JP2532854B2 - 調理器 - Google Patents

調理器

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JP2532854B2
JP2532854B2 JP61294937A JP29493786A JP2532854B2 JP 2532854 B2 JP2532854 B2 JP 2532854B2 JP 61294937 A JP61294937 A JP 61294937A JP 29493786 A JP29493786 A JP 29493786A JP 2532854 B2 JP2532854 B2 JP 2532854B2
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fluororesin
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康雄 大門
達夫 西林
崇 伴
悦二 佐藤
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OOSAKA JUKI KAGAKU KOGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は鍋、フライパン等の調理器表面に弗素樹脂微
粒子を含有するシリカ微粒子充填熱硬化性オルガノポリ
シロキサンをコーティングすることにより、優れた耐熱
性、非粘着性及び耐擦傷性等の表面特性を有する調理器
に関する。
[従来の技術及び問題点] 弗素樹脂の非粘着性という特性を生かして鍋、フライ
パン等の調理器表面に弗素樹脂加工が施されていること
は周知のことである。しかし、調理器への弗素樹脂加工
には次に述べるような問題点がある。
先ず、弗素樹脂の加工工程における作業性が悪いとい
う点が挙げられる。すなわち、鉄やアルミニウム等金属
基材への弗素樹脂の密着性を上げること、弗素樹脂被膜
のピンホールからの腐食を防止すること、及び弗素樹脂
被膜の耐摩耗性、耐擦傷性を向上させること等の目的で
通常前処理としてプライマー処理、セラミックス溶射、
アルミニウム溶射及び琺瑯加工等が必要であること、
又、弗素樹脂の被膜形成に約400℃という高温を必要と
し、多大のエネルギーを消費していること等が挙げられ
る。次に調理器の表面に形成された弗素樹脂被膜の性能
面では、被膜の硬度が低く、傷が付きやすいという問題
点がある。被膜が傷付きやすいということは、調理器の
美観や焦げ付きにくいという非粘着性の表面特性を損う
ものであるとともに、その傷からサビの発生しやすい鉄
等の基材で構成された調理器への弗素樹脂加工を困難に
している。
[問題点を解決するための手段] 本発明の目的は上記した調理器表面への弗素樹脂加工
における問題点を解消し、耐熱性、非粘着性及び耐擦傷
性等の優れた表面特性を有する調理器を提供することに
ある。
すなわち、本発明は(A)弗素樹脂微粒子を(B)シ
リカ微粒子、オルガノアルコキシシランの部分加水分解
縮合物及び溶媒から成るビヒクルに分散混合して成る被
覆組成物をコーティングしたことを特徴とする調理器に
関する。
さら本発明を詳細に説明すれば次のようである。先ず
本発明で調理器にコーティングされる弗素樹脂微粒子を
含有するシリカ微粒子充填熱硬化性オルガノポリシロキ
サン被覆組成物は次のように調製される。つまり、シリ
カ微粒子分散液中でオルガノアルコキシシランを加水分
解するか、オルガノアルコキシシランの加水分解物にシ
リカ微粒子を添加することにより得られるビヒクルに弗
素樹脂微粒子を分散混合することにより調製される。
ビヒクルはシリカ微粒子とオルガノアルコキシシラン
の加水分解で生成するオルガノアルコキシシランの部分
加水分解縮合物とから成る固形分と溶媒から成り、その
固形分は10〜50重量%であることが好ましい。又、固形
分の組成は30〜70重量%のオルガノアルコキシシランの
部分加水分解縮合物と30〜70重量%のシリカ微粒子であ
ることが好ましい。シリカ微粒子が30重量%未満では耐
熱性のある被膜が得られないし、70重量%を超えると塗
膜性が悪くなる。本発明のオルガノアルコキシシランと
して下記のトリアルコキシシランが好ましい。
R1Si(OR2 (式中R1は炭素原子数1〜3個のアルキル基、ビニル
基、フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル
基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリルオキ
シプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−クロロ
プロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基から成る
群より選ばれた基を表わし、R2は炭素原子数1〜3個の
アルキル基またはアリール基を表わす。) このうちメチルトリアルコキシシランが最も好ましい
が、他のオルガノアルコキシシランを混合しても良い。
又、溶剤としては、低級脂肪族アルコール及びグリコー
ル誘導体から成る群より選ばれた少なくとも1種が使用
できる。
本発明の弗素樹脂微粒子としては、四弗化エチレン樹
脂、四弗化エチレン−六弗化プロピレン共重合体等の四
弗化エチレンの共重合体類、弗化ビニリデン樹脂、三弗
化塩化エチレン樹脂及び変性弗素樹脂等が使用できる
が、四弗化エチレン樹脂が好ましい。弗素樹脂微粒子の
平均粒径は0.1〜20μmが好ましく、さらに好ましくは
0.1〜5μである。このような弗素樹脂微粒子として
は、市販の弗素樹脂微粉末及び弗素樹脂ディスパージョ
ン等が使用できる。又、弗素樹脂微粒子のビヒクルへの
添加量はビヒクルの固形分100重量部に5〜500重量部が
好ましい。5重量部未満では非粘着性のある被膜が得ら
れないし、500重量部を越えると塗膜性が悪くなる。弗
素樹脂微粒子のビヒクルへの分散法はミル分散等通常の
方法が採用できる。尚、分散時に適当な分散剤を添加し
てもよい。又、被覆組成物のpHは保存安定性の問題から
3〜6が好ましい。
(B)成分のシリカ微粒子の平均粒径は5〜150μm
であることが好ましく、更に好ましくは5〜30mμであ
る。このようなシリカ微粒子としては、高分子量無水ケ
イ酸を水及び/又はアルコールなどの有機溶媒に分散さ
せたコロイド状シリカ分散液が好ましいが、精製四塩化
ケイ素の燃焼によって製造される親水性又は疎水性の乾
燥粉末や分散性を改良する目的で表面を各種有機物等で
処理又は被覆したシリカ微粒子、さらにテトラアルコキ
シシラン類の加水分解生成物等もこれに含めることがで
きる。
(B)成分のオルガノアルコキシシランの部分加水分
解縮合物は純水又は無機酸、有機酸等の酸性水溶液又は
コロイド状シリカ分散液を添加、撹拌することにより生
成する。オルガノアルコキシシランは被膜の耐熱性、硬
度及び経済性からメチルトリアルコキシシランが最も好
ましいが、他のオルガノアルコキシシランを少量混合し
てもよい。
本発明に使用する被覆組成物はさらに必要に応じて平
滑剤、増粘剤及び消泡剤等の添加剤や顔料及び染料等の
着色剤等を添加することが可能である。特に着色顔料、
体質顔料及びセラミックス微粉末等の無機物を添加する
ことは硬く、傷が付きにくい被膜を有する調理器を得る
のに有効である。
次に上記の被覆組成物を調理器にコーティングする方
法について述べる。先ず被覆組成物を予め脱脂された調
理器の内面又は内外面にスプレー塗装、ディッピング、
流し塗り等の通常の方法で塗装する。膜厚は2〜60μが
好ましく、さらに好ましくは5〜30μである。次いで10
0〜180℃で10〜30分間加熱することにより、調理器基材
との密着性の優れた、弗素樹脂微粒子を含有するシリカ
微粒子充填架橋ポリシロキサン被膜が得られる。
本発明の調理器の基材としては、鉄、アルミニウム、
ステンレス、銅及びしんちゅう等の金属材料やガラス、
磁器、陶器及びセラミックス等の無機材料等が採用でき
る。本発明で使用する被覆組成物はこれらの基材との密
着性が極めて良好であり、弗素樹脂加工で必要としたプ
ライマー処理等の前処理は不要である。但し、適当な前
処理を行なうことを制限するものではない。
[発明の効果] 下記に示す実施例から明らかなように、本発明の非粘
着性という弗素樹脂の特性を有する調理器は、これまで
の弗素樹脂加工で必要としたプライマー処理等の前処理
なしで得られること、さらに弗素樹脂加工においては被
膜形成は約400℃という高温を必要としたのに対して、
本発明では100〜180℃と低温でよいこと等から、調理器
の表面加工において弗素樹脂加工に比べて作業性が改善
されたとともに、省エネルギー、省コストとなった。
又、本発明の調理器は、弗素樹脂加工で問題になった傷
付きやすいという欠点の改善された、所謂耐擦傷性を有
している。このように本発明は、これまでの弗素樹脂加
工が施された調理器に比べて表面の加工面及び性能面に
おいて優れた調理器を提供することができる。
[実施例] 本発明の実際を一層具体的に理解できるようにするた
めに、以下に例示として実施例を示す。尚、以下の実施
例は特許請求の範囲に記載した本発明を制限するもので
はない。
実施例 <被覆組成物の調製1> 酸性の水性コロイド状シリカ分散液500g(平均粒径10
〜20mμ,固形分20%)とメタノール性コロイド状シリ
