JP2532768Y2

JP2532768Y2 - 洗濯機

Info

Publication number: JP2532768Y2
Application number: JP1990019069U
Authority: JP
Inventors: 宇一郎沢辺
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1990-02-26
Filing date: 1990-02-26
Publication date: 1997-04-16
Anticipated expiration: 2005-02-26
Also published as: JPH03111280U

Description

【考案の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉本考案は、脱水時の脱水槽の異常振動を検知する機能
を有する全自動洗濯機に関する。

〈従来技術〉従来の全自動洗濯機は、第７図の如く、洗濯機本体１
に支持杆２により吊支された水槽３と、該水槽３に内装
された脱水槽４とを備え、該脱水槽４の底部にパルセー
タ５が回転自在に内装支持され、脱水槽４の下面に回転
軸６が水槽３を貫通して固定されている。

水槽３の下面にモータ７が固定され、該モータ７のモ
ータプーリ８と、回転軸６の下端に固定されたベルトプ
ーリ９との間にベルト10が掛巻されている。前記回転軸
６は、前記パルセータ５に固定された内軸11が回転自在
に内嵌された二重軸構造とされ、クラツチおよびブレー
キ12を有している。

そして、脱水時の脱水槽４の異常振動を検知する振動
検出装置13は、水槽３の上方に配された検知棒14と、該
検知棒13に水槽３が衝突して移動することによりオンオ
フされる検知スイツチ15とからなり、該検知スイツチ15
からの出力により脱水動作を停止させる制御装置（図示
せず）が設けられている。

被洗濯物の洗濯、すすぎ工程が終了して脱水工程に入
ると、脱水槽４がモータ７により回転軸６を介して回転
され、脱水が行なわれる。このとき、被洗濯物が脱水槽
４の中心からずれて片寄るとアンバランスとなり、脱水
槽４が揺れ出し、水槽３にも振動が伝わつて揺れてく
る。そして、揺れが大きくなると、水槽３が検知棒14に
接触して、検知スイツチ15がオフとなり、制御装置によ
りモータ７の駆動が停止されるとともに、回転軸６にブ
レーキ12がかけられ、緊急停止される。

〈考案が解決しようとする課題〉しかしながら、振動検出装置13は、定位置に配設され
ているので、洗濯機を設計した時点で水槽３の揺れの範
囲が限定されることになり、正常な脱水と異常振動との
境界点が自ずと決まつてしまう。

被洗濯物の量によつて水槽３の振幅は変わるので、例
えば被洗濯物が少ないときは水槽３の振幅も小さくな
り、被洗濯物がアンバランスになつても検知棒14に触れ
ないため、異常振動を検知することができない。そのた
め、アンバランスのまま回転が続けられ、洗濯機の故障
の原因となる。

本考案は、上記に鑑み、被洗濯物の量に応じて異常振
動のしきい値を設定することにより、きめ細かい振動制
御を行なつて振動を低減させることができる洗濯機の提
供を目的とする。

〈課題を解決するための手段〉本考案による課題解決手段は、第１図〜第３図の如
く、洗濯機本体１に支持杆２により吊支された水槽３
と、該水槽３に内装された脱水槽４と、該脱水槽４を回
転駆動するモータ７とを備えた洗濯機において、脱水時
の脱水槽４の振動を検出する振動検出器30と、該振動検
出器30からの出力が異常振動しきい値Ｖを超えたとき前
記モータ７を一旦停止させてアンバランス修正を行なう
制御装置31とが設けられ、該制御装置31は、被洗濯物の
量を検出する容量検出手段32と、該容量検出手段32から
の被洗濯物の容量信号に基づいて前記しきい値Ｖを可変
とする異常振動しきい値可変手段33とを有せしめられた
ものである。

〈作用〉上記課題解決手段において、脱水工程が開始される
と、制御装置31は、水槽３内の水を排出した後、モータ
７を駆動して、脱水槽４を回転させることにより脱水動
作を行なう。

