカウントするための値である。次に、制御装置
17′は顕微鏡10のレボルバ(図示されていない)を駆動
せしめ、顕微鏡10の倍率を5倍にする(手順S2)。これ
により、最端部の電極パターン9の全体像を目視により
顕微鏡10の視野内に収めることができる。測定者は手動
で最端部の電極パターン9pを視野に捕捉し、焦点を合せ
る。制御装置17′はそのときのフオーカス位置を記憶す
る(手順S3)。この状態で、レボルバにより顕微鏡10の
倍率が5倍から200倍に切換えられ(手順S4)、さきに
記憶されたフオーカス位置に自動的に設定される(手順
S5)。これにより、顕微鏡10の視野内の像は、カメラ14
を介して画像処理部16aに電気信号として入力され、表
示部16bに第7図(a)に示すように表示される。
この状態において、制御装置17′は画像処理部16aに
対して、エツジを確定し、確定したエツジと視野の中心
との間の偏差を算出するように指令する(手順S6)。画
像処理部16aは前述した処理によりエツジ確定および偏
差演算を実行し、算出した偏差を制御装置17′へ出力す
る。制御装置17′は偏差が0であるか否か、即ち、確定
したエツジが視野の中心にあるか否かを判断する(手順
S7)。多くの場合、この偏差は0にはならない。もし偏
差が0であれば、処理は後述する手順S11に移行する。
制御装置17′は偏差が0でない場合、微動コントロー
ラ19に対して当該偏差を出力し、微動機構18を駆動する
(手順S8)。微動コントローラ19はフイードバツク制御
により所定の平行たわみ梁変位機構を前記偏差だけ正確
に変位させる。これによりテーブル8はその分だけ移動
し、さきに確定したエツジは視野の中心に一致する。と
ころで、さきに確定したエツジは視野の中心からずれた
位置において確定されたものであるので、前述のように
誤差が含まれていて正確なエツジとはなつていない。し
たがつて、制御装置17′は上記のようにエツジが視野の
中心に位置せしめられた状態で、再び画像処理部16aに
対してエツジの確定と偏差の算出を指令する(手順
S9)。画像処理部16aはこの指令に応じて再度視野の中
心でのエツジ確定処理を行ない(この確定されたエツジ
は、さきに確定されたエツジと異なる)、偏差を算出
し、これを制御装置17′に出力する。制御装置17′はこ
の偏差が0か否かを判断し(手順S10)、0でなければ
手順S8〜S10を繰返えす。この繰返えしにより、エツジ
は視野の中心のより近くで確定されてゆくこととなり、
最終的に確定されたエツジは視野の中心と一致する。
ここで、制御装置17′はリニアエンコーダ15のセンサ
15bの検出信号を読取る(手順S11)。この値をLとす
る。次に、制御装置17′は測定値演算(即ち、測長結果
の演算)を、上記読取られた値Lから前回読取られた値
L′を減算することにより算出する(手順S12)。な
お、この場合、顕微鏡10の視野内にあるのは最端部の電
極パターン9pであり測長を開始したばかりであるので、
値Lと値L′とは等しく、手順S12の演算結果は当然0
となる。次いで、手順S11で読取られた値Lは値L′と
して記憶される(手順S13)。次に制御装置17′はメモ
リの予め定められたアドレスに記憶された値iに1を加
算する(手順S14)。そして、値iが(N+1)になつ
たか否かを判断する(手順S14)。この場合、値iは
(N+1)ではないので、処理は手順S16へ移行する。
手順S16において、制御装置17′はモータ7を駆動し、
テーブル8を設定値lだけ駆動する。この駆動はセンサ
15bの出力値を読取り、フイードバツク制御を用いて行
なわれる。この結果、次の電極パターン9pが顕微鏡10の
視野内に移行することとなる。この電極パターン9pに対
して制御装置17′は再び手順S6〜S15の処理を繰返す。
上記の処理の結果、各電極パターン9pのエツジは視野
の中心において確定されるとともに、最終的に確定され
たエツジは常に視野の中心と一致することとなる。した
がつて、前回の最終エツジ確定から今回の最終エツジ確
定までの間のテーブル8の移動距離が隣接する電極パタ
ーン9pの間隔となり、これは手順S12の演算により求め
ることができる。手順S15で、値iが数(N+1)に等
しくなつたとき全測定が終了する。