カ分散液666g(平均粒径10〜20mμ,固形分30%)を混
合したのち、メチルトリメトキシシラン290gを加え、室
温下約5時間撹拌して加水分解を完了させた。得られた
生成物にイソプロピルアルコールを添加して固形分20
%,pH5のビヒクルNO.1を得た。次にビヒクルNO.1 1000g
に四弗化エチレン樹脂微粉末200g(平均粒径5μ)を加
え、ボールミルにて充分に分散混合して被覆組成物NO.1
を得た。
<被覆組成物の調製2> 被覆組成物の調製1で得たビヒクルNO.1 1000gに四弗
化エチレン樹脂微粉末100g(平均粒径5μ)と酸化チタ
ン300gを加え、ボールミルにて充分に分散混合して被覆
組成物NO.2を得た。
<調理器の表面コーティング法> 鉄製の鍋の内外両面をオルソ硅酸ソーダ水溶液に20分
間浸漬して脱脂し、その後水洗、乾燥して素地調整を終
えた。次に脱脂された鍋の内外両面に被覆組成物NO.1又
はNO.2をスプレー塗装し、約160℃で20分間加熱し、約2
0μの被膜を有する鍋NO.1及びNO.2を得た。
<評価方法> (1)密着性 被膜上に1mm幅のクロスカット100目を作り、クロスカ
ット面にセロハン粘着テープを貼りつけ、これを被膜に
対して直角方向に強く引っ張り、被膜の剥離状態を観察
し、被膜の残り数/100で表示した。
(2)表面硬度 鉛筆引っかき試験により、鉛筆のしんの硬さを変えた
時の被膜の破れで調べた。
(3)耐擦傷性 スチールウールで被膜をこすり、傷の付き具合を観察
した。
(4)非粘着性 表面コートした鍋を300℃,48時間加熱後と加熱前の被
膜について、それぞれ下記の評価を行なった。
水に対する接触角 コートした鍋を切断して試験片とし、被膜上の水滴の
接触角を接触角測定装置にて測定した。
汚れ落ち性 表面コートした鍋の内側に醤油及びソースを適量入
れ、300℃で1時間加熱した後、汚れを布で拭き取るこ
とにより汚れ落ち性を観察した。
(5)耐熱性 表面コートした鍋を200℃,300℃の条件で放置し、100
0時間の被膜の外観変化を観察した。
(6)耐熱衝撃性 表面コートした鍋を300℃,24時間放置後、20℃の水に
投入することを1サイクルとして、10サイクル後の被膜
の外観変化を観察した。
(7)耐水性 表面コートした鍋を水道水に2000時間浸漬後の被膜の
外観変化を観察した。
(8)耐沸騰水性 表面コートした鍋に8分目まで水道水を入れ、150℃
にセットしたホットプレート上で水を沸騰させた。蒸発
した水を補うために定期的に水道水を追加した。水の沸
騰を1000時間継続した後、被膜の外観変化を観察した。
(9)耐薬品性 表面コートした鍋に5%食塩水、5%の酢酸及び5%
炭酸ソーダの水溶液を適量入れ、室温で24時間放置後水
洗して被膜の外観変化を観察した。
(10)耐湿性 表面コートした鍋を温度50℃,湿度98%の耐湿試験機
の中に2000時間放置後の被膜の外観変化を観察した。
(11)耐油性 表面コートした鍋に天プラ油、サラダ油を適量入れ、
室温で100時間放置後、油を布で拭き取った後の被膜の
外観変化を観察した。
実施例の評価結果は第1表に示す通りである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−152573(JP,A) 特開 昭59−75960(JP,A) 特公 昭38−21465(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)弗素樹脂微粒子を(B)シリカ微粒
    子、オルガノアルコキシシランの部分加水分解縮合物及
    び溶媒から成るビヒクルに分散混合して成る被覆組成物
    をコーティングしたことを特徴とする調理器。
JP61294937A 1986-12-12 1986-12-12 調理器 Expired - Lifetime JP2532854B2 (ja)

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JPS63147423A JPS63147423A (ja) 1988-06-20
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5975960A (ja) * 1982-10-25 1984-04-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd 選択吸収用塗料組成物
JPS60152573A (ja) * 1984-01-23 1985-08-10 Kansai Paint Co Ltd 熱硬化性塗料

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