このとき、容量検出手段32により被洗濯物の布量を判
定する。容量検出手段32の判定結果に基づいて、異常振
動しきい値可変手段33は布量に応じた異常振動しきい値
Ｖを設定する。

一方、脱水動作中、水槽３は振動しており、この振動
を振動検出器30で検出する。そして、制御装置31では、
振動検出器30からの入力信号を被洗濯物の布量に応じた
異常振動しきい値Ｖと比較して異常振動かどうか判定す
る。

振動検出器30からの入力信号が被洗濯物の布量に応じ
て設定されたしきい値Ｖより小さいときは、水槽３の振
動が小さいので正常な脱水と判定され、このまま通常の
脱水動作が続行される。逆に、入力信号がしきい値Ｖよ
り大きいときは、異常振動と判定され、被洗濯物がアン
バランス状態にある。

このとき、制御装置31は、モータ７を停止して水槽４
を停止させる。そして、被洗濯物の片寄りを矯正してア
ンバランス状態を解消してから、モータ７を駆動して脱
水槽４を回転させて脱水動作を行なう。

したがつて、被洗濯物の布量によつてアンバランスの
状態は変わるが、異常振動しきい値を可変することがで
きるので、それぞれの洗濯条件に適した異常振動しきい
値を設定でき、異常振動に対するきめ細かい制御をする
ことにより振動の低減を図ることができる。

また、深夜に洗濯機を使用する場合においても、異常
振動しきい値をより小さくすることにより振動の少ない
脱水をすることも可能となる。

〈実施例〉以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案の一実施例を示す洗濯機の制御ブロツ
ク図、第２図は同じく洗濯機の断面図、第３図は同じく
振動検出器の制御回路図、第４図は振動検出器の出力波
形図、第５図は制御装置への入力波形図、第６図は脱水
工程のフローチヤートである。なお、従来と同じ構成部
品には同一符号を付す。

まず、本実施例に係る全自動洗濯機の概略構造を第２
図に基いて説明する。これは、洗濯機本体１が上面開放
の箱形に形成され、その底板1aに振動緩衝用合成ゴム製
の脚20が取付けられ、洗濯機本体１の上部の上面板1bの
後部に操作用のスイツチや表示部等を有する操作部21が
配されている。また、前記上面板1bの中央に設けられる
円孔には蓋が内嵌する。

洗濯機本体１の内部には、四隅を支持杆２およびコイ
ルばね2aにより弾性支持された上面開放の水槽３が内装
され、該水槽３に多数の水抜き孔4aを有する脱水槽４が
内装される。そして、脱水槽４の底部にパルセータ５が
内軸11を介して回転自在に支持され、脱水槽４の下面に
取付けられた回転軸６の下端には水槽３を貫通してベル
トプーリ９が固定される。前記回転軸６は、内軸11を回
転自在に内嵌した二重軸構造とされ、両者はクラツチに
より互いに切換自在に連結される。

また、水槽３の下面にはモータ７が固定され、該モー
タ７のモータ軸7aに取付けられたモータプーリ８と前記
ベルトプーリ９との間にベルト10が掛巻される。

そして、前記回転軸６および回転軸６に取付けられた
ブレーキ12は、水槽３の下面に固定されたハウジング22
に内装される。

前記水槽３は、その底部に排水路23が形成され、また
水槽３の上部にすすぎ水用の排水路24が形成され、両排
水路23,24の分岐部にソレノイド等により開閉する排水
弁25が介設される。

洗濯機本体１の上部には、水道の蛇口等に連結される
給水路26が形成され、該給水路26にソレノイド等により
開閉する給水弁27が介設される。

前記モータ７は、正逆転可能なもので、例えば交流式
の場合は端子を切換えることによりその回転方向を変え
ることができるコンデンサラン型のものが使用される。
なお、直流式の場合は、流れる電流の方向を切換えるこ
とにより正転、逆転可能となる。