なお、上記のようにX軸方向の測定のみを行なう場
合、微動機構も対称位置にある一組の平行たわみ梁変位
機構のみで構成してもよいのは明らかである。
このように、本実施例では、平行たわみ梁変位機構よ
り成る微動機構を操作して、視野の中心とエツジとが一
致するまで、視野の中心部で繰返してエツジ確定を行な
うようにしたので、レンズの球面収差や顕微鏡の中央部
と周辺部の解像力の差による誤差を生じることなく、正
確なエツジ確定を行なうことができ、ひいては精度の高
い測定を行なうことができる。又、圧電素子により駆動
される平行たわみ梁変位機構を用いたので、微動機構を
高速で作動させることができ、光源の熱の影響を受ける
ことは少なく、この点からも測定精度を向上させること
ができる。
第4図は本発明の他の実施例に係る測長装置の系統図
である。図で、第1図に示す部分と同一部分には同一符
号を付して説明を省略する。X,Yは座標軸を示す。本実
施例はX軸およびY軸方向の測定が可能な2軸の測長装
置である。5x,5yはそれぞれX軸、Y軸方向の移動機構
が備えられているステージであり、ステージ5Xはステー
ジ5Y上においてY軸方向に移動可能に設置されている。
7Xは移動台6をX軸方向に移動させるモータ、7Yは移動
台6をX軸方向に移動させるモータ、7Yはステージ5Xを
Y軸方向に移動させるモータである。17″は制御装置で
ある。この制御装置17″は第1図に示す制御装置17′が
1軸(X軸)に関してのみの制御装置であるのに対して
2軸(X軸,Y軸)に関しての制御装置である点で異なる
だけで基本的動作は両者同じである。
36はレーザヘツドであり、例えば2周波レーザヘツド
が用いられる。このレーザヘツドは僅かに異なる周波数
f1,f2のレーザ光を出力する。37はレーザヘツド36から
のレーザ光を直線方向およびこれと直角方向に分割する
ビームスプツタである。38X,38Yはレーザ光のうち周波
数f1のレーザ光のみを出力するインターフエーロメータ
である。39はテーブル8に固定されたL型ミラーであ
り、X軸方向の反射を行なう部分39XおよびY軸方向の
反射を行なう部分39Yを有する。40X,40YはそれぞれX
軸,Y軸のレシーバであり、インタフエロメータ38X,38Y
から送られてくるレーザ光の周波数に基づいて所定の信
号を出力する。41はパルスコンパレータであり、レーザ
ヘツド36からの信号とレシーバ40X,40Yからの信号とに
基づいてX軸方向およびY軸方向の変位量を演算し、こ
れを制御装置17″に出力する。レーザヘツド36、ビーム
スプリツタ37、インタフエロメータ38X,38Y、L型ミラ
ー39、レシーバ40X,40Y、およびパルスコンパレータ41
によりレーザ測長器が構成される。
本実施例の測長は、X軸,Y軸それぞれについてさきの
実施例の測長動作と同じ動作により行なわれるものであ
り、ただ、テーブル8の変位量の検出がリニアエンコー
ダ15の代わりにレーザ測長器で行なわれる点でのみ相違
する。したがつて、本実施例の動作の説明はレーザ測長
器のX軸の測定動作の概略を述べるに留める。
レーザヘツド36からの各レーザ光はビームスプリツタ
37により分割され、その一方がインタフエロメータ38X
に入力され、かつ、周波数f1のレーザ光のみミラー39の
部分39Xに照射される。この状態でテーブル8が変位す
ると照射されたレーザ光には、ドツプラ効果によりドツ
プラ変調が発生し、ミラー部分39Xから反射されるレー
ザ光の周波数は(f1±Δf1)となる。この反射レーザ光
はインタフエロメータ38Xを経て周波数f2のレーザ光と
ともにレシーバ40Xに入力され、レシーバ40Xでは、これ
ら2つのレーザ光の周波数に基づき{f2−(f1±Δ
f1)}の演算がなされ、これに応じた信号が出力され
る。一方、レーザヘツド36からは各レーザ光の周波数の
差に応じた信号(f2−f1)が出力され、レシーバ40Xの
信号とともにパルスコンパレータ41に入力される。パル
スコンパレータ41で両入力値に基づいて{(f2−f1)−
f2−(f1±Δf1)}の演算が実行され、この結果、信号
±Δf1がとり出される。この信号±Δf1はテーブル8の
変位に比例した信号であり、制御装置17″に入力されて
