JP2534273Y2 - バックホー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、バックホー装置を連結
した旋回台の旋回中心位置の運転部ステップの下方にロ
ータリージョイントを配設してあるバックホーに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】上記バックホーにおいて、従来では、機
体の運搬時等において機体をクレーン等で吊り上げ支持
する際には、機体重心位置を中心として、３箇所に吊り
上げ用フックを形成して、これらにクレーンフックを引
っ掛けて吊り上げるよう構成するのが一般的であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記従来構
造によるときは、機体の複数箇所に吊り上げ用フック部
材を設ける必要があって、組付け工数が大になり、又、
部品点数が多くなり構造が複雑化する欠点があった。本
考案は、合理的改良により、構造の簡素化を図ることが
できるものでありながら、機体を吊り上げ支持が可能な
バックホーを提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案の特徴構成は、冒
頭に記載したバックホーにおいて、前記運転部ステップ
を左右２分割構成とし、その分割ステップ部の左右中間
部を、前記ロータリージョイントの上方を跨ぐ状態で旋
回フレームから延設したステップ取付け台に取付け固定
するとともに、このステップ取付け台に機体吊上げ用フ
ックを連結してある点にある。

【０００５】

【作用】機体重心位置が設定されている旋回台の旋回中
心に近い位置において、旋回フレームから延設したステ
ップ取付け台に機体吊り上げ用フックを設けるので、こ
のフックを吊り上げることで、機体のバランスを崩すこ
となく機体を吊り上げ支持することができる。しかも、
このステップ取付け台に支持される運転部ステップは左
右２分割してあるので、前記フックを機体支持のために
前記ステップ取付け台に強固に連結した場合であって
も、フックを避けた状態で取付け連結することができ、
メンテナンス時には、フックを取り外すことなく運転部
ステップを取り外すことが可能となる。又、旋回台の旋
回作動を許容しながら、旋回台上の油圧駆動源から油圧
式走行駆動装置等に圧油供給するために旋回中心位置に
設けられるロータリージョイントの上方を跨ぐ状態で前
記ステップ取付け台が設けられるので、フックの近傍に
空隙が生じても、前記ステップ取付け台がロータリージ
ョイントに対する土等の降りかかりを有効に防止でき
る。

【０００６】

【考案の効果】従って、機体吊り上げ用フックを合理的
に改良することで、一箇所で機体を吊り上げることがで
きるとともに、フック取付け用の部材がロータリージョ
イントに対する土等の落下侵入防止部材及び運転部ステ
ップの取付け台に兼用でき、部材の共用化により構造が
簡素化できるものとなった。

【０００７】

【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図３
にバックホーを示している。このバックホーは、油圧駆
動式クローラ走行装置ＣＲを備えた走行機台１の上方に
縦軸芯Ｙ１周りで全旋回自在に旋回台２を搭載するとと
もに、この旋回台２に一端部に油圧駆動型のバックホー
装置３を縦軸芯Ｙ２周りで揺動格納自在に連結し、旋回
台２のバックホー装置３と反対側部位に原動部４を配設
し、この原動部４はボンネット５により覆ってある。原
動部４とバックホー装置３との間には、操縦部ポスト６
を立設し、前記ボンネット５の上部面に運転座席７を載
置支持してある。

【０００８】前記旋回台２は、走行機台１に対して前記
軸芯Ｙ１周りで旋回自在に支持される旋回フレーム８に
運転部ステップ９を取付けるとともに、バックホー装置
３と反対側部位に運転部ステップ９とほぼ同一レベルに
カバー兼用の重量バランス調整用バランスウエイト１０
を取付けて構成してある。旋回フレーム８の旋回中心位
置には、旋回作動を許容しながら原動部４内に設けられ
る油圧ポンプ（図示せず）からの圧油を前記操縦部ポス
ト６のポストフレーム６ａ内に設けた油圧制御弁ブロッ
クＶを介してクローラ走行装置ＣＲの走行用油圧モータ
Ｍに供給するためのロータリージョイント１１を配設し
てある。

【０００９】前記運転部ステップ９は、操縦部ポスト６
のポストカバー６ｂ及び開閉式ボンネット５の下方に連
なる下方側原動部カバー部分１６と共に一体成形した合
成樹脂材から成り、左右に２分割して夫々旋回フレーム
８に取付け支持してある。ステップ左右中央部の分割部
分は旋回中心に近い位置になるため、図１、図２に示す
ように、分割ステップ部９ａ，９ｂの左右中間部を、ロ
ータリージョイント１１を跨ぐ状態で旋回フレーム８か
ら立ち上げ延設したステップ取付け台１２に取付け固定
してある。又、前記ステップ取付け台１２の左右中央上
部には機体吊り上げ用フック１３をステップ面９ａから
上方に突出する状態で固定取付けしてある。前記ステッ
プ取付け台１２はロータリージョイント１１の上方を跨
ぐ状態に設けられるので、バックホー作業に伴って土砂
等がロータリージョイント１１に降りかかるのを防止す
る土避け部材に兼用するものとなる。又、ロータリージ
ョイント１１のメンテナンス等のために運転部ステップ
９を取り外す場合には、前記フック１３を取り外す必要
がなくフック１３を強固にステップ取付け台１２に連結
固定することができる。前記ステップ取付け台１２から
延設したブラケット１４には、開閉自在なボンネット５
の閉じ位置でのロック用係止部材１５を取付けてある。

【００１０】前記運転部ステップ９は合成樹脂材で操縦
部ポストカバー６ｂ等と一体成形するものに限らず、金
属製のもので単独でステップ部を構成するものでもよ
い。

【００１１】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を容易にするために符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】フック取付部の縦断正面図

【図２】フック取付部の平面図

【図３】バックホーの全体側面図

【符号の説明】

２ 旋回台 ３ バックホー装置 ８ 旋回フレーム ９ 運転部ステップ ９ａ，９ｂ 分割ステップ部 １１ ロータリージョイント １２ ステップ取付け台 １３ 機体吊上げ用フック

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バックホー装置（３）を連結した旋回台
   （２）の旋回中心位置の運転部ステップ（９）の下方に
   ロータリージョイント（１１）を配設してあるバックホ
   ーであって、前記運転部ステップ（９）を左右２分割構
   成とし、その分割ステップ部（９ａ），（９ｂ）の左右
   中間部を、前記ロータリージョイント（１１）の上方を
   跨ぐ状態で旋回フレーム（８）から延設したステップ取
   付け台（１２）に取付け固定するとともに、このステッ
   プ取付け台（１２）に機体吊上げ用フック（１３）を連
   結してあるバックホー。