そして、本実施例の洗濯機は、第1,2図の如く、脱水
時の脱水槽４の振動を検出する振動検出器30と、該振動
検出器30からの出力が異常振動しきい値Ｖを超えたとき
前記モータ７を停止させる制御装置31とが設けられ、該
制御装置31は、被洗濯物の量を検出する容量検出手段32
と、該容量検出手段32からの被洗濯物の容量信号に基づ
いて前記しきい値Ｖを可変とする異常振動しきい値可変
手段33とを有せしめられたものである。

前記振動検出器30は、互いに対角線上の位置にある前
記支持杆２にそれぞれ取付けられた歪センサからなり、
支持杆２の伸縮によつてその抵抗値が変化する。そし
て、各振動検出器30a,30bからの出力電圧のうち交流分
を増幅して整流平滑化するための制御回路は、第３図の
如く、コンデンサ34、増幅器35、ダイオード36、平滑用
コンデンサ37、抵抗38から構成され、前記制御装置31の
AD変換器に接続されている。

なお、支持杆２は温度によつて伸縮するので、振動検
出器30の歪センサの抵抗値も変化するが、交流増幅して
いるので、制御装置31への入力電圧は変化しない。

また、被洗濯物の布量を検出するための容量検出器39
が、水槽３の下方に配設されており、容量検出器39は、
ベルトプーリ９の下面に取付けられた磁石40と、該磁石
40に対向するよう水槽３に取付板41を介して取付けられ
たリードスイツチ42とからなる。

前記制御装置31は、一般的なマイクロコンピユータに
より構成され、給水工程、予備洗い工程、洗濯工程、す
すぎ工程、脱水工程を順次行なう機能を有している。

前記容量検出手段32は、被洗濯物の布量によつて、脱
水槽４の回転数が変化するので、モータ７を駆動して脱
水槽４が回転したときのベルトプーリ９の回転数を容量
検出器39により計数して、この検出結果を被洗濯物の布
量に応じた設定値と比較することで被洗濯物の布量を検
出するものである。

前記異常振動しきい値可変手段33は、容量検出手段32
の判定結果に基づいて異常振動しきい値Ｖを、被洗濯物
の布量が多いといはV1、中ぐらいのときはVm、少ないと
きはVs（V1＞Vm＞Vs）に設定する機能を有している。

また、制御装置31には、振動検出器30からの入力信号
VADと異常振動しきい値可変手段33により設定された異
常振動しきい値Ｖとを比較する振動検出手段43が有せし
められており、この比較結果に基づいて異常振動かどう
かを判定する。そして、振動検出手段43は、正常な脱水
による振動ならば、そのまま通常の脱水動作を進行さ
せ、アンバランスによる異常振動ならばモータ７および
排水弁25をオフにしてブレーキ12を作動させて脱水槽４
を停止させる機能と、その後給水弁27をオンしてモータ
７を駆動して被洗濯物の片寄りをなくしてから脱水工程
を行なうアンバランス修正機能とを有している。

上記構成において、脱水工程が開始されると、制御装
置31は、排水弁25を開き、水槽３内の水を排出した後、
モータ７を駆動して、脱水槽４を回転させることにより
脱水動作を行なう。

このとき、被洗濯物の布量によつて脱水槽４の回転数
が変化するため、容量検出手段32は、容量検出器39によ
り脱水槽４の回転数をベルトプーリ12を通じて計数し
て、この検出結果を被洗濯物の布量に応じて設定された
値と順次比較していくことで、被洗濯物の布量を判定す
る。容量検出手段32の判定結果に基づいて、異常振動し
きい値可変手段33は布量に応じた異常振動しきい値Ｖを
設定する。

一方、脱水動作中、水槽３は振動しているので、水槽
３を支持している支持杆２は伸縮する。それにつれて、
振動検出器30の歪センサの抵抗値が変化し、第３図中二
つの歪センサ30a,30b間の出力波形は第４図のようにな
る。第４図中、Ａは水槽３が静止している状態、Ｂは水
槽３がわずかに振動している状態、Ｃは水槽３が大きく
揺れている状態を示す。

この振動検出器30から得られた交流出力を増幅器35で
増幅して、ダイオード36とコンデンサ37とで整流平滑
し、直流に変換すると、抵抗38における電圧は、第５図
のようになる。なお、図中、A,B,Cは第４図のA,B,Cに対
応するものである。

そして、この直流電圧が制御装置31のAD変換器に入力
され、振動検出手段43により被洗濯物の布量に応じた異
常振動しきい値Ｖと比較されて異常振動かどうか判定さ
れる。

振動検出器30からの入力信号VADが被洗濯物の布量に
応じて設定されたしきい値Ｖより小さいときは、水槽３
の振動が小さいので正常な脱水と判定され、そのまま通
常の脱水動作が続行される。逆に、入力信号VADがしき
い値Ｖより大きいときは、異常振動と判定され、被洗濯
物がアンバランス状態にある。

このとき、制御装置31の振動検出手段43は、モータ７
を停止してブレーキ12を作動させて脱水槽４を停止させ
る。そして、排水弁25を閉じる。次に、給水弁27を開け
て水槽３に給水を行ない一定時間だけモータ７を駆動し
てパルセータ５を回転させ、被洗濯物の片寄りを矯正し
てアンバランス状態を解消する。そして、排水弁25を開
けて、モータ７を駆動して脱水槽４を回転させて脱水動
作を行なう。

したがつて、被洗濯物の布量、洗濯コース等によつて
アンバランスの状態は変わるが、異常振動しきい値を可
変することができるので、それぞれの洗濯条件に適した
異常振動しきい値を設定でき、異常振動に対するきめ細
かい制御をすることにより振動の低減を図ることができ
る。

なお、本考案は、上記実施例に限定されるものではな
く、本考案の範囲内で上記実施例に多くの修正および変
更を加え得ることは勿論である。

例えば、振動検出器30は歪センサに限らず振動量を検
出できるものであればよく、圧電素子を用いてもよい。

また、被洗濯物の容量検出手段32は、重量センサを用
いたものでもよい。

〈考案の効果〉以上の説明から明らかな通り、本考案によると、脱水
時の脱水槽の振動を検出する振動検出器と、該振動検出
器からの出力が異常振動しきい値を超えたとき前記モー
タを一旦停止させてアンバランス修正を行なう制御装置
とが設けられ、該制御装置は、被洗濯物の量を検出する
容量検出手段と、該容量検出手段からの被洗濯物の容量
信号に基づいて前記しきい値を可変とする異常振動しき
い値可変手段とを有せしめられており、被洗濯物の布量
によつてアンバランスの状態は変わるが、それに対応し
て異常振動しきい値を可変することができるので、それ
ぞれの洗濯条件に適した異常振動しきい値を設定でき、
異常振動に対するきめ細かい制御をすることにより振動
の低減を図ることができる。

また、深夜に洗濯機を使用する場合においても、異常
振動しきい値をより小さくすることにより振動の少ない
脱水をすることも可能となるといつた優れた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す洗濯機の制御ブロツク
図、第２図は同じく洗濯機の断面図、第３図は同じく振
動検出器の制御回路図、第４図は振動検出器の出力波形
図、第５図は制御装置への入力波形図、第６図は脱水工
程のフローチヤート、第７図は従来の洗濯機の断面図で
ある。 1:洗濯機本体、2:支持杆、3:水槽、4:脱水槽、7:モー
タ、30:振動検出器、31:制御装置、32:容量検出手段、3
3:異常振動しきい値可変手段。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】洗濯機本体に支持杆により吊支された水槽
と、該水槽に内装された脱水槽と、該脱水槽を回転駆動
するモータとを備えた洗濯機において、脱水時の脱水槽
の振動を検出する振動検出器と、該振動検出器からの出
力が異常振動しきい値を超えたとき前記モータを一旦停
止させてアンバランス修正を行なう制御装置とが設けら
れ、該制御装置は、被洗濯物の量を検出する容量検出手
段と、該容量検出手段からの被洗濯物の容量信号に基づ
いて前記しきい値を可変とする異常振動しきい値可変手
段とを有せしめられたことを特徴とする洗濯機。