さきの実施例における手順P11における数値Lとして用
いられる。
このように、本実施例では、さきの実施例のリニアエ
ンコーダに代えてレーザ測長器を用いX軸およびY軸方
向の変位を測定するようにしたので、より精度の高い測
定が可能となり、又2軸測定の場合、原板を一旦取外し
た後取付ける手間と時間を省くことができる。
なお、上記各実施例の説明では、視野の中心における
エツジの確定は、偏差が0になるまで繰返す例について
説明したが、微動機構の1回の駆動でエツジがほぼ視野
の中心近くに移動することから、視野の中心におけるエ
ツジの確定は1回乃至数回の所定回数行なうようにする
こともできる。
又、上記各実施例の説明では、電極パターンの相互間
の間隔を測定する例について説明したが、これに限るこ
とはなく、他の種々の測長に適用することができる。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明では、平行たわみ梁変位機
構により被測長物の測長基準位置を顕微鏡視野の中心に
変位させてその確定を行なうようにしたので、レンズの
球面収差や顕微鏡の解像力に影響されることなく正確に
測長基準位置を確定することができ、これにより測定精
度を著るしく向上せしめることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る測長装置の系統図、第2
図は第1図に示す微動機構の斜視図、第3図は第1図に
示す装置の動作を説明するフローチヤート、第4図は本
発明の他の実施例に係る測長装置の系統図、第5図は液
晶表示装置の電極の配置図、第6図は従来の測長装置の
系統図、第7図(a),(b)は画像処理装置の表示部
の表示を示す図、第8図(a),(b),(c)は電極
パターンおよびその信号波形図である。 5X,5Y……ステージ、6……台、7X,7Y……モータ、8…
…テーブル、9……原板、9p……電極パターン、10……
顕微鏡、14……カメラ、15X,15Y……リニアエンコー
ダ、16……画像処理装置、17′,17″……制御装置、18
……微動機構、19……微動コントローラ、36……レーザ
ヘツド、38X,38Y……インタフエロメータ、39……L型
ミラー、40X,40Y……レシーバ、41……パルスコンパレ
ータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村山 健 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 星野 ▲吉▼弘 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (56)参考文献 特開 昭61−129506(JP,A) 特開 昭57−95056(JP,A) 特開 昭53−16656(JP,A) 特開 平1−156606(JP,A) 特開 昭61−209846(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測長物を載置する台と、この台に対向し
    前記被測長物を視る顕微鏡と、この顕微鏡の視野の像の
    測定基準位置を確定するとともにこの測定基準位置と前
    記顕微鏡の中心線との偏差を演算する画像処理装置と、
    前記台を移動させる移動機構と、前記台の移動距離を測
    定する測定手段とを備えた測長装置において、平行たわ
    み梁変位機構で構成される微動機構と、この微動機構を
    前記偏差だけ移動させこの移動毎に前記測定基準位置の
    確定と前記偏差の算出を行なわせる制御手段とを設けた
    ことを特徴とする測長装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第(1)項において、前記
    測定手段は、リニアエンコーダであることを特徴とする
    測長装置。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第(1)項において、前記
    測定手段は、レーザ測長器であることを特徴とする測長
    装置